リスキリングはなぜ重要?企業の5つの取り組み事例についても紹介
技術の進化や仕事が多様化される現在では、企業のリスキリングが重要視されてきています。
しかし、以下のように悩む方も多いのではないでしょうか。
- リスキリングの取り組み方法がわからない
- リスキリングを実施しても効果を感じない
- 従業員のスキルを成長させるためにおすすのリスキリング方法が知りたい
そこで今回は、リスキリングの取り組み方法や事例について紹介していきます。
DX化が進行する社会に対応するため、当記事を参考にしてリスキリングに取り組みましょう。
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リスキリングとは
リスキリングとは「新しい職業に就くため」や「今の職業で必要とされるスキルの変化に適応するため」など必要なスキル獲得を目指すことです。
リスキリングは、以下のようなメリットがあります。
- アイデアが生まれやすくなる
- 業務を効率化できる
- 企業の文化や社風を守れる
- 人材採用や育成のコストを抑えられる
- 生産性の向上やワークライフバランスの充実が期待できる
リスキリングは、世界に注目されている人材育成の取り組みです。
そのため世界経済フォーラム(WEH)は、2030年までに全世界で10億人をリスキリングすると宣言しています。
参考:World Economiuc Forum「Reskilling Revolution: Preparing 1 billion people for tomorrow’s economy」
リスキリングについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:リスキリングとは?DX時代に企業が求められる方法を詳しく解説
リスキリングが求められる背景とは
リスキリングは、2000年代初頭に欧米で使われ始めたとされています。
日本では、2010年代後半からDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴って注目されるようになりました。
日本のリスキリングの取り組みは、年功序列の歴史的な背景や支援制度が整っていないなど社会的な課題から他の先進国に比べて投資や取り組みが遅れていると言われてきました。
しかし、近年では日本でもリスキリングへの重要性が認知され始めています。
リスキリングが求められるようになった背景には、以下の理由があります。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)などで仕事に求められるスキルや人材の需要が急速に変化し、人手が余剰となったり不足したりするミスマッチが発生している
- 働き方や働く場所が多様化し、新しいコミュニケーション能力や自己管理能力などが必要とされるようになった
- 日本企業が一度雇用した従業員を法律上解雇しにくく、既存の人材を再配置・再活用する必要性が高まった
経済産業省ではAIやloTなどのDXスキルを学べる講座として「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を実施するなどリスキリングへの重要性が高まっています。
リスキリングの方法
ここからは、社内でリスキング実施していく方法について紹介していきます。
一般的には、自社でリスキリングしていくためには、以下のステップで進めていくことが大切です。- 目標設定
- 学習計画の作成
- リスキリングの実施
- 効果測定
ステップ1:目標設定
リスキリングの方法における目標設定とは、自社がほしい人物像を設定することです。
目標を明確にすることで、今後どのようなプログラムを導入するべきか検討しやすくなります。
また、目標を設定するときは、社員の現状のスキルも把握しておきましょう。
上司などへのヒアリングやアンケート調査で分析していきます。
ステップ2:学習計画の作成
学習計画を作成するとは、期間や予算、学習方法などを決めることです。
社員に習得してほしいスキルに合わせて、どのような教育方法や教材を利用するか、どのくらいの時間や頻度で学習するか、どのように学習の成果を測定するかなどを決めます。
また、学習計画の作成の際には、以下の点に注意しましょう。
- 上司や同僚などと共有してフィードバックを得る
- 実践的なスキルを身につけるために、業務やプロジェクトなどに応用できるようにする
学習計画が曖昧な場合には、学習の効果や効率に期待が持てません。
しっかり計画を実施し、リスキリングの効果を高めましょう。
ステップ3:リスキリングの実施
作成した学習計画に沿って新しいスキルや知識を習得するためリスキリングを実施していきます。
リスキリングには、以下のようなさまざまな方法があります。
- オンライン教育や書籍の利用する
- 自社に外部講師を招き、研修する
- ツールなどを使用して勉強する
リスキリングを実施する際には、目標をもって取り組むことが大切です。
目標をもってリスキリングの実施をすることで、市場の変化や技術革新に対応できるようになり、キャリアの幅や価値を広げられます。
ステップ4:効果測定
リスキリングの効果測定とは、リスキリングの実施後に従業員のスキル向上や業務効率の改善など目標とする成果が達成されたかどうかを評価することです。
具体的には、従業員のスキルアップ度合いや業務の品質向上、生産性の向上、コスト削減などを評価していきます。
また、リスキリングの効果測定は、リスキリングの目的を明確にし実施前に評価指標を設定しておくことが大切です。
効果測定の結果と評価指標を比較することで改善点を洗い出し、次のリスキリングに活かせます。
効果測定を実施し、よりリスキリングの効果を発揮できるように目標や学習計画の作成に役立てましょう。
リスキリングに取り組む企業の事例5つ
