ウェビナーのリード獲得とナーチャリングの方法【そのウェビナー開催するだけで大丈夫?無駄にならないウェビナー活用方法とは?】
今回は2021年5月26日におこなわれた「そのウェビナー開催するだけで大丈夫?無駄にならないウェビナー活用方法とは?」のウェビナーレポをご紹介します!
リード獲得に課題を感じている方や、オンライン化を考えている担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
講師紹介
増田 大介(ますだ・だいすけ)
株式会社ネクプロ コミュニケーションデザイナー
株式会社ネクプロで、セールス、DX導入支援から、事業スキームにおけるウェビナー導入を担当。編集者、クリエイティブディレクターの職歴では多数のナショナルクライアントのブランディング、プロモーション、UX設計、サービスデザインを担当。主にストーリーデザインを得意領域とする。現在はセールスとして100社以上の導入実績を1年間で達成。演劇、夏フェスのディレクターとしても活動中。
MA分野に特化したウェビナープラットフォーム「ネクプロ」は、単なる配信で終わらず事後フォローや、顧客の商談フェーズなどの管理を行うことが可能。申し込みから視聴データ収集までワンストップで実現。主に機械系メーカーなどでは国内トップクラスの導入実績を誇る。
天野央登(あまの・ひさと)
テクロ株式会社 代表取締役
テクロ株式会社CEO。⼤学2年⽣時に起業。留学メディア「交換留学ドットコム」を1年半ほど運⽤し事業売却。その後はコンテンツマーケティングの知⾒を活かして、Webマーケティングの顧問事業を開始。BtoBマーケティングを中心にSEO・MAツールに詳しい。
目次
本ウェビナーの趣旨について
リード獲得からナーチャリングまでをオンライン化する試みがコロナ禍で大変多くなっております。
今回はセミナーやイベントの集客・開催から効果の最大化まで支援する株式会社ネクプロから増田さんをお招きし、オンラインでリードを獲得、そしてウェビナーでナーチャリングし、ホットリードにする方法をお伝えします。
本ウェビナーはこのような方にオススメの内容です。
- リード獲得に課題をもつマーケターの方
- リードナーチャリング に課題を持つマーケターの方
- リード獲得をオンライン化したい経営者様・事業責任者様
オンラインでのリード獲得からオンラインセールスまでの概要
天野:まずはオンラインでのリード獲得からオンラインセールスまでの概要ということで、モデルの軸となる本をご紹介させていただきます。
IT系の方は聞いたことがあると思いますが、『THE MODEL』というBtoBマーケティングのバイブルのような本があります。
この本はBtoBのSaaS、サブスクリプションで毎月定額で課金するツールなどのモデルになっているため、そのほかのビジネスモデルをお持ちの方だと若干この図も変わってきますが、大まかにはこの方法でいけるのではないか考え本日紹介いたします。
マーケティングからカスタマーサクセスまでオンラインで実施するモデルですが、出版が2019年なのでコロナ前から先見の明として出ていたような本になりますね。
ではなぜこの『THE MODEL』が必要なのでしょうか。
ひとつとしては、デジタルの時代に対応した購買フローとなっているためです。
コロナ前から営業マンがみっちりフォローする時代は終わっており、Web上である程度、情報を収集してから問い合わせをするお客さんが増えています。
この図は昨年の調査で、購買プロセスのうち57%がWeb上での情報になっていますが、オンライン化でさらにこの割合が増えているのではないかと考えております。
もうひとつ、『THE MODEL』を導入するメリットとしては分業体制かつ一気通貫である点です。
これまでは1人の営業マンがマーケティングから資料作成、提案まで見ていくスタイルでした。
そのため例えばその人が転職や休職してしまうと誰もそのリードを追えなくなってしまうデメリットがありました。
それを分業体制で縦割りにすることで、データさえ残っていれば誰かがフォローに入ることができて生産性が上がり、属人化から離れられます。
有名な例としてセールスフォースも『THE MODEL』を導入しています。
セールスフォースも毎月課金型のビジネスなので、どうやって見込み客を呼び継続させるかという部分を数字で綺麗に科学しているんですね。
