オウンドメディアでブランディングするメリットや可能性とは?成功事例と併せて解説
「オウンドメディアはブランディングに有効なのか?」
自社のサービスや製品情報などの露出を増やして、ブランド価値を高めたいと考えている担当者は多いと思います。
ここでは、ウェブページやSNS、動画チャンネルやブログ、ポッドキャストなどの音声メディアなど多様化したオウンドメディアを、効果的なブランディングツールとして活用する方法を解説します。
達成したいブランディングを定義し、オウンドメディアの特徴を活用した先に得られる可能性とメリット・デメリット、そしてオウンドメディアでブランディングする8つのステップと成功事例を詳しく解説します。
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目次
そもそも、ブランディングとは?
ブランディングとは、商品やサービス、会社、個人などのイメージや価値を構築し、ユーザーに対して良いイメージを印象付けるための戦略的な活動です。
まずは、ブランディングを5つの観点で解説します。
それらの要素を総合的に活用することで、ブランドは市場での競争力を強化し、ユーザーに強い印象を与えることにつながります。
ブランド価値の最大化
ブランド価値とは、ブランドの認知度、信頼度、ユーザーロイヤルティ、競合他社との差別化などによって構成され、ブランド価値の最大化は、企業や商品の市場価値を向上させる重要な要素です。
例えば、ブログ記事などを通じて、ブランドの専門知識や情報を提供し、ブランドへの関与や購買意欲を高めることができます。
また、ブランドのストーリーテリングを活用して、ブランドの魅力や独自性を伝えたり、動画コンテンツやインタビューなどを通じて、ブランドの背後にある物語や理念を共有し、ユーザーとの共感を生み出します。
ブランディングの目的は、これらの要素を最適化し、消費者にとってのブランドの魅力を高めることです。
ブランドのアイデンティティの確立
ブランドのアイデンティティとは、ブランドが持つ独自のパーソナリティや価値観、魅力などを表すものです。
例えば、ウェブサイトやSNSのカスタムデザインを使用して、ブランドのアイデンティティを反映させるなど、カラーパレット、フォント、ロゴなどを一貫して使用し、視覚的な統一感を持たせます。
また、ブランドの価値やミッションを明確に伝えるコンテンツを作成することで、ブランドの目的や価値観を示し、ユーザーにブランドとの共鳴を促します。
こうしたブランドアイデンティティの表現を通じて、ブランドの理念やビジョン、ブランドの特徴的な要素を明確にし、一貫性のあるブランドイメージを構築します。
信頼と差別化
ブランディングにとって、消費者に対して信頼を築き、競合他社との差別化を図ることは重要な要素です。
消費者は信頼できるブランドに対して好意的な評価を持ち、繰り返し購買したり口コミを広めたりしてくれます。
そのため、ブランドの信頼性や品質の確保、顧客サービスの向上、独自の価値提供などを通じて信頼を構築し、競合他社から差別化された地位の確立を目指すことが大切です。
長期的な価値
ブランドは一時的なトレンドや短期的な利益追求に左右されることなく、持続的な競争力を確保する必要があり、長期的な視点でブランドの価値を構築することが重要になってきます。
例えば、継続的にコンテンツを発信する、コミュニティを育成する、ブランドエクスペリエンスを提供する、そしてブランドストーリーを伝えるなど、ブランドのビジョンとミッションに基づいて、継続的なブランド管理を行うことで、ブランドの長期的な価値を確立させることができます。
ユーザーエンゲージメント
ユーザーエンゲージメントとは、消費者がブランドに対して関心や興味を持ち、積極的に関わることを指します。
例えば、ニュースレターやメルマガなどを活用して、ユーザーとの関係を継続的に築き、定期的な情報提供や特典の提供を通じてユーザーとのつながりを促進します。
また、コメントセクションやSNSのコメントへの返信、フィードバックの収集など、消費者との双方向コミュニケーションや相互作用を促進させ、消費者の参加度やブランドへの忠誠心を高めます。
オウンドメディアでブランディングする意義
