【2022年版】オウンドメディアの成功事例12選と運用のコツ
インターネットからの集客方法の一つとして人気を集めているオウンドメディア。
上手くいけば広告にお金をかけなくても継続的に集客できることもあり、立ち上げを考えている企業も多いのではないでしょうか?
ただ、実際にオウンドメディアを立ち上げて集客に成功している企業がある反面、イマイチ上手く集客できていないメディアもあります。
そして、運営で失敗しないためには、事例から成功する秘訣を学ぶことが非常に重要です。
そこで今回は、オウンドメディアの成功事例について紹介していきます。
目的別に12個の成功事例を紹介しつつ、オウンドメディアの運営で失敗しないためのコツについても紹介していきます。
これからオウンドメディアを立ち上げてビジネスに活用していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業が運営しているWebメディアの総称です。
ただし、企業が運営しているWebメディアと言っても、広告で収益を上げることを目的として運営されている「キュレーションメディア」や「アフィリエイトメディア」などはオウンドメディアではありません。
あくまで、自社で実施しているビジネスと関連する情報を発信しているWebメディアを、オウンドメディアと呼びます。
オウンドメディアは、自社で実施するビジネスと関連する情報を発信していく中で自社の製品やサービスを紹介し、購入や利用につなげていくことを目的に運営されています。
オウンドメディアについては以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
>>オウンドメディアとは?立ち上げる目的やメリット・デメリットについて解説
オウンドメディアを運用する際の目的
オウンドメディアを運用する際の目的として4つの項目が挙げられます。
本項ではそれぞれの詳細について解説します。
自社のブランディング
自社の商品・サービスの情報を自由に掲載できるオウンドメディアは、ブランディングに活用できます。
自社の情報を定期的に発信していくことで、ブランドイメージを高めて自社のファンを増やしていくけるでしょう。
「顧客が求めていること」を常に把握し、専門性の高い自社独自のコンテンツ配信を続けて「〇〇ならことの会社」と、第一想起を取れば、売上や利益の増加にもつながります。
採用活動の強化
新しい人材の確保には、費用をかけ外部の求人媒体へ出稿することが一般的な手法です。
しかし採用が確定した後に、求人媒体への追加費用が必要となる・入社後にミスマッチが発覚するリスクも0ではありません。
ですが、オウンドメディアで
- 自社の理念
- 社内の雰囲気
- 実際に働いている社員の様子
を取り上げることで、費用を抑えながら自社にマッチした人材からの募集を集めることが可能です。
見込み顧客との最初の接点
SEO対策を実施し、自社オウンドメディアを検索結果の上位に表示できるようになれば、見込み顧客(リード)との最初の接点を作ることも可能です。
ユーザーの役に立つ情報や、興味・関心の高いコンテンツを制作し発信することで、訪問者数が増え検索順位も上がり、より多くのユーザーとの接点を増やせます。
初めてオウンドメディアを訪れたユーザーから、自社に対して良い印象を抱いてもらえれば新規顧客や有力顧客となる期待も持てるため、コンテンツ制作やSEO対策にも力を入れていきましょう。
広告費削減につながる
広告は一度止めてしまえばアクセスが減少する傾向があるのに対し、オウンドメディアは更新を止めても、今まで制作したものが財産になり一定のアクセスを維持できる特徴があります。
中長期的な目線で見れば、オウンドメディアはコンテンツを一定以上の質と量で制作することで、長期に渡り安定したユーザー流入を見込めます。
予算や工数の都合でオウンドメディアの更新が難しくなったとしても、それまでに積み上げた資産で広告費を抑えた集客を実施することも可能です。
広告とオウンドメディアを上手に使い分けながら、広告費用を抑えたアクセス増加を狙いましょう。
【目的別】オウンドメディアの成功事例12選
オウンドメディアの運営に成功している企業はたくさんありますが、今回は、それらの成功事例の中でも特に素晴らしい成果をあげている12個の成功事例について紹介していきます。
どの事例も、オウンドメディアを運営していく上で非常に参考になるものばかりです。
該当メディアへのリンクも設置していますので、気になるメディアがあれば、ぜひチェックしてみてください。
それでは、みていきましょう。
オウンドメディアをブランディング目的で活用した事例
オウンドメディアをブランディング目的で活用した事例3選を紹介します。
