BtoBマーケティングにおけるKPI設計のポイントを徹底解説
「適切なKPI設計をしないと、目標達成までに大きく遠回りしてしまう」とよくいわれています。
しかし、どのようにすれば適切なKPI設計ができるのか、疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで今回は、BtoBマーケティングにおけるKPI設計のポイントを解説します。
適切なKPI設計ができると、「目標達成までの筋道が明確になる」「PDCAサイクルを回しやすくなる」などのメリットがあります。
KPI設計にお悩みの方や自社のビジネスでより成果を出したい方は、ぜひ参考にしてください。
なお、テクロ株式会社では、BtoBマーケティングの戦略設計についてまとめた資料「成功するBtoBマーケティング計画の立て方」を無料で配布しています。
BtoBマーケティングの戦略でよくあるお悩みや、KPIの立て方でよくあるミスとその改善点について知りたいBtoB企業さまは、ぜひご活用ください。
目次
KPIについて
まずは、KPIについて解説します。
KPIとは
KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)とは、プロジェクトの進捗状況を評価するための中間指標です。
「KPIを1つずつクリアしていけば、最終目標を達成できる」と覚えておくと良いでしょう。
KPIを設定することで、以下のメリットがあります。
- 目標達成のためにやるべきことが分かる
- プロジェクトの進捗状況が分かる
- チーム内で意思統一ができる
- 課題を抽出しやすくなり、PDCAサイクルを素早く回せる
もしKPIを設定しておかないと、プロジェクトの進捗状況が分からず、業務の進行が非効率になってしまいます。
効率的にプロジェクトを進めて企業やチームとしての目標を達成するためにも、KPIを設定しましょう。
KGIとの関係性
KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)とは、プロジェクトの最終目標を示す指標です。
つまり、KPIは「KGIを達成するための通過点」といえます。
KPIとKGIは混同しがちなので、注意してください。
BtoBマーケティングにおけるKPI設計のポイント
KPI設計とは、数多く存在する指標の中で、何をKPIとするか決めることです。
適切なKPI設計ができていれば、プロジェクトをスムーズに進められます。
しかし、適切なKPI設計ができていないと、業務全体が非効率になってしまいます。
最悪の場合、途中で頓挫してしまうこともあるでしょう。
ここからは、BtoBマーケティングにおけるKPI設計のポイントを8つ紹介します。
大切な部分なので、丁寧に読み進めてください。
ポイント①定量的な指標を設定する
KPIは、必ず定量的な指標を設定しましょう。
「売上アップ」や「リピーターを増やす」といった抽象的な内容では、達成度合いが分かりません。
「売上30%アップ」や「リピート率を20%増やす」など、誰が見ても理解できる明確な数値と言葉で設定しましょう。
定量的なKPIを設定できていれば、進捗状況や達成率が一目で分かるため、業務がスムーズに進みますよ。
ポイント②設定するKPIの数は最低限にする
設定するKPIの数は最低限にしましょう。
「たくさん設定したほうが、状況を細かく把握できそう」と感じるかもしれません。
しかし、KPIの数が多すぎると、業務量が増えてしまい、社員1人ひとりの負担が増加します。
すると、KGIの達成が難しくなってしまいます。
そのため、設定するKPIは必要最低限に抑えて、適切にKPIを運用することが重要です。
なお、KPIを設定するときは、それぞれのKPIの内容とKPIを達成することによって得られる効果を、チーム内で共有しておきましょう。
具体的な内容や効果が理解できれば、社員1人ひとりのモチベーションも上がり、KPI達成に向けて積極的に行動できるはずです。
ポイント③KGIとの関連性を持たせる
当然のことですが、KPIはKGIと関連性のある指標を設定しましょう。
KPIは、最終目標であるKGIを達成するための道しるべです。
KGIと関係のないKPIを設定してしまうと、目標達成につながらず、努力が無駄になってしまいます。
必ずKGIから逆算して、必要なプロセスを数値化してKPIとして設定しましょう。
ポイント④達成可能なものにする
KPIには達成可能な数値を設定しましょう。
達成不可能な数値や環境に左右される数値を設定すると、取り組み方や課題の抽出、改善方法が分かりません。
また、社員のモチベーションも低下してしまいます。
現実的な数値をKPIとして設定して、コツコツと前に進めるようにしましょう。
ポイント⑤事業フェーズ・マーケティングフェーズに応じて設定する
KPIを設定する際は、自社のビジネスがどの程度の規模・段階にあるかを考慮して、適切な指標を設定する必要があります。
例えば、オウンドメディアを例にしてみましょう。
KGIが「オウンドメディアでの売上1,000万円達成」の場合、設定すべきKPIは、オウンドメディアの運用フェーズによって変わってきます。