オウンドメディアは、ブランドが自身のメッセージをコントロールし、ユーザーとの関係を深めるための重要なツールです。
ブランドはオウンドメディアを適切に活用し、ブランディング戦略の一環として積極的に活動することで、市場での競争力を強化し、顧客との継続的な関係を築くことができます。
そんなオウンドメディアでブランディングする意義を3つ解説します。
オウンドメディアの定義
オウンドメディアとは、企業やブランドが自身の所有するメディアチャンネルを活用して自社でコンテンツを発信することを指します。
企業のウェブサイト、ブログ、SNS、メールニュースレター、動画チャンネル、ポッドキャスト(音声メディア)などがオウンドメディアの一例です。
オウンドメディアは、ブランド自身が主導権を握り、ユーザーと直接的なコミュニケーションを行えるため、ブランディングにおいて重要な役割を果たします。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアの主な目的は、ブランドの情報発信やストーリーテリングを通じて、ターゲットとの関係構築を促進することです。
オウンドメディアを通じてブランドは自身のメッセージや価値観を伝え、ユーザーとのつながりを深めることができ、オウンドメディアは、ブランドの専門知識や情報を共有する場としても機能し、ユーザーに価値を提供することで信頼感や専門性を高めます。
オウンドメディアの目的の一つが「ブランディング」と言えます。
ブランドのコントロールと重要性
広告など、他のメディアチャンネルでは、ブランドメッセージが他者によって解釈や変形される可能性がありますが、オウンドメディアではブランド自身がコンテンツを制作・発信するため、ブランドのメッセージを正確に伝えることができます。
こうしたオウンドメディアによるブランドのコントロールはブランディングにおいて重要な役割を果たし、ブランドの一貫性とアイデンティティを維持することで、ユーザーに対して信頼感や安心感を与えることができます。
オウンドメディアを通じたブランディングの可能性
続いて、オウンドメディアを通じたブランディングの可能性について解説します。
潜在顧客へのアプローチ
例えば、特定の興味やニーズを持つユーザーに対してカスタマイズされたコンテンツを提供することで、彼らの関心を引きつけ、エンゲージメントを促進することができるように、オウンドメディアを活用することで、ブランドは潜在顧客に対して直接的なアプローチを行うことができます。
潜在顧客の獲得と関係構築を強化するために、データ分析やセグメンテーションを活用して的確なコンテンツ戦略を立てることも重要です。
専門性と信頼性の確立
オウンドメディアは、ブランドが自身の専門知識や専門領域に関する情報を提供する場として活用できます。
例えば、ブランドの強みや専門知識に基づいたコンテンツを定期的に発信することで、ユーザーはブランドへの信頼度を高めます。
こうした専門的なコンテンツやアドバイスを通じて、ブランドは自身の信頼性と専門性を確立し、業界や市場におけるリーダーシップを示すことができ、ブランドの競争力を高める役割を果たします。
双方向コミュニケーション
コメント欄やイベント、SNSの投稿へのコメントなど双方向コミュニケーションを通じて、ブランドとユーザーの関係を深めることが大切です。
また、ユーザーのニーズに合わせたサービスや製品開発の方向性を把握する上で、ユーザーの声や意見を収集することも重要です。
長期的なブランド構築
ブランドのオウンドメディアを持つことで、継続的にコンテンツを発信し、ブランドの価値やストーリーを伝えることができます。
継続的なコミュニケーションとコンテンツの提供により、ユーザーの関心を維持し、ブランドとの親密度を深めることにつながります。
また、オウンドメディアはSEO(検索エンジン最適化)の観点からも重要であり、長期的なオーガニックな集客効果を生み出すことも可能です。
競合他社との差別化
オウンドメディアは、ブランドが独自のコンテンツを提供するためのプラットフォームです。
オウンドメディアを通じて独自のストーリーテリングやブランドの世界観を表現することで、ユーザーはブランドをより深く理解し、他の競合ブランドからの差別化を感じることができます。