成功事例1. 北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)
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引用元:北欧、暮らしの道具店
オウンドメディアの代表的な成功事例として真っ先にあげられるのが「北欧、暮らしの道具店」の事例です。
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧テイストの家具や雑貨を販売しているECサイトで、北欧テイストのインテリアが好きなユーザーから絶大な支持を集めています。
そんな「北欧、暮らしの道具店」は、2020年に公開されたデータによると、毎月1,600万ものアクセスがあるようです。
「北欧、暮らしの道具店」はECサイトの中でコンテンツを掲載しているタイプのメディアですので、この1,600万ものPVすべてがメディアに掲載されているコンテンツによるものだとは言えません。
それでも、オウンドメディアに掲載されているコンテンツがユーザーの集客に大きく貢献しているのは間違いありません。
また、月間1,600万のアクセス数の他にも、
- ユーザーの95%以上が週に1回以上アクセスし、そのうちの72%が毎日アクセスしている
- ユーザー全体の50%以上が過去に20回以上アクセスしている
- Instagramのフォロワー105万人
- Twitterのフォロワー4万人
など、さまざまな成果をあげています。
「北欧、暮らしの道具店」が成功した理由
「北欧、暮らしの道具店」が成功した理由は、以下の2つです。
- ユーザーが読みたいと思えるコンテンツ作りを徹底した
- 商品の活用例や写真をふんだんに使い、商品をアピールした
「北欧、暮らしの道具店」のオウンドメディアがここまでの成果をあげられたのは、ユーザーが読みたいと思えるコンテンツ作りを徹底してきたからです。
元々読者だったユーザーが社員として運営に加わり、コンテンツを作成しています。
その仕組みにより、ターゲットとなりうるユーザーが「読みたい」と思える魅力的なコンテンツを次々と生み出せているわけです。
また「北欧、暮らしの道具店」では、写真をふんだんに使って商品の魅力をアピールしています。
その商品の活用例なども掲載されているので、その商品を購入した後のことが想像しやすくなっているのも優れているポイントの一つです。
ターゲット層 | 北欧テイストのインテリア・雑貨が好きなユーザー |
コンセプト |
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得られた効果 |
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成功事例2.サイボウズ式(サイボウズ株式会社)
引用元:サイボウズ式
「サイボウズ式」は、ソフトウェア開発をするサイボウズ株式会社が運用しているオウンドメディアです。
- KPI目標を追わない
- 他メディアと同じ記事を書かない
- 編集長は企画書だけでジャッジをしない
と運用方針を設けており、独自性の高い記事を更新し続けています。
PV数は月間平均20〜40万ほど公開記事数も月に10本前後と、企業のオウンドメディアとして規模は大きくありませんが、TV番組に取り上げられるほどの影響力があるコンテンツを制作。
コミュニケーションが生まれるきっかけとなるオウンドメディアを目指し、コンセプトとして「新しい価値を生み出すチームのための、コラボレーションとITの情報サイト」を挙げ、チームで働くビジネス関係者に向けた新しい視点で運用されています。
「サイボウズ式」が成功した理由
サイボウズ式では数字での目標や撤退ラインを設けず、読者とサイボウズの間にコミュニケーションで信頼を築く目的で運用が進められました。
どれだけの人に読まれたのか、ではなく自社のコンテンツを
- 誰に読んでもらうのか
- どう感じてもらいたいのか
- 結果として読者にどのような行動をしてもらいたいのか
を考えたことで、成果につながります。
販促や売上向上を狙ったオウンドメディア施策ではなく、ユーザーの自社認知や広報・ブランディングと目的とした施策では、コンテンツの反応も数字ではなくSNSに投稿されたコメントの内容を重視しました。
「やるべきこと」「やらないこと」を決めて、徹底した「ユーザーとのコミュニケーション」を重視することで、自社のブランディングや認知度向上につなげた事例です。
ターゲット層 | ワークライフバランスやチームでの働き方に興味のあるユーザー |
コンセプト | 新しい価値を生み出すチームのための情報サイト |
得られた効果 |
