コンテンツマーケティングに有効なブログ作成方法と4つのポイントを紹介
コンテンツマーケティングといえば、ブログというイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。
実際にコンテンツマーケティングのコンテンツには、ブログ以外にもTwitterなどのSNSやYouTubeといった動画、ホワイトペーパーなども該当します。
とはいえコンテンツマーケティングの手法において、ブログは企業の情報発信に不可欠な役割を担っている重要なコンテンツであるといえるでしょう。
この記事では、コンテンツマーケティングに有効なブログの作成方法や運用のポイントなどについて解説します。
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目次
コンテンツマーケティングにおけるブログの位置づけとは
ブログは企業からの情報を伝えるためのプラットフォームとして、信頼性の高いコンテンツを提供できるツールです。
企業の専門知識や業界のトレンドに関する情報を提供する場に活用できます。
信頼性のある情報を提供することで、読者は企業に対して関心を持ってくれるでしょう。
また、ブログは企業で働く人々の人間性やブランドのストーリーを伝えるためのツールとしても活躍します。
ブログを通じて、企業の人間的な側面を表現することで、読者とのつながりを深められます。
さらに、ブログはSEO(検索エンジン最適化)の観点からも重要です。
良質なコンテンツの提供によって、検索エンジンでの表示順位を上げられます。
読者が特定のキーワードで検索した際に、企業のブログが上位に表示されることで、新たな読者を獲得する機会が広がるでしょう。
コンテンツマーケティングに効果的なブログ作成のステップ6つ
ブログをただ闇雲に始めても、コンテンツマーケティングには役立ちません。
ここでは、コンテンツマーケティングに主眼を置いた作成のステップを紹介します。
1.ブログの目標を設定する
ブログを運営するにあたって、まずは目標を設定することが大切です。
目標を設定することで、ブログの方向性を明確にして、記事のテーマやキーワードを選定しやすくなります。
目標には、例えば「問い合わせを増やして顧客を獲得する」といった目標があります。
この場合、記事の最後に自社サービスや商品への動線を組み込むことで目標に近づけるでしょう。
まずは毎週3記事アップするなど、達成しやすい具体的な短期目標を掲げることで、記事更新の継続化につながります。
2.ペルソナを設定する
ペルソナとは、ターゲットとなる読者像を具体的に想像して作り上げたイメージのことです。
ペルソナを設定することで、読者の属性や嗜好を考慮した記事が書けます。
例えば業務効率化をテーマにしたブログを作る場合、ペルソナを「30代〜40代の総務担当者」と設定すると、ペルソナが管理している物品の効率的な棚卸方法など具体的な記事の方向性が決めやすくなります。
ペルソナを設定するためには、ターゲットとなる読者像について考え、以下のような要素を考慮すると良いでしょう。- 年齢、性別、住んでいる場所
- 職業(内容、役職)、収入、貯蓄状況
- 最終学歴
- ライフスタイル(起床・就寝時間、通勤時間、勤務時間、休日の過ごし方)
- 性格、価値観
- 人間関係、家族構成
- 趣味、興味、不満、悩み
これらの要素を考えた上で、ペルソナを一人の人物像として想像してみましょう。
そうすることで、どのような記事を書くべきかイメージしやすくなります。
ペルソナを設定することで、読者の関心や求めている情報を把握し、記事の質を向上できます。
3.記事作成の仕組みを考える
記事作成は継続して続けていくことで効果を発揮します。
PV数やアクセス数が多い記事をアップできたとしても、更新がなかなかされないブログでは次第に読者の足は遠のいていきます。
記事を作成するには、テーマに関する知識やSEOの知識を持っているライター・編集者が必要です。
社内でライターを確保するならば、テーマやキーワードだけは担当者で用意して全社員に記事を作成してもらうのも良いでしょう。
また、記事のルールなどを決めておくと、品質を一定にたもったまま記事作成ができます。
4.目標に合わせた検索キーワードを選定する
自分が取り扱うテーマに関連する他のサイトやブログを調べ、彼らがどのようなキーワードを使用しているか確認しましょう。
特に、自社と同じ商品を取り扱っていたり、ターゲットが近い競合サイトは参考になります。
Googleのキーワードプランナーは、関連するキーワードを提案してくれるツールです。
自分が選定したキーワードが適切なものであるかどうか、どの程度の検索数が見込めるか確認できます。
