コンテンツマーケティングの15のメリットと7つのデメリット
Webを活用したマーケティング手法としてもはや定番の方法になりつつあるコンテンツマーケティング。
実際、多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組み、大きな成果をあげています。
そのため、コンテンツマーケティングに取り組んでいきたいと考えている経営者やマーケティング担当者の方も少なくないかと思いますが、事前に理解しておいてほしいのが、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットについて。
コンテンツマーケティングには他のマーケティング手法にはない魅力的なメリットがある反面、注意しなくてはならないデメリットもいくつかあります。
この記事では、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットについて紹介していきます。
事前にコンテンツマーケティングのメリットとデメリットを把握しておくことで、「こんなはずじゃなかった…」という失敗を回避することができるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを主役としたマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングでは、作成して公開したコンテンツを通して潜在的顧客や見込み顧客を教育し、新規顧客にしつつ、最終的には自社のファンになってもらうことをゴールとしています。
また、制作するコンテンツの種類や配信するメディアに特に決まりはありません。
Webメディアやブログに掲載するWeb記事、YouTubeなどの動画配信サービスで配信する動画、X(旧Twitter)などのSNS上で発信するコンテンツなどさまざまです。
最近では、特定の媒体だけでなく、上記のメディアをすべて活用して総合的にコンテンツマーケティングを展開していく企業も増えてきています。
とはいえ、そういった企業はまだそこまで多くはなく、Webメディアやブログを活用したコンテンツマーケティングが主流となっています。
コンテンツマーケティングのメリット
2015年ごろから日本でも流行り始め、今現在全盛期を迎えているコンテンツマーケティング。
そんなコンテンツマーケティングには、他のマーケティング手法にはないさまざまなメリットがあります。
コンテンツマーケティングに取り組むことで得られるようになるメリットについてみていきましょう。
メリット1:広告費がかからない
コンテンツマーケティングにおけるユーザーの主な集客方法は「SEO」です。
SEOは、自身のWebサイトを検索ブラウザの検索結果の上位に表示させるためにおこなう対策ですが、SEO対策は無料で実施することが可能です。
SEOで上位表示されるためにはGoogleに評価されるようなコンテンツを用意しなくてはいけません。
Googleに評価されるようなコンテンツを用意して上位表示さえ実現できれば、広告費をかけずとも多くのユーザーを集客できるようになります。
Webでの集客方法と言えば広告の出稿が定番です。
しかしリスティング広告やバナー広告、動画広告などを出稿してユーザーを集客する場合、少なくとも月に数万円程度は広告費をかけなくてはいけません。
企業によっては月の広告費に数百万円かけているところもありますが、コンテンツマーケティングで集客できるようになれば、その莫大な広告費用をまるまる削減できるようになるわけです。
あまり広告費をかけたくない企業や広告費を捻出できるほどの余裕がない企業にとっては、非常に大きなメリットだと言えるのではないでしょうか。
メリット2:初期費用がほとんどかからない
初期費用がほとんどかからないというのもコンテンツマーケティングのメリットの一つです。
Webメディアやブログを開設してコンテンツマーケティングに取り組んでいく場合、レンタルサーバー代とドメイン代がかかります。
レンタルサーバーを利用するための初期費用はサーバーによって異なりますが、数千円ほどしかかかりませんし、月々の利用料金も1,000〜2,000円程度です。
ドメインの取得にかかる費用はドメインの種類によって異なりますが、数百円〜数千円程度で取得可能です。
ドメインは1年に1回更新費用がかかりますが、それも数千円程度とかなり安くなっています。
つまり、コンテンツマーケティングを開始するのにかかる初期費用は1万円もいかないということになりますね。
