企業研修とは?代表的な8つの研修プログラムや手法など徹底解説
変化の激しいビジネス環境に対応し、社員の能力やモチベーションを上げ、強い組織作りを行いたいと願う企業はたくさんあります。
しかし、効果の出る研修ができないと悩む企業も多いのではないでしょうか?
企業研修は、社員の能力向上や組織の成長につながる重要な取り組みですが、ただ研修を実施するだけでは効果は期待できません。
本記事では、企業研修の重要性とメリットだけでなく、代表的な8つの研修プログラムや実施方法、成果を出すためのポイントなどを解説します。
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目次
企業研修とは?
企業研修とは、社員が業務上必要とされる知識やスキルを習得し、業務の効率化や生産性の向上につながるように、企業が社員に対して実施する教育プログラムのことです。
企業研修によって社員の能力向上を図り、企業の成長や競争力強化が目的です。
企業研修のメリット
企業研修のメリットは、以下の4つです。
- 社員の能力向上
- モチベーションの向上
- 企業イメージの向上
- 法令遵守の徹底
企業研修を受けた社員の能力が上がることで、モチベーションが向上したり、仕事においてより効率的に業務を遂行できるようになります。
さらに企業イメージが向上するインナーブランディング効果も期待できます。
研修を通じて企業理念などを伝えられるため、共感し企業への信頼度も高められるでしょう。
また企業研修は、法令遵守や社内規定の徹底にもつながります。
例えば、コンプライアンス研修を実施することで、社員が法令や企業のルールを理解し、遵守することにつながります。
企業研修の目的
企業が研修を行う目的は大きく「人材開発」と「組織開発」の2つに分けられます。
人材開発とは、必要になるビジネススキルを身に付けさせることで社員個人のスキルアップを目的とします。
主に以下の項目が目的です。
- 新入社員や若手社員の育成
- 社員のスキルアップ
- リーダーシップの強化
- 組織内でのキャリアアップ
- モチベーションの向上
組織開発とは、社員個人のキャリアプランと会社のビジョンを照らし合わせた上で、組織全体の生産性の底上げを目的とします。
主な目的は、以下です。
- 組織文化の向上
- チームビルディング
- コミュニケーションの改善
- 組織運営の効率化
- 新しいビジネスモデルの導入
企業研修の手法
以下は、企業研修の方法の一例です。
企業の抱える課題や研修プログラムの目的に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。
eラーニング
eラーニングとは、インターネットを利用してオンラインで学習する方法です。
オンライン講座やウェビナーなどを通じて、社員が自分のパソコンやスマートフォンから参加できるため、場所や時間にとらわれずに自分のペースで学べるメリットがあります。
また、コンピューター上でシミュレーションを行ったり、動画やテキスト、音声など多彩な教材を用いながら問題解決に取り組む実践的なスキルを習得できます。
オフライン研修
オフライン研修は、社員が同じ場所に集まって実施される研修方法です。
講師による講義やグループワーク、ディスカッションなどができ、社員同士のコミュニケーションが生まれます。
また、講義内容をすぐに理解できるように、具体的な事例や実践的な演習を取り入れることも可能です。
ハイブリッド研修
ハイブリッド研修は、eラーニング(オンライン)とオフライン研修を組み合わせた研修方法です。
オンラインで参加者に事前学習を行ってもらい、その後、オフラインで講師による講義やグループワーク、ディスカッションなどをすることで学びを深めます。
オンライン上での参加者同士のコミュニケーションも活発になるため、オンラインとオフラインの両方のメリットを活かせます。
ワークショップ
ワークショップは、参加者が実際に手を動かしながら学ぶ研修方法です。
例えば、グループワークやロールプレイの実施で、現実の業務シーンに即した練習ができます。
参加者同士がアイデアを出し合い、アイデアを深めていくことも可能です。
この方法は、参加者がアクティブに学び、グループワークや討論を通じて、実践力を身につけられます。
ゲーム感覚で学ぶ研修
例えば、クイズやゲームを用いることで、遊び感覚で楽しみながら専門的なスキルを学べる研修方法です。
ゲーム感覚で学ぶ研修は、緊張感を緩和できるため、定着率が高い特徴があります。
企業研修プログラム8選
企業が抱える課題はさまざまで、企業の目的や参加者のニーズに応じて、適切な研修プログラムを選ぶことが大切です。
ここでは代表的な8つの企業研修プログラムを紹介します。
1.リーダーシップ研修
リーダーシップ研修は、リーダーに必要なスキルやマインドセットを身につけ、チームの方向性を示し、メンバーを率いて目標達成するための研修プログラムです。
