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銀行など金融の業界におけるデジタルトランスフォーメーションの活用法3つ

2021.04.26

デジタル技術の導入や活用によって既存のビジネスを変革させる取り組み、「デジタルトランスフォーメーション」。

「DX」とも呼ばれるこの取り組みはさまざまな業界で推進されていますが、金融の業界は取り組みが他の業界よりも遅れている傾向にあります。

この記事では、金融の業界のデジタルトランスフォーメーションについて紹介していきます。

金融の業界が他の業界より遅れてしまっている理由と課題について触れながら、DXをどう活用していけるのかについて紹介していきます。

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銀行など金融の業界が抱える3つの課題

銀行など金融の業界が抱える3つの課題

まず初めに、銀行など金融の業界のデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが遅れてしまっている理由と、金融の業界が抱えている課題についてみていきましょう。

1. レガシーシステムへの依存

金融の業界のデジタルトランスフォーメーションが他の業界よりも遅れてしまっている大きな理由の一つが、レガシーシステムへの依存です。

レガシーシステムとは、時代の変化に追いつけていない古いシステムのことです。

デジタル技術は常に進化を続けていますが、その変化に追いつけておらず、拡張性や保守性の面で問題を抱えているのがレガシーシステムです。

金融の業界は、いち早くデジタル化に取り組んできた業界で、非常に高度なシステムが導入されています。

しかし、今ではそれらのシステムもレガシーシステム化しています。

金融の業界はレガシーシステムへの依存から抜け出せずにいる企業が多く、完全に脱却できている企業が0%なのは金融の業界だけというデータも。(参考:経済産業省「DXレポート」)

最近ではキャッシュレス決済などを開発しているテクノロジー企業が金融の業界にも進出してきているため、既存のビジネスモデルのままでは衰退していくしかありません。

そのため、レガシーシステムから脱却して、既存のビジネスモデルを一日でも早く変革させる必要があります。

2. 低所得化や人口減少による収益の減少

銀行などの金融機関はさまざまな方法で収益を得ていますが、その中でも特に大きな割合を占めているのが顧客から徴収する手数料です。

しかし、この手数料で収益をあげるビジネスモデルは限界を迎えていて、これまで無料なのが当たり前だった口座の維持に手数料を設ける銀行も出てきています。

アベノミクスなどの経済政策によって可処分所得(税金などをさし引いた手取り収入)は2000年代と同等にまで回復していますが、社会保険料の負担分の増加などによって、将来的には減少していく可能性が高いです。

つまり、将来的に顧客の低所得化が進むと予想されるわけです。

それによって今現在のサービス手数料ではシステムを維持するのが難しくなり、手数料を上げたり、新たに設けたりする必要があります。

また、地方では人口の減少が止まらず高齢化が進んでいますが、この影響で地方銀行の存続が危ぶまれる事態におちいっている現状があります。

銀行の収益の大半を占めているのは、事業に使用する資金の貸付やローンによって得られる利息などの「資金収益」や銀行のサービスを利用する際に発生する「手数料」での収益です。

人口が減少して高齢化が進み、銀行でお金を借りたり銀行のサービスを利用したりする人の数が減ってしまうとこれらの収益が激減してしまうため、銀行のサービスを存続するのが難しくなる可能性が出てきます。

3. クラウドを上手く活用しきれていない

これからもユーザーに使われるサービスを目指す場合、金融の業界の企業が避けて通れないのが「クラウドの活用」です。

ログイン情報とインターネットが使える端末さえあれば、場所や時間を選ばずにアクセスできるクラウド型のサービスはユーザーの利便性を高めるのに欠かせませんが、他の業界ほど活用しきれていないのが現状です。

また、先ほども解説したとおりレガシーシステムがいまだに現役で稼働していることもあって、社内のシステムにおけるクラウドの活用も進められていない企業がたくさんあります。

クラウド型のサービス・システムへの以降は、サービスの改善や拡張、コストの削減に欠かせない取り組みであるため、早急な対応が求められています。

銀行など金融の業界におけるデジタルトランスフォーメーションの活用法

銀行など金融の業界におけるデジタルトランスフォーメーションの活用法

さまざまな課題を抱えている金融の業界ですが、それらの課題を解決してくれる可能性を秘めているのが「デジタルトランスフォーメーション」です。

ここからは、金融の業界でどのように活用していけばいいのかについて解説していきます。

活用法1. クラウドを活用した新しいシステムの開発

銀行など金融の業界がデジタルトランスフォーメーションの活用を検討する場合、まず取り組みたいのがクラウドの活用です。

口座の管理をクラウドによってデジタルでおこなえるようにしたインターネットバンキングの導入は実施する必要があるでしょう。

また、銀行などの金融機関は平日の早い時間にしか店舗を利用できないという弱みがあるため、銀行でのさまざまな手続きや申込みをクラウドシステムを通してインターネット上で完結できる仕組みが必要です。