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成功事例3.THE BAKE MAGAZINE(株式会社BAKE)
「THE BAKE MAGAZINE」は、お菓子を製造・販売する株式会社BAKEが運用するオウンドメディアです。
商品であるお菓子からさらに踏み込んで、会社そのものに興味を持ってもらえるようなブランディングに力を入れ、自社を広く知ってもらう目的で、オウンドメディアを開設します。
コンテンツでは、あえて
- 競合他社の商品
- SEOの取り組み内容
- アクセス状況
を紹介・公開することで自社が大切にしている想いや理念をユーザーに伝え、自社そのもののファンとなってもらえるような仕組みづくりを実施しました。
結果としてTHE BAKE MAGAZINEは、現在月間22万PVを達成し、ファンの獲得を実現しました。
それだけではなく、採用面でもオウンドメディアを開設したことで、大きく効果があらわれます。
会社そのものの価値観やビジョンを明確化し、コンテンツとすることで求人に応募してくる方とのミスマッチを最小限に減らすことにも成功しました。
「THE BAKE MAGAZINE」が成功した理由
「THE BAKE MAGAZINE」が成功したポイントは、以下の2つです。
- 自社だけではなくライバル企業や老舗企業、職人の紹介を通じて自社の理念や想いを発信した
- 商品の購入ではなく「自社のファン」となってもらうことを目的とした
「THE BAKE MAGAZINE」は自社製品や社員の紹介だけではなく、同業他社の取材やインタビューを実施し記事にすることで、会社が大事にしている考え方や想いを発信していきました。
オウンドメディアを通じて、商品の認知や購買意欲へつなげるだけではなく、ユーザーに会社そのもののファン化や理解を促すことでその場限りではない、長期的なつながりを作ることを狙います。
2017年に経営体制を刷新した後は、オウンドメディアの立ち位置があいまいになり、閉鎖も検討されましたが「オープンイノベーション」をテーマに2019年に再始動されました。
失敗談や商品が生まれるまでのストーリーをオープンにすることで、お菓子業界の発展や進歩に寄与する期待も含まれます。
新しいテーマは自社のミッションとしていた「お菓子を、進化させる」にもつながり、社員数が増えたことで会社の理念や目的が伝わりづらくなっていた、社内の課題解決にもオウンドメディアが活躍しました。
ターゲット層 | まだBAKEをよく知らない・企業に興味を持ってくれたユーザー |
コンセプト | 「おいしいは、しあわせにBAKE(バケ)る。そこには、ストーリーがある。」をテーマに属に関連したユニークな方々の発信 |
得られた効果 |
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オウンドメディアを採用目的で活用した事例
オウンドメディアを採用目的で活用した事例3選を紹介します。
成功事例4. mercan(株式会社メルカリ)
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引用元:mercan
「mercan」は、人気のフリマアプリ「メルカリ」の運営元である株式会社メルカリが運営しているオウンドメディアです。
採用後のミスマッチを減らす目的で、運用が開始されました。
オウンドメディアリクルーティングは、成果が数値化しにくいため成果に関するデータは公表されていません。
しかし、メルカリの採用面接に来る応募者のほとんどが「mercan」を見て応募を決めたと話しています。
「mercan」が成功した理由
「mercan」が成功した理由は、以下の2つが挙げられます。
- 包み隠さずありのままの姿を発信した
- 更新頻度を維持し、会社全体で取り組んだ
メルカンでは仕事のことだけではなく、記事によって取材対象の幼少期や学生時代のことを書くことで「一緒に働く仲間のイメージ」がつきやすくなるよう工夫。
また更新頻度を一定に維持し、会社全体で支えるメディアという共通認識のもと運営しています。
KPIも設定せず、反応や効果を見ながら発信をすることで、社内外で読まれるコンテンツを生み出しています。
ターゲット層 | メルカリへの入社を考えているユーザー |
コンセプト | メルカリの「人」を伝える |
得られた効果 |
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オウンドメディアリクルーティングについては以下の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
>>オウンドメディアリクルーティングとは?メリット・デメリットから進め方まで徹底解説!
