新卒研修に効果のある手法5選と具体的な学習内容の例を紹介
「自律的な人材が育っていくには何をすべきなのだろうか?」
「今の新卒研修って、どのような内容を実施すればよいのかわからない」
など、お考えの人事担当者や総務担当者の方も多いのではないでしょうか。
社会情勢の変化が激しく、DX推進も加速する現代では、現場で求められる能力やスキルの向上が必須です。
さらに新入社員の世代が慣れ親しんできたデジタルリテラシーも活かして、社内で早い段階から活躍してもらう人材育成を目指していくことが急務です。
今回は、効果のある研修手法5選と学習内容の例をお伝えしてきます。
なお、テクロ株式会社では人材育成eラーニングサービス「マーケブル」を提供しています。
マーケティングができる人材の育成を考えている方は、無料で配布中の「BtoBマーケティング特化型Eラーニング『マーケブル』サービス資料」をぜひチェックしてみてください。
新卒研修の目的とは
新卒研修は、新入社員が配属先での業務を円滑に進められるよう目指します。
研修内容は会社によってさまざまですが、ビジネスマナーをはじめとした社会人スキルの習得、業務に関わる専門知識や実務スキルの習得まで多岐にわたります。
これから会社の人材として活躍できるよう土台作りをする大切な段階の研修です。
新卒研修の内容例
これから新入社員が社内で活躍する人材に成長していくために、新入社員の傾向や特徴、ビジネス環境の変化に応じて、研修内容も必要に応じて見直し、効果をさらに高める必要があります。
まずは新卒研修の基本的な内容を紹介します。
必要なマインドを知る
まず学生から社会人との違いを理解し、これから働いていくための意識改革をすることが非常に重要です。
社会人の自覚を持てない状況だと無責任な言動やトラブルを引き起こし、会社側にも不利益を起こす可能性が高まります。
新入社員が社会人として期待される姿を理解し、仕事やさまざまな課題に対して最適な対応していくため、社会人としてのマインドを知ることが欠かせません。
実際に以下のような研修内容を実施していくことがよいでしょう。
- モラル遵守
- 顧客満足向上の意識
- 周囲への貢献意識
- 時間管理の意識
これらの研修は実践的な研修を通じて、学んだ体験や知識を自分の言葉でアウトプットする機会を設定しましょう。
基礎思考スキルを学ぶ
社会人として働く上で、基本的な考え方や型となる思考スキルを学びます。
これらの思考スキルを使いこなせると、周囲の同僚や上司との連携を深めることや仕事を効率的に進められやすくなります。
思考スキルは講義形式ではなく、職場で実践していくことを想定して体感するワーク形式で実施することが重要です。
ワーク | 内容 |
ロジカルシンキング(考える力) |
ロジカルシンキングは、分かりやすく筋の通った論理形成をしながら、物事を順序立てて考えるスキルです。 |
ドキュメンテーション(可視化する力) |
ドキュメンテーションは、自分の意見を相手にわかりやすく伝えて、可視化するスキルです。 |
問題解決力(聞く・伝える力) |
問題解決力とは上司やお客様とコミュニケーションを取りながら、問題や課題の本質を見極めつつ、解決プランを実行していくためのスキルです。 |
組織や現場を理解する
これから配属される組織や現場を理解することを目的とした研修も重要になります。
新入社員の早期離脱防止や企業の目指すべき方向の相互理解につながります。
理解事項 | 内容 |
企業理念や事業目的の理解 |
企業のビジョンや価値観を伝えることで、新入社員は自身の役割の認識が可能です。 |
同期との関係構築 |
新入社員同士の同期との横のつながりも強化することで、お互いに刺激し合い、高め合える関係を築けます。 |
講師や研修スタッフとの相互理解 |
新入社員と講師や研修スタッフ間の相互理解・関係性を築く研修もあるといいでしょう。 |
現場で必要な専門スキルを学ぶ
職場で早く活躍してもらうために業務で必要な専門スキルや知識の教育をする必要もあります。
業界や職種ごとで必要とされる専門スキルや知識は異なります。
そのため、新入社員の配属先に合ったカリキュラムを提供していくことが非常に重要です。
業種ごとの例を挙げていきます。
業種の例 | 専門スキル研修の例 |
営業・販売系 |
|
企画・マーケティング系 |
|
エンジニア・技術系 |
|
事務・バックオフィス系 |
|
製造系 |
|
新卒研修の効果的な手法5選
新卒研修は、確実に、最大の効果が出る研修内容を企画していく必要があります。
どのような手法で学ばせればいいのかわからない場合は、以下を参考にしてみてください。
1.グループワーク・ディスカッション
グループワークとはグループ内の議論を通じて、最終的にプレゼンや成果物の作成といったアウトプットまで作成することです。
作業形式やプレゼン形式、さらにゲーム形式などグループワークをしながら、養いたい能力に合わせて、実施するべきグループワークの種類は異なってきます。
入社面接や座学の研修では見えにくい新入社員の能力を発見できて、今後の配属先の決定などに役立てることにもつながります。
種類 | 内容 |
プレゼン型 |
プレゼン型では一つのテーマについてグループで意見を出し合い、結論をまとめて全員の前で発表します。 |