競合他社との差別化を図るために、ブランドはユニークなコンテンツを制作し、独自の視点や情報を提供することが大切です。
総合的なブランディング戦略
他のマーケティングチャネルと連携し、ブランドの統一されたメッセージやイメージを伝えることで、ブランドの一貫性を確保することができます。
例えば、オウンドメディアのコンテンツをSNSで共有したり、メルマガで読者に配信したりすることで、ブランドの広がりや多様な顧客層へのリーチを促進し、ブランディング戦略の一部としてオウンドメディアを総合的に活用することが重要です。
オウンドメディアのメリットとデメリット
オウンドメディアは、多くのメリットがありますが、万能ではありません。
メリットと共に集客課題や管理・更新の負担、オーディエンスの制限などデメリットも解説します。
これらの要素を踏まえながら、ブランドの目的や戦略に合わせてオウンドメディアの活用を検討することが大切です。
オウンドメディアのメリット
ブランドコントロール
オウンドメディアは、ブランド側が完全なコントロールを持つプラットフォームです。ブランドは自身のメッセージやストーリーを自由に発信し、ブランドイメージを構築することができます。
ターゲットへの直接的なリーチ
オウンドメディアを通じて、ブランドは自身のターゲットに直接的にリーチすることができます。特定の関心やニーズに合わせたカスタマイズされたコンテンツを提供することで、ユーザーエンゲージメントを高めることができるためです。
ブランドロイヤリティの構築
ユーザーがブランドのコンテンツを閲覧し、参加していくことで、ブランドに対する忠誠心が高まります。そのため、オウンドメディアはユーザーとの関係構築とブランドロイヤリティの構築に役立ちます。コンテンツの一元管理
オウンドメディアを持つことで、コンテンツの制作・編集・公開のプロセスを効率化し、一貫性のあるコンテンツ戦略を実施することができ、ブランドは自身のコンテンツを一元管理することができます。オウンドメディアのデメリット
集客の課題
オウンドメディアを立ち上げる際は、他のメディアやプラットフォームに比べて集客が難しい場合があります。SEO対策やソーシャルメディアでの拡散、広告などを活用した対策が必要です。
管理と更新の負担
オウンドメディアを運営するには、コンテンツの制作や編集、公開スケジュールの確保に時間と労力がかかります。オウンドメディアを活用するのであればコンテンツの管理と定期的な更新が必要不可欠です。オーディエンスの制限
オウンドメディアは、自身のブランドに関心を持つユーザーに限定されるなど、他のプラットフォームに比べて到達範囲が狭く、新たなオーディエンスを獲得するためには積極的なマーケティング活動が必要です。コストとリソース
オウンドメディアを運営するには、ウェブサイトやブログの制作・維持、コンテンツの制作・編集、SEO対策、分析ツールの活用などに費用や時間を割かなければならないため、適切な予算とリソースの割り当てが必要です。バイアス(偏見・先入観)の問題
オウンドメディアはブランド自身が管理・運営しているため、情報やコンテンツにバイアスが生じる可能性があります。客観的な情報や中立性の確保が求められ、信頼性を維持するために、客観的な情報提供や他の視点の取り入れが重要です。
オウンドメディアでブランディングする8つのステップ
オウンドメディアでのブランディングについて詳しくご紹介してきましたが、ここからは実践するための具体的なステップを解説します。
1.目標の設定
まず最初に、オウンドメディアの活動における具体的かつ明確な目標を設定します。例えば、ブランド認知度の向上、顧客エンゲージメントの増加、リード獲得の促進など、目標を明確にすることで、後続のステップや戦略の策定に役立ちます。
2.ターゲット・ペルソナの設定
次に、オウンドメディアの対象となるターゲット・ペルソナを明確に設定します。
設定例として、年齢と性別、職業と業界、興味や関心、ニーズの特定、欲しい情報、コンテンツのトピックと形式、トーンとスタイルなど、ターゲットの特徴やニーズ、関心事などを把握します。