成功事例5.OnLINE(株式会社LINE)
引用元:OnLINE
LINE株式会社が運用する「OnLINE」は、
- 社内の取り組み
- インタビュー
- 新しいチャレンジ
に関する記事を配信しています。
コンセプトとして「たくさんのWOWへとつながるように」を挙げており、オウンドメディアを通じて社内では、チャレンジ精神が豊富な人材・挑戦することに意欲がある人材を求めていることもアピールしています。
外部に出づらい情報をオープンに、企業理念や働く社員の様子をありのままに伝えることで、考えや思想に共感したユーザーからの求人応募や採用につなげる目的です。
「OnLINE」が成功した理由
「OnLINE」が成功した理由は、以下の3つです。
- 外部からは見えづらい社内の雰囲気や活動内容を紹介している
- Uターンした社員や専門職の社員へのインタビュー記事も掲載している
- ユーザーがアクセスしやすいUI/UXデザイン
OnLINEは外からは見えづらい
- 社内の様子
- 働く人
- 雰囲気
をインタビューや紹介記事として紹介することで、LINEへの就職を考えているユーザーの信頼・安心へつなげていきました。
他にも専門職の社員や、家庭の事情で一時的にリモートで働く社員へのインタビューを載せることで、LINEでは柔軟な働き方ができることをアピールし、優秀な人材の確保を目指しました。
さらに、オウンドメディア内のカテゴリは
- VISION
- CULTURE
- WORKS
の3種類のみとシンプルにまとめることで、ユーザーが求めている情報に素早くアクセスできるUI/UXデザインも意識されています。
ユーザーへの小さな配慮も、読みやすい印象を与える1つの要因と言えます。
ターゲット層 | LINEへの就職を考えているユーザー |
コンセプト | たくさんのWOWへとつながるように |
得られた効果 |
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成功事例6.ジモコロ(株式会社アイデム)
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引用元:ジモコロ
「ジモコロ」は株式会社アイデム・株式会社バーグハンバーグバーグが共同で運営しているオウンドメディアです。
日本各地のローカルネタをメインとして取り扱っており、メディアを訪れたユーザーへ株式会社アイデムの、地域密着型の求人サービス「イーアイデム」につなげる狙いがあります。
共同運営により、アイデムに来る求人応募者の10%はジモコロの読者と数字が出るほどまでに認知度が上がりました。
メディアを通じて
- ユーザーに「地元の求人情報を取り扱う会社」であることを印象付ける
- 求人応募者を増加させる
と目的を果たす意味合いで、運用されているオウンドメディアの事例です。
「ジモコロ」が成功した理由
「ジモコロ」が成功した理由は、以下の2つが挙げられます。
- 「面白いコンテンツの制作」に注力したコンテンツマーケティングを展開した
- 若い世代に人気のライターを起用し、回遊率の数字を伸ばした
ジモコロは「インターネットでは面白いコンテンツを出せば広まっていく」と考え、ユニークなコンテンツ作成を得意とする制作会社と共同で、オウンドメディアを作り上げていきました。
さらにARuFaさんやヨッピーさんといったSNSでも有名なライターを起用し記事を載せることで、その記事を見に来た読者が、ジモコロ内の他記事を回遊してくれる動きにもつながりました。
多くのユーザーにオウンドメディアへアクセスしてもらい、イーアイデムは地方の求人を多く取り扱った求人サイトである、と印象付けられます。
ユーザーが今すぐの転職・アルバイトを考えておらずとも、将来求人を探したいと思った際に「イーアイデムでは地方の求人を取り扱っている」と事前に認知してもらえれば、応募者数の増加にもつなげられます。
人材業界では「どうやって企業名を検索してもらうか」がキーポイントです。
株式会社アイデムはオウンドメディアを通じて、Web上でユニークなコンテンツを配信することで企業名を覚えてもらうことを目指し、応募者の1割がオウンドメディアの読者となるまでに成果を上げました。
ターゲット層 | 地方での転職や就職を考えているユーザー |
コンセプト | あなたがどこに暮らしていても、もっと地元が好きになる |
得られた効果 |
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オウンドメディアを顧客との接点作りで活用した事例
オウンドメディアを顧客との接点作りに活用した事例3選を紹介します。
成功事例7. ferret(株式会社ベーシック)
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引用元:ferret
「ferret」は、マーケティング関連のサービスを提供している株式会社ベーシックが運営しているオウンドメディアです。
- SEO
- SNSマーケティング
- Web広告
など、Webを活用したマーケティングに関するさまざまなコンテンツを配信しています。