もちろん、コンテンツを制作するための費用などが別途かかってくることにはなりますが、初期費用には1万円程度しかかからないので、こちらもかなり大きなメリットだと言えるでしょう。
メリット3:参入のハードルが低い
コンテンツマーケティングには参入のハードルが低いというメリットもあります。
ここまで紹介してきたように、コンテンツマーケティングは、始めるのにお金のかからないタイプのマーケティング手法です。
始めるために広告費などの費用を用意する必要がありませんし、初期費用も1万円程度で済みます。
また、WordPressなどのCMS(Contents Management System)を活用すれば、メディアやブログなども簡単に用意することができます。
わざわざ制作会社に制作費用を払って作ってもらう必要もありません。
そのため、マーケティングにあまり予算をかけられないような場合でも、比較的気軽に始められるようになっています。
メリット4:資産になる
コンテンツマーケティングにおける主役であるコンテンツは、一度作成した場合、そのコンテンツを削除しない限り残り続けます。
仮にGoogleには評価されないコンテンツになってしまったとしても、アクセスしてきたユーザーを教育するためのコンテンツとして活用することは可能です。
また、仮に公開するのをやめてしまったとしても、バックアップデータさえ残しておけば、また必要になったタイミングで公開することもできます。
つまり、作成したコンテンツは、会社にとっての資産になっていくということですね。
また、資産になるのはコンテンツだけではありません。
コンテンツマーケティングに取り組んでいく中で取得したさまざまなデータも資産になります。
これらのデータを活用すれば、最初から高い精度でマーケティングを展開していくことも可能です。
そのため、他のマーケティング方法にはない、非常に魅力的なメリットの一つだと言えるでしょう。
メリット5:継続的に集客してくれる
継続的にユーザーを集客してきてくれるというのも、他のマーケティング方法にはないコンテンツマーケティングならではのメリットの一つです。
コンテンツマーケティングでの主な集客経路はSEOですが、制作したコンテンツが検索結果上で上位表示されている限りは、そのコンテンツを通して多くのユーザーを継続的に集客できます。
これが、広告での集客をメインにしている場合だとそうはいきません。
広告での集客をメインとしている場合、お金を払って広告を出稿している間はユーザーを集客し続けられますが、一旦広告の出稿をやめてしまうと、ユーザーを集客できなくなってしまいます。
広告で継続的に集客するためには、広告費を支払い続ける必要があるというわけですね。
一方コンテンツマーケティングは費用をかけなくても継続的にユーザーを連れてきてくれるので、非常に魅力的な集客方法だと言えます。
メリット6:潜在顧客や見込み顧客を新規顧客にできる
「コンテンツマーケティングとは」の部分でも少し触れましたが、コンテンツマーケティングではユーザーを教育し、潜在顧客や見込み顧客を新規顧客にできます。
例えば、コンテンツマーケティングのことが気になっているものの、「コンテンツマーケティングで本当に集客なんてできるの?」と疑ってしまっているユーザーがいたとします。
そのユーザーに対していきなりコンテンツマーケティングのコンサルサービスを売り込んでも、成約することはまずありません。
こういったユーザーには、いきなり商品やサービスを売り込むのではなく、まずはコンテンツマーケティングの魅力やメリットを伝えることで教育していき、徐々に商品やサービスを売り込んでいく必要があります。
コンテンツマーケティングでは、この「教育」してからの「売り込み」を、制作したコンテンツを通しておこなえるようになっています。
そのため、必ずしも商品やサービスを今すぐ欲しているユーザーを集客する必要はありません。
これにより、広告での集客に頼っているような競合他社が狙わないようなユーザーも狙っていけるようになるため、競争を避けながら売上を作っていけるようになります。
この、潜在的顧客や見込み顧客をコンテンツで教育することで新規顧客に変えられるという点も、コンテンツマーケティングの大きなメリットの一つだと言えるでしょう。
メリット7:ユーザーをファン化できる
コンテンツマーケティングの最終的な目標は集客してきたユーザーをファン化させることですが、これもビジネスをおこなっていく上で大きなメリットになります。
ビジネスを成功させたい場合、新規の顧客を獲得するよりもリピーターを獲得することの方が重要になってきますが、このリピーターよりも重要になってくるのがファン化した顧客です。
