リスキリングとは?DX時代に企業が求められる方法を詳しく解説
これからリスキリングを始める場合、多くの方が以下のような状態ではないでしょうか?
「何から始めたら良いかわからない」
「どのような新しい職業に自分が向いているかわからない」
リスキリングをするために、計画をみっちり立てること自体が難しいと思います。
リスキリングの計画を立てる前に、自分の現在の立ち位置を冷静に振り返り、情報収集を行い、方向性をおおまかに捉えることが大切です。
リスキリングが注目されている点とDX時代に企業が導入すべきポイントを紹介します。
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目次
リスキリングとは?
リスキリングとは、DX推進時代にあった会社の働き方であり、企業の従業員が新しい知識やスキルを身につけることです。
スキルを習得することで、既存の業務から少しずつ離れ、これまでと異なる別の業務や新たな事業創出に携っていくことが目標です。
リスキリングの国内外の現状
昨今、欧米諸国ではデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)などの社会変革の流れが加速しており、会社員がリスキリングに取り組む動きが広がっています。
一方日本では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX白書2021」によるとデジタル事業戦略上の変革を担う人材の量と質の確保について、「大幅に不足している」と「やや不足している」が日本企業は70%を超えています。
そのため日本企業の多くは、事業戦略に関する慢性的な人材不足である状態です。
引用:独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2021-日米比較調査にみるDXの戦略、人材、技術-」
さらに人材不足の早急な解消に向けて、日本政府や自治体では、補助金や助成金などの支援を通じた動きが広まり始めています。
デジタル事業戦略の変革に必要なことは、以下の3つです。
- DX推進を加速させるデジタル人材の育成
- AI普及による技術的失業への対応
- 海外と日本のデジタル戦略格差の縮小
リスキリングの助成金について深く知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:リスキリングに使える補助金はある?国も支援する制度を解説
企業がリスキリングを導入する方法
ここからは、企業でリスキリングを導入するための4つのステップを紹介していきます。
1. 業績や業務内容データを分析
企業の特徴や経営方針によって、内部で身につけるべきリスキリングスキルは異なります。
そのため会社の業績や事業内容などを社内データベースやAIを活用したデータなどの客観的なサポートも参考にするといいです。
経営戦略に連動した戦略を立てて、戦略を実現していくために必要となる人材像やスキルを明確にしましょう。
その人材がリスキリングを通じて何を習得すべきなのかを明確にする必要があります。
2. 具体的なプログラムや教材を準備
リスキリングを学習する方法として以下があります。
- 研修
- オンライン講座
- 社会人大学
- eラーニング
など挙がります。
もし自社内で用意できない場合は、自社のリスキリング戦略にマッチした内容に合わせて、外部講師や外部ベンダーの学習コンテンツなどを利用するとよいでしょう。
3. 業務バランスを配慮して、社員が取り組む
新しいスキルを身に着けるリスキリングには、通常業務と並行して実施していきますので、従業員にとっては少なからず負荷となります。
そのため、本人の取り組みたいという意思を確認し、尊重していくことが重要です。
また就業時間外の学習は、従業員のやる気が失われがちになるため、注意が必要です。
極力、就業時間中に学習する時間を設けましょう。
4. 習得したスキル・知識を実践していく
リスキリングは、企業の戦略や目標を実現するための手段で、実践で活用することが非常に重要です。
プログラムの計画時に業務中に実践する機会をあらかじめ準備しておきましょう。
また実践した結果に対して、フィードバックをする機会を持つことも大事です。
リスキリングを受講した人材のスキル向上とともに社内ナレッジも蓄積して、リスキリングの意義を高めていきましょう。
DX時代にリスキリングを実践する上で大切な5つのこと
現代では、外部環境や社会情勢が早いスピードで変化しています。
結果、今までのPDCAの業務サイクルで予定通り進められなくなってきています。
変化している環境や状況に合わせて、臨機応変に対応していくことが非常に大切です。
ここからはリスキリングを実践する上で、必要な5点を紹介していきます。
1.現状を評価する
1つ目は、自分自身の現状に対する評価をして、リスキリング開始前の素直な気持ちや状態を冷静に把握します。
具体的に以下6点を確認して観察することが大事です。
- 現在の興味関心
- 解決したい課題
- 強み、好き嫌い
- 今までのキャリア
- 持っているスキル
- 組織への評価
上記を踏まえて「リモートワークできる会社で働きたい」「社会課題を解決できる技術を学びたい」など具体的に実現したいことを明確にします。
これからリスキリングを進めるうえで、自分の気持ちや関心を起点にできると、従業員がより「自分ごと」として進めるられます。
2.マインドセットづくり