「月間UU350万人」「月間PV550万人」などのデータからも、オウンドメディアとして成功していることがわかります。
「ferret」が成功した理由
「ferret」が成功した理由は、以下の2つです。
- マーケティング知識がない人でも学べるコンテンツ作りを心がけた
- 量と質の両方を大切にした
マーケティングに特化したメディアである「ferret」が成功した理由は、マーケティングの知識をまったく持ち合わせていない人でも、体系的に学べるコンテンツ作りを心がけたからです。
「ferret」には会員登録の機能があり、会員になるとマーケティングのカリキュラムが閲覧できます。
用意されているカリキュラムは、マーケティングを基礎から講座形式で学んでいけるように設計されたもので、進捗率なども確認が可能です。
「ferret」では「初心者の何から学べばいいのか分からない」という悩みを解消し、マーケティングをスムーズに学んでいける環境を提供しています。
さらに量と質を大切にする運営方針で、記事ごとに評価基準を変えていきました。
カスタマージャーニーを引き直し、フェーズごとにどのようにコンテンツを作成するべきか可視化。
それを元にコンテンツを作り、記事の評価ポイントが分かるようにしています。
コンテンツづくりに注力し、成功した事例です。
ターゲット層 | マーケティングに興味のあるユーザー |
コンセプト | マーケターのよりどころ |
得られた効果 |
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成功事例8.LIGブログ(株式会社LIG)
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引用元:LIGブログ
オウンドメディアの成功事例としてよく挙げられる「LIGブログ」は、Webサイト制作・教育事業を展開する株式会社LIGが運用しているオウンドメディアです。
SEO対策を実施し検索エンジンでの上位表示を狙いながらも、SNSで話題となるコンテンツ制作を狙い、Web制作に関わるユーザーやビジネスに興味のあるユーザー層の認知度を高めていきました。
またオウンドメディアを運用する目的として以下の5つの項目を挙げています。
1.【教育】自分たちの学んだことや技術を、記事としてアウトプットをしよう
2.【営業】自分たちのやれることを伝えて、仕事を貰おう
3.【採用】一緒に働きたいと思ってもらえるような情報を発信しよう
4.【収益】ブログで直接収益を上げよう
5.【ファン】上記4つの活動を通じて、LIGのファンをつくろう
引用:『退けば老いるぞ。臆せば死ぬぞ』守りに入るのは100年早いよね。|LIGブログ
運用には社内教育や採用でのミスマッチを防ぐ目的も含まれており、広告収益以外のメリットを用意することで長期的な運用を可能とします。
結果として2019年の時点で7,000本以上の記事を公開し、毎月500万PVを記録するなど数字としてもかなり大きな成果を達成しているオウンドメディアです。
「LIGブログ」が成功した理由
「LIGブログ」が成功した理由は、以下の2つが挙げられます。
- テーマを「社員ブログ」とし、社員で1本ずつ記事を書くルールを定めた
- あえて空気や世間にとらわれない自由な情報発信を心がけた
LIGブログでは、株式会社LIGの社員が1本ずつ記事を書くルールを定めています。
Web制作会社ならではの制作のノウハウや、Web・ITのビジネス知識を提供するだけではなく
- デザイナー
- エンジニア
- ライター
を始めとする専門職の社員が記事を書くことで、クリエイティブな記事が集まったサイトとして知名度の向上にもつながりました。
また社名を背負ったサラリーマンとして発信するには、個人での活動よりも責任やプレッシャーが発生してしまうことを逆手に取り「サラリーマンが発信するブログだからこそ自由に書ける」ことを、自社メディアの強みとします。
オウンドメディアへの執筆を通じて社員に「サラリーマンでも空気を読まず、世間に囚われることなく、自由に遊び心を持って発信していい」を実感してもらうことで、独自性の高いコンテンツ制作に至った点が成功への第一歩となりました。
ターゲット層 | Webサイト制作に関わるユーザー/ビジネスに興味のあるユーザー |
コンセプト | 社員ブログ=サラリーマンブログ |
得られた効果 |
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成功事例9.LISKUL(ソウルドアウト株式会社)
引用元:LISKUL
「LISKUL」はソウルドアウト株式会社が運営する、マーケティングの知識やノウハウをまとめたオウンドメディアです。
オウンドメディアのコンセプトに「中小・ベンチャーのWebマーケターが、経営者の右腕たるCMOになるまでに必要な情報を提供するメディア」を掲げており、ユーザーへ有益な情報を提供し続けることで「Webマーケティングメディア」としてのポジションを確立させました。
ユーザーニーズの高いコンテンツを制作することでSEO対策やリード獲得にもつながり、2021年の時点で
- 月間80万PV
- 月間問い合わせ件数(リード獲得数)200件
を達成しています。