ファン化した顧客がファンになってくれるのは、商品やサービスではなく企業そのものです。
そのため、新しい商品を発売したり新しいサービスを始めたりした場合にも、それらの商品を積極的に購入したり、サービスを積極的に利用してくれたりします。
企業自体のファンになってくれているので、
「〇〇社の新商品なら、ぜひ購入したい」
「〇〇社の新しいサービスなら、ぜひ利用してみたい」
と思ってくれるようになるわけですね。
リピーターも企業にとって貴重な存在ですが、リピーターは積極的に新商品を購入したり、積極的に新しいサービスを利用したりしてくれるわけではありません。
リピーターは、あくまで既存の商品や既存のサービスをリピートしたいと思っているだけの場合が多いので、新商品の購入や新しいサービスの利用には慎重になってしまいます。
決して簡単ではないユーザーのファン化を実現できるコンテンツマーケティングは、かなり魅力的なマーケティング手法だと言えるでしょう。
メリット8:精度の高いデータ分析が可能
コンテンツマーケティングはWebで展開していくマーケティング手法であるため、データの分析と改善がおこないやすいというメリットがあります。
これまでマーケティング手法の定番であった、
- テレビ
- 新聞
- 雑誌
- ラジオ
などへ広告を出稿するマーケティングでは、大まかなデータを取得することはできても、細かなデータを取得することはできませんでした。
ユーザーの細かなデータを取得することができないのはもちろん、どれだけのユーザーに広告を届けられているかについてもザックリとした数値でしか把握することができません。
一方、Webで展開していくコンテンツマーケティングの場合は、ユーザーの属性に関するデータはもちろん、ユーザーの行動履歴などについても確認できるようになっています。
これを可能にしているのが、Google Analyticsなどの分析ツールです。
自社で展開しているメディアやブログに分析ツールを導入することで、
- ユーザーの性別や年齢、住んでいる地域などの属性
- サイト内でのユーザーの行動履歴
- ユーザーの利用しているデバイス
- ユーザーの集客経路
など、ユーザーに関するデータはもちろん、
- 人気のあるコンテンツ
- 人気のないコンテンツ
- それぞれのコンテンツがどれだけ読み込まれているか
- 離脱率や直帰率
など、公開しているコンテンツに関するデータを取得することも可能になります。
さらに、分析ツールの一つであるヒートマップツールを導入すれば、ユーザーがコンテンツのどの部分にどれだけ注目しているかについても確認できるようになるため、より精度の高い分析がおこなえるようになります。
メリット9:改善がおこないやすい
コンテンツマーケティングには、精度の高い分析が可能というメリットがあると紹介してきましたが、それにより得られるもう一つのメリットが「改善のおこないやすさ」です。
データが少ないと精度の高い分析がおこなえないため、具体的な改善策を見出すことができません。
具体的な改善策が見出せなければ、効果的な改善を実施することもできないでしょう。
しかし、さまざまなデータを集められるコンテンツマーケティングであれば、効果的な改善の実施が可能になります。
集められるデータも多いので、改善案もより出やすくなるはずです。
これらのメリットにより、取得したデータがしっかりと反映された、優れたコンテンツを公開していくことが可能になります。
メリット10:外注化できる
外注化しやすいというのもコンテンツマーケティングのメリットの一つです。
コンテンツマーケティングを成功させるためには、優れたコンテンツの制作力はもちろん、データの分析力と改善力、コンテンツを上位表示させるためのSEOに関する知識など、さまざま知識とスキルが必要になってきます。
それらをすべて自社でまかなおうとするとリソースがいくらあっても足りませんが、コンテンツマーケティングの場合、それらの実務的な作業を外注することが可能です。
- 文章の作成はライターに
- 画像やイラストの作成はデザイナーやイラストレーターに
- データの分析や改善はマーケッターに
- キーワードの選定や必要なコンテンツの選定はSEOのプロに
というように、それぞれの作業をその道のプロに外注して任せることができますし、外注しやすくもなっています。
- キーワードの選定や必要なコンテンツの選定をSEOのプロに依頼
- そのリストを元にしてライターに文章の作成を依頼
- それと並行してデザイナーやイラストレーターに画像やイラストの作成を依頼
