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コンテンツマーケティングのKPIとは?効果的な設定や運用のコツを紹介

コンテンツマーケティングの効果を最大化するためには、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。

しかし「どのKPIを選べばいいのか分からない」「KPIを設定しても成果に結びついていない」といった悩みを抱える方も少なくありません。

本記事では、コンテンツマーケティングにおけるKPIの設定方法や具体的な指標例、運用方法について解説します。

KPIの設定に悩んでいる方やより効果的なコンテンツマーケティングを実践したい方は、参考にしてください。

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コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、商品やサービスを直接売り込むのではなく、ターゲットとなる見込み客に有益な情報を提供して最終的に購買行動を促すマーケティング手法です。

ブログ記事やホワイトペーパー、動画、SNS投稿、ウェビナーなどさまざまな形式のコンテンツを通じて、ユーザーに価値ある情報を発信していきます。

近年のBtoB企業において、コンテンツマーケティングは欠かせない戦略となっています。

従来、BtoBの取引では、展示会や営業担当者からの情報提供が主な情報源でした。

しかし最近は、企業の担当者がインターネットを活用して自ら情報収集を行うなど、購入前にオンラインでリサーチをする割合が増えています。

購買プロセスがオンライン中心に変化したため、企業が発信するコンテンツが、見込み客の意思決定プロセスにおいて重要な役割を果たすようになりました。

さらに、BtoB取引においては、信頼関係が特に重視されます。

信頼性の高いコンテンツを通じて専門知識を示すことで、見込み客は企業に対して信頼感を持つ確率が高いです。

その結果、購買につながる確率が高まり、長期的なビジネス関係の構築にも寄与します。

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コンテンツマーケティングにおけるKPIとは?