このように数字を機能させると売上や利益も分かってくるため、セールス・マーケティングだけではなくて経営全体に対するインパクトも大きいのが『THE MODEL』の特徴となっています。
マーケティングの「モデル」
天野:具体的に何をすれば良いかというところで、まずは『THE MODEL』のマーケティング部分の話をします。
Webから問い合わせを得る意味でマーケティングのモデルはいくつかありますが、BtoBであれば以下があげられます。
- コンテンツマーケティング(SEO)
- Web広告/SNS広告
- Web/オンライン展示会
- テレアポ
Webからリードを獲得する際にミソになるのは、お客さん自身で問い合わせてくるため、営業マンがすぐにフォローに入ることができない点です。
つまり問い合わせ後の資料は見るだけでしっかり分かるものでなくてはいけません。
営業マンがひとつずつフォローできないからこそ、お役立ち資料やサービス説明の資料をできる限り仕上げておくことが大切になってきます。
セールスの「モデル」
天野:次にインサイドセールスとフィールドセールスと呼ばれるものがあり、本日はインサイドセールスについてお話します。
先ほどお話したようにこれまでのセールスは属人化されていましたが、『THE MODEL』ではそれがセールスのチームとインサイドセールスのチームに分かれていくため、一人一人の生産性が上がり、属人化の脱却もできます。
今までセールスがやってきたことを分解して仕事を割り振っていくため、インサイドセールスではマーケティングからきたリードを商談に引き上げるのです。
ここでひとつひとつ、トークスクリプトの統一やアポイント獲得について科学して数字を作ることで売上できます。
カスタマーサクセスの「モデル」
天野:最後にカスタマーサクセスの話になります。
どちらかというとBtoBのツール系に多いかと思いますが、まずはツールを使ってもらわないと解約につながってしまうため、カスタマーサクセスの仕事としては「ツールをしっかり使えていますか?」とフォローアップを入れることになります。
次に、きちんとツールが使えている人に向けて、どこまで機能を使えているか、解約を検討されていないかという点を毎年の解約のタイミングでしっかりフォローアップをしていくことが大切です。
これらを全てを実施することで『THE MODEL』の形態ができあがります。
ここまでは概念の話となりましたが、次章で実際にどう使っていくのかについてご紹介します。
リード獲得のオンライン化実施方法:テクロ社事例
天野:弊社テクロではWebマーケティング・DXの支援をさせていただいており、約9割がBtoBのお客さんです。
BtoBでWebからリードを獲得するところで、コンテンツを使った支援をしております。
弊社の強みは、マネージャー陣が30代以下のデジタルネイティブで構成されているプロフェッショナル集団であることで、私自身も26歳でございます。
DXを通して、40代後半〜50代の決定権を持ち知識が豊富な方々と、我々デジタル世代をつなぐ役割を果たしていきたいと考えています。
またテクロは全体としてフルリモートワークを採用しており、お客さんとも1年以上会ったことがないということもしばしば。
海外から働いているメンバーや、国内でも北海道や沖縄で仕事をしているメンバーもございまして、フルリモートワークで培ったオンラインノウハウをクライアント様にフィードバックさせていただいています。
その状態で『THE MODEL』を採用しているので、改めてこれが全てオンラインで完結するようにできたモデルであることが分かります。
今年に入ってからは、一度キックオフ前にリアルでお会いしたことはありましたが、それ以外は基本的にオンラインで商談、オンラインでプロジェクトをスタートする状態に持ってくることができています。
ここからはその中で『THE MODEL』をどのように活用しているかをお話いたします。
テクロの事例:マーケティング
まずは図のオレンジの部分、弊社がマーケティング会社であることもあり特に力を入れているところとなる、マーケティングの話になります。
弊社のマーケティングでおこなっているのは主に以下となります。
- SEO記事
- SNSオーガニック
- 広告
- テレアポ
SEO記事
まずはSEOですが検索エンジン最適化と呼ばれ、簡単にいうとGoogleで検索した際に上位に表示されることです。
