オウンドメディアは難しい?9割が失敗する「5つの要因」と立て直しの改善策
「オウンドメディアの運用が難しすぎて、社内リソースが限界を迎えている」
「1年継続したのに全く成果(リード獲得)が出ず、上層部から撤退を打診されている」
オウンドメディアは、軌道に乗れば最強の営業資産になります。しかし現実には、「立ち上げた企業の約9割が、成果が出る前に難しさを感じて失敗(放置・撤退)している」と言われるほど、難易度の高いWebマーケティング施策です。
なぜ、オウンドメディアはそれほどまでに難しいのでしょうか?
その答えは、多くの企業が「オウンドメディア特有の失敗パターン」に陥り、正しい改善策(打ち手)を知らないまま時間と予算を浪費しているからです。
本記事では、「日々の運用方法」ではなく「メディアが失敗する根本的な原因の究明」と「停滞したメディアをV字回復させる改善策」に特化して、BtoBマーケティングのプロが徹底解説します。
なお、テクロ株式会社では「オウンドメディア作成マニュアル」資料を無料で配布しています。
マーケティング会社が実践しているオウンドメディアの作り方を知りたいBtoB企業様は、ぜひご確認ください。
目次
なぜ「オウンドメディアは難しい・失敗する」と言われるのか?

オウンドメディアの難しさは、「努力と成果が比例して伸びないこと」にあります。
Web広告のように、お金をかければ明日から問い合わせが来るわけではありません。正しい戦略のもとでコンテンツを蓄積し、半年〜1年という時間を経て、ある日突然アクセスが爆発する「Jカーブ」を描くのが特徴です。
このタイムラグ(時間の壁)と、継続的な労力(リソースの壁)が、多くの企業に「難しすぎる」と感じさせる根本的な原因です。
オウンドメディアが難しいと言われる最大の理由は、『魔の谷(死の谷)』の存在を知らないからです。立ち上げから半年間は、どれだけ良質な記事を書いても検索エンジンに評価されず、アクセスがほぼゼロの期間が続きます。この『成果ゼロの期間』に耐えきれず、社内から『意味がない』と批判されて予算を打ち切られる。これが最も多い撤退のシナリオです。オウンドメディアは短距離走(広告)ではなく、長距離マラソン(資産構築)であることを社内全体で理解する必要があります。
失敗と成功の分かれ目

成功すれば大きな成果を得られるオウンドメディアですが、残念ながら失敗事例も多くあります。
失敗と成功を分ける要因は何なのでしょうか?
なぜ失敗例が多いのか
オウンドメディア失敗と成功を分ける要因は「どれだけ入念に事前準備をしたか」です。
事前準備は、以下の3つに分けられます。
- 戦略設計
- 体制整備
- 人材確保
オウンドメディア運用では、入念な戦略設計が重要です。
オウンドメディアは長期的な施策であるため、丁寧に戦略を練っておかないと、途中で目的を見失い、迷走するリスクがあります。
戦略を見失って惰性で運用している状態は、失敗と呼んで良いでしょう。
次に、体制整備も重要です。
オウンドメディアで問題になりやすいのは「日々の業務に追われて、継続的なコンテンツ制作・配信ができないこと」です。
担当者を明確にするだけでなく、社内理解を得たり、必要であれば外注したりして、継続的なコンテンツ制作・配信ができる体制を作りましょう。
3つ目の人材確保は「オウンドメディア運用に関するノウハウを持った人材を確保する」という意味です。
いくら素晴らしい戦略を立てて、きちんとした体制を整えても、実践するノウハウがなければ失敗する確率は上がってしまいます。
必要な人材を確保して、専門性の高いオウンドメディア運用ができるようにしましょう。
このように、オウンドメディアの失敗と成功の分かれ目は、事前準備にあります。
しっかりとした準備ができていれば、成功する確率は高まります。
一方で、行き当たりばったりで始めると、失敗してしまうリスクが高いです。
オウンドメディアが失敗する「5つの致命的な要因(原因)」

メディアが伸び悩み、失敗に向かっている企業には、必ず共通する「5つの致命的な課題・原因」が存在します。自社が当てはまっていないかチェックしてください。
失敗要因①:目的・KGI/KPIといった「戦略の不在」
「他社もやっているから」「とりあえずPV(アクセス)を集めよう」という曖昧な目的で立ち上げると必ず失敗します。 ターゲット(ペルソナ)は誰で、最終的にどんなアクション(資料請求なのか、採用エントリーなのか)をしてほしいのかという戦略設計がないため、誰にも刺さらないブレた記事が量産されてしまいます。
失敗要因②:「片手間・兼任」によるリソース不足