コンテンツマーケティングにおけるKPIとは、具体的な目標達成に向けて進捗を評価するための重要な指標です。

KPIを設定することで、マーケティング活動が計画通りに進んでいるかどうかを客観的に判断でき、必要に応じて施策の修正を行えます。

ここからは、KPIの目的と重要性、KGIとの違いについて詳しく紹介します。

KPIの目的と重要性

KPIは「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」と訳されます。

KPIは短期的な成果を評価するためのものではなく、中長期的なマーケティング戦略の成功を支える基盤となる指標です。

したがって、正確かつ現実的なKPI設定が、コンテンツマーケティングの成功に欠かせません。

KPIの主な目的は、目標達成に向けた進捗を定量的に把握し、問題が発生した際に迅速に対応できるようにすることです。

KPIを設定することで、施策が計画通りに進行しているかを常にチェックできます。

ブログ記事の閲覧数やメールマガジンの開封率など、具体的な数値をもとに施策の効果を評価することが可能です。

KGIとの違いと関係性

KGIは「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」と訳されます。

企業やプロジェクトの最終的な目標達成状況を評価するための指標です。

KPIが中間的な進捗を評価するのに対し、KGIはビジョンや戦略の最終的な達成度を示します。

KGIは「1年間で売上を20%増加させる」や「3年以内に市場シェアを30%獲得する」など企業が長期的に目指すべき成果を数値化したものです。

KGIを達成するために必要なステップをKPIとして設定し、進捗を管理することで最終目標に向かって効果的に前進することが可能です。

仮にKPIが適切に設定されていないと、KGIの達成が難しくなる可能性が高まります。

したがって、KPIとKGIの両方をバランスよく設定し、定期的に進捗を評価することが、企業の目標達成にとって非常に重要です。

コンテンツマーケティングにおけるKPIの設定方法

KPIの設定は、コンテンツマーケティングを成功に導くための重要なステップです。

ここでは、KPIを効果的に設定するための5つの手順について解説します。

手順1. コンテンツマーケティングの目的を明確にする

最初のステップは、コンテンツマーケティングの目的を明確にすることです。

コンテンツマーケティングを実施する目的は企業ごとに異なります。

目的を設定する際には、自社が抱える課題や達成したいビジネスゴールを具体的に考えることが重要です。

BtoB企業の場合、新規顧客の獲得やブランド認知度の向上、既存顧客との関係強化などが一般的です。

目的が不明確なままでは、どの指標を設定すべきかが曖昧になり、効果的なKPI設定ができないかもしれません。

目的を定義することで、マーケティング活動全体の方向性が決まり、KPI設定がスムーズに進みます。

手順2. 達成したいゴールを設定する

次に、コンテンツマーケティングを通じて達成したい具体的なゴール(KGI)を設定します。

KGIは目的を数値化したものであり、達成の基準を明確に示すものです。

数値化したゴール(KGI)を設定することで、マーケティング活動全体の進捗を評価しやすくなり、KPIの設定がより具体的になります。

目的 方法 ゴール(KGI)
新規顧客の獲得 ホワイトペーパーやウェビナーで見込み客を集める 1年間で新規リードを50%増加させる
ブランド認知度の向上 動画コンテンツを活用する 6カ月以内に動画視聴回数を2万回達成し、指名検索数を50%増加させる
顧客との信頼関係の構築 業界特化のブログで専門知識を発信する 年間でブログの定期訪問者数を30%増加

手順3. 具体的な指標を洗い出す

目的とゴールが明確になったら、それらを達成するために必要な具体的な指標を洗い出します。

Webサイトの訪問者数やページ滞在時間、コンバージョン率などできるだけ多くの可能性を考慮してリストアップすることが重要です。

指標を洗い出す際には、マーケティングチーム全体でアイデアを出し合い、幅広い視点で検討することをおすすめします。

ただし、指標は実際に集計可能かつ定量的に評価できるものでなければなりません。

測定が難しい指標や数値化が困難な指標は、KPIとして適さない可能性が高いです。

確実に測定できる指標を選びましょう。

手順4. 優先順位をつけて重要な指標を選定する

各指標に優先順位をつけ、限られたリソースを最も効果的に活用できるように重要度の高いものから順に選んでいきます。

指標の数が多すぎると管理が煩雑になるため、絞り込む際には実際の運用面も考慮し、適切な数に絞り込みましょう。

優先順位の低い指標は、必要に応じて後から追加修正できるようにするのもおすすめです。

手順5. 選定した指標をKPIとして設定する

最後に、選定した指標をKPIとして正式に設定します。

具体的には、各指標に具体的な数値目標を設定し、達成期限を明確に定めましょう。

数値目標は最初に設定したゴールから逆算して決定し、達成可能な範囲で設定することが重要です。

KPIを視覚的に整理するために、KPIツリーを作成することをおすすめします。

KPIツリーとは、最終目標(KGI)を達成するために必要な各段階のKPIをツリー状に分解したものです。

KGIを頂点に置き、その下にKPIを階層的に配置しましょう。

KPIツリーを活用すれば、各指標の関係性や優先順位が一目でわかるので、進捗管理が容易になります。

コンテンツマーケティングにおける認知度向上に関するKPI

自社の認知度が高まれば、より多くの人に自社商品やサービスを知ってもらえる可能性が広がります。

コンテンツマーケティングにおける認知度向上に関する代表的なKPIについて説明していきます。

ページビュー数(PV)

ページビュー数(PV)は、Webサイト内の特定のページがどれだけ閲覧されたかを示す指標です。

1ユーザーが1ページを閲覧すると1PVとしてカウントされ、同じページを再訪してもその都度PVは加算されます。

PVはどのページがユーザーに興味を持たれているかを把握するのに役立ち、コンテンツの魅力や話題性を測る基本的な指標です。

ユニークユーザー数(UU)