「LISKUL」が成功した理由
「LISKUL」が成功した理由は、2つあります。
- あえて自社のノウハウを公開することでCV数の増加につなげた
- 数字ではなくユーザーを見ながらコンテンツを制作した
LISKULは一見、不利になりかねない「自社ノウハウ」を開示することで、リード獲得を成功させました。
マーケティング支援を実施している自社の事業で、学んだこと・経験したことを発信して、専門性・権威性・信頼性の高いコンテンツ制作を可能とし、高いPV数とリード獲得数につなげています。
またメディアを運用していく上で、1人のユーザーの動きではなくCPCやCRVと数字に注視してしまうことに気づき、キーワードから見えてくるユーザーニーズに注目しました。
上位表示された記事のキーワードから、ユーザーが検索に至るまでのきっかけやシチュエーションをくみ取り、結果に合わせた訴求を実施しています。
コンテンツマーケティングにおいて、数字ではなくデータから読み取れるユーザーニーズを意識することで、ユーザー視点に立ったコンテンツ制作を可能にしました。
ターゲット層 | Webマーケティングに興味のある中小企業の社員・経営者 |
コンセプト | 経営者の右腕たるCMOになるまでに必要な情報を提供するメディア |
得られた効果 |
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オウンドメディアをサービス利用目的で活用した事例
オウンドメディアをサービス利用目的で活用した事例3選を紹介します。
成功事例10. Rentio PRESS(レンティオ株式会社)
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引用元:Rentio PRESS
「Rentio PRESS」は、レンティオ株式会社が運営している、カメラや家電に特化したオウンドメディアです。
レンティオ株式会社は「Rentio」というカメラや家電をレンタルするサービスを展開していますが、より多くのユーザーにサービスを利用してもらうための入り口として「Rentio PRESS」を運営しています。
こちらのメディアは「月間訪問者数:200万UU」「月間閲覧数:400万PV」などの成果をあげています。
「Rentio PRESS」が成功した理由
「Rentio PRESS」が成功した理由は、2つです。
- カメラ・家電のレビューや基礎知識など、ユーザーが求めるコンテンツを丁寧に作り込んでいる
- 高価な商品をレンタルできるサービスに誘導している
「Rentio PRESS」が後発のメディアながらここまで成果をあげられたのは、ユーザーが求めるコンテンツを丁寧に作りこんで発信しているからです。
実際に「Rentio PRESS」には、レビュー系の記事など、カメラや家電に興味を持っているユーザーが求めている記事が多数掲載されています。
レビュー記事を掲載することで、カメラや家電などの高額機器にある、口コミを知りたいニーズに応えているのです。
コンテンツもかなりしっかりと作られていて、カメラのレビュー記事ではそのカメラを使って撮影したオリジナルの作例が盛り込まれています。
その他にも、製品選びで悩んでいる方向けにおすすめの製品を紹介するコンテンツがあったり、その製品に関する基礎知識を伝える記事が多数掲載されていたりします。
こういった直接CVにつながらないようなコンテンツも丁寧に作って掲載していくことで、サイトの信頼性も上がっていきます。
また「Rentio PRESS」では、自社サービスへ誘導するため「レンタル価格を見る」というCTAを設置しています。
Amazonや楽天などのリンクと一緒に載せることで、価格を比較できサービスに加入してもらいやすい導線づくりをしています。
ターゲット層 | カメラ・家電の購入に迷っているユーザー |
コンセプト | 商品の基礎知識や比較レビューをまとめたオウンドメディア |
得られた効果 |
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成功事例11. Dcollection(株式会社ドラフト)
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引用元:Dcollection
「Dcollection」は、株式会社ドラフトが運営するメンズ向けのファッションアイテムを取り扱うECサイトです。
そのサイト内に「おしゃれを学ぶ/相談する」のメニューを設け、オウンドメディアを展開しています。
月に400万ものPVが集まる大人気のメディアの一つです。
「Dcollection」が成功した理由
「Dcollection」は、2つの理由でオウンドメディア運用に成功しています。
- 「ファッションに苦手意識を持っているユーザー」に向けたコンテンツ作りを徹底した
- 基礎知識や女性目線でのファッション紹介をし、知識がないユーザーでも学べるよう工夫した
「Dcollection」のオウンドメディアが成功した理由は、ファッションがわからず苦手意識を持っているユーザー向けのコンテンツ作りを徹底したです。
「Dcollection」のオウンドメディアでは、