弊社は「BtoB マーケティング 企業」というワードで表示順位の1位と2位を行き来しています。このキーワードは月間で100〜200ほどの検索数しかありませんが結構ホットな問い合わせをいただいたりします。
実際に先日、長野の売上の多い企業さんからご連絡をいただきました。
場所を選ばずにリードを取れるので非常に重宝しています。
弊社にはライターがいますので、このようにキーワードを割り振ってSEO記事を作成していきます。
「デジタルトランスフォーメーション」や「BtoBマーケティング」といった、弊社を利用しそうな方が検索するキーワードを用いています。
開始して大体7ヶ月ほどで問い合わせが入るようになっているので、他の企業さんでもさらにやりようはあるかと思います。
SNSオーガニック
メールマガジンのような使い方で、私個人のFacebookもかなり活発に動かしています。
今年はすでに3件ほどFacebookから受注がありました。
Facebookの友達は2,300人ほどいますが、半分近くが経営者なので自分自身の仕事内容やDXに関する考え方をFacebookで発信するだけでリードが取れてしまう、不思議な状態です。
普通に投稿しているだけですが、一度しか会ったことがない社長さんにこのような形でご連絡をいただき契約が決まったこともありました。
広告
ここではLPを作り、資料のダウンロードにつなげています。
ここまではリード獲得の話でしたが、今日のテーマにより近いリードナーチャリングの側面において、どうやってお客さんを購買まで温めて持っていくかが大切になります。
それがこの赤枠の部分です。
よくお客さんに、Webからの問い合わせは紹介や他のリードに比べて確度が低いと言われますが、冷静に考えるとみなさんがBtoBの事業責任者だったとして、検索してWebサイトから問い合わせて600万や1,000万の商材を買うのはかなりハードルが高いはずなんです。
そのため、必ず資料やウェビナーを挟み温めてから商談をします。
そうでないとセールスでの工数がかかってしまうため、できる限りマーケティングの段階で温めておくというのがテクロとしての見解です。
弊社も資料にはこだわっており、現在9〜10種類目を作っている段階ですが、DXの基礎知識資料であったりサービスの提供メニューなどを詳細に作っていて2〜3ヶ月に一度は見直しを入れています。
あとはウェビナーですね。
今年に入ってこれが7本目か8本目のウェビナーになりますが、テーマを変えながらお客さんが面白いと思えるウェビナーの発信をしています。
テクロの事例:セールス
それからセールスの部分になります。
ここも非常に大事になってきますが、恥ずかしながら弊社はセールスまで手が回っていない状況でもあります。
2021年度中にマニュアル化の実施として、営業資料のテンプレート化とトークスクリプトのパターン化を進めていこうと考えております。
テクロの事例:カスタマーサクセス
最後にカスタマーサクセスの部分ですが、弊社の場合は提案型の会社としてコンサルティングに近いため、カスタマーサクセスというよりプロジェクトをうまくまわすこと自体がお客さんの評価につながります。
実際に満足してくださったお客さんが他の方に紹介してくれることもありました。
よって、弊社ではプロジェクト自体を精密に実行することに重きを置いております。
フルリモートでやっていることもあり、プロジェクトやマニュアルなどの資料を作り込んだりツールを用いて共有をしています。
例えばこれは、プロジェクトを始める際に目的や追う数字を確認させていただく資料になります。
あとはリモートワーク下でも社内コミュニケーションが変わらないようにマネジメントするための資料ですね。
これは80ページほどあるうちの1枚になりますが、SEOを上げていくためのライター向けマニュアルの資料になります。
ナレッジシェアやマネジメントのためにConluenceという社内ウィキペディアのツールを導入しています。
テクロ社の事例は以上です。
ここまでリード獲得の点から、ウェビナーの位置づけについて話をしてまいりました。
現在、唯一人をバッと集めてお話して関係値を作ることができるのはオンラインでのウェビナーだと思うので非常に意味があるものだと考えています。
そこでウェビナーをどう実施すればナーチャリングにつながるのかを増田さんにお聞きしていきたいと思います。
ウェビナーでのリードナーチャリング方法
増田:先ほど天野さんからビジネスモデルのデジタル化についてお話いただきましたが、私たちネクプロはウェビナーのプラットフォームになります。