2つ目は、取り組む上での心構えのマインドセットづくりです。
すべての社員が、意欲的に取り組むとは限りません。
中には、途中でモチベーションが下がってしまう社員もいます。
リスキリングをしている社員が効果的に学べるように、
- 仲間と一緒に学ばせる
- リスキリングで得た知識を現場で活かせる工夫をする
3.デジタルリテラシーの向上
3つ目は、デジタル分野へのキャリアチェンジに向けて、デジタルリテラシーを高めることです。
最初は「デジタル技術を使って何ができるのか」を理解しましょう。
リテラシーとは読み書きの能力や知識、能力という意味です。
デジタルリテラシーとは、デジタル分野の知識を身につけて、デジタル技術を使いこなすことです。
例えば、AIやWeb3やブロックチェーン、メタバースなどについて、広く浅く基本的なレベルでの基礎を理解し、リテラシー向上に努めます。
理解が深まると、自分自身で何ができるのかなど具体的なアイディアを考えられます。
全体をざっと把握することから始めて、将来自身が目指すキャリアプランに合わせて情報収集をしましょう。
デジタルリテラシーを高めるための研修を探している場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:おすすめのDX研修10選!選ぶ際のポイントも併せて紹介
4.キャリアプランニング
これからリスキリングを行った後、どのようなキャリアパスを描きたいかを考えましょう。
得たスキルをどのように活かすか考えなければ、知識を身に着けて満足してしまいます。
本格的なリスキリングを開始する前段階のため、確定させる必要はありません。
できれば3つくらい自分の気持ちが、前向きになるキャリアパスを検討してくださ。
その際に考慮すべきポイントは、以下の3つです。
- 現在の職務や過去の経験を活かす方向
- 持っているスキル×デジタルを掛け算
- 類似性をもったスキルを活かす
明確に自分のやりたいことがある人は目指すのが一番です。
リスキリングの方向性や何をやったら良いかがわからない方は、本格的にリスキリングに取り組む前に、自分のキャリアの方向性を考えてみましょう。
5.情報収集をする仕組みづくり
情報収集の質や仕組みづくりこそが、継続的なリスキリングを実現する鍵を握ります。
継続的な学習を支えるための情報収集は欠かせません。
情報収集が進み、デジタルリテラシーが向上してくると、キャリアプランで描いた計画も見方を変更する可能性が出てきます。
納得のいくキャリアプランを実現するには、さまざまな可能性を考えて「したくないこと」を見つけていくことが大事です。
次第にやりたいことの範囲が狭まってきます。
新しいキャリアで力を発揮していくには、才能や適性に加えてリスキリングをする本人が積極的に向き合える分野でないと長続きしません。
6.社員や会社の規模に合わせてリスキリングする
まず企業がリスキリング導入するときは、会社のデータを参考にしながらプログラムやコンテンツを決めます。
各従業員に取り組ませて、習得したスキルを現場で実践してもらう流れが一般的です。
ここから企業の規模別に紹介していきます。
大企業向けの導入法
大企業では、学習できる環境が整っている場合がほとんどです。
以下の方法で、リスキリングを進めていきましょう。
- 1on1による方向性の決定
- 習得したスキルの練習環境の整備
- 社内インターンシップ制度の利用
- 部署ごとの勉強会、外部講師を招いての研修
中小企業向けの導入法
中小企業の勤務の方は、就業時間にリスキリングをする時間確保できないことがあります。
ただリスキリングは就業時間に行うべき業務でもあるため、効率的に学ぶために以下の導入法を検討してみてください。
- デジタルツールを導入して実践から学ぶ
- セミナー・ウェビナーの利用
- Googleアラートを登録して、IT最新動向を定点観測
個人事業主向けの導入の方法
個人事業主の方は、自分の得意な業務やクライアントからの仕事依頼に時間を割く傾向があります。
新しいことを「知る」範囲が狭くなる場合があるため、自分の専門領域外のセミナーや勉強会に参加して知ることから始めましょう。
また発注してくれている業界や企業規模を少しでもずらしたり、あえて変えてみると自分のスキルをより価値あるものとして磨けます。
ベテラン社員に必要な導入法
ベテラン社員がリスキリングを考える前に一番大切なのは「アンラーニング(学習棄却)」です。
会社の変化に対して、働く個人も意識から変わることに納得してもらう必要があります。
今までのスキルと、新たな知識をかけ合わせることで、さらに戦力となる人材を育成できるでしょう。
まとめ:これからのDX時代を生き残るリスキリングについて
これからのDX推進では、異なる複数部門の担当者がプロジェクトに参加するケースも多く、各部門の文化の違いを感じ取りながらメンバーと対話したり、部門の責任者に根回ししたりしながら、物事を円滑に進めるスキルが求められます。
リスキリングを通じて、業務のDX推進を遂行していける人材の育成を強化しましょう。
なおBtoBマーケティングのDX化を検討している方は、
弊社テクロのeラーニングサービス「マーケブル」をご検討ください。
- BtoBマーケティングに特化している
- 1日5分で学習できる
- 実践的なカリキュラム
といった特徴があります。
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