リスキリングには、どのような取り組みがあるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
ここからは、リスキリングに取り組む事業の事例を5つ紹介していきます。
紹介するリスキリングの事例を元に自社に合ったリスキリングに取り組むための参考にしてみましょう。
事例1.株式会社日立製作所
引用:株式会社日立製作所
日立製作所は、人工知能(AI)を駆使して社員のリスキリングを促すシステムをグループ全体で導入しています。
日立のIT技術に裏付けられたノウハウをもとに幅広い分野のスキル研修・人財育成のコンサルティング・研修運営・ナレッジマネジメント支援を実施しました。
AIが社員一人ひとりのスキルを把握し、将来的に必要になるデジタル知識や外国語の習得を促す仕組みを構築しています。
また、デジタル人材を育成する新会社「日立アカデミー」を設立し、社員にさまざまな研修や資格取得の機会を提供しました。
これらの取り組みは、NHKスペシャルや日経産業新聞などで紹介されています。
【参考】
日本経済新聞「日立、リスキリング管理システムを全社員に導入」
株式会社 日立アカデミー「NHKスペシャルで、当社が推進する日立製作所における従業員へのリスキリング支援施策が紹介されました」
事例2.SOMPOホールディングス株式会社
SOMPOホールディングスは、約6万人のグループ社員全員をデジタル人材に育成するため、2021年からDX(デジタルトランスフォーメーション)研修を実施しています。
研修の内容は、デジタル基礎研修やビジネスモデル研修、データ活用研修などです。
2021年度上期(4~9月)では、延べ約7,000人が受講しています。
DX研修の結果、受講者のデジタルスキルや企画提案力の向上、デジタル人材のネットワークの拡大、デジタル事業の創出など効果が得られ貢献の場を広げました。
例えば、DX専門人材として研修を受けたデータサイエンティストやエンジニアは、SOMPOグループのデジタル戦略や新規事業に貢献しています。
さらにDX推進人材として研修を受けた事業部門の社員は、デジタル基礎知識やビジネスモデルの理解を深め、自らの業務に活かしたり、新たなアイデアを提案したりしています。
【参考】
日経クロステック「動き始めたSOMPO『全社員DX人材化研修』、受講者の企画がPoCに進むケースも」
日経ビジネス電子版「全社員をDX人材へ、SOMPOホールディングスの危機感」
事例3.味の素株式会社
引用:味の素株式会社
味の素は、人的資本経営に向けて社員の「人財育成」と「キャリア制度」に取り組んでいます。
人財育成では「気づき」「充実」「さらなるステップアップ」の3段階に合わせた育成プログラムを構築し、社員のスキルやキャリアを可視化させ個別の育成プランを作成しました。
社員の成長を支援しプロフェッショナルな人財として、さまざまなフィールドで活躍できる人財育成に取り組んでいます。
キャリア制度では、以下を実施しています。
- 若手キャリア研修:27〜30歳の社員を対象に、自身の特徴や強み、ライフプランなどを確認し、今後のキャリア開発について考える研修
- AJINOMOTO GROUP Dialogue for the Future:食や地球環境の社会課題解決に挑戦している現場を訪問し、その土地ならではの体験や若手経営者など多くの人との対話をする。そして自身の言葉で考え、共感・共鳴の輪を広げ、味の素グループの未来につなげる体感型人財育成を目的とする研修
- 自律的なキャリア開発の支援:年に1度上司やキャリア開発フォローと面談し、1年の取り組みを振り返りながらキャリアビジョンを見直していく制度
参考:味の素㈱ 新卒採用サイト「人財育成とキャリア制度について | キャリアと働く環境」
事例4.SMBCグループ
引用:SMBCグループ
SMBCグループは、全社員のリスキリングに取り組むために、デジタルユニバーシティというオンライン教育プラットフォームを導入しています。
デジタルユニバーシティは、以下の3本柱からなる構成です。
- デジタルマインド:DXの意義や必要性について
- デジタルリテラシー:デジタルビジネスの基礎知識や事例について
- デジタルスキル:プログラミングやデータ分析などの実践的なスキルについて
このような取り組みによって、デジタル変革に対応できる人材を育成することを目的にリスキリングに取り組んでいます。
参考:Udemy Business「学びで新たな価値創造へ—SMBCグループが取り組む「お客さま本位」のデジタル人材育成 」
事例5.富士通
引用:富士通
富士通は、DX企業への変革を加速するために、国内グループ全12万人強に対してリスキリングを実施しています。
リスキリングの内容は、プログラミングや人材育成、経営管理などのスキルを学べる動画などです。
従業員は、1万を超えるコンテンツから選べます。
また、以下のようなリスキリングへの取り組みも特徴です。
- 社員はすべて無料で利用できる
- 動画の視聴は、業務扱いになり、上司の許可を得て残業すれば残業代も支給
【参考】
アルマ・クリエイション株式会社「富士通がリスキリングで10万人規模の「学び直し」を行う目的とは?」
NHK ビジネス特集「AIに仕事がとられる? 広がる“生活防衛のリスキリング”」
まとめ:リスキリングを導入して未来の働き方に対応していこう
DX化が進むにつれて、技術や業務が急速に変化し、既存のスキルや知識だけでは対応できない可能性があります。
そのようなDXが進む社会に対応するため、企業のリスキリングへの取り組みが大切です。
「多様な働き方が求められる未来に対応していく」「キャリアの幅を広げ、事業の成長に貢献していく」などリスキリングから企業を強化していきましょう。
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