すでに取り組みを進めている企業もありますが、ユーザーに活用してもらえていない状態では意味がありません。

そのため、クラウドを活用したサービスを展開していることをユーザーに周知し、クラウド型のシステムの利用者を増やす取り組みも必要になります。

活用法2. RPAの活用による業務の効率化

収益性が下がることが懸念されている金融の業界では、RPAの活用が必要です。

RPAは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称で、簡単な作業やルーティーンワークを自動化する取り組みです。

既存のサービスの改善を図り、より利便性を高めるなどの取り組みが必要になりますが、現状の金融業界の場合、日々の業務に追われて人材を回す余力がない企業がほとんどです。

RPAへの取り組みを推進すれば、それらの業務の自動化によって既存の業務に割り振る人材と時間を削減できるようになり、ービスの改善や開発がおこなえます

新たに作ったサービスは、より多くのユーザーを獲得することと並行して、既存のユーザーに継続して利用してもらうことも大切です。

活用法3. データの活用による金融の高度化

取得したデータを活用してサービスの向上や高度化が図れるようになるのも、デジタルトランスフォーメーションの推進によって得られるメリットの一つです。

金融の業界の場合だと、融資業務へのデータの活用が代表的な事例としてあげられます。

例えば、ECサイトを運営している小売業の場合、取引データをAIを使って分析し、融資の判断に活用する方法があります。

この取り組みにより、企業側としては融資に関わる業務の簡素化が実現できるようになり、融資を受ける側にも、審査がスピーディーにおこなわれるメリットが得られます。

銀行など金融の業界でデジタルトランスフォーメーションに成功した事例2選

銀行など金融の業界でデジタルトランスフォーメーションに成功した事例2選

DXへの取り組みが遅れてしまっている金融の業界ですが、中には、推進して成果をあげている企業もあります。

ここからは、デジタルトランスフォーメーションの導入・活用に成功した金融の業界の事例を2つ紹介していきます。

事例1. 肥後銀行

デジタルトランスフォーメーションを有効的に活用し、ユーザービリティーを向上させたのが、熊本の地方銀行「肥後銀行」です。

肥後銀行では、銀行内で接客をおこなう従業員にタブレットを持たせ、口座開設や入金などの申し込み手続きを各自でおこなえるようにしました。

タブレットに入力したデータはそのままシステム上に反映されるようになっているため入力業務や登録業務が不要になり、業務の効率化が図れます。

また、利用する側も申し込み用紙に何度も情報を入力する必要がなくなったため、手続きが簡素化し、利便性が大幅に向上しました。

【参考】FUJISOFT Technical Report「できることから始める金融デジタル化 ~ 窓口業務の「ゼロ線化」に取り組む肥後銀行様

事例2. 三井住友銀行

AIの活用によって業務の効率化に成功したのが、メガバンクの「三井住友銀行」です。

三井住友銀行には年間3万件ものユーザーの声が寄せられていますが、これまでユーザーの声の分類や分析は10人の担当者がおこなっていました。

ただ、あまりにも量が膨大で作業が追いついていなかったため、NECが独自開発したAIを導入することに。

これにより、内容の分析・分類・データベースへの登録まで自動化できるようになりました。

今では、多くの意見を把握できるため、業務やサービスの品質向上に向けたPDCAサイクルをいち早く回せています。

【参考】NEC「株式会社三井住友銀行様

まとめ:銀行など金融の業界が抱える課題はデジタルトランスフォーメーションで解消できる

銀行など金融の業界が抱える課題はデジタルトランスフォーメーションで解消できる

レガシーシステムへの依存が強くなってしまっていることで、他の業界よりもデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが遅れてしまっている金融の業界。

その影響でビジネスを存続するのが難しい企業もあるほど、金融の業界の現状は深刻です。

しかし、

  • レガシーシステムへの依存が強い
  • 低所得化や人口減少による収益の減少
  • クラウドを上手く活用しきれていない

といった、金融の業界が抱える課題は、デジタルトランスフォーメーションによって解消できる可能性を秘めています。

レガシーシステムからの脱却はビジネスを変革させる大きな取り組みになるため、慎重になったり躊躇してしまったりしますが、これからの時代を生き残っていくためには避けて通れません。

金融の業界でのDXの推進には、今回紹介した3つの事例のように成功している企業もたくさんあるため、ぜひ前向きに検討してみてください。

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