SDGsとDXの関係性は?Society5.0や事例と一緒に解説
「SDGsの達成にはDXが1つの鍵である」ことをご存知ですか?
SDGsもDXも、ビジネスにおいて存在感を増している言葉です。
今回は、SDGsとDXの関係性について解説します。
両者の関係性を理解しておけば、今後のビジネスにおいて有利になりますよ。
なお、テクロ株式会社では「Webマーケティングの教科書」資料を無料で配布しています。
SDGsに取り組むのとあわせてWebマーケティングを行うと効果が向上しやすいため、ぜひこちらもご活用ください。
目次
DXとは
最初に、DXについて
- DXの意味
- DXが注目されている背景
- DX推進のポイント
DXの意味
DXは「Digital Transformation(デジタル変革)」の略称で、企業がAIやビッグデータなどのデジタル技術を用いてサービスやビジネスを大きく転換させたり、市場構造が大きく変化したりすることです。
ポイントは、単なるテクノロジーの発達をDXと呼ぶのではなく、テクノロジーの発達によってビジネスや市場が大きな影響を受けることです。
変化の激しい現代において、市場における競争優位性を維持し続けるために、DX推進は企業にとって重要なテーマとなっています。
DXについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:デジタルトランスフォーメーションとは?注目される理由を徹底解説
DXが注目されている背景
DXが注目されている背景の1つに、「2025年問題」があります。
2025年問題とは、2018年に経済産業省が「DXレポート」で指摘した、2025年を節目に多くの企業が直面する以下の課題のことです。
- 既存期間システムが老朽化する一方で、デジタル市場が拡大してデータ量が増大する
- 担い手が高齢化し、世代交代が必要となる
- テクノロジーの進化に伴い先端IT人材が不足する
これらの課題に対し、DXレポートの中では「2025年までにシステム刷新を集中的に推進する必要がある」と指摘しています。
仮に対策を取れなかった場合、「既存システムのブラックボックス化」「膨大なデータを活用できない」などの問題が生じ、以下のようなことが起こると予測されています。
- 市場の変化に応じてビジネスモデルを柔軟・迅速に変更できず、デジタル競争の敗者になる
- システムの維持管理費が高額化し、IT予算が大幅に増える
- 保守運用の担い手不足により、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ消失などのリスクが高まる
また、2020年12月の「DXレポート2」では、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、企業文化の変革も、企業が取り組むべきDXの本質的な課題と指摘しています。
さらに近年では、脱炭素(カーボンニュートラル)やGX(グリーントランスフォーメーション)も注目されるようになりました。
このようなさまざまな課題を解決するための鍵がDXです。
そのため、DXはあらゆる企業にとっての最重要課題といわれています。
DX推進のポイント
DX推進のポイントは、次に紹介する4点です。
ポイント①DX人材の確保
最も重要なポイントは、DX人材を確保することです。
DX人材には、デジタル領域に精通し、先頭に立って事業を変革できる知見とスキルが求められます。
現在の日本では、DX人材が大幅に不足しています。
そのため、リスキリングやDX人材育成などによって、DX人材を確保することが急務です。
ポイント②新しい手法の導入
DX推進では、ニーズや環境の変化に合わせて、柔軟にビジネスモデルを変化させることが重要です。
そのためには、従来のプロジェクトの進め方では対応できません。
新しいビジネスの手法を積極的に導入する必要があります。
自社で新しい手法を活用するのが難しい場合は、経験豊富な外部パートナーを探すのもおすすめです。
ポイント③目的を決めたデータ利活用
不確実性の高い現代において環境の変化に素早く対応するためには、データ利活用がポイントです。
自社のデータ利活用レベルを把握し、目的に応じたデータ利活用を心がけましょう。
ポイント④組織的なDX推進
DX推進は、経営トップから組織的に進めることが重要です。
十分な社内理解や各部署の協力、社内制度の見直しなどをして、会社全体でDX推進に取り組めるようにしておきましょう。
SDGsとは
続いて、SDGsについて
- SDGsの概要
- 日本のSDGs推進体制
- SDGsとCSRの違い
SDGsの概要
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
2030年までに持続可能でより良い世界を実現するために、国連加盟193ヵ国が達成を目指す国際目標です。
「誰ひとり取り残さない」の共通理念のもと、17分野にわたる目標と。それを達成するための169のターゲット(より具体的な目標)から成り立っています。
日本のSDGs推進体制
日本では、2016年に内閣総理大臣を本部長とする「SDGs推進本部」が設置され、各分野の有識者から成る「SDGs推進円卓会議」が設置されました。
そして、具体的な取り組みを盛り込んだ「SDGsアクションプラン2020」が掲げられました。
その中で、次の3点を「日本のSDGsモデル」の中核としています。
- ビジネスとイノベーション〜SDGsと連動する「Society5.0」の推進〜
- SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
- SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
ビジネスの観点では、1つ目の「ビジネスとイノベーション」が重要です。
ここでは、「企業経営へのSDGsの取り込み」や「スマート農林水産業」だけでなく、「ICT分野の研究開発、AI、ビッグデータの活用」などと、SDGsとDXの関連を感じさせる文言が見られます。
参考:外務省「SDGsアクションプラン2020」
SDGsとCSRの違い
CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)とは、企業が担う社会的責任のことです。
社会的責任とは、従業員や消費者、投資家、環境などへの配慮から社会貢献まで、あらゆるステークホルダーに対して適切な対応をとることです。
SDGsとCSRは似ていますが、以下の点が異なります。
- SDGs:ビジネス活動の中で企業が果たすべき責任
- CSR:ビジネス活動以外の部分で企業が果たすべき責任
SDGsとDXの関係性
ここで、SDGsとDXの関係性を解説します。
DXはSDGs達成の手段の1つ
DXはSDGs達成の手段の1つといえます。
なぜなら、「SDGsアクションプラン2020」に「ICT分野の研究開発、AI、ビッグデータの活用」という言葉が盛り込まれ、DXがSDGs達成のポイントとなると認識されているからです。
実際、経団連でも「SDGs達成に向けたDX」という分科会が開催されており、DXによって世界的な課題を解決しつつ、経済成長を遂げるという枠組みで議論が行われています。
DXとSDGsをつなぐ「Society5.0」とは
引用:内閣府「Society 5.0」
DXとSDGsをつなぐキーワードとして重要なのが、日本政府や経団連が提唱する「Society5.0(超スマート社会)」という概念です。
Society5.0とは、仮想空間(サイバー空間)と現実空間(フィジカル空間)が一体となり、経済発展と社会課題の解決を実現する社会のことです。
- 狩猟社会(Society1.0)
- 農耕社会(Society2.0)
- 工業社会(Society3.0)
- 情報社会(Society4.0)
に続く新しい社会と定義され、日本の未来の姿として提唱されています。
Society5.0が実現した社会では、
- AIによって必要な情報が必要なときに提供される
- イノベーションが生まれやすくなる
- デジタル技術を使いこなし、誰もが質の高い生活を送れる
- ロボットなどの技術で、人の可能性が高まる
といったことが期待されています。
そのような理想的な社会を実現するための手段として、DXによるビジネスと社会の変革があるのです。
事例|DXを活用してSDGs達成を目指す企業
ここで、DXを活用してSDGs達成を目指す企業の事例を3つ紹介します。
日本郵政株式会社|ドローンによる輸送
引用:日本郵政株式会社
日本郵政株式会社では、ドローンを使った輸送を行なっています。
山間部や離島への輸送ではコストや手間がネックになるため、ドローンの活用に踏み切りました。
仕組みは、ドローンに搭載してあるカメラが送り先に設置してあるQRコードを認識して着陸するというものです。
最近ではドローンで途中まで空輸し、車型のロボットが家の前まで送るという実験も行なっています。
まだまだ実験段階ですが、良い結果が得られているため、今後さらなる発展があるでしょう。
株式会社ファミリーマート|無人決済型店舗
引用:株式会社ファミリーマート
株式会社ファミリーマートには、「無人決済型店舗」がいくつかあります。
従業員がいないので、人件費削減や人手不足の解消につながります。
商品を購入する際は、セルフレジで決済するだけ。
天井に50個ほどの防犯カメラも設置してあるため、セキュリティも万全です。
ヤンマーホールディングス株式会社|スマートトラクター
ヤンマーホールディングス株式会社では、無人で農作業が行える「スマートパイロット」を開発・提供しています。
トラクターはGPSと基地局から正確な位置を把握しているため、数センチ単位での作業が可能。
作業の大幅な効率化が期待できるため、担い手が減少する日本農業の課題を解決する存在として期待されています。
テクロ株式会社が取り組むSDGs
最後に、弊社テクロが取り組むSDGsを紹介します。
テクロでは、以下4つのSDGsの取り組みを進めています。
- 役員の女性比率:多くの女性社員が活躍できる環境づくり
- 働き方:フレキシブルな勤務体系や時短勤務、フルリモートなど、柔軟な働き方に対応
- テクノロジーの活用:クラウドシステムや各種ツールを活用した情報共有・分析
- 共催やパートナーの紹介:さまざまな企業・団体との連携
まとめ:DX推進でSDGsに貢献し、社会的価値の高い企業を目指そう
DXはSDGs達成のための手段の1つです。
身近な課題をDXで解決できれば、それはSDGs達成に大きく貢献するといえます。
SDGs達成に貢献できれば、「社会的価値の高い企業」と評価され、世間からの信頼も一層厚くなります。
ぜひ自社の状況や事業を見直し、DXで社会課題を解決する方法を探してみてください。
しかし、いくらDXを推進してSDGs達成に貢献したとしても、それを認知してもらえなければ意味がありません。
そこで、Webマーケティングに取り組んで認知拡大を図ることをおすすめします。
なお、テクロ株式会社では「Webマーケティングの教科書」資料を無料で配布しています。
SDGsに取り組むのとあわせてWebマーケティングを行うと効果が向上しやすいため、ぜひこちらもご活用ください。