昨今、ウェビナーというワードからZOOMやTeamsなどいろいろ検索されているとは思いますが、ネクプロはウェビナーのマーケティング、プラットフォームの開発・運用・保守を提供している会社です。
実際に昨年は問い合わせがたくさんあり、何百もの新規導入をさせていただきました。
これまでセールスや事業展開の企画をしてきた人間として、みなさまのウェビナーの実施状況やお問い合わせの受け方、オリエンテーションのあり方に対してもったいないな、さらに伸ばせるなと感じた部分についてお話したいと思います。
弊社の導入事例はごく一部ですがこのようになっています。
機械系のメーカーから官公庁、医療系などBtoCメーカーも含めて国内海外幅広く導入いただいております。
大体機械系のメーカーであれば、国内トップクラスの導入事例を誇っているのではないかと思います。
先ほど、分業の中のワンストップというお話があったのでここを踏まえて特徴と大切なことについてお話いたします。
ネクプロというのはウェビナーの告知ページの作成から配信、申込、顧客の分析までワンストップでおこなうことができるツールです。
さらに言いますとウェビナーの配信だけに限らず、オウンドメディアの作成や顧客の分析をブラウザベースでできるツールにもなっています。
つまり告知・集客・配信・メディア・分析が可能なウェビナー×MA、ウェビナー×ラーニングがネクプロになります。
ウェビナーは手段でしかない
そして本題になりますが、ウェビナープラットフォーム、ネクプロのプランナー・セールスとしてお客さんとお話をする中で感じていることは、みなさまウェビナーを開催するだけで満足していないか?という点です。
ウェビナーを開催する理由はみなさまそれぞれで、昨年はコロナで展示会やオフラインのイベント・セミナーができなくなったことが大きな要因でしたが主に以下の3つになります。
- リアルイベントのオンライン化
- 遠くの顧客にアプローチ
- 自社製品にアプローチ
しかしあくまで、ウェビナーは手段でしかありません。
昨年であるとイベントをオンライン化しなければいけないことから「ウェビナー開催」という目標に対しての達成だけで終わってしまう、そんなお客さんが多く、もったいないと感じました。
ウェビナー開催において重要な3つの目的
ウェビナーの開催においてまず初めに
- 誰に向けて開催するのか?
- 「何を」伝えたいのか?
- どんな成果を手に入れたいのか?
を考え、そこに対して実現するためにプラットフォームを選んでいくことが大切だと感じます。
逆にここを明確にしないまま開催してしまうとブレてしまいます。
まず1つ目に、誰に向けて開催するのか?において、そもそも自分たちのウェビナーは誰が見るのかについて考える必要があります。
ブランディングしてペルソナを作るとまではやらずとも、
- 新規顧客向けなのか
- 既存顧客向けなのか
- パートナー向けなのか
- 社員向けなのか
- 誰に向けて開催するか
ここで現状の関係が強くなるほど自社紹介の側面が強くなっていくため、コンテンツを考える上で誰に向けているかを明確にすると良いでしょう。
対象との関係性により、内容の粒度は変わってきます。
ここでミスマッチが起きるとセミナーに参加しても以下のように需要と供給が合わず、開催の意味がなくなります。
「視聴者」の属性を把握し、そのためには何を伝えたいのかきちんと定義しておく必要があります。
この段階でウェビナーの目的をしっかりと定義しておくことで、開催後のゴールが明確になります。
どういったデータが取れたら良いのか、何の数値がどれだけ増えたら良いのか、そのために誰に向けて開催するか、そういったことで成果が大きく変わってきます。
そもそもゴールを設定することによって、Step1で開催の目的を定め、Step2でそこに対して配信ツールを選定し、Step3で結果や改善箇所の確認をする、PDCAが回せるようになります。
逆にゴールが設定されていないと目的に沿ったツール選定や開催後のアフターフォローが明確になりません。
事後フォローをおこない成果を検証する
さらに大切なのは、そこからどうつなげていくかという「事後フォロー」です。
ウェビナーは開催するだけでは効果を実感できません。
目的に沿った結果が出ているかに対して事後フォローから検証することが重要です。