ユニークユーザー数は、一定期間内にWebサイトを訪問した個別のユーザー数を表します。

複数回訪問しても1人としてカウントされるため、サイトにアクセスした実際のユーザー数を把握するのに有効です。

UUが増加することで、新たな見込み客がサイトに訪れていることを意味し、認知度やブランドの拡大に貢献していると考えられます。

ページビュー数(PV)とUUを組み合わせて分析することで、訪問者の行動やサイトのパフォーマンスをより詳細に理解することが可能です。

新規訪問者数

新規訪問者数は、Webサイトを初めて訪れたユーザーの数を示す指標です。

新しいユーザーがどれだけサイトに引きつけられているかを評価できます。

新規訪問者数が多い場合、サイトやコンテンツが新たなユーザー層にリーチしていることを意味し、ブランド認知度が拡大しているサインといえます。

検索エンジンからの自然流入数

検索エンジンからの自然流入数は、検索エンジン経由でWebサイトを訪れたユーザーの数を表します。

指標が高いほど検索エンジンでのブランド認知が向上、つまり検索エンジン最適化(SEO)が上手く機能していることを示しています。

ブランド名の検索ボリューム

ブランド名の検索ボリュームは、検索エンジンで自社のブランド名が検索された回数です。

指標が増加すれば、ブランドが多くの人々の関心を引き、ブランドの認知度が高まっていることを意味します。

検索ボリュームは競合分析にも役立ち、自社と競合ブランドの検索ボリュームを比較することで、市場でのポジションや競争力を把握することが可能です。

リファラル(被リンク)数

リファラル数(被リンク数)は、他のWebサイトから自社サイトへのリンク数を指します。

被リンクは、検索エンジンがサイトの信頼性や権威性を評価する際の重要な要素の1つです。

被リンクが多いほど、他のサイト運営者やコンテンツ制作者が自社のコンテンツを信頼し、参照していることを意味します。

ただし、被リンクの質も重要です。

スパム的なリンクや関連性の低いサイトからのリンクは、逆にサイトの評価を下げるリスクがあるので注意してください。

コンテンツマーケティングにおけるリード獲得に関するKPI

コンテンツマーケティングの重要な目標の1つに、リード獲得があります。

リードとは、商品やサービスに興味を持ち、購入の可能性が高い見込み客のことを指します。

リード獲得に関する主要なKPIについて解説します。

メールアドレス獲得数

メールアドレス獲得数は、Webサイトやランディングページなどを通じて収集したメールアドレスの数を表します。

ユーザーがコンテンツに価値を感じて、自発的にメールアドレスを提供するため、数値が増加すれば効果的にリードを獲得しているといえるでしょう。

獲得したメールアドレスにニュースレターやプロモーション情報を配信することで、リードを育成して最終的なコンバージョンに結びつけることが期待できます。

資料ダウンロード数

資料ダウンロード数は、Webサイト上で提供しているホワイトペーパーやeBookなどの資料がダウンロードされた回数を示します。

見込み客が詳細な情報を求めてダウンロードするため、ダウンロード数が増加するほど、コンテンツがリード獲得に効果的に機能していることを意味します。

コンタクトフォーム送信数

コンタクトフォーム送信数は、Webサイト上の問い合わせフォームを通じて寄せられた問い合わせの数のことです。

ユーザーが積極的にアクションを起こした回数を表すため、高い購買意欲を持つリードの数を把握するのに適しています。

メールマガジン登録数

メールマガジン登録数は、定期的に配信されるメールマガジンへの登録を希望したユーザーの数を示します。

見込み客や既存顧客が、企業からの情報を長期的に受け取りたいと考えているかどうかを測るうえで重要です。

メルマガ登録数が増えるほど、企業のコンテンツやサービスに対する関心が高まっていることを示しています。

登録数は継続的な情報提供に興味を持つユーザーの数を示すため、長期的なリレーションシップ構築の可能性を評価するのにも適しています。

ウェビナー参加登録数

ウェビナー参加登録数は、オンラインセミナーへの申し込み者数を表す指標です。

ウェビナーはチャットや音声で質疑応答に対応できるため、参加者との双方向のコミュニケーションが可能になり、質の高いリードを獲得する機会となります。