また、1つの単語だけでなく、複数の単語を組み合わせたロングテールキーワードを選定することも重要です。
競合しにくく、検索したユーザーにとってもより適切な記事が表示されることになります。
SEOにおける検索キーワードを選定するには、次の記事も参考にしてください。
関連記事:SEO対策におけるキーワードの選定方法 | 手順やおすすめツールを紹介
5.SEOを意識してライティングする
キーワードが洗い出せたら、ブログに載せる記事をライティングしていきます。
記事タイトルに検索キーワードを入れる、見出しにキーワードを入れるなど、SEOを意識したフォーマットにすることが重要です。
同じ意味を持つ言葉や関連語を扱う「LSI(Latent Semantic Indexing)キーワード」を活用することで、検索エンジンが記事を読み込みやすくなります。
例えば、人材育成の記事で「リスキリング」というキーワードと一緒に、「スキルアップ」や「再教育」といった関連語も盛り込むことでより的確な検索結果につながります。
さらに記事内でリンクを貼ると、その記事の情報を探している人が見やすく、記事の評価も上がります。
他のWebサイトからのリンクを取得することも、検索エンジン評価の上昇につながるのです。
リンクの位置やタイトルにもこだわって、読者のアクションを促すように工夫しましょう。
6.記事の効果測定をしてリライトする
記事を書いた後は、効果測定をすることが大切です。
具体的には、ページビュー数や滞在時間、クリック数、検索順位などを確認して改善点を見つけます。
効果測定の結果、改善点が見つかった場合は、リライトしましょう。
改善点に応じて、記事の見出しや本文、画像、レイアウトなどを修正し、情報の付け足しや更新をします。
効果測定とリライトを繰り返すことで、より良いコンテンツを作り上げられます。
常に読者の反応に耳を傾け、ブラッシュアップを続けていきましょう。
コンテンツマーケティングにおけるブログ運用のポイント4つ
コンテンツマーケティングにおいてブログを運用するポイントは、次の4つです。
- 長期的に取り組む
- 記事の質を高める
- 外部委託を検討する
- ブログを一つのメディアとして成長させる
次から、内容について詳しく説明していきます。
長期的に取り組む
コンテンツマーケティングにおけるブログでは、中長期に渡って取り組むことが重要です。
コンテンツマーケティングでは、顧客との信頼関係を築いていくことが大切です。
信頼関係はすぐに構築されるものではなく、ある程度の時間が必要であること理解しておきましょう。
ブログを中長期的に取り組むための具体的な方法は、以下のものがあります。
- 「記事のアクセス数を1年間で100%増やす」といった具体的な目標を設定する
- SEOやSNSなどを活用し着実にアクセスを伸ばす施策を進める
- 自社に合ったスケジュールで定期的な更新を続ける
- アクセス解析データを活用して改善点を把握する
- 社内の理解を得る
長期的な取り組みにおいてもっとも大切なのは、継続です。
最初はアクセス数が伸びにくく、手間暇がかかることもあるかもしれませんが、継続して取り組むことで成果が出ます。
焦らずに、コツコツと取り組んでいきましょう。
記事の質を高める
記事コンテンツの質を高め、読者にとっての価値を高めることも大切です。
読み手にとってわかりやすい文章にするために、次の工夫が必要です。
- 専門用語を使わず、誰が読んでもわかるような記載を心がける
- はじめに記事の見出しを作成し、わかりやすい構成を考えてから執筆する
また、記事の正確性は読み手に信頼を与えます。
情報を調べる際は、官公庁や公的機関のサイトなどの信頼できる情報源から引用し、できる限り正確な情報を提供するよう心がけましょう。
外部委託を検討する
外部ライターに記事制作を依頼することで、本来の業務に充てる時間を確保しながら記事の量を増やせます。
また、自分自身では専門的な知識を持ち合わせていない分野の記事を制作する場合には、専門的なライターに依頼することで、質の高い記事の制作が可能です。
外部委託をする際には、信頼性のある委託先を選定することが重要です。
過去の実績や評判、料金の比較などを行い、信頼できる委託先を選定しましょう。
外部委託を行う場合には、委託先とコミュニケーションを密に行い、希望や要望を正確に伝えることも大切です。
コンテンツマーケティングの外部委託のメリットとデメリットについては、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:コンテンツマーケティングを外注するメリットとデメリットを紹介!