「広報や営業の担当者が、本業の空き時間に記事を書く」という体制は、100%の確率で失敗します。 オウンドメディアの記事作成には、キーワード調査、構成、執筆、画像作成など膨大な作業時間が必要です。専任の担当者や明確な運用体制がないと、数ヶ月で更新がストップし、メディアが放置(廃墟化)されます。
失敗要因③:ユーザーの検索意図を無視した「低品質なコンテンツ」
「自社の製品がいかに素晴らしいか(売り込み)」や「社長の個人的な日記」ばかりを発信しているケースです。 読者が求めているのは「自分の悩み(課題)を解決する有益なノウハウ」です。ユーザーのニーズを無視した独りよがりな記事は、検索エンジン(Google)から全く評価されず、上位表示されることはありません。
失敗要因④:短期的な「即効性」を求める社内評価
経営層や上司がオウンドメディアの性質を理解しておらず、「今月は何件リードが獲れたんだ?」と短期的な成果(ROI)ばかりを追及する環境も失敗の原因です。 成果が出ないプレッシャーから、担当者が「質の低い短い記事を毎日更新する」といった間違った施策に走り、メディアの評価を自ら下げてしまいます。
失敗要因⑤:データ分析やリライトを行わない「書きっぱなし」
記事を公開して満足し、そのまま放置しているケースです。 オウンドメディアは、公開後の順位チェックや滞在時間のデータ分析を行い、成果の出ない記事を修正(リライト)することで初めて資産になります。PDCAサイクルが回っていないメディアは、競合にどんどん順位を抜かれて失敗します。
失敗要因①の「戦略の不在」を解決するための、正しい目的設定やKPIツリーの作り方については、以下の記事で詳細に解説しています。
【診断表】オウンドメディアの失敗レベルと課題
現在の自社メディアがどれくらい危険な状態にあるのか、症状別の「失敗レベル」と必要な対応策を診断表にまとめました。
| 症状(現在の状況) | 失敗レベル | 根本的な課題・原因 | 今すぐやるべき対応・改善策 |
|---|---|---|---|
| 記事の更新が3ヶ月以上ストップしている | 重度(撤退寸前) | 担当者のリソース不足、モチベーション低下 | 運用体制の抜本的見直し、外部パートナー(外注)への委託を検討する。 |
| PV(アクセス)は月間数万あるが、問い合わせが「ゼロ」 | 中度(機会損失) | コンバージョン(CV)への導線設計ミス、ターゲットのズレ | 読了後の行動を促すバナー設置や、ホワイトペーパー(資料)の追加を行う。 |
| 1年以上継続して記事を100本以上書いたが、全くPVが増えない | 中度(労力の無駄) | SEOキーワード選定のミス、競合分析の不足 | 新規記事の執筆を止め、既存のゴミ記事の削除と全面的なリライトを行う。 |
| 記事によってアクセス数や順位に極端なバラつきがある | 軽度(成長痛) | 記事の品質(ライターのスキル)のバラつき | 編集ガイドライン(レギュレーション)の策定、構成案のチェック体制強化。 |
最ももったいない失敗が、「PVはあるのに問い合わせがゼロ」という状況です。これは、検索ボリュームだけを狙って「自社のビジネスに全く関係のないお役立ち記事」ばかりを書いてしまっているのが原因です。早急な軌道修正(改善)が必要です。
失敗から抜け出す!オウンドメディアを立て直す「改善策」
すでに「難しい」「失敗しそうだ」と感じているメディアをV字回復させるための、具体的な4つの改善策(トラブルシューティング)を解説します。
改善策①:KGI/KPIと「ペルソナ」の再定義(原点回帰)
まずは新規記事の執筆を一旦ストップし、戦略の立て直しを行います。 「誰のどんな課題を解決し、最終的に自社の何の商材を売りたいのか」というペルソナとゴール(KGI)を再定義します。ターゲットの解像度を上げることで、書くべき記事のテーマがシャープになります。
改善策②:「コンテンツオーディット(監査)」とリライトの実行
これまでに公開した既存記事をすべて棚卸しし、データ分析ツール(GA4等)を用いて評価します。
- 上位表示されているがCVがない記事:資料請求などのバナー(導線)を目立つように追加する。
- 20位〜30位で停滞している記事:最新情報や独自ノウハウを追記してリライト(順位改善)する。
- 誰にも読まれていない低品質な記事:サイト全体のSEO評価を下げる原因(ノイズ)になるため、思い切って非公開(削除)にするか、別記事に統合する。
改善策③:現場を巻き込む「ハイブリッド運用体制」への変更
リソース不足を解決するため、担当者1人の孤立した運用をやめます。 営業部や開発部に「自社の顧客がよく抱えている悩み」をヒアリングする社内連携体制を作ります。また、負担の大きい「キーワード選定」や「執筆」といった実務部分は、専門ノウハウを持つ外部の制作会社やライターに外注し、社内の負担をディレクション(管理)のみに減らす「ハイブリッド体制」へと移行します。
