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BtoBマーケティングでのペルソナ設定の手順・ポイントを徹底解説

「Webマーケティングではペルソナ設定が重要」とよくいわれます。

しかし、BtoBマーケティングに取り組んでいる企業の方の中には「BtoBのペルソナはどのように設定すればいいの?」と、疑問をお持ちの方も多いでしょう。

個人をターゲットとするBtoCとは異なり、企業が対象のBtoBでは、契約成立までに複数の人が関わります。

そのため、ペルソナの設定方法も、BtoCとは大きく異なります。

今回は、BtoBマーケティングでのペルソナ設定の手順やポイントを解説

「BtoBのビジネスで成果を出したい」「BtoBでのペルソナの設定方法を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

なお、テクロ株式会社ではBtoBマーケティングの施策についてまとめた資料「押さえておくべきBtoBマーケティングの施策」を無料で配布しています。

BtoBマーケティングの施策にお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。

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ペルソナについて

まずは、ペルソナについて解説します。

ペルソナとは

ペルソナ(presona)とは、商品・サービスを利用する典型的な顧客像のことです。

年齢や性別だけでなく、仕事や家族構成、趣味、ライフスタイルなど、まるで特定の個人を示すような細かい情報まで設定するのが特徴です。

詳細に設定することで、自社の商品・サービスを利用してくれそうな人に対して、的確なアプローチを可能にします。

ペルソナとターゲットの違い

「ペルソナ」と「ターゲット」は、同じ「顧客像」を示す言葉ですが、設定の細かさに違いがあります。

<ターゲット>

商品・サービスを利用する顧客の属性

  • 年齢:30代
  • 性別:男性
  • 居住地:東京都

<ペルソナ>

商品・サービスを利用する典型的な顧客像

  • 年齢:30代
  • 性別:男性
  • 居住地:東京都
  • 職業:営業職
  • 家族構成:夫婦・3歳の子ども1人・犬2匹
  • 趣味:キャンプ・カメラ
  • 使っているSNS:Instagram・Facebook
上記のように、ペルソナの方がターゲットより細かい人物設定をします。

ペルソナを構成する2つの要素

ペルソナは、以下の2つの要素から成ります。

意味
デモグラフィック 人口統計学的なデータ 年齢、性別、居住地、家族構成、職業、学歴、役職、年収など
サイコグラフィック 心理学的なデータ 趣味、休日の過ごし方、好きな食べ物、よく行くお店、好きな本のジャンル、悩み、使っているSNS、興味関心など

ペルソナ設定する際は、デモグラフィックだけでなく、個人の趣味嗜好や価値観を表すサイコグラフィックも詳細に設定します。

すると、より具体的な顧客像ができ、マーケティングの精度を高められます。

現代はニーズが細分化しているため、細かく把握することが大切です。

2つの側面から、ペルソナを設定しましょう。

BtoBマーケティングでペルソナを設定するメリット

BtoBマーケティングでペルソナを設定するメリット

BtoBでは、契約成立に至るまで複数の人が関係します。

BtoCに比べるとペルソナの設定方法も複雑になるため、ペルソナ設定をしていない企業があるのも現状です。

しかし、BtoBでもペルソナを活用すれば大きなメリットがあります。

具体的なメリットを2つ紹介します。

チーム内で顧客像を共有できる

ペルソナを設定することで、チーム内で具体的な顧客像が共有され、効率良くプロジェクトを進められます。

ざっくりとしたターゲットしか共有していない場合、メンバーによってバラバラの顧客像を持ってしまうため、意見の食い違いなどで思うようにプロジェクトを進められません。

一方でペルソナを設定できていれば、チーム内に統一感が生まれ、同じ方向に向かって進めます。

具体的な施策の考案に集中できるため、時間とコストの削減につながります。

顧客目線で商品・サービス開発ができる

ペルソナを設定しておくと、顧客目線での商品・サービス開発ができます。

BtoCの場合、顧客の不安や悩みから、新しい商品・サービスを考えますよね。

BtoBにおいても同様です。

細かい顧客像を設定しておくことで、組織が置かれている状況をイメージしやすくなり、課題を見つけやすくなります

その結果、ニーズにあった商品・サービスの開発やマーケティング施策の考案が可能になるのです。

また、マーケティング精度が高まることも期待されます。

BtoBとBtoCでのペルソナ設定の違い

BtoBとBtoCでのペルソナ設定の違い

先ほどから「BtoBとBtoCのペルソナ設定は違う」と述べてきましたが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

BtoCは、購入検討者と決済者が同じです。

そのため、顧客の属性や趣味嗜好などを設定しておけば、精度の高いマーケティング活動ができます。

一方のBtoBは、担当者(購入検討者)と決済者が異なる場合が多いのが現状です。

担当者が商品・サービスに関する情報を集め、決済者の認可を得て契約が成立します。

つまり、契約成立までのプロセスに複数の人が関わるのです。

また、契約成立に至るまでの期間も長く、異動などで利用する人が変わる可能性もあります。

そのため、人物だけでなく、以下のように企業の特徴にフォーカスした「企業ペルソナ」も設定します。

BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定の手順

BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定の手順

それでは、BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定の手順を、3つのステップに分けて解説します。