ブログを一つのメディアとして成長させる
ブログとメディアの違いとは、簡単にいえばテーマに対して自社の情報や考えだけにとどまっているか、網羅的に発信しているかになります。
ブログに掲載する記事を増やし、最終的には「ここを見れば欲しい情報が手に入る」と読者に思わせられるメディアへ成長させましょう。
ブログを一つのメディアとして成長させるためには、ブランディングも重要です。
ブログ名やロゴ、文章のスタイルや配色など、一貫性のあるデザインやスタイルを心がけるとより効果的です。
内部リンクを増やしたり、情報の足りない記事は非公開にしたり、リライトしたりするなどしてメディア化していきましょう。
コンテンツマーケティングに成功するブログに成長させるポイント3つ
コンテンツマーケティングに効果をもたらすブログに成長させるためには、次のポイントを抑えておきましょう。
- 読者目線を忘れない
- 専門性を出す
- 独自性を出す
ブログの読者を増やすことで、コンテンツマーケティングの成功につながります。
そのために、まずは内容の充実を目指しましょう。
読者目線を忘れない
記事を書く際には、常に読者目線を忘れないようにしましょう。
読者が何を求め、何に興味を持っているかを考えながら、魅力的なコンテンツを提供することが大切です。
ブログでよく陥りがちな失敗に、次のような事例があります。
- 広告が中心になっている
- 内輪にしかわからないような内容になっている
- 記事の内容が薄い
- 集客につなげたい商品やサービスがよくわからない
ブログでは、企業からの一方的な情報発信では効果がありません。
読者の悩みを解決したり、知りたかった情報を提供するからこそ購買やサービス申し込みにつながるファンになってもらえるのです。
専門性を出す
また、ブログの記事に専門性を出すことも重要です。
自社が得意とする分野や専門知識を活かし、読者に有益な情報を伝えることで、信頼性や専門性を高められるのです。
以下の引用のように、Googleの検索ランキングでも専門性などを含めた内容高く評価されることがわかります。
Experience, Expertise, Authoritativeness and Trust (E-E-A-T) are all important considerations in PQ rating. The most important member at the center of the E-E-A-T family is Trust.
経験、専門知識、権威性、信頼 (E-E-A-T) はすべて、PQ 評価における重要な考慮事項です。もっともE-E-A-T ファミリーの中心となる重要なメンバーは Trust です。引用:Google「General Guidelines」
記事の専門性を高めるには、自社の得意分野や専門知識以外には次のようなことに気をつけると良いでしょう。
- 内容に間違いがないように記載する
- 最新の情報を載せる
- 内容の網羅性を高める
- 専門家に取材する
- 読者の悩みを解決できる内容を心がける
専門性といっても、難しい専門用語を使うなど、読者にとってわかりにくい内容になっては逆効果です。
あくまで読者に寄り添う内容を心がけましょう。
独自性を出す
他社のブログ記事との差別化を図ることで、読者にとって魅力的な記事となります。
実際にGoogle検索について言及したブログでも、以下のように記載されています。
検索結果の評価を改善するために、E-A-T に E(経験)を追加しました。つまり、実際に製品を使用している、実際にその場所を訪問している、誰かが経験したことを伝えているなど、コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうかも評価されます。状況によっては、そのトピックに関連して実体験をもつ人が作成したコンテンツが最も高く評価される場合もあります。
引用:Google検索セントラルブログ「品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加」
独自性については以前、検索の上位記事を参考に書かれた同じような内容の記事が一時期出回っていたことに起因しています。
検索したどのサイトを見ても同じ情報しか得られないのならば、ユーザーにとってメリットは少ないためです。
独自性は、一次情報を提供することで高められます。
一次情報は官公庁などからの情報だけに限らず、経験や事例に対する主観なども含まれます。
ブログには検索上位のサイトから得られた情報(二次情報)ではなく、実際に自社で経験した内容や考えを発信することが大切です。
または、自社で実施したアンケートの内容を記事にしたり、独自の写真を掲載するのも独自性を出すのに効果的です。
コンテンツマーケティングにおけるブログの成功例
企業ブログでコンテンツマーケティングに成功している事例を紹介します。
サイボウズ式
引用:サイボウズ式