開催後のアンケートや視聴データ、チャットなどから商材を理解してもらえたか、自社の訴求ができたか、視聴者の知りたいことに答えることができたかなどを把握することが可能です。
また、アンケートを取ると参加者がどういった考えを持っているのかセグメント化できます。
そこから最適なアプローチ施策の策定、そして営業部門へのスムーズな連携につながります。
実際に1つのプラットフォームで完結しない場合でもうまくウェビナーを回している企業さんは、この1〜3(顧客のセグメント化から営業部門との連携まで)が上手に作られており、いかにホットなうちにスムーズにバトンタッチができているかがポイントです。
またセグメント化することで、もともと自分たちが持っているお客さんは何を知りたい方が多いのかを知ることができるため、そこからアプローチの方法をさらに考えていくことができます。
ここで重要になるのが、今お話したアプローチをしながら継続的にPDCAとしておこなっていくことです。
事前準備から開催、分析というサイクルの中で、ウェビナーコンテンツを見直しながら半年、1年かけてデータの精度を上げ、動画の視聴離脱率の低下や商談化率などの増加を目指す継続的な施策が必要です。
問い合わせから見るウェビナー開催目的の変化
また、昨年から今年にかけてお客さんやお問い合わせの中でもやり方が変わってきています。
昨年はほとんどの方がウェビナーを開催することがを目的としていましたが、ここにきて目的やデータの扱いに慣れてきているお客さんが増えています。
例えば事後データを活用してe-ラーニングに向かっていく方が増え、KPIもMAや事業スキームの作成、顧客管理に変化し、ここにウェビナーを道具としてどう使っていくかという考え方になっています。
次のステップとなると、データをどう見るか、コンテンツの種類をどう変えていくか、となっていきますが、そういったものがまだまだ雛形になっていない時代です。
企業や取り扱う商材によってゼロから作っていくものですので、先ほどお話した3つのポイント、「誰に」「何を」伝えて「どんな成果」を手に入れたいかを明確に考えた上で1〜2年継続してやっていくと良いかと思います。
ちなみに、3ヶ月で結果を出すにはどうしたら良いかとご相談をよくいただきますが、取得したデータが本当に正しいのかが分かるまで半年、1年とかかるものなので、いかに自分たちのお客さんのデータを集めながら属性の数を増やせるかがポイントです。
まずは小さな目標から設定して無駄にならなかったところを拾い上げていくことが必要だったりします。
ウェビナーで獲得したデータをきちんと活用しビジネスをブラッシュアップしていくことを、我々はウェビナー2.0と呼んでいます。
まだまだジャンルを育てていくフェーズで、事例というのはお客さんの商材によってさまざまです。
課題に対してどうやっていくかを一緒に考えていくような2021年になっていくかと思いますので、お気軽にご相談いただき、ノウハウの共有や裾野を広げていければと思います。
質疑応答
天野:今回、事前に増田さんとウェビナーの話をしていた時、ウェビナーノウハウの本ってなかなかないよねとお話していましたよね。
まさに現在みなさまがゼロイチで考えられているところですね。
ではここから質疑応答に移りたいと思います。
ウェビナーはリード獲得の面でいかがでしょうか?
増田:リード獲得という意味でいうと使い方はいくつかあると思います。
やはり集客となると最も惹きが強いのは、登壇者の方が著名人であることですね。
それ以外でいうとWeb広告と同じで各社悩んでいるところではあります。
結構細かいところに予算投下をしているので費用対効果が適切か見極めができるようなモデルは正直この1年ではまだできていないですね。
みなさま試されているところですし、広告会社で集客保証をやっていてもミスマッチが起きているようなことがあるので、どんなコンテンツでどこに集客を出していくべきかというデータはまだ揃っていないように感じます。
天野:確かに。
ウェビナーをスタートにしたとしても、そもそも集めるレイヤーがずれてくる可能性もありますよね。
増田:かなりあります。
業界によってはポータルサイトや強いものを持っているところは簡単に集まるんです。
あとはクローズドセミナーなんかをやっているので業界紙もですね。
しかし、まだオンライン化していなかったり、そもそものアクセス数が少なかったりする業界紙なんかは苦戦している状況です。
ウェビナーの成果はリアルと同様に長いスパンで考えた方がいいのでしょうか?