以下の項目を学んで聞きます。
- 自己認識
- コミュニケーションスキル
- 問題解決能力
- ビジョン設定
- 戦略立案
- チームマネジメント
2.マネジメント研修
マネジメント研修は、組織を運営する上で必要なマネジメントスキルを習得するための研修プログラムです。
- リーダーシップ
- コミュニケーションスキル
- 目標設定
- プロジェクトマネジメント
- 人材管理
- 業務改善
管理職やチームのリーダーには、欠かせないスキルです。
3.セキュリティ研修
セキュリティ研修は、情報セキュリティに関する知識や技術を身につけ、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティリスクを軽減するための研修プログラムです。
- ハッキングの手法
- セキュリティ対策
- 社員のセキュリティ意識向上
- セキュリティポリシーの策定
- パスワード管理
- メールの取り扱い
などを学びます。
セキュリティに対する認識を改めてもらい、人為的な情報漏えいの対策もします。
4.ダイバーシティ研修
ダイバーシティ研修は、共に働くためのコミュニケーション能力や多様性の重要性を理解する研修です。
背景、思考スタイルなどの多様な人々が集まる現代の職場において相互理解を深めます。
主に学んでいく項目は、以下です。
- 異文化コミュニケーション
- 偏見や差別を防ぐための対話型の研修
- 自分や周りの働き方について考える
5.コンプライアンス研修
コンプライアンス研修は、企業の法令遵守や社内規則の遵守を徹底し、法的トラブルを未然に防ぐために行われる研修です。
例えば、
- 企業における情報管理の重要性や金銭授受のルール
- セキュリティ対策
- 不正防止対策
反社会的勢力との関係や倫理的な問題に対する対応や人権、労働法、環境法、情報管理なども学べます。
社会人のルールを身に着け、コンプライアンス違反のリスクを軽減できる研修です。
6.チームビルディング研修
チームビルディング研修は、仕事上での円滑なコミュニケーションやチーム内の相互理解を深め流ことで協力体制の構築し、チームワークを向上させることを目的とした研修です。
コミュニケーションやリーダーシップ、問題解決能力の強化を目的とする研修などがあります。
さらにチーム内での役割分担や意思決定のプロセスの確立、目標設定や問題解決の方法の習得などを行います。
アウトドア活動やロールプレイなどの実践的な演習を通じて、チームワークを養成が可能です。
7.コミュニケーション研修
コミュニケーション研修は、社員間のコミュニケーションをスムーズかつ効果的にし、業務の効率化や意思決定のスピードアップなどが目的の研修です。
相手に伝わりやすくコミュニケーションを円滑に進めるための基礎スキルを学んだり、状況に合わせた適切なフィードバックの方法を学んだりします。
また、相手を攻撃することなく自分の意見を伝えられるアサーションの技術や、相手の立場や気持ちを理解し、共感するエンパシーの技術なども習得できます。
コミュニケーション能力は、自然と身につくものではないため、研修を実施することが大切です。
8.ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修は、論理的思考力を向上させることを目的としています。
論理的思考力とは、物事を整理し、矛盾のないよう道筋を立てて考える思考方法のことです。
正確な問題解決や効率的な意思決定に欠かせません。
問題発見や分析、仮説の構築、根拠の整理、結論の導出といったプロセスを学び、論理的思考力を養うためのトレーニングなどを実施します。
企業研修の実施方法6つのステップ
ここでは企業研修の具体的な進め方を6つのステップに分けて解説します。
1.企業研修計画の策定
企業研修を実施するために、研修計画を策定します。
具体的には
- 目的や目標の設定
- 参加者の選定
- 研修期間や場所
- 予算の決定
などです。
課題と目的を決めて、研修を受ける人に説明できるよう準備を進めます。
2.企業研修のデザイン
企業研修のデザインをしていきましょう。
企業研修のデザインには
- 研修内容やプログラムの設計
- 教材の選定や資料の準備
- 研修方法の検討・選択
- 参加者に必要な前提知識やスキルの確認
研修のデザインは、目的に合わせて柔軟に変更することが大切です。
目的に沿っていないと、研修の効果が得られない場合があります。
3.講師の選定
研修の講師は、研修の成功に大きく関わる重要なポイントです。
講師の選定する際には、以下の点に気をつけましょう。
- 質問への回答
- 講師の専門分野や経験
- プログラムの柔軟性
講師に依頼するときは、質問をして的確なアドバイスが返ってくるかチェックすることが大切です。
さらに、専門分野の理解が深い人に依頼しましょう。
ただし、専門用語を多用する講師だと、参加者が理解できない可能性があります。