こうして、コンテンツやコミュニケーションの方向性を決定し、具体的なユーザープロフィールを作成した上で戦略を展開します。
3.コンセプトの設定
ブランドのアイデンティティやコアバリューに基づき、ブランドのメッセージやストーリーを明確化します。
例えば、ブランドが持つ特徴やパーソナリティを定義したり、ブランドがユーザーに提供する独自の価値や利点を明確に伝え、ブランドのアイデンティティを具体的に示します。
また、ブランドの歴史やコンセプトを魅力的なストーリーとして発信し、ブランドカラー、ロゴ、イメージビジュアル、キャッチフレーズなどを活用して、ブランドのアイデンティティとコンセプトを視覚的に認識できるようにします。
コンセプト設定は、ブランドのアイデンティティやコアバリューを明確化し、それをユーザーに伝えるためのストーリーを構築するプロセスです。しっかりと設定することでブランドとユーザーの関係性を築き、ブランドの理念や独自性への共感につながっていきます。
4.コンテンツの設計
オウンドメディアの中心的な活動として、ブログ記事、動画コンテンツ、音声メディア、SNS、インフルエンサーコラボ、ガイドブック、インフォグラフィックスなど、ターゲット・ペルソナに価値を提供する多様なコンテンツの種類や形式を決定します。
種類 | 特徴 | |
ブログ記事 | インフォメーション記事 | ハウツー記事や解説記事など、ユーザーに特定の情報や知識を提供する記事 |
インタビュー記事 | インタビュー対象者との対話を通じて興味深い情報や洞察を伝える記事 | |
リサーチ記事 | データや統計に基づいた調査結果や業界トレンドなどを報告する記事 | |
動画コンテンツ | ストーリーテリング | ブランドのストーリーやメッセージを魅力的に表現 |
ブランドイメージの醸成 | 映像のスタイルやトーン、カラースキーム、キャラクターの設定などを通じて、ブランドのイメージやアイデンティティを効果的に伝える | |
ハウツーやデモ | 商品・サービスの使用方法や機能のデモンストレーションを提供することで、ユーザーにより具体的な理解や学習を促進させる | |
共有 | ユーザーが動画コンテンツを共有することで、ブランドの知名度や影響力を拡大させることができる | |
音声メディア (ポッドキャストなど) |
ポータビリティ性 | スマートフォンや音声対応のデバイスで聴取することができるため、通勤中やジョギング中など、さまざまな場面で気軽に楽しめるコンテンツを提供できる |
インタビューや対話形式 | ゲストとのインタビューや対話形式でのコンテンツ提供が一般的で、リスナーに魅力的なゲストや専門家の洞察や深い学びを伝えることができる | |
聴覚に訴える表現手法 | 声のトーンや表現力、音楽の効果など、声や音の魅力を活用するスタイルがリスナーにとっての魅力となり、親近感や信頼感を生み出す | |
SNSコンテンツ | リアルタイム性 | リアルタイムな情報共有が可能なプラットフォームのため、最新情報やトレンドを発信し、ターゲット・ペルソナとのコミュニケーションを構築することができる |
多様なメディア形式 | テキストだけでなく、画像、動画、リンク、ハッシュタグなど、多様なメディア形式を活用することができる | |
バイラル効果と拡散力 | SNSコンテンツはユーザーによるシェアや拡散が期待できるため、バイラル効果を持つことがあり、広い範囲でのリーチや露出を得ることができる | |
インフルエンサーコラボ |
ブランドの露出と認知度の向上 | インフルエンサーのフォロワーに向けてブランドが紹介されることで、新たなオーディエンスに触れる機会が増え、効果的なブランドの露出と認知度向上を狙える |
ターゲットリーチ力 | 特定のターゲット・ペルソナに対して強力なリーチ力を持っているインフルエンサーとのコラボレーションを通じて、ターゲット・ペルソナに直接接触し、関心を引くことができる |
|
継続的なプロモーション活動 | 一時的なプロモーションだけでなく、パートナーシップを築き、継続的なコンテンツ制作や共同企画を行うなどブランドとの関係を強化することで、ブランドの視認性や参加者数の増加が期待できる | |
ガイドブック |