- それぞれのアイテムの選び方
- サイズ選びのポイント
- 実際に販売しているアイテムを使ったコーディネート例
などのコンテンツを掲載しています。
また「女子目線から選んだ〇〇」などのユニークなコンテンツも掲載されています。
これらのコンテンツでファッションの基本について学びながら商品を選んでいくことで、ファッションに苦手意識を持っている方でもおしゃれな服が選べるようになるわけです。
「オシャレの教科書」と呼ばれるコンテンツでは、シルエットや色選びに関する基礎知識などについても学べます。
ユーザーに寄り添うコンテンツをしっかりと作り込んで掲載しているからこそ、多くのアクセスを集めることに成功しています。
ターゲット層 | ファッションに苦手意識を抱いているユーザー |
コンセプト | おしゃれに明るくない男性に向けたファッションオウンドメディア |
得られた効果 |
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成功事例12. ボーグル(株式会社ベネフィット・ワン)
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引用元:ボーグル(BOWGL)
「ボーグル(BOWGL)」は、福利厚生サービスの提供をしている株式会社ベネフィット・ワンが立ち上げたオウンドメディアです。
立ち上げる前までは、広告施策のCPA(顧客獲得単価)が高いことに悩みを抱えていました。
そこで、オウンドメディアの導入を決意。
ユーザーにとって有益なコンテンツを発信していくことで、信頼が獲得でき、CPA改善に繋がりました。
また福利厚生などのキーワードでも、上位を獲得し2018年1月時点では月間36万PVを記録しています。
「ボーグル」が成功した理由
「ボーグル」が成功した理由は、以下の2つです。
- ユーザーに寄り添った記事作り
- 分かりやすいサイト設計
「ボーグル」では、徹底的にユーザーに寄り添った記事作りを実施しました。
サービス導入のメリットやお役立ち情報はもちろん、事例も盛り込み見込み客が比較・検討しやすいよう工夫しています。
さらに、カテゴリ分けを実施し、訪れたユーザーが閲覧しやすいサイト設計になっています。
このような工夫が、課題改善につながったのです。
ターゲット層 | 福利厚生業務の導入を考えている担当者 |
コンセプト | 企業の働き方改革は「分かる」から「やってみる」へ |
得られた効果 |
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成功事例から学ぶオウンドメディア運営で失敗しないための4つのコツ
オウンドメディアの運営で失敗したくないのであれば、紹介した成功事例のオウンドメディアを細かく観察していくのが一番です。
そうすることで、それぞれのメディアがなぜ運営に成功したのかわかるようになります。
ただ、そういった時間をなかなか確保できない方も少なくないかと思います。
そこで、成功事例のオウンドメディアを細かく観察することで見えてくる運営のコツを4つ厳選してピックアップしてみました。
オウンドメディア運営で失敗しないための4つのコツについて詳しくみていきましょう。
要素1. ユーザーが求めるユーザのためになるコンテンツを意識する
紹介したオウンドメディアのコンテンツをいくつかチェックしてみるとわかるかと思いますが、それぞれのメディアに掲載されているコンテンツは、どれもユーザーが求めている有益なコンテンツばかりです。
例えば、「北欧、暮らしの道具店」のオウンドメディアでは北欧のテイストが好きなユーザーをターゲットにしているので、北欧テイストの家具や雑貨などの情報を中心に掲載しています。
ただし、一般的なメディアのように単純にアイテムを紹介するだけではありません。
日々の生活の中でどのようにアイテムを活用していけばいいのかを、写真を多用しながら紹介しています。
家具や雑貨の購入を検討しているユーザーは、「そのアイテムを購入したあとどのようにして活用していけばいいのか」といった情報も欲しているため、活用例を交えた商品紹介コンテンツを作成し掲載しているわけです。
このようにオウンドメディアでは、ターゲットとなるユーザーが求める、ユーザーのためになるコンテンツを配信していくことがとても重要になってきます。
要素2. こだわった良質なコンテンツのみを掲載する
オウンドメディアでは、掲載するコンテンツは品質にもこだわらなくてはいけません。
なぜなら、ユーザーは品質の低いコンテンツを欲していませんし、ユーザーのコンテンツに対する目が肥えてきているからです。
日本でオウンドメディアが流行り始めたころは、ユーザーの目は今ほど肥えていませんでした。
そのため、とても品質が高いとは言えないようなコンテンツでもユーザーは納得していたのです。
しかし現在は、スマホが広く普及して誰でも気軽にネットにアクセスできるようになっており、ユーザーの目は厳しくなっています。
中身の薄いコンテンツではユーザーを満足させることはできませんし、冒頭で「このコンテンツは有益ではない」「このコンテンツはつまらない」と判断されてしまうとすぐに離脱してしまいかねません。
