数百名が訪れた大規模オンラインイベントから学ぶ、オンラインイベントの運営方法とは?
当記事では最新の大規模オンラインイベントの運営経験をもとにオンラインイベント企画・マニュアル作成から当日の注意事項に至るまでをご紹介致します。
会議や研修まで様々な機会がオンライン化している今、こうしたオンラインイベントの運営知識はますます重要なものとなるでしょう。ぜひWebセミナーやオンラインイベントを開催する際にお役立てください。
今回のオンラインイベントについて
7月28日にJSSA(一般社団法人日本スタートアップ支援協会)主催の元、The JAAS Online MeetUp&Awardが開催されました。
約10時間にも及ぶイベントは、次世代のビジネスに精通した50名もの有識者や実務者、そして300名もの参加者により質の高いものとなりました。
準備①企画
当イベント(The JAAS Online MeetUp&Award)は5月28日に、同じく JSSAによって開催されたオンラインイベントの企画・形式を受け継いでいます。
JSSAの顧問や会員の方がスピーカーとなってテーマごとにそれぞれ約1時間のトークセッションを行います。
各時間、4つに分かれて用意されているZOOMのトークルームのうち、参加者は希望するセッションの行われるルームに入室するという形になっています。
準備②運営マニュアル
オンラインイベントを開催する上で欠かせないものが、運営マニュアルの作成です。
当イベントでは技術協力としてLiveYourDreams株式会社さまに務めていただきました。
マニュアルでは当日の運営をスムーズに行うための担当者やスケジュール、注意点等の情報が詰め込まれています。以下で詳しく見ていきましょう。
①各部屋(ZOOM)での担当者
当イベントではセッションごとに会場(ZOOMのトークルーム)が分かれていたために、各会場に管理者が必要となりました。
また、各会場において[マナー動画/セッション名スライド/画面共有]、[アナウンス]、[パネリスト昇格]の三つの役割があり、どれも欠くことの出来ない役割であるためメンバー内で互いに担当業務を把握することが大切になります。
②会場情報
会場の管理もマニュアル内にて行います。イベント中にZOOMアプリが落ちてしまった場合でもマニュアルにURLが記載されているのですぐに再開することができます。
③全体スケジュール
全体の進行時間や会場、行われるセッションがまとまっているスケジュールです。
進行の把握・管理のため、簡易的で良いので必ず用意しましょう。
④当日の業務一覧
各セッションを行う上での業務を時系列順に記載しています。
中でも準備⑤当日運営でも紹介する[登壇者を見つけ次第、パネリストに昇格]は、非常に重要な業務となります。
各会場でセッションの切り替えを滞りなく進行させるためには、運営スタッフが明確に業務と流れを把握する必要がありますので、このように分刻みで必要な項目が記載されたマニュアルがあると良いでしょう。
また、このような進行のためのマニュアルとは別に、当日使用する動画素材(マナー動画・CM等)やセッション前後に配信するパネル画像などを一覧にまとめておくファイルがあると、いざという時も必要な資料が素早く見つかり便利です。
準備③スタッフ集め
当イベントの事務局メンバーは技術協力などを除き、ボランティアスタッフで構成されています。ボランティアはJSSAの協会イベント事務局応募フォームから募集しており、当イベントの無料参加はもちろん、起業家やVCとの繋がりが作れるという点で大きなメリットとなっています。
準備④キックオフMTG
オンラインイベントでもオフラインイベント同様、当日までに多くの打ち合わせを重ねます。
当イベントでは全体周知に関するキックオフミーティングの後、
そこで出た質問に関するミーティング、
イベント前々日から前日にかけての個別ミーティング(各15~30分)、
そして当日午前のリハーサル兼最終確認のミーティング。
事前打ち合わせでの認識の擦り合わせや業務の把握はもちろん、機材トラブルやネット回線のトラブルに見舞われる可能性もあるため、当日や前日にリハーサルをしてトラブル対策や最終調整をしておくと良いでしょう。
準備⑤当日運営(タイムマネジメント・トラブル対応)
当日運営に関してはタイムマネジメントが非常に重要になります。特に登壇者・参加者が多いイベントや限られたセッション枠が設けられている場合はより意識して進行を管理しなければなりません。
今回のイベントのように登壇者が入れ替わる場合、各ルームの管理者は、セッションが切り替わる際に前の登壇者を[パネリスト]から[参加者]へ、そして次の登壇者を[参加者]から[パネリスト]へ役割変更させる必要があります。
(以降、[パネリスト]から[参加者]へ変更することを降格、[参加者]から[パネリスト]へ変更することを昇格と呼びます。)
そこでスムーズに役割の変更をするために、誰を昇格させるかを把握する必要があります。
そのため事前にZOOMの表示名を登壇者名へ変更してもらうことや、登壇者を探す際に該当の方にメニューバーからの挙手をお願いすることが効果的です。
また、ネットの接続状況・WiFi環境について事前に確認しておくことも大切です。
動画共有など通信量の大きい業務を担当するスタッフのネット環境が不安定な場合は、リハーサルの時点で役割の変更や再分担をしておくと良いでしょう。
同様に登壇者のネット環境についても事前の確認が必要ですが、万が一セッション中に登壇者の映像が固まってしまったり落ちてしまった際の、運営事務局としての対応を決めておくことも重要です。
セッションが盛り上がり、スケジュールよりも時間が押してしまう可能性もありますが、次の予定がずれ込まないようにコンテンツを一部削るなどしてタイムマネジメントを徹底しましょう。
多くの準備を重ねていても当日どんなトラブルが起こるかはわかりませんので、その場での迅速な対処も非常に大切になっていきます。あらかじめ事務局側としての対応を決めておくと良いでしょう。
まとめ
Webセミナーは規模が大きくなればなるほど多くの準備が必要になり大変に感じてしまいますが、まずは小さい規模のものから練習をし、トラブルを未然に防げるようなマニュアル作成をしていくことがイベント成功への道となります。
本記事を読んだ方はスタッフや登壇者の方にマニュアルやルールを共有し、チーム全体で仕組みを作っていくと良いでしょう。ぜひ本記事を参考に実践してみて下さい。
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