- コンテンツを公開した後に集まったデータを元にマーケッターに分析と改善を依頼
という流れを作っておけば、後はディレクターとなる担当者を立てて、スケジュール通りに進んでいくようにするだけです。
つまり、全体的な舵取りの部分以外はすべて外注できてしまうということですね。
これにより、スピード感をもってマーケティング活動を進めていけるようになります。
メリット11:専門家やオピニオンリーダーとしての地位を獲得できる
コンテンツマーケティングのメリットの1つとして、企業が特定分野での専門家として認識される効果があります。
自社の領域に関連する分野で、ユーザーから専門家として認識されることは、ビジネスの成長と成功に大きな影響を与える重要です。
コンテンツを閲覧するユーザーは、自分の問題を解決してくれる情報を求めています。
このようなユーザーに対して、コンテンツマーケティングを通じて業界の深い知識と経験を示すことで、信頼できる存在となれるのです。
例えば特定地域の観光に関して、現地の実情やあまり知られていない情報を含めて発信することで、その地域に関する情報のプロフェッショナルとして認識されるでしょう。
特定分野の専門家として認識されることは、ブランドイメージの強化に有効な手段です。
また、専門性を通じて市場での独自のポジションを確立でき、オピニオンリーダーとしての地位を築けます。
結果的に、リード数の増加や、リードナーチャリングの確度を高められるでしょう。
メリット12:SNSとの親和性が高い
コンテンツマーケティングは、SNSとの親和性が高いこともメリットです。
SNSと組み合わせることで、コンテンツの拡散力を高め、より多くのユーザーへのリーチが見込めます。
特に質の高いコンテンツは、ユーザーが自発的に共有してくれることが多いので、拡散される傾向があります。
また、SNS上で拡散されたコンテンツは、いいね!やコメント、リツイートなどのエンゲージメントが生まれやすくなることもポイントです。
SNSは投稿するコンテンツの種類も豊富であり、文章以外にも画像や動画などを投稿できます。
例えば、化粧品ブランドがインスタグラムで美容に関する短いTips動画を定期的に投稿し、ハッシュタグを効果的に活用することで、フォロワー数とエンゲージメント率を大幅に向上させた事例があります。
メリット13:地域を限定せずに展開できる
コンテンツマーケティングの大きなメリットの一つは、地理的な制約を超えてマーケティングを展開できる点です。
例えば、インターネット上に掲載するブログやSNSの情報は、日本全国のユーザーにリーチできます。
また、海外言語に対応したWebサイトなら、国内のみならず海外市場への進出も可能となります。
地域に縛られずにマーケティングを展開できるため、特定の興味や需要を持つユーザーを集客できる点がポイントです。
メリット14:良質な顧客の流入が見込める
コンテンツマーケティングは、良質な顧客の流入が期待できる点もメリットです。
例えば、「ノート PC おすすめ」というキーワードで検索するユーザーは、すでにノートパソコンの購入を検討している場合が多く、近いうちに購入する可能性が高いです。
これらのユーザーに対して、自社のノウハウに基づいた情報を提供することで、成約率を高めることができます。
メリット15:より詳細な情報を提供できる
コンテンツマーケティングのメリットとしては、製品やサービスについて、より詳細で深い情報を提供できる点も挙げられます。
ランディングページ(LP)などと比べると、コンテンツマーケティングでは多様なニーズに合わせて柔軟にコンテンツを作成できます。
例えば、一つの製品やサービスについて、さまざまな切り口から情報コンテンツを提供できるでしょう。
また、顧客の理解度や興味に応じて、基礎的な情報から専門的な内容まで、段階的な情報提供も可能です。
例えば、Webマーケティング支援をおこなう会社が、ブログで支援実績を詳しく紹介することで、LPには書ききれなかった魅力を伝えられます。
コンテンツマーケティングを通じた詳細な情報提供は、顧客への十分な情報提供の役割を果たし、比較検討の意思決定に大きな影響を与える要素といえます。
コンテンツマーケティングのデメリット
さまざまなメリットのあるコンテンツマーケティングですが、デメリットがないというわけではありません。
コンテンツマーケティングにはコンテンツマーケティングなりのデメリットがあります。
実際にコンテンツマーケティングに取り組んでいく場合、メリット以上に理解しておく必要があるのがこのデメリットについてです。