さらに、コンテンツのテーマやプロモーションの効果を評価するための指標としても、ウェビナーの参加登録数は重要です。

特定のテーマで参加登録数が多ければ、そのテーマに関するコンテンツや製品を強化する戦略が有効といえます。

コンテンツマーケティングにおけるナーチャリングに関するKPI

コンテンツマーケティングにおけるナーチャリングとは、見込み客との関係性を育み、購買へと導くプロセスを指します。

ナーチャリングに関する主要なKPIについて解説します。

配信メールの開封率

配信メールの開封率は、配信したメールが受信者によって実際に開封された割合です。

メールの件名や送信者名の魅力度、タイミングの適切さを評価するのに役立ちます。

開封率が高ければ、見込み客がメールに興味を持っていることを示し、ナーチャリングの成功につながります。

クリック率(CTR)

クリック率は、広告やリンクが表示された回数(インプレッション数)に対して、実際にクリックされた回数の割合を示す指標です。

CTRは、広告やコンテンツがどれだけ効果的にユーザーの関心を引き、行動を促しているかを測定するために使用されます。

「クリック数 ÷ インプレッション数 × 100」で算出でき、1,000回表示された広告が20回クリックされた場合のCTRは2%です。

CTRが高いほど、広告やリンクがユーザーにとって魅力的であり、意図した行動を誘発していることを示します。

クリック率を向上させるには、CTAを設置することが重要です。

CTAとは、ユーザーに具体的な行動を促すメッセージやボタンのことを指します。

ユーザーが次に取るべき行動を明確に示し、クリックや登録、購入などのアクションを誘導するのに効果的です。

再訪問率

再訪問率は、過去にWebサイトを訪問したユーザーが再度訪問した割合を示す指標です。

再訪問率が高い場合、ユーザーがサイトのコンテンツに満足し、リピーターとして定着していることを意味します。

ホワイトペーパーのダウンロード数

ホワイトペーパーのダウンロード数は、自社サイトで提供した専門的な資料がどれだけダウンロードされたかを示す指標です。

数値が増加することは、見込み客が詳細な情報を求めていることを意味し、ナーチャリングが順調に進んでいることを示します。

コンテンツマーケティングにおけるエンゲージメント向上に関するKPI

エンゲージメントとは、ユーザーがコンテンツに対してどれだけ関心を持ち、積極的に関わっているかを示す指標です。

エンゲージメントを高めることで、自社とユーザーの関係が強化され、最終的には売上やビジネス成果の向上につながることが期待されます。

エンゲージメント向上に関連する代表的なKPIを紹介します。

平均滞在時間

平均滞在時間は、ユーザーが特定のページにどれだけ長く留まったかを示す指標です。

滞在時間が長いほど、コンテンツがユーザーにとって有益であると判断されます。

ただし、必要以上に長い滞在時間は、ユーザーが目的の情報を見つけられていない可能性もあるため注意が必要です。

ページごとのスクロール率

ページごとのスクロール率は、ユーザーがページ内のコンテンツをどれだけスクロールして読んだかを示す指標です。

スクロール率が高い場合、ユーザーがコンテンツを最後まで読み進めていることを意味します。

一方でスクロール率が低い場合、その箇所に問題がある可能性があり、コンテンツの構成やデザインの見直しが必要です。

直帰率

直帰率は、ユーザーがWebサイトを訪問した後、他のページに移動せずにそのままサイトを離れた割合を示す指標です。

直帰率が低いほど、ユーザーがサイト内にある他のページにも興味を持ち、回遊していることを示します。

反対に直帰率が高い場合、訪問者が求めている情報が見つからない、ページの読み込みが遅いなどの問題があります。

ページごとの平均セッション時間

ページごとの平均セッション時間は、ユーザーがサイト内でどれだけの時間を過ごしたかを示す指標です。

平均セッション時間が長い場合、そのページのコンテンツがユーザーにとって有益で、じっくりと読み進められていることを意味します。

ブログ記事や詳細な商品説明ページでは、平均セッション時間がコンテンツの質を評価する指標となります。

ソーシャルシェア数(いいね、リツイート、シェア)