オウンドメディアを開設したばかりの頃はアクセス数が少ないので、SEOや集客施策に重点を置きます。
具体的には、「半年で100記事公開」や「1年以内に月間訪問ユーザー数20万人達成」などといったKPIを設定するのが適切です。
その後訪問ユーザー数が増えてきたら、コンバージョン率を向上させる施策にシフトします。
「月間問合せ件数を30%増やす」「ホワイトペーパーの月間ダウンロード数を50%増やす」といった数値が目標となるでしょう。
事業フェーズ・マーケティングフェーズに応じてどのような指標が適切か判断し、プロジェクトを効果的に進められるようにしましょう。
ポイント⑥責任者を明確にしておく
複数のKPIを設定した場合、それぞれのKPIごとに責任者を設けておきましょう。
すべてのKPIを1人が管理するのは非効率的です。
また、運営メンバー全員でKPIを管理していると、伸びない指標が放置されがちです。
KPIごとに責任者を設けておけば、進捗が遅れている場合でも素早く改善施策を実行できます。
必ず責任者を設け、社員1人ひとりが管理すべき指標や、担当する業務範囲を明確にしておきましょう。
ポイント⑦期限を決めておく
KPIには、「いつまでに達成する」という期限を決めておきましょう。
KPIに期限を設けていないと、他の業務を優先してしまい、いつまでも目標が達成されなくなってしまいます。
先延ばしは良くありません。
また、期限が設定できていると、進捗状況も把握しやすくなります。
KGIの達成期限から逆算して、KPIの期限も決めておきましょう。
ポイント⑧KPIツリーを作る
KPIツリーとは、図のようにKGI達成に必要な要素を分かりやすく整理した図のことです。
KPIを設計するときは、必ずKPIツリーも作成してください。
なぜなら、KPIツリーには以下のようなメリットがあるからです。
- 必要なKPIを把握でき、具体的な施策を余すところなく設定できる
- KPI同士の関係性が分かる
- 進捗管理がしやすくなる
KPIツリーを作成することで、KGI達成までの筋道が分かりやすくなります。
誰でも見られる状態にしておくことで、社員1人ひとりのモチベーションにもつながるでしょう。
しっかり練られたKPIツリーが作成できていれば、目標達成に大きな効力を発揮します。
必ず、誰もが一目で分かるKPIツリーを作っておいてください。
KPI設計の手順
BtoBマーケティングにおいて、KPI設計の手順は以下の通りです。
- KGIを設定する
- KSF(Key Success Factor/重要成功要因)を洗い出す
- KPIを設定する
- KPIツリーを作る
KSFとは、KGIを達成するための鍵となる要素です。
KPI設定の際のヒントになるので、慎重に検討しましょう。
また、KPI設計のポイントでも紹介しましたが、KPI設計の際は指標を設定しただけで終わらず、必ずKPIツリーまで作成してください。
なお、KPI設計の手順の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
関連記事:BtoBマーケティングのKPI設計の手順と施策別で見るべき箇所を解説
設計したKPIを活用するときの注意点
最後に、設計したKPIを活用するときの注意点を2つ紹介します。
定期的に振り返る
KPIを設定したら、定期的に振り返るようにしましょう。
KPIはプロジェクトの進行状況を示す指標です。
進捗が遅れていたり、思うような成果が出ていない場合は、改善策を考えて実行する必要があります。
仮に、KPIを定期的に振り返って適切な方向修正ができていれば、業務改善や売上向上など、具体的な成果につながるはずです。
スムーズにプロジェクトを進められるよう、KPIを定期的に見直せる体制を整えておきましょう。
状況に応じて変更する
自社の戦略は、市場を取り巻く環境やライバル企業の動向によって、随時変更していきましょう。
そのため、KPIも戦略の変更に伴ってアップデートしていくことが求められます。
最初に設定したKPIをそのままにしておくと、ライバル企業に遅れをとってしまう恐れがあります。
現在の環境下で適切なKPIが設定できているか確認し、修正が必要であれば見直せる体制を整えておきましょう。
まとめ:適切なKPI設計を行なって、BtoBマーケティングを成功させよう
KPI設計のポイントについて解説しました。
最後に、KPI設計の8つのポイントをまとめておきます。
- 定量的な指標を設定する
- 設定するKPIの数は最低限にする
- KGIと関連性を持たせる
- 達成可能なものにする
- 事業フェーズ・マーケティングフェーズに応じて設定する
- 責任者を明確にする
- 期限を決めておく
- KPIツリーを作る
適切なKPI設計ができていれば、プロジェクトをスムーズに進めて、目標達成に結びつけられます。
今回紹介した内容を参考に、プロジェクトに合ったKPIを設定し、適宜見直しながら、自社の事業を成功に導いてくださいね。
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