サイボウズ式は、クラウドサービスや業務改善ツールを展開しているサイボウズが運営している企業ブログです。
その内容は、働き方や生き方、多様性、会社組織などについてのコラムが中心です。
全体的に固い雰囲気ではなく、読みやすく親しみやすい文章が中心のサイトになっています。
日々、働き方や仕事について考えている人に世代を問わずよく読まれているサイボウズ式は、記事内に製品情報やサービスにつなげる文言はでてきません。
サイボウズが大切にしてきたチームや働き方に対する考えを記事にし続けているというスタイルで、サイボウズ株式会社の認識向上とブランディングが運営目的になっています。
これが結果的に、売上や採用に貢献するメディアに成長した好例です。
参考:ログミーBiz「『サイボウズ式』は少人数で、メンバー全員兼任状態——藤村編集長が語る、逆境のチームビルディング」
経営ハッカー
引用:経営ハッカー
経営ハッカーはfreee会計やfreee人事労務といった中小企業や個人事業主向けのクラウドサービスを展開している、freee株式会社のブログです。
ブログテーマにはバックオフィス業務や起業、会社設立などが中心で、経営者や個人事業主に役立つ情報を提供することを目的としています。
新進気鋭のベンチャー企業の代表者や社長へのインタビュー記事も多く、業務へのハックだけでなく経営へのヒントになるような情報も豊富です。
記事内でfreeeのサービスにつなげる動線になっており、うまく読者をサービスへ誘導しています。
参考:経営ハッカー
LIG
システム開発やWebサイト構築などのDX支援をしている株式会社LIGが運営しているブログは、Web制作のノウハウ提供が中心です。
記事にライターの個性が強く出ており、専門外の人が読んでも面白い内容になっています。
LIGは創業当時からブログを立ち上げており、開設から15年以上の歴史を持っています。
そもそものブログの始まりは「営業したくなかったから」という理由でした。
一時期では数百万単位の検索流入があり、毎月ブログ経由で40件前後の依頼があったという実績を持つLIGブログですが、運営に対する社内の理解を得られず思うように結果がでない時期もありました。
社内を巻き込み、PDCAを回しながらブラッシュアップを続けているLIGブログには、面白いだけでなく学ぶところも数多くあります。
参考:LIGブログ「LIGブログの昔といま、そして未来【2022年現在】」
ナイルのSEO相談室
引用:ナイルのSEO相談室
ナイル株式会社が運営しているナイルのSEO相談室は、SEOにおけるナイルのブランディングを成功させたブログです。
社員全員がブログ記事執筆に携わり、現場での知識をコンテンツとして発信していくスタイルになっています。もともと、記事を書きたい社員が自分でテーマを出して自由にアップするという体制でした。
しかし、近年は顧客対応に力を入れていたためブログの更新頻度が落ちたことをきっかけに、専任の担当者がついています。
現在では、担当者が社員にテーマを渡して執筆してもらう、あるいはテーマに沿った対談の音声データを記事化するという方法です。
ナイルでは、ネット検索だけでなく、TwitterなどのSNSで告知することで情報を拡散することにも力を入れています。
参考:エムタメ!「【#成功のバトン】SEOで有名なナイルは社員全員でメディアを運用する体制を構築している」
ベイジ
引用:株式会社ベイジ
ベイジではオウンドメディアで「ベイジの日報」「ベイジのエンジニアブログ」などのブログを運営しており、どれも反響が多くあります。
ブログの中でも、公式サイト内の「knowledge / baigie」はWebマーケティングのノウハウなどを提供しており、長く運営されています。
ベイジでは、マーケティングや営業の専門部署を特に設けていないにもかかわらず、年間900件以上の見込み客を獲得しているというのは驚きです。
成功した要因は、オウンドメディアを長期的に運営し、クオリティを保つ制作体制を築いたことです。
さらにSNSも同時に育てて発信力強化につなげています。
参考:Web担当者フォーラム「ベイジ枌谷氏に訊く 成果に繋がるオウンドメディアの戦略や運用のコツとは?」
その他、成功しているコンテンツマーケティングの例はこちらも参考にしてください。
国内だけでなく海外での成功事例も数多く紹介しています。
関連記事:コンテンツマーケティングの成功事例25選!日本・海外併せて紹介
まとめ:魅力的なブログ記事でコンテンツマーケティングを成功させよう
コンテンツマーケティングに有効なブログとは、読者にとって有用な情報を提供してくれたり読んでためになるような魅力的な記事が豊富なメディアです。
長期的な視点が必要になりますが、コツコツと積み重ねていくことで大きな効果が出てきます。
テクロでは、コンテンツマーケティングの立ち上げからブログ記事の制作まで一括して支援するサービスを提供しています。
コンテンツマーケティングに関する悩みを持たれている方は、以下で配布している「Webメディア作成マニュアル」をぜひご活用ください。