ソーシャルシェア数は、ユーザーがSNSでコンテンツを共有した回数を示す指標です。

いいねやリツイート、シェアの数が多いほど、コンテンツが話題となり、広く拡散されていることを意味します。

ソーシャルシェア数は、コンテンツのバイラル効果を評価するうえでも有効です。

多くのシェアを獲得したコンテンツは、検索エンジンの評価も高まり、SEOにも良い影響を与えます。

コメント数

コメント数は、Webサイトやソーシャルメディアのコンテンツに対してユーザーが投稿したコメントの数を示す指標です。

ユーザーがそのコンテンツにどれだけ関与しているか、または関心を持っているかを測る重要な要素といえます。

コメントが多いほど、ユーザーがコンテンツに強い関心を持ち、積極的に参加したいと考えている証拠です。

また、コメントの内容からユーザーのニーズや疑問を把握でき、今後のコンテンツ戦略を改善するヒントも得られます。

コンテンツマーケティングにおけるコンバージョンに関するKPI

コンテンツマーケティングの最終目標は、ユーザーを企業が望む行動(コンバージョン)へと導くことです。

コンバージョンは企業のビジネス目標に直結する重要な指標であり、さまざまな形で設定されます。

コンバージョンに関する主要なKPIについて解説します。

購入数

購入数は、コンテンツマーケティングを通じて実際に商品やサービスを購入した回数を指します。

購入数をモニタリングすることで、コンテンツが購買意欲を高め、ユーザーを効果的に購入に導いていることが確認できます。

契約数

契約数は、ユーザーがサービスの契約を結んだ回数を示します。

契約数が増えることで、コンテンツがユーザーに信頼感を与え、最終的な決断を促す役割を果たしていることがわかります。

特に長期的なビジネス関係や高額な取引に関連する指標であり、営業活動やマーケティング活動の成果を測定できる必須の指標です。

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率(CVR)は、サイト訪問者のうち、どれだけの割合が実際に購入や契約などの目標行動を取った割合を示す指標です。

コンバージョン率は、コンバージョン数÷訪問者数×100%の計算式で求められます。

例えば、ECサイトで100人が訪問し、そのうち5人が購入した場合のコンバージョン率は5%です。

マーケティング活動やサイトの効果を評価するための基本的な指標で、マーケティング施策の効率性を測るために欠かせません。

CVRが高いほど、サイト内でのユーザー体験が良好であり、コンテンツが効果的に機能していることを意味します。

カート追加数

カート追加数は、ユーザーが商品をショッピングカートに追加した回数を示します。

カート追加数が増えることは、ユーザーが購入を真剣に検討していることを意味し、購買意欲が高まっている兆しです。

ただし、実際の購入数と比較してギャップがある場合は、購入プロセスに何らかの障害がある可能性があるため注意しましょう。

コンテンツマーケティングにおける顧客維持に関するKPI

顧客維持とは、既存顧客が自社の商品やサービスを利用し続けるようにするための取り組みや状態を指します。

顧客維持が効果的に行われると、自社に強い信頼感や愛着を抱く顧客ロイヤリティの向上につながる可能性が高いです。

企業の成長と安定に欠かせない顧客維持に関する代表的なKPIを紹介します。

顧客満足度(NPS)

顧客満足度とは、顧客が企業やブランドを他者にどれだけ推奨するかを測る指標です。

顧客満足度を測る指標としてNPS(Net Promoter Score)が有用で、顧客が自社を他者に推薦する可能性を0〜10のスコアで評価します。

  • 推薦者(9-10点)積極的に推奨する顧客
  • 中立者(7-8点)満足しているが、特別な推奨はしない顧客
  • 批判者(0-6点)不満を持ち、他者にネガティブな影響を与える可能性がある顧客

指標が高いほど、顧客が製品やサービスに満足しており、長期的なリピーターになる可能性が高まります。

リテンション率(顧客維持率)