増田:そうですね。
まさにおっしゃる通り、長いスパンで考えていくべきだと思います。
ですので使い方によっては自社のものを刷り込みで見せていくのとは別に、オンデマンド・ライブラリ・ラーニングを使うことが最近多くなっています。
自社の例で恐縮ですが、こういった機能があります。
例えば動画を何本か載せておいて、属性ごとに違うライブラリを作り、動画視聴後にアンケートを使って試験をおこなう。
こうして何度も繰り返し見てもらい、お客さんの理解度を深めて最終的なゴールにつなげていくという使い方をします。
このように使われているお客さんが今年の新規導入のうち、8割ほどを占めています。
何度も見てもらう中で関係性を深めていくということですね。
弊社でもお客さんのリードタイムが半年くらいだったりすることがあるので、デジタルはやはり足を長く、少しずつお客さんのステータスを引き上げていくことが大切だと思います。
『THE MODEL』のそれぞれの段階の数字の目安はありますか?
天野:これは本当に商材によって全然違うので、一例としてお話をさせていただきます。
BtoBのSaaS商材で、年間12万円でコンテンツマーケティングを実施しているお客さんがいます。
インサイドセールスからすぐに商談をとっており商談獲得率は25%、商談からの成約率が25%、つまりリードからの6.25%がCVするのをKPIとして踏んでいます。
ただこの場合は、1年間運用した結果これくらいはいけるというひとつの最適解を見つけたイメージです。
モデルがあるからこの数字で設定すると現場と乖離を起こしてしまい、そもそも目標を守る意識が飛んでしまうのであまりおすすめできません。
もうひとつ追っている数字が、解約率を20%未満にすることです。
現状22〜23%に振れているので、改善のためカスタマーサクセスに力を入れているところです。
モデルとしてこの商材はこの数字、とは言えないため、1年ほど運用してみて現場のデータから現実的に数字を立てていくのが良いと思います。
昨年初めてウェビナーを実施し、12回開催して1,000名集客しましたがどうでしょうか?
天野:ハウスリストにもよると思いますが、増田さんの体感値的にはいかがですか?
増田:リアルで開催していた場合との割合によりますね。
お客さんのリテラシーや手持ちの媒体、年齢層、顧客リストの数などにもよるので一概には言えず、どれくらいを想定していたかだと思います。
質問者:リアルだと1回200名、年3回実施していました。商材は技術系です。
増田:それだとかなり来てますよね、12回1,000名ということは。
天野:1回あたりの人数が少ないことになるんですかね。
増田:ここでは参加者の濃さ、質の見分け方があったりしますね。
参加者の方の地方属性のデータを取得した際に、オンライン化したことで今までアプローチできていなかった地域の人が参加していることが分かれば、それは12回1,000名の質が高いと言えます。
そういうような地域属性をひとつの指標として見てみても良いかと思います。
質問者:申し込み時に地域データは取っているので見てみます。
また、回線が不安だったため1回あたりの人数を少なくしました。
増田:なるほど。
生配信で回線状況などに不安があるんですね。
ウェビナーの開催方法として、「擬似ライブ配信」があります。
ネクプロを導入しているお客さんの8割は、生放送しているように見えて事前の手持ち動画をセットしたライブ配信をしています。
録画したセミナー動画を開催当日の該当する時間にしか流さず、チャットの対応や質疑応答だけをリアルタイムでおこないます。
動画は自社のサーバーから時間を設定して流すだけなので、何度でも同じセミナーを開催できます。
擬似ライブ配信中は、アンケートの回収具合などから自分たちのセミナーがどれだけお客さんに届いているかを知ることができるため、コンテンツ自体もどんどん改善することが可能です。
配信の時間帯も自由に変えることができるため、自分たちのお客さんによって最も参加率が良い時間帯を探すことができるので、改善していくにも不安がある方は擬似ライブで試してみることがおすすめです。
天野:確かに最近ありますね!