コンテンツマーケティングにおける7つのデメリットを紹介していくので、しっかりと把握しておくようにしてください。
デメリット1:コンテンツの制作に費用がかかる
コンテンツマーケティングでは、良質なコンテンツを制作して公開することでユーザーを集客していきますが、そのコンテンツの制作には費用がかかります。
コンテンツの制作そのものを外注する場合はもちろん、ライティングだけお願いする場合や、画像やイラストだけをお願いする場合であっても費用は発生します。
コンテンツマーケティングをおこなってくためのチームや部署を作り、コンテンツを内製していくことも可能です。
ただし、その場合は人件費がかかってくることになります。
最近はWeb上のコンテンツの質がかなり上がってきているということもあり、1つのコンテンツを作るのに10万円以上かかってしまうことも珍しくありません。
そうなると、制作する予定のコンテンツの数によってはかなりの費用が発生してしまうことになります。
メリットの部分で紹介したように、作ったコンテンツは資産になるので無駄になるようなことはありませんが、制作費用がかかる点はコンテンツマーケティングにおけるデメリットの一つだと言うことを認識しておきましょう。
デメリット2:コンテンツの制作に時間がかかる
コンテンツマーケティングの主役となるコンテンツの制作には、お金だけでなく時間もかかります。
最近は、数時間や数日で制作したような質の高くないコンテンツだとSEOで評価されないようになってきているので、質の高いコンテンツを制作していく必要がありますが、質の高いコンテンツの制作にはとにかく時間がかかります。
一つのコンテンツを制作するのにどれくらい時間をかけるかは企業によって異なりますが、数週間かけて1つの記事を完成させる企業もあるくらいです。
必ずしも時間をかけてコンテンツを制作するべきだと言うわけではありませんが、良質なコンテンツを制作しようと考えた場合、1週間程度はかかると見積もっておくべきです。
一つの記事でこれだけ時間がかかるわけですから、制作する予定の記事の数が数十記事、あるいは百記事以上になる場合は、相当時間がかかることになります。
時間をかけてじっくり取り組んでいくこと自体が悪いわけではありませんが、スピード感をもって取り組んでいくことも大切です。
複数の記事を同時進行で進めて、外注化できるところは外注化するなどして、効率良く進めていきましょう。
デメリット3:成果が出るまでに時間がかかる
コンテンツの制作に時間がかかってしまうコンテンツマーケティングですが、コンテンツマーケティングは成果が出るまでにも時間がかかるマーケティング手法です。
公開したコンテンツで集客できるようになるには、Googleに評価してもらい、SEOで上位表示を実現する必要があります。
ただし、Googleに評価してもらえるようになるまでにはある程度の期間が必要になってきます。
SEOで上位表示するためにはさまざまな要素を満たさなくてはいけませんが、それらの要素の中でも特に重要になってくるのが、ドメインに対する評価とユーザーの行動データです。
もちろんコンテンツの質が高いことも関係してきますが、それは満たしているものとして話を進めていきます。
まず、ドメインに対する評価ですが、Googleは新規のドメインを評価してはくれません。
ある程度の期間様子を見て、数ヶ月経ってから初めて評価され始めます。
そのため、どれだけ質の高いコンテンツを制作し、公開したとしても、始めのころはほとんどユーザーが訪問してくれないでしょう。
次に、ユーザーの行動データについてですが、ユーザーの行動データというのは、コンテンツに対するユーザーからの評価に関するデータです。
コンテンツ内での行動やコンテンツを見終わった後の行動などで、そのコンテンツが優れているコンテンツかそうでないコンテンツかを判断していきます。
ただ、優れたコンテンツかどうかの判断は、少数のユーザー行動データではおこなえません。
どれくらいのユーザー行動データが必要になるかは検索クエリによって異なりますが、数千から数万のユーザー行動データが必要になる場合もあります。
そのため、どうしても時間がかかるわけです。
このように、Webメディアやブログが正当な評価を受けられるようになるまでにも時間がかかりますし、コンテンツ自体が評価されるまでにも時間がかかります。
コンテンツマーケティングでそれなりの成果が得られるようになるまでには、最低でも3ヶ月、長い場合は半年以上かかることもあるので、とにかく根気よく取り組んでいくことが大切だということを理解しておかなくてはいけません。