リテンション率は、一定期間内に契約を維持した顧客の割合を示します。

指標が高い場合、顧客が競合他社に流出せず、引き続き自社の製品やサービスを利用していることを意味します。

リテンション率は安定した収益基盤を築くうえで重要で、顧客満足度やロイヤルティの高さを反映し、企業の収益や成長に大きく影響します。

チャーン率(解約率)

チャーン率は、特定の期間内に契約を解約した顧客の割合を指します。

チャーン率が低ければ、顧客が自社のサービスに満足し、長期間にわたって利用を継続していることがわかります。

一方でチャーン率が高ければ、顧客がサービスに満足しておらず、競合他社に流出してしまう可能性が高いです。

顧客生涯価値(LTV)

顧客生涯価値は、LTV(Life Time Value)とも呼ばれ、顧客が生涯にわたって企業にもたらす総利益を示す指標です。

LTVが高い場合、顧客が長期的に自社と関わり続け、大きな収益をもたらしていることを意味します。

LTVを最大化することは、持続可能なビジネス成長に不可欠です。

クロスセル・アップセルの成功率

クロスセル・アップセルの成功率とは、顧客に対して関連商品や上位のサービスを提案し、その提案が成功した割合を示します。

クロスセルは顧客が購入した商品に関連する他の商品を提案することで、顧客単価を増加させる手法です。

一方で、アップセルは現在の購入品や契約サービスの上位バージョンやより高価なオプションを提案することを指します。

成功率が高いほど、顧客のニーズに合った提案ができており、信頼関係が築けていることを意味します。

リピート購入率

リピート購入率は、一度購入した顧客が再び商品やサービスを購入した割合を示します。

顧客満足度やロイヤルティを測るための重要な指標です。

リピート購入率が高ければ、顧客が製品やサービスに満足しており、定期的に購入を続けていることを意味します。

ロイヤルカスタマーによる紹介数

ロイヤルカスタマーによる紹介数は、満足度の高い顧客が新たな顧客を紹介した数を示す指標です。

数値が多ければ、顧客が企業に対して高い信頼を寄せており、他者に積極的に推薦していることがわかります。

紹介数の増加は顧客満足度が高く、強固なブランドロイヤルティを築けている証です。

コンテンツマーケティングのKPI運用に関するコツ

コンテンツマーケティングのKPIを効果的に運用するためには、いくつかのコツがあります。

ここからは、KPI運用に関するコツを解説します。

SMARTの法則を活用する

KPIを設定する際には、SMARTの法則を取り入れることをおすすめします。

SMARTの法則とは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)の頭文字を取ったものです。

SMARTの法則に関する基準を満たすKPIを設定することで、目標が明確になり、達成に向けた具体的な行動が取りやすくなります。

例えば「売上を増やす」という目標ではなく、「6ヶ月以内にWebサイト経由での新規顧客獲得を20%増加させる」というKPIを設定しましょう。

マーケティング施策の効果をより正確に評価できます。

顧客のフェーズに適切なKPIを設定する

コンテンツマーケティングでは、顧客が購買プロセスのどの段階にいるかを考慮してKPIを設定することが重要です。

顧客のフェーズには「認知」「興味」「検討」「購入」そして「ロイヤルティ形成」と各段階があります。

認知フェーズでは、ページビュー数や新規訪問者数を重視し、興味や検討段階ではホワイトペーパーのダウンロード数やメルマガ登録数をKPIとしましょう。

また、購入段階ではコンバージョン率や契約数が重要な指標となり、顧客維持の段階ではリピート購入率やNPS(顧客満足度)が重視されます。

それぞれの段階で異なるKPIを設定することで、顧客の行動をより正確に把握し、効果的なアプローチを行えるのでおすすめです。

定期的に解析し、数値実績を追う

KPIの運用は、設定しただけでは不十分です。

定期的に解析を行い、KPIの進捗状況を数値で確認することが欠かせません。

設定した目標に対する実際のパフォーマンスを評価し、必要に応じて施策の修正を行います。