増田:実はこれ、見ている方はあまり気付かないんですよ。
とはいえ動画は流れていてもテキストベースではリアルタイムで対応できるため、休憩時間にご飯を食べながら擬似ライブを流しているような方もたくさんいます。
実施する側にとって擬似ライブはメリットもデメリットももちろんあります。
例えば録画に失敗したらやり直さなければいけないとか。
しかし一方で一度撮ってしまえばそのあとがとてもラクです。
ポイントとしては、期間を区切って見せるアーカイブ・オンデマンドと擬似ライブは異なるものになります。
つまり擬似ライブはいつでも見れるのではなく、セットしたその時間にしか見ることができません。
なので参加者の心構えが違い、参加率が7割ほど変わります。
エンタメでも最近アーカイブをやらないアーティストが増えていたり、再放送は一度しかやらないこともあり、集中して参加させる方が良いということは浸透してきていると思います。
ウェビナー集客におすすめの方法はありますか?
増田:まずは自分たちの業界紙のようなところで見てもらうのが一番だと思いますね。
Web広告とほとんど一緒だと思います。
最初のうちは少し広めにFacebookやInstagramなどの媒体やメディアに広告記事などを出して集客をした上で、次は一番参加率が高かったところにお金を投資するやり方になると思います。
プランニングをしても最初は広く浅く広告を出すような形ですね。
ただ、先ほどお話したようにピンポイントのポータルサイトがあるのであれば、そういったところに出稿するのが一番良いと思いますし、参加するお客さんに、自分たちの業界とは関係なく普段どういったメディアをWeb上で見ているかをアンケートで聞いてみるのもひとつの手だと思います。
例えばニュースサイトなど、ターゲティング広告では出てこなかったような思いがけない接点もあったりします。
ウェビナーの参加率は8割で良いものの、成果が得られているか、どうつなげられているのかが課題です。
増田:これに関してはやはり目的がそれぞれ違うと思います。
例えば、開催自体が目的あればリアルに対しての参加率を見れば達成ができると思います。
一方で最終的なゴールが商材を導入していただくことであれば、次の目標は商談化率になります。
そういったところでの成果が得られているか、つまり、中間KPIをどう作っていくかになってきます。
ここは会社やお客さんによっても目標の立て方や振る舞い方がすごく変わってくる部分なので、ぜひ個別にご相談いただければネクプロ関係なくお話させていただきます。
リードからナーチャリングのステップ分析をするのに必要なデータ母数はどれくらいでしょう?
増田:僕がこれまでデータサイエンティスト的に見ていたものだとBtoCの大型商材が多かったので、その店舗で買っている属性データを見ていましたが、そこでは1,000~5,000件でしたね。
1,000件あって初めて質が担保されると言われていました。
天野:僕も大学で5年間くらいデータ系を勉強していてこの話も扱いましたが、BtoBに関してはデータが溜まりにくいんですよね。
BtoBで年間1,000件商談する会社ってそんなに多くないと思います。なので一旦ハウスリストとして2,000~10,000件データを溜めて、最適解を組み直して、半年から1年くらいでPDCAを回していただく形で。
定性的な面も織り交ぜつつやれるのが良いのかなと思います。
増田:そうですね。
全体的なデータの母数での考え方ではなく、アンケート回収率や商談化率で見るのがおすすめです。
最後に
天野:ご質問ありがとうございました。
最後に増田さんの方からございますか?
増田:何度もお話させていただきましたが、雛形がまだないような領域なので、本当は一社一社コンテンツ作りからお手伝いしたいですような状況です。
まずは私たちにご相談いただく際、何を目的にしたいのか、そもそも相談の仕方が分からないのか、そのあたりも教えていただきたいです。
どんな人間が何のお話を聞くかも変わってきますので、分からないことは全部素直に聞いていただければと思います!
天野:みなさま、本日はご参加いただきありがとうございました!
株式会社ネクプロ:https://nex-pro.com/
テクロ株式会社:https://techro.co.jp/