体系的な情報提供 | 特定のトピックやテーマに関する体系的な情報を提供することで、一貫性のある情報を網羅的に伝えることができる |
視覚的な情報 | 図やグラフ、写真などを用いて、読みやすく視覚的に理解しやすいコンテンツを発信することで、情報を魅力的に伝えることができる | |
実用的な情報 | 具体的な手順や方法、ベストプラクティスなどユーザー向けのアドバイスやノウハウを提供することで、ユーザー課題解決や目標達成をサポートすることができる | |
インフォグラフィックス | 複雑な情報の視覚化 | 複雑な情報やデータを視覚的に表現し、ユーザーに簡潔かつ効果的に情報を伝えるツールとして、視覚的なインパクトを与える |
ブランドの専門性や信頼性の向上 | 正確な情報と信頼性の高いデータを用いて情報を提供することで、ブランドの評判や信頼性の向上につながる |
|
SEO対策とトラフィックの増加 | 適切なキーワードやメタデータを使用し、インフォグラフィックスをWebサイトやブログ記事に埋め込むことで、検索エンジン上での表示順位を向上させることができる。また、シェアやバイラル性の高さから、他のWebサイトやブログからのリンクや共有を促すため、トラフィックの増加につながる |
5.KPIの設定
オウンドメディアでブランディングを行うためには、目標達成のために追跡・評価される重要な指標としてKPI(Key Performance Indicator)の設定が重要です。
以下に、KPIの設定に挙げられる指標を解説します。
指標 | 特徴 |
アクセス数やPV(ページビュー) | コンテンツがどれだけの人々に閲覧されたかを示す指標 |
コンバージョン率 | 設定した目標(例:製品購入、メール登録、ダウンロードなど)を達成する割合を示す指標 |
リピート率 | ブランドのリピーターの獲得や顧客関係の強化につながる指標 |
SEOランキング | 特定のキーワードで上位に表示されるオーガニックなトラフィックを増やすための指標 |
ユーザーフィードバック | コメントや評価、レビューなどの形でユーザーからの意見や感想を収集し、オウンドメディアの改善やコンテンツの質向上に役立てる指標 |
ユーザーエンゲージメント | ブランドロイヤリティやファンの獲得に寄与するコメント数、いいね数、シェア数などのSNS上でのユーザーの参加や関与度を測定する指標。 |
KPIについて詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてチェックしてみてください。
オウンドメディアのKPIとは?目標とフェーズ別の指標設定方法を解説
6.スケジュールと体制の作成
コンテンツの制作や更新・公開までのスケジュールを立てることで、コンテンツ制作に必要な時間やリソースを適切に計画し、効率的なコンテンツ制作とタスク管理体制も整えることができます。
また、定期的にコンテンツを更新・公開することができため、ユーザーに対してブランドの信頼性や専門性を高めることができ、ユーザーの関心を維持することにつながります。
こうした一貫したコンテンツ配信は、ブランドイメージの構築に大きく寄与します。
7.コンテンツの制作と編集
記事やビデオの撮影・編集、グラフィックデザイン、SNS投稿など、予め計画したコンテンツを制作・編集します。コンテンツの品質管理やブランドメッセージの一貫性を確保するために、編集プロセスを通じて内容やスタイルの統一を行うことが大切です。
8.成果の測定と分析
最後に、ウェブ解析ツールやソーシャルメディア分析などを活用して、設定したKPIに基づいて、定量的・定性的に評価するなどオウンドメディアの成果を測定し、分析します。
コンテンツのパフォーマンスやユーザーの反応を把握し、改善のためのアクションプランを立て、客観的なデータに基づいた意思決定がオウンドメディアの持続的な成長につながります。
以下におすすめのツールと特徴を挙げておきます。
ツール | 特徴 |
Google Analytics | Webサイトのトラフィックやユーザー行動を追跡・分析するための無料のツール。設定したKPIに基づいてWebサイトのパフォーマンスを定量的に評価でき、客観的なデータによってブランドのWebサイトの成果を把握できる |