例えば、毎月や四半期ごとにKPIの達成度を確認し、目標に到達していない場合は、その原因を分析して改善策を講じましょう。

解析を怠ると、マーケティング活動が計画通りに進んでいるかどうかを判断することが難しくなり、結果的に目標達成が遅れるリスクが高まります。

定期的な解析を習慣化し、数値実績を常に追うことで、継続的な改善を図りましょう。

達成状況の評価と次のアクションを計画する

KPIの達成状況を評価し、その結果に基づいて次のアクションを計画することが重要です。

目標が達成された場合はその成功要因を分析し、さらに高い目標を設定するか、別のKPIを設定して次のステップに進むことが求められます。

一方で目標が達成されなかった場合は、何が問題であったのかを詳細に分析し、次の行動計画を策定しましょう。

目標としたコンバージョン率に達しなかった場合、ランディングページの改善やコンテンツの見直しなど具体的な対策を立てて実行します。

PDCAサイクルを繰り返すことで、マーケティング戦略の精度を高め、持続的な成果を得ることが可能です。

簡単に集計・解析できる方法を確立する

KPIの運用を効率化するためには、簡単に集計・解析できる仕組みを構築することが不可欠です。

手動での集計や分析は時間と労力がかかるため、可能な限り自動化されたツールやシステムを導入することをおすすめします。

週次や月次など一定の期間ごとに数値を確認し、目標との差異を分析することが重要です。

例えば、Google AnalyticsなどのツールをWebサイトにカスタマイズ設定し、日々の情報確認とレポート取得を自動化する仕組みを作りましょう。

定期的な解析により、成功しているコンテンツの特徴や改善が必要な点を早期に把握できます。

また、トレンドの変化にも素早く対応することが可能になり、戦略の軌道修正を適切に行えます。

コンテンツマーケティングのKPIを変更する際の注意点

コンテンツマーケティングの戦略や目標が変化した場合、それに伴ってKPIの見直しが必要です。

KPIを変更する際には、慎重に検討し、適切な対応を取ることが求められます。

コンテンツマーケティングのKPIを変更する際の注意点について解説します。

戦略の変化に応じた調整

KPIは、状況に応じて柔軟に変更していくことが重要です。

必要に応じて調整を行うことで、マーケティング活動の効果を最大化し、最終的な目標達成につなげられます。

現状のKPIが、設定した目標に対して適切な方向に進んでいるかを常に意識しましょう。

KPIが現状に適さなくなった場合、途中で変更しても問題ありません。

ただし、変更によってチーム全体の目標や方向性がぶれないように注意が必要です。

また、外部環境の変化や市場の動向によって、従来の方法では目標達成が難しくなる場合もあります。

必要な指標や取り組み内容を見直して適切な方向へ調整が求められますが、最終的な目的から逆算し、変更が本当に必要かどうかを確認しましょう。

そのうえで、新しいKPIが目標達成に向けた適切な指標であるかを慎重に検討します。

目的に沿った絞り込み

KPIを変更する際には、目的に合った指標を絞り込むことが不可欠です。

多くの指標を設定すると、重要な情報が埋もれてしまう可能性があります。

効率的なマーケティング活動を実現させるために、目的達成に直結する指標を絞り込みましょう。

また、絞り込んだ指標でも、定期的にその妥当性を見直すことが大切です。

チーム内での共有と理解促進

KPIを変更する際は、チーム内で新しい指標の意味や重要性を共有し、理解を促進することが非常に重要です。

KPIの変更は、チームの行動や優先順位に大きな影響を与える可能性があります。

チーム全員が新しいKPIの意義を理解し、それに向けて協力して取り組むことがコンテンツマーケティングを成功する鍵となります。

新しいKPIを導入する理由や背景を、チーム全体に明確に説明することが必須です。

「新しいKPIを設定しました」という連絡ではなく、なぜその変更が必要なのか、どのような効果が期待されるのかを具体的に伝えましょう。

また、新しいKPIが各メンバーの業務にどのように関連するのかを明確にすることも大切です。

それぞれの役割や責任が新しいKPIにどう貢献するのかを示すことで、チーム全体の協力を得やすくなります。