手順1.バリュープロポジションを明確にする

まずはバリュープロポジションを明確にします。

バリュープロポジションとは、商品・サービスが顧客に提供する価値で、顧客のニーズが高く、競合他社が提供できない独自の価値のことです。

要するに、商品・サービスの持つ強みや特徴です。

バリュープロポジションを明確にすることで、誰にどのような価値を提供できるかが分かるようになり、適切なペルソナ設定が可能となります。

以下の3点を意識して、簡潔なものに決めましょう。

  • 分かりやすい言葉
  • 短い文章
  • 抽象的な表現は避ける

バリュープロポジションを決めずにペルソナ設定をすると、自社の商品・サービスに関係ないペルソナができることがあります。

顧客像をイメージする前に、まずは自社商品・サービスについて詳しく知っておきましょう。

手順2.情報を集めて整理する

次に、顧客に関する情報を集めて、整理します。

自社に都合の良いように解釈せず、客観的な視点を持って取り組むのがポイント。

以下に示す方法で、顧客に関する情報を集めていきましょう。

  • カスタマーサポートやお客様アンケートの確認
    →既存顧客を分析する
  • 自社サイトやSNSの分析
    →どのような企業、どこの地域からのアクセスが多いかなど、ユーザー情報を得られる
  • 既存の顧客や見込み顧客への聞き取り
    →時間とコストがかかるが、最も有効な方法

ある程度情報が集まったら、情報を整理します。

情報整理の際は、顧客のニーズや課題を意識するのがポイントです。

手順3.企業ペルソナと個人ペルソナを設定する

自社商品・サービスの強みが明確になり、顧客のニーズが分かったら、いよいよペルソナの設定に移ります。

BtoBの場合、まず企業ペルソナを設定し、次に個人ペルソナを設定します。

企業ペルソナを設定するときに用いるのが、ファーモグラフィックデータです。

ファーモグラフィックとは、企業統計に基づく情報です。

具体的には、以下のものがあります。

  • 業界
  • 市場規模
  • 会社規模
  • 従業員数
  • 年商
  • サービス内容

個人ペルソナは、個人の趣味嗜好よりも、役職や仕事内容などを重視して設定します。

具体的には、以下の項目を設定しましょう。

  • 部署
  • 役職
  • 役割
  • 勤続年数
  • 業務内容
  • 情報収集の方法
  • 自身やチームの目標
  • 自身やチームの課題

先に企業ペルソナを設定することで企業の概要や従業員の特徴などが明確になるため、より具体的な個人ペルソナを設定できます。

また、個人ペルソナは決済者、担当者(購入検討者)など、契約成立までに関わる人すべてのものを作成できると理想です。

細かい作業ですが、最も大切な部分なので、丁寧に実施しましょう。

BtoBのペルソナの設定例

BtoBのペルソナの設定例

以上を踏まえて、BtoBペルソナの具体例を作ってみます。

<企業ペルソナ>

  • 会社名:株式会社T
  • 会社規模:年商1〜10億のベンチャー中小企業
  • 従業員数:100〜200名
  • サービス内容:ITコンサルティング
  • 企業の課題:企業ブランドの確立、新規顧客獲得

<個人ペルソナ>

  • 名前:鈴木 直樹
  • 年齢:30代後半
  • 性別:男性
  • 居住地:東京23区内
  • 家族構成:夫婦・3歳の子ども1人・犬
  • 部署:営業部
  • 役職:課長
  • 勤続年数:10年
  • よく使うSNS:ビジネスの情報収集にはFacebook、趣味の情報収集はInstagram
  • よく使うデバイス:iPhone、ノートPC
  • 自身やチームの課題:商談化につながりにくい。テレワークが増え、部署内の情報共有がスムーズに行えていない。

BtoBの個人ペルソナでは、サイコグラフィックデータはあまり使用しません。

一方で、広告を打ち出すことを考慮して、よく使うSNSやデバイスを決めておくこともポイントです。

BtoBマーケティングでペルソナを設定するときのポイント

BtoBマーケティングでペルソナを設定するときのポイント

最後に、BtoBマーケティングでペルソナを設定するときのポイントを3つ紹介します。

具体的に設定する

1つ目のポイントは、抽象的な表現を避けて、具体的に設定することです。

ペルソナのメリットは、顧客像を明確にイメージできることです。

しかし、抽象的な情報では、このメリットを活かしきれません。

例えば、「情報収集方法はFacebookとInstagram」と書くよりも「ビジネスの情報収集にはFacebook、趣味の情報収集はInstagram」とすると、「集めたい情報によってSNSを使い分けている」ことが分かります。

その結果、情報発信の媒体も変わってきます。

このように、抽象的な表現は避けて、具体的な表現を使って設定するようにしましょう。

理想像を設定しない

2つ目のポイントは、理想的なペルソナを設定しないことです。

自社にとって都合の良いペルソナを設定してしまうと、実際の顧客像とズレが生じてしまい、思うような成果につながりません

既存顧客の声や市場のニーズなど、事前に集めた情報を元に、根拠のある現実的なペルソナを設定するようにしてください。

PDCAサイクルを回す

3つ目のポイントは、PDCAサイクルを回すことです。

ペルソナは、設定するときの時代背景や市場ニーズに影響されます。

そのため、定期的に見直す必要があります。

1年に1回は見直し、変化に対応できるようにしましょう。

まとめ:BtoBマーケティングでも細かいペルソナ設定が大切

BtoBマーケティングでも細かいペルソナ設定が大切

今回は、BtoBマーケティングにおけるペルソナ設定について解説しました。

BtoBにおけるペルソナ設定では、「企業ペルソナ」と「個人ペルソナ」の2種類を設定することが重要です。

的確なペルソナを設定できれば、業務改善や顧客目線でのアプローチが可能になり、具体的な成果につながるでしょう。

ぜひ今回紹介したポイントを参考に、BtoBマーケティングに取り組んでくださいね。

なお、テクロ株式会社ではBtoBマーケティングの施策についてまとめた資料「押さえておくべきBtoBマーケティングの施策」を無料で配布しています。

BtoBマーケティングの施策にお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。

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