1度つまらないメディアのイメージがついてしまうと、そのユーザーが今後アクセスしてきてくれる可能性は下がってしまいます。
そういったユーザーが増えるとリピーターの獲得が一気に難しくなるため、注意が必要です。
品質の低いコンテンツはSEOにも悪い影響をあたえしまいかねない
品質の低いコンテンツは、SEOにも悪い影響をあたえてしまいかねません。
最近のWebコンテンツはジャンルにかかわらず質の高いものが増えてきているため、中途半端なコンテンツだと上位表示を実現できません。
そうなると、いつまで経っても十分なアクセスを獲得できなくなってしまいます。
SEOの評価にはユーザーからの評価も加味されますが、品質の低いコンテンツではユーザーを満足させられず離脱につながってしまうため、やはり悪影響をあたえてしまう可能性があると言えます。
品質の高いコンテンツの作成は、時間と手間がかかってしまうので決して簡単ではありません。
しかし中には、コンテンツを1つ作ってアップするのに1ヶ月以上かけるメディアがあることを考えると、品質にはとことんまでこだわりぬくべきだと言えるでしょう。
要素3. 成果が出るまで地道に取り組む
オウンドメディアへの取り組みを成功させたいのであれば、成果が出るまで地道に取り組むことが必要になります。
なぜなら、オウンドメディアは短期間で成果をあげられるような方法ではないからです。
オウンドメディアを新しいドメインで立ち上げる場合、SEOで正当な評価を受けられるようになるまでに時間がかかります。
半年の間は正当な評価を得られない状態が続くと考えておくべきです。
その期間は、どれだけ品質の高いコンテンツを作成してアップしてもほぼ上位表示ができない状態が続くことになります。
オウンドメディアの運営にさける時間が少なくなってしまう場合や業種によっては、1年以上かかってしまうこともあります。
オウンドメディアの運営に取り組んでいく場合、このことをよく理解しておかないと、中途半端に取り組んで撤退してしまうことになりかねません。
実際、オウンドメディアの運営をやめてしまった企業の多くが、成果が出るようになるまで待てずに撤退してしまっている傾向にあります。
時間や手間、お金を無駄にしてしまわないためにも、オウンドメディアで成果があがるまでは地道な取り組みが必要になることを理解しておきましょう。
要素4. データを元にした分析と改善を繰り返す
Webで展開していくオウンドメディアでは、ツールを活用することでさまざまなデータを取得することが可能です。
Google Analyticsを使えば、
- ユーザーの属性
- ユーザーのサイト内での行動
- コンテンツに対する評価
などのデータを取得できるようになります。
また、Google Search Consoleを使えば検索に使用されたキーワードがわかるようになりますし、順位チェックツールを使えばコンテンツの検索結果での掲載順に関するデータも取得できます。
これらはオウンドメディアを運営していく上で最低限使用しておきたいツールですが、この他にもさまざまなツールがあり、それらを活用すればより詳細なデータを取得することも可能です。
なぜこういったツールを使ってデータを取得するかというと、ユーザーと検索エンジンの両方から評価されるコンテンツを作るために必要不可欠になってくるからです。
これらのデータを分析して改善することで、より無駄のない洗練されたコンテンツを作れるようになります。
分析と改善を繰り返してコンテンツの完成度をより高めていける点は、Webメディアならではの大きなメリットでもあります。
オウンドメディアの作り方について、より詳細を知りたい方は以下の記事もご一読ください。
>>オウンドメディアの失敗しない作り方を8つの手順で徹底解説!
まとめ:オウンドメディアを成功させる秘訣は成功事例から学べる
オウンドメディアは確かに大きな成果をもたらしてくれるものではありますが、誰でも成功できるものではありません。
実際、オウンドメディアを立ち上げたものの、思うように成果をあげられていない企業もたくさんあります。
成果をあげるためにも、成功しているオウンドメディアをよく観察し、参考にしていくようにしましょう。
今回紹介した、オウンドメディアの運営で失敗してしまわないためのコツを意識しながら、メディアの運営に取り組んでもらえれば、それなりの成果をあげられるでしょう。
ただし、よりしっかりと成果をあげていきたいのであれば、成功しているメディアの分析は必要不可欠です。
- コンテンツの内容
- コンテンツのデザイン
- 画像やイラストの使い方
- 装飾の仕方
- メディアのデザイン
- 内部リンクの設定の仕方
など、チェックするべきところや参考にできるところはたくさんあります。
メディアを運営していきながらでいいので、参考になりそうなメディアをどんどん観察・分析し、取り入れていくようにしましょう。
テクロでは、オウンドメディアを中心としたWebマーケティングの支援をしています。
オウンドメディアをこれから始めたい方向けに「webメディアの作り方」もご用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。