プログラムの内容を自由にカスタマイズできるかもチェックしておいてください。
4.企業研修の実施
すべての準備が整ったら、企業研修を実施します。
研修実施前には、研修の流れやスケジュールを事前に共有し、参加者が研修に集中できるように心がけましょう。
実施日には参加者の受け入れや受付の対応を行い、研修を進行します。
トラブルに対応できるよう、担当者を配置しておきましょう。
5.企業研修効果の評価
企業研修の効果を正しく評価することで、将来的な研修計画の改善に役立ちます。
評価には、研修前後のアンケート調査やフィードバックの実施により、実務での成果や改善点の確認などをしましょう。
目的達成度の評価とともに、今後の課題の整理することが重要です。
6.企業研修成果の定着
企業研修の成果が定着するように、研修後のフォローアップが必要です。
フォローアップの方法は、定量的アプローチと定性的アプローチの2つに大別されます。
- 定量的アプローチ:評価シートやアンケート調査、テスト、業績指標の分析など、数値による評価
- 定性的アプローチ:グループディスカッションやインタビューなど、参加者の主観的な評価
研修後に復習用の資料を提供するなど研修内容を復習して理解を深めることを行い、継続的な取り組みへとつなげていきます。
企業研修を実施する重要な3つのポイント
時間とコストをかけて行う企業研修を実りあるものにするための重要なポイントを3つ解説します。
1.研修の設計を丁寧にする
研修の設計は、研修が目的を達成するために欠かせない重要な工程です。
研修の
- 目的
- 対象者
- 内容
- 期間
- 場所
などを明確にし、効果的な研修プログラムを作成することが必要です。
特に目的が曖昧だと、参加する側も何を学べばいいのかわからなくなります。
研修の目的に合わせたカリキュラムや教材の選定、参加者に合わせた研修の進行など、細部にわたって設計を丁寧にすることが大切です。
2.目標を設定した上で取り組む
研修中に達成すべき目標を明確にしましょう。
社員のニーズと企業側のビジョンを照らし合わせ、企業研修によって社員の能力向上と企業の成長や競争力強化を狙った共通の目的を設定することが重要です。
目標を明確にすることで、参加者は何を目指して研修に参加しているのかを理解し、自己評価や継続的な学習のための指標にもなります。
目標は直近のものだけではなく、1年後の長期的なものも一緒に決めておくのがおすすめです。
3.研修後のフォローは必ず実施する
研修後のフォローアップは、研修プログラムの目標達成度合いや参加者の満足度、成果の可視化、改善点の抽出などを把握するために必要です。
フォローアップをしなければ、学びっぱなしになってしまい、得られたスキルが定着しないままになってしまいます。
研修の成果を残すためにも、アウトプットをする機会を与えましょう。
フォローアップを行った結果から研修プログラムの継続的な改善を実施すると、より効果的なプログラムを作り上げられます。
企業がかけている一人あたりの研修費用
社内外で研修行おうと考えている担当者は、どのくらい費用が必要なのか気になる方も多いと思います。
そこで、企業が研修に費やす1人あたりの研修費用を規模別に3つと製造・非製造業別の研修費用を紹介します。
大企業(1,000人以上) | 29,629円 |
中堅企業(300~999人) | 31,323円 |
中小企業(299人以下) | 28,682円 |
製造業 | 27,886円 |
非製造業 | 31,155円 |
参考:産労総合研究所「2022年度(第46回) 教育研修費用の実態調査 」
研修費用には、研修プログラムの開発や専門講師の講義料、会場費、教材費、交通費、宿泊費などが含まれ、研修期間や研修内容によっても費用が異なります。
また、研修後の継続的なフォローアップや効果から次回以降の研修を再検討する費用も含まれます。
研修の目的や内容に合わせた費用設定をして、予算内で効果的な研修を実施しなければいけません。
成果を出す企業研修の秘訣
企業研修は、社員のスキルアップやモチベーション向上につながるだけでなく、組織の成長に不可欠なものとしても近年注目を集めています。
企業研修はただ研修を実施するだけでなく、目的を明確にし、参加者のニーズに合わせたプログラムを設計することが重要です。
さらに研修後にフォローアップをして、継続的な改善を行うことで、より成果が出せます。
企業研修を成功に導くこれらのポイントをしっかりおさえ、組織の発展につなげましょう。
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- BtoBマーケティングに特化している
- 1日5分で学習できる
- 実践的なカリキュラムにより「できる」ことが増える
などの特徴があります。
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