デメリット4:必ず成果を上げられるとは限らない
コンテンツマーケティングは人気のマーケティング手法で取り組む企業が急増していますが、取り組んだからと言って必ず成果を上げられるわけではありません。
予算をかけて外注化したとしても思うように成果を上げられないこともありますし、社内で部署やチームを作って取り組んだとしても成果につながらない場合もあります。
「数十記事から数百記事制作したにも関わらず、ほとんどアクセスが集まらない…」なんてことも珍しくありません。
コンテンツマーケティングは今が全盛期と言えるほど加熱しているので、取り組めば成果を上げられると思われがちです。
しかし、必ず成果を上げられる夢のようなマーケティング手法ではないので、その点についてもしっかりと理解しておく必要があります。
デメリット5:常に分析と改善をおこなう必要がある
コンテンツマーケティングで集客していくにはSEO対策が必須だと紹介してきましたが、SEOで評価されるコンテンツは、常に分析と改善がおこなわれているコンテンツです。
SEOで上位表示される記事というのはユーザーの検索意図を満たしているコンテンツですが、ユーザーの検索意図は常に変化し続けるものです。
そのため、コンテンツは一度公開したら終わりではなく、分析と改善を繰り返し、ユーザーの最新の検索意図を満たすものである必要があります。
仮に今現在上位表示されていたとしても、何ヶ月も更新せず放置されたままになっているコンテンツというのは順位が落ちていってしまうものです。
そのため、公開したコンテンツは常に分析と改善を実施していく必要があるわけですね。
この場合、コンテンツが多ければ多いほど分析と改善に手間がかかることになるので、この点もコンテンツマーケティング特有のデメリットの一つと言っていいでしょう。
デメリット6:年々難易度が増してきている
コンテンツマーケティングは年々難易度が増してきています。
コンテンツマーケティングが流行りだした2015年ごろと比較すると、その難易度は何倍にもなっていると言っても過言ではありません。
その要因の一つとなっているのが、ライバルの増加です。
コンテンツマーケティングは、今やWebにおけるマーケティング方法の定番と言えるほど取り組む企業が増えてきています。
一昔前までであれば、コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業が一つもない業界がたくさんありましたが、今はそういった業界はほとんどありません。
そのため、どの業界でコンテンツマーケティングに取り組んでいくにしても、ライバルとなる企業よりも質の高いコンテンツを制作していく必要があります。
また、Googleのアルゴリズムの変化も、コンテンツマーケティングの難易度が上がっている要因の一つです。
SEOの順位を決定するGoogleのアルゴリズムは常に改良され続けていますが、数年前から権威性を重視するようなアルゴリズムに変化してきています。
どこの誰が書いたかわからないようなコンテンツは、どれだけ内容が優れていても上位表示できないという事例が多くなってきているため、権威性をどうやって確保していくかについても考える必要があります。
Googleのアルゴリズムの変化によってやるべきことや満たすべき条件が増え、求められるレベルもどんどん高くなってきているとうことですね。
この流れは今後も加速していくことが予想されるので、より大きなデメリットになっていくと言えるでしょう。
デメリット7:Googleのアップデートに左右されやすい
コンテンツマーケティングをおこなっていく場合、ずっと付き合っていかなくてはいけないのがGoogleによるアップデートです。
GoogleはSEOの順位を独自のアルゴリズムによって決定していますが、このアルゴリズムは年に数回アップデートがおこなわれます。
このアップデートの厄介なところは、評価の軸が大きく変化する可能性があるという点です。
これまではコンテンツの質を何よりも重視するようなアルゴリズムだったかと思えば、ある日いきなり被リンクを重視するようなアルゴリズムに変化したりします。
そのため、ある日突然、上位表示されていたコンテンツの順位が大きく下がり、Webメディアやブログへのアクセスが激減してしまうこともあります。
つまり、コンテンツマーケティングが会社の売上に大きく関わっている場合は、アップデートによって売上の多くを失ってしまうことになりかねないということです。
これは会社の存続にかかわる大きなデメリットだと言えるので、コンテンツマーケティングに取り組んでいく場合はこのことをきちんと理解しておく必要があります。