SNS分析ツール |
設定したKPIに基づいて成果を評価するために、SNSでの投稿のパフォーマンスを分析し、フォロワー数、エンゲージメント、インプレッションなどのデータを提供するツール。例:HootsuiteやBufferなど |
SEOツール | SEOパフォーマンスを定量的に評価するために、キーワードのランキング、検索ボリューム、バックリンクなどのデータを提供するツール。検索エンジン上でのランキングやトラフィックを追跡し、SEOの成果を測定するのに役立ちます。例:SErankingやSemrushなど |
ユーザーアンケートなど | ユーザーの満足度、ニーズ、意見などを定性的に評価するためにユーザーの意見やフィードバックを収集するツール。ユーザーの声を反映し、オウンドメディアの改善や戦略の見直しに役立てます。例:SurveymonkeyやGoogle Formsなど |
おすすめの計測ツールに関してはこちらの記事でも解説しているので併せてチェックしてみてください。
失敗しないオウンドメディアの作り方!おすすめの計測ツールも紹介
オウンドメディアでブランディングに成功した事例5選<業種別>
飲料メーカー:キリンホールディングス株式会社「キリンビール大学」
引用:キリンビール大学
—概要—
国内飲料メーカーの最大手であるキリンが、ビールに関する情報や知識を提供するために設立したオウンドメディアです。
その名前からも分かるように、大学をイメージしており、ビール愛好家や一般の人々に対して、ビールの魅力や楽しみ方について啓発しながら、読者に対して学びの機会や情報を提供しています。
—特徴—
ビールに関する情報の幅広さビールの種類や製造過程、歴史、味わいの特徴など、多岐にわたるトピックを取り上げています。
これにより、ユーザーはビールの基本的な知識や深い理解を得ることができます。
専門家による解説と情報提供
ビール業界の専門家やキリンの醸造技師など、豊富な知識と経験を持つ人々による解説や情報提供が行われていることで、信頼性の高い情報や専門的な洞察を提供し、ユーザーのビールへの興味や理解を深めています。
コンテンツの多様性とエンゲージメント
ビールの楽しみ方や料理とのマリアージュ、ビールと健康の関係など、ユーザーの関心やニーズに合わせた情報を提供し、読者の参加を促すイベントやキャンペーンも開催するなど、ユーザーとのエンゲージメントを図っています。ファッション:株式会社資生堂「Watashi+」
引用:Watashi+
—概要—
女性をターゲットとした美容やライフスタイルに関する情報を提供するオウンドメディアです。
資生堂が持つ豊富な美容知識や技術を活かして、女性の美しさや健康、幸福に関する情報をウェブサイト上で多様なコンテンツとして発信し、ユーザーに対して総合的な美容情報を提供しています。
—特徴—
美容と健康の総合的な情報提供
スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ボディケアなどの美容情報に加えて、健康や栄養、フィットネス、ライフスタイルに関する情報も提供し、美容に関する幅広いトピックをカバーしています。これにより、ユーザーは美しさだけでなく、内側からの健康とバランスの取れたライフスタイルについても学ぶことができます。
専門家によるコンテンツ提供
資生堂の美容研究者やメイクアップアーティスト、トレーナーなど、美容に関する専門家によるコンテンツ提供が行われ、資生堂の製品やテクノロジーに関する情報も取り上げており、最新の美容トレンドやテクニックについても紹介しています。ブランドの価値観との連携
資生堂は長年にわたり、科学的な研究と革新的なテクノロジーに基づいた美容製品を提供してきたことで、「Watashi+」のコンテンツも科学的根拠に基づいたアプローチや製品に焦点を当てています。また、持続可能な美容や社会貢献活動についても取り上げ、資生堂の持つ社会的責任を反映しているなど、資生堂のブランドの価値観と一致したコンテンツを提供しています。
ライフスタイル:株式会社カカクコム「キナリノ」
引用:キナリノ
—概要—