「自社だけでは運用が続かない」という場合は、記事の作成やSEO対策を外部に委託するのが確実な改善策です。失敗しない外注先の選び方は以下の記事をご覧ください。
改善策④:経営層への「啓蒙活動」と評価指標の変更
上層部から「成果が出ないからやめろ」と言われないよう、担当者自らが「オウンドメディアのJカーブ効果(時間がかかること)」を論理的に説明し、予算確保の説得を行います。 同時に、初期フェーズの評価指標を「リード獲得数」ではなく、「狙ったキーワードでの検索順位」や「特定記事の滞在時間」といった中間指標(マイクロCV)に変更してもらうよう交渉します。
撤退すべきか、継続すべきかの判断基準
立て直しの努力をしても難しい場合、「損切り(撤退)」を決断することもビジネスにおいては重要です。継続と撤退の判断基準を提示します。
運用期間が1年未満の場合や、特定のニッチなキーワードでポツポツと1桁順位が取れ始めている場合。これは「資産化の兆し(魔の谷の突破)」が見えている状態なので、絶対にやめてはいけません。
2年以上、プロのコンサルティングも入れずに自己流で書き続け、ドメイン全体の評価が壊滅的に低い(ペナルティを受けている)場合。または、会社の主力事業が変わり、メディアのテーマと商材が完全に乖離してしまった場合。
よくある質問(FAQ)|運用が難しい時の悩み
オウンドメディアの難しさに直面しているWebマーケティング担当者様からの、リアルな疑問に解説・回答します。
「自社目線」ではなく「顧客目線」に切り替えれば、ネタは無限に湧いてきます。
自社の言いたいことだけを発信していると、すぐにネタ切れになります。営業部門やカスタマーサポート部門に「顧客からよく聞かれる質問」や「クレームの内容」をヒアリングしてください。顧客のリアルな悩みや疑問こそが、最高の記事テーマ(検索キーワード)になります。
「広告費との比較シミュレーション」で論理的に説得してください。
オウンドメディア経由で獲得したリードと同数のリードを「Web広告」で獲得した場合、いくらの広告費がかかるのか(CPA)を計算して提示します。「今は仕込みの時期ですが、1年後には毎月〇〇万円分の広告費を削減する資産になります」と、投資回収のロジックで説得するのが効果的です。
「丸投げ」では失敗しますが、「伴走」してもらえば成功確率は劇的に上がります。
外部の支援会社にすべてを丸投げし、自社のノウハウ(一次情報)を提供しないメディアは、薄っぺらい内容になり失敗します。プロのSEO知見を借りつつ、自社からも積極的に専門知識を提供する「二人三脚の協力体制」を築くことが、成功の絶対条件です。
記事の構成や「読まれるライティングの型」といった、実務的な執筆の難しさを解消したい方は、以下の運用マニュアル記事をご活用ください。
まとめ|「難しい」を乗り越えた企業だけが資産を得る
オウンドメディアは、確かに運用が難しく、泥臭い努力の継続が必要な施策です。しかし、「9割が失敗する」ということは、「正しく継続して残り1割に入れば、競合他社が追いつけない圧倒的な優位性(一人勝ち)を築ける」ということでもあります。
- 「魔の谷(半年〜1年)」の存在を理解し、短期的な成果を求めない
- PVばかりを追う「戦略の不在」を見直し、明確なKPIを再定義する
- 「兼任」の限界を認め、外部パートナーを活用したハイブリッド体制を構築する
- 書きっぱなしを辞め、データ分析と既存記事のリライト(改善)に注力する
「失敗・難しい」と感じた今こそ、メディアを正しい方向へ立て直す最大のチャンスです。
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「2年運用しているが全く成果が出ず、何が原因で失敗しているのか分からない」 「既存の記事をリライトしてメディアを立て直したいが、社内にSEO分析の知見がない」
このような「オウンドメディアの難しさ・壁」に直面しているBtoB企業様は、ぜひ弊社(テクロ株式会社)にご相談ください。
テクロは、BtoB(IT、SaaS、製造業など)のマーケティング支援に特化した伴走型のコンサルティングファームです。 メディアが伸び悩んでいる根本原因をデータから精緻に診断(コンテンツオーディット)し、無駄な労力を省くための戦略の再構築、CV率を改善するための既存記事のリライト、そして現場の負担を劇的に下げる運用体制の構築まで、メディアをV字回復させるためのプロセスを一気通貫で支援します。
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