定期的に進捗を共有してチーム全員がKPIに対する理解を深めることで、マーケティング活動の一貫性が保たれ、より効果的な結果を導くことが可能です。

コンテンツマーケティングのKPI設定に役立つツール

ツールを活用することで、データの収集や解析が容易になり、KPIの設定や評価がスムーズに進みます。

KPI設定に役立つ代表的な無料でも利用できるツールを紹介します。

Google Analytics

画像出典:Google Analytics

Google Analyticsは、Webサイトの訪問者データを詳細に解析できる強力なツールです。

PV数やセッション数、ユーザーの行動フローなど、さまざまなデータを収集し、KPIの設定やモニタリングに必要な情報を提供します。

特定のコンテンツがどれだけのトラフィックを生み出しているかを分析し、その結果を基にコンバージョン率や平均滞在時間などのKPIの設定および追跡もできます。

さらに、リアルタイムでデータを確認できるため、迅速かつデータに基づいた意思決定が可能です。

Google Search Console

画像出典:Google Search Console

Google Search Consoleは、Webサイトの検索パフォーマンスを監視・管理するためのツールです。

SEO対策において重要な「検索クエリ」や「インデックスカバレッジ」、「バックリンク」などのデータを提供します。

どの検索キーワードがサイトのトラフィックに貢献しているかを把握し、SEO関連のKPIを設定することが可能です。

例えば「特定のキーワードでのランキングを向上させる」「クリック率(CTR)を改善する」といったKPIを設定し、その達成状況をモニタリングできます。

Google Search Consoleを活用することで、SEOを強化し、コンテンツの検索エンジンからの自然流入を最大化する戦略を構築できます。

Microsoft Clarity

画像出典:Microsoft Clarity

Microsoft Clarityは、ユーザーのWebサイト上での行動を視覚的に解析できる無料ツールです。

ヒートマップやセッションの再生機能を利用して、ユーザーがどのようにページを閲覧し、どこで離脱しているのかを詳しく把握できます。

また、ページごとのスクロール率やクリック率など具体的なユーザーエンゲージメントに関する指標を確認し、改善点を見つけることが可能です。

ユーザーの行動を深く理解し、コンテンツの質を向上させるためのデータを効率的に収集できます。

HubSpot CMS/ Marketing Hub

画像出典:HubSpot

HubSpot CMSは、AI搭載のWebサイトの構築・管理プラットフォームです。

単なるコンテンツ管理システム(CMS)として機能するだけでなく、HubSpotのマーケティングオートメーション(MA)ツールであるMarketing Hubともシームレスに連携できます。

連携により、ブログやランディングページの作成、メールマーケティングの実行、リード管理など、さまざまなマーケティング活動を一元管理できるのが特徴です。

Google Analyticsと比較すると、HubSpot CMSは直感的なインターフェースを持ち、初心者でも容易に操作できます。

HubSpotの顧客管理システム(CRM)と連携することで、パーソナライズされた顧客対応を実現し、顧客体験を向上させることが可能です。

まとめ:コンテンツマーケティングを成功するにはKPI設定がカギ

コンテンツマーケティングを成功させるためには、適切なKPIの設定が欠かせません。

KPIはマーケティング施策の進捗を評価し、目標達成への道筋を明確にするための重要な指標です。

ビジネスの目的に合わせて具体的で測定可能なKPIを設定しましょう。

また、他のマーケティング活動と比較すると、コンテンツマーケティングのKPIは長期的な視点が重要です。

一度で完璧を目指すのではなく、継続的な改善を重ねていくことが大切といえます。

自社の状況に合わせたKPI設定と運用を行い、コンテンツマーケティングにおける成果の最大化を目指しましょう。

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