コンテンツマーケティングを成功させる上で大切な5つのポイント
コンテンツマーケティングのメリットとデメリットを把握した上で、それでもコンテンツマーケティングに取り組んでいきたいというのであれば、コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントについてもチェックしておくようにしましょう。
これから紹介する5つのポイントを意識することで、コンテンツマーケティングを成功させられる確率をグっと高めることができます。
1:成果が出始めるのに時間がかかるマーケティング方法だということを理解する
コンテンツマーケティングのデメリットの部分でもご紹介した通り、コンテンツマーケティングは時間のかかるマーケティング手法です。
中古ドメインや自演リンク、SNSの活用などでいきなり成果を出すこともできなくはありませんが、どれも初心者向けの方法ではありません。
そのため、新規ドメインでメディアやブログを始めることを前提に話を進めていきますが、新規ドメインで始めた場合、どれだけ早くても成果が出るまでに3ヶ月以上かかります。
平均でも半年はかかりますし、結果が出るのが遅い場合は1年以上かかることもあります。
広告を活用するマーケティング方法の場合はすぐに成果が出ることもありますが、コンテンツマーケティングの場合はそういったことはまずないと考えておくべきです。
このことを理解しておかないと、中途半端に取り組んでしまい、まったく結果を出せずに撤退してしまうことになりかねません。
とはいえ、「コンテンツマーケティングはとにかく時間がかかる」ということを頭で理解していたとしても、結果が出るかどうかもわからない状況で地道に取り組み続けていくのは難しいものです。
ただし、コンテンツマーケティングで結果を出すためには、「成果が出るまでの時間の壁」を必ず乗り越えなくていけないので、最低でも半年は地道に取り組み続けるようにしましょう。
2:正しい知識を取り入れながら進める
コンテンツマーケティングには、
- コンテンツマーケティング
- SEO
- ライティング
- 分析
- 改善
- SNSの活用
など、さまざまな分野の知識が必要になります。
これらの分野について学ぶ方法はいくつかありますが、間違った情報が発信されてしまっていることも珍しくありません。
コンテンツマーケティングで成果を出したい場合は、これらの多くの情報の中から正しい情報を選定し、取り入れながら進めていく必要があります。
間違った知識で取り組んでしまった場合、当然ですが成果をあげることはできませんし、それまでに使ってきた費用が無駄になってしまいかねません。
それぞれの分野の著名人や企業など、専門家が発信している情報から正しい知識を取り入れながら進めていくようにしましょう。
コンテンツマーケティングを本で学びたいと考えている方は以下の記事もあわせてチェックしてみてくださいね。
>>コンテンツマーケティングの学習におすすめ本を分野別に20冊紹介
3:質の高いコンテンツのみを公開する
これからコンテンツマーケティングに取り組んでいくのであれば、コンテンツの質にはとことんこだわらなくてはいけません。
というのも、現在のコンテンツマーケティングで成果をあげるためには、質の高いコンテンツを配信することが前提条件になってきているからです。
コンテンツマーケティングが流行り始めた2015年〜2016年の時期はGoogleのアルゴリズムの精度もそれほど高くなかったので、お世辞にも質が高いとは言えないコンテンツであっても上位表示することができていました。
しかし、今はどのメディアやブログも、公開するコンテンツの質が非常に高くなってきています。
そのため、質の低いコンテンツでは上位表示を実現することはできません。
上位表示どころか、100位圏内に入ることすら不可能でしょう。
質の高いコンテンツに定義はありませんが、
- ユーザーの検索意図に答えられているか
- 情報がうまくまとめられているか
- 必要な情報が網羅されているか
- 日本語におかしな部分がないか
- 読み進めやすい文章になっているか
- 画像やイラストで情報を視覚的に伝えられているか
- 表やリストを使って読みやすさを担保できているか
など、意識するべき部分はたくさんあります。
コンテンツマーケティングに取り組んでいる方の中には、「コンテンツは改善できるので、スピード感をもって取り組むためにまずは60%ぐらいの完成度で公開するべきだ」という人もいますが、それはあまりおすすめできません。
Googleはそのコンテンツを見に来たユーザーの行動もランキングに反映します。