ビジネスケース型 |
プレゼン型のグループワークと行うことは同じですが、テーマが実際のビジネスに関する内容であることが多いです。 |
作業型 |
手や体を動かすグループワークであり、意見を出し合うだけではなく、成果物を作り上げます。 |
ゲーム型 |
簡単なゲームを通じて、新入社員同士の親交を深めていきます。 |
2.座学
座学研修は、講師が一方的に説明を行い新入社員が聞いて学ぶ研修です。
受動的な研修方法で、多くの知識をインプットできるのが利点です。
ただ新入社員は「わかった」というレベルで満足しやすくなります。
研修内では実践が不要なため、インプットした知識も記憶に残りにくかったり、自分に対する偏った認識をしてしまうこともあります。
そのため研修後に報告書の提出を義務づけたりして、参加者が学びや気づきをアウトプットしていくことが重要です。
3.OJT
OJTとは職業内研修のことで、実際の業務を体験しながら、業務で必要な知識やスキルを身につける研修です。
上司や先輩社員などが指導役となり、業務の流れや使用するツールの操作方法、企業が扱う商品やサービス、ビジョンなど学ぶことが目的です。
研修のために社員のリソースを割きながら、部署全体の業務配分を調整する必要があります。
4.ロールプレイ・ケーススタディ
ロールプレイ・ケーススタディは、ビジネスの場での役割を参加者が実際に演じることで、業務上の適切な立ち振る舞いや最適な行動を学ぶ研修です。
場面ごとでとるべき行動を体で覚えられるのが特徴であり、ビジネスマナー研修や営業研修などの場で活用されています。
5.eラーニング
eラーニングとは、おもにインターネットを通じて、時間や場所を選ばずに各々が学べる学習システムのことです。
コンテンツ配信だけでなく、学習者と講師とのコミュニケーションをシステム上で完結させたり、学習進捗を可視化できるなどの仕組みが用意されています。
オンラインで完結するメリットが大きい反面、新卒に必要な名刺の渡し方や挨拶の方法などを実践するのは難しい傾向にあります。
OJTなどの研修と組み合わせて実施するのがおすすめです。
新卒研修時に注意すべきこと
ここからは新入社員が活躍していけるよう新卒研修をする上で、注意すべきポイントを挙げていきます。
研修の期間
研修の期間は、企業の状況によって異なります。
ただ新入社員の研修は、入社時点でビジネスマナーや社会人としての基礎が備わっていないことが予想されるでしょう。
そのため時間をかけて、基礎的なことから教えていく必要があります。
基礎的な研修は3〜6か月程度、長い場合は1年程度を新入社員研修の期間を目安として設定するのがよいです。
給与・残業代の支給
研修中の給与や残業代は研修の参加義務で、支給対象の可否が決まります。
研修の参加義務 | 支給対象 |
義務の場合 |
労働時間とみなし、給与や残業代を支払う必要あり |
任意の場合 |
労働時間とみなされず、給与や残業代を支払う必要なし |
多くの企業で、新卒研修の参加を義務付けていることが多く、給与支払いしているケースが多い状況です。
基本的に雇用契約を交わした所定労働時間内で、新卒研修を実施しているのが一般的です。
労働時間の管理
新卒研修では、労働時間の範囲を運営側と研修受講者間での共通認識を明確にしておく必要があります。
例えば、以下のようなケースがあったとします。
- 夕食後:ゲーム研修 → 基本的に参加を義務づけられ労働時間に該当する。
- 次の日の夕食後:自由参加の懇親会 → 任意参加につき、労働時間には該当しない。
研修内の労働時間の範囲を決めておき、就業規則などを明記しておきましょう。
研修でもらえる助成金
一定の条件を満たしていれば、厚生労働省の人材開発支援助成金の支給を受けることも可能です。
新卒研修では、若年労働者への訓練などが挙がります。
OJTとOFF-JTそれぞれの実施時間や比率、生産性要件を満たすか否かによって支給金額も変わるため、事前確認をしておきましょう。
参考:厚生労働省「人材開発支援助成金」
人材開発支援助成金などの助成金について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:リスキリングに使える補助金はある?国も支援する制度を解説
まとめ:社会人スキルを養い、自律的な人材を育成しよう
人生100年時代といわれる昨今、一人ひとりのライフスタイルに応じたキャリア選択を行い、新たなステージで求められる能力・スキルを学び続けることが求められます。
学生から社会人としての意識の変化とともに、さまざまなスキルを主体的に学び続けることで自律的な人材へ育ちます。
新卒研修を実施して、人材育成を進めていきましょう。
なおBtoBマーケティング人材の育成を考えている方は、弊社テクロのeラーニングサービス「マーケブル」をご検討ください。
- BtoBマーケティングに特化している
- 1日5分で学習できる
- 実践的なカリキュラムにより「できる」ことが増える
といった特徴があります。
マーケティングができる人材の育成を考えている方は、無料で配布中の「BtoBマーケティング特化型Eラーニング『マーケブル』サービス資料」をぜひチェックしてみてください。