「価格.com」、「食べログ」、「映画.com」など日本のインターネット関連サービス事業を行っている株式会社カカクコムが、ライフスタイル、インテリア、ファッション、食、旅行など、暮らしに関するさまざまなカテゴリーにわたるコンテンツを取り扱っている女性向けライフスタイルのオウンドメディアです。
—特徴—
バラエティ豊かなコンテンツ
ファッションのトレンド情報、インテリアデザインのアイデア、レストランやカフェの紹介、旅行先の情報など、幅広いテーマに関するコンテンツが取り扱われているため、ユーザーは自分の興味や関心に合わせたコンテンツを見つけることができます。ビジュアル重視のデザイン
「キナリノ」のウェブサイトは、豊富な写真やイラスト、グラフィックを活用し、美しいビジュアルと直感的なデザインが特徴です。信頼性と質の高いコンテンツ
ファッションスタイリスト、インテリアデザイナー、料理人など、各分野の専門家が自身の知識や経験を共有し、ユーザーに有益な情報を提供していることで、ユーザーは信頼性の高い情報や専門的なアドバイスを得ることができます。旅行:株式会社星野リゾート「みちくさガイド」
引用:みちくさガイド
—概要—
自然やアウトドアに興味を持つ人々、星野リゾートの顧客や潜在顧客を対象に、自然や地域の魅力を紹介し、読者に旅行やアウトドア体験の情報を提供するオウンドメディア。
—特徴—
自然や地域の魅力の紹介
美しい景観、豊かな自然や文化、歴史的な名所など、ユーザーに地域の魅力を伝えることを重視して、自然環境や地域の魅力を紹介するコンテンツが豊富に取り扱われています。これにより、ユーザーは旅行先の情報や見どころを知ることができます。
アウトドア情報の提供
トレッキングやハイキング、キャンプ、温泉巡りなど、自然を楽しみながらアクティブに過ごすためのアウトドア活動に関する情報やアドバイスが掲載され、周辺のレジャー施設やアクティビティの情報も提供されることがあります。星野リゾートの取り組みの紹介
星野リゾートの施設や宿泊プラン、グルメ体験など、星野リゾート自身の取り組みや提供するサービスも紹介されています。また、持続可能な観光や環境保護への取り組みなど、星野リゾートの社会的貢献やCSR活動についても紹介されています。
メーカー:株式会社シマノ「MIND SWITCH」
引用:MIND SWITCH
—概要—
株式会社シマノは、世界でのシェア率の高い自転車部品および釣り具などを製造・販売する有数のグローバル企業です。そんなシマノが自転車愛好家やサイクリストを対象に、自転車を通じて人々の生活を豊かにし、サイクリング文化を促進することを目的にしたオウンドメディアが「MIND SWITCH」です。
—特徴—
コンテンツのカテゴリーと提供内容
最新の自転車技術やパーツ情報、サイクリングイベントのレポートや情報、トレーニングやフィットネスのアドバイス、有名サイクリストのインタビューやストーリー、自転車のメンテナンスや修理に関するガイドやヒントなど、さまざまなカテゴリーのコンテンツが提供されています。通勤サイクリングシミュレーション
このシミュレーションは、道路の幅、信号機、交差点、車や歩行者の動きなど自転車での通勤体験が細かく再現されており、ユーザーはシミュレーションを通じて、安全で効率的な通勤スタイルを知ることができます。全国駐輪場検索
オウンドメディアでブランディングはできる
ブランド価値を高めることは企業活動の根幹です。
オウンドメディアはブランドが自身の情報やメッセージをコントロールし、ユーザーとの関係をダイレクトに深めるための重要なツールとして、大きな役割を果たします。
本記事でご紹介した通りメリットだけでなく、デメリットも理解することで、その対策が明確になります。
また、オウンドメディアでブランディングするステップと業種別の成功事例をご紹介しましたので、併せて参考にしてみてください。
ブランドはオウンドメディアを適切に活用し、ブランディング戦略の一環として積極的に活動することで、市場での競争力を強化し、顧客との継続的な関係を築くことにつながります。
マーケティング支援会社のテクロでは、弊社が実践している「Webメディア作成マニュアル」を公開しています。
気になる方は以下のバナーから資料を無料でダウンロードできますのでチェックしてみてください。