60%の完成度でコンテンツを公開してユーザーからよくない評価を受けてしまうと、「このコンテンツは質が低い」と判断されてしまい順位が低くなってしまう可能性があるため、完成度の低い状態での効果は避けるべきです。
コンテンツの質にとことんこだわり、質の高いコンテンツだけを公開していくようにしましょう。
4:毎日データを取りながら分析と改善を繰り返す
コンテンツマーケティングのメリットの部分でもご紹介した通り、コンテンツマーケティングは詳細なデータの取得が可能なマーケティング方法です。
そのため、データを取らない手はありません。
どういったツールを使ってデータを取得していくかは自由ですが、
の、3つは導入しておくべきです。
Google Analyticsではユーザーの詳細な行動データが取得できますし、Google Search Consoleでは検索クエリのデータを取得することができます。
また、公開したコンテンツが検索結果上で何位に表示されているかのデータは、ランクチェックツールで取得することが可能です。
取得したデータを元に分析をおこない、改善策や次の施策を考えていくことで、コンテンツはもちろん、メディアやブログ自体をより良いものにしていくことができるようになります。
データの取得と、取得したデータを分析しながらの改善をおこなわないことは、コンテンツマーケティングにおける最大のメリットを放棄してしまっているということになりかねません。
そうなってしまわないためにも、必ずデータを取得し、分析と改善に取り組んでいくようにしましょう。
5:Googleからペナルティを受けてしまうような手法では取り組まない
コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかるタイプのマーケティング手法だとご紹介してきましたが、その時間を短縮する方法に「自演リンク」という方法があります。
ただし、この方法はおすすめできるものではありません。
というのも、リンクの自演はGoogleが嫌っているスパム的な手法だからです。
また、Googleが嫌う手法というのはその他にも存在します。
代表的なものとしては、以下のようなものがあげられます。
・コンテンツの自動生成
・リンク プログラムへの参加
・オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しないページの作成
・クローキング
・不正なリダイレクト
・隠しテキストや隠しリンク
・誘導ページ
・無断複製されたコンテンツ
・十分な付加価値のないアフィリエイト プログラムへの参加
・ページへのコンテンツに関係のないキーワードの詰め込み
・フィッシングや、ウィルス、トロイの木馬、その他のマルウェアのインストールといった悪意のある動作を伴うページの作成
・構造化データのマークアップの悪用
・Google への自動化されたクエリの送信
引用元:Googleウェブマスター向けガイドライン
意図的におこなうのはもちろんですが、無意識だったとしても、これらの行為をおこなってしまうとGoogleからペナルティを受けてしまう可能性があります。
Googleからペナルティを受けると、そのペナルティが解除されるまでSEOの順位を大きく下げられてしまうため、メディアやブログへのアクセスが大幅に減少してしまいかねません。
このペナルティは解除できるタイプのものではありますが、ペナルティを解除するのは相当骨が折れますし、解除できないことも多々あります。
そのため、Googleのガイドラインに違反するようなことはせず、正しい方法で進めていくようにしましょう。
まとめ:コンテンツマーケティングは大きな可能性を秘めたマーケティング手法
コンテンツマーケティングはデメリットの少なくないマーケティング手法です。
しかし、正しい方法で地道に取り組んでいけば大きな成果をあげることができるマーケティング手法でもあります。
広告費をかけずに多くのユーザーのアクセスを集めたり、ユーザーを教育してファン化させたりできるというのは、コンテンツマーケティングならではの大きなメリットです。
決して楽なマーケティング方法ではなく、簡単に成果が出るタイプのマーケティング方法でもありませんが、大きな成果をあげるためにも、ぜひコンテンツマーケティングに取り組まれてみてはいかがでしょうか。
テクロ株式会社では「コンテンツマーケティング施策の始め方」資料を無料で配布しています。
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