WordPressでできるSEO対策 |設定方法からツール解説まで
Webサイトやブログを立ち上げるときに利用するCMSで、WordPressは扱いやすさから多くの人に利用されています。
しかし、記事を入稿するだけでは検索上位に表示されません。
記事を上位表示させるためには、適切なSEO対策を施すことが必要です。
そこで今回は、WordPressを使ったSEO対策について解説します。
WordPressの機能やSEO対策に便利なツールも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
WordPressとは?
WordPress(ワードプレス)とは、無料で利用できるコンテンツ管理システム(CMS)の1つで、Webサイトやブログを作成できます。
非常に簡単に文章の入稿ができることから多くの人が利用しており、世界中で使われているWebサイトのうち、およそ4分の1はWordPressが利用されています。
また、WordPressはサイトのデザインを簡単に変更できるテーマや、より効果的にSEO対策ができるプラグイン機能が豊富に用意されていることもポイント。
初めてWebサイトを作る人から、オウンドメディアまで幅広く活用できます。
オウンドメディアについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアの意味とは?役割とスムーズな運用方法を紹介
WordPressはSEOに強い?
WordPressは、SEOに強いCMSというのは、部分的には合っているでしょう。
前述したように世界の4分の1は利用され、上位に表示されているほとんどWebサイトがWordPressで作ったWebサイトのことも多いです。
ただしWordPressで作ったからといって、無条件で上位表示されることはありません。
SEOに強いとされるサイト構造やプラグインなどの施策を実施した上で、初めて効果を発揮します。
Googleのジョン・ミューラー氏も、ページについては以下のように言及しています。
A page is a page.
— John Mueller is mostly not here 🐀 (@JohnMu) May 2, 2019
「ページは、ページだ」と述べているため、必ずしも上位表示されると確約されたわけではありません。
意味の捉え方には、十分注意しましょう。
WordPressを使うメリット
ここでは、WordPressを利用するメリットについて紹介します。
SEO対策がしやすい
WordPressはGoogleなどの検索エンジンが理解しやすい構造になっています。
Google botがクロールをしやすい構造で作られていることから、その他のサイトに比べて上位表示されやすいという点が1番のメリットです。
SEOに関する設定をすることが必須ですが、他のCMSと比較すると対策はしやすいでしょう。
自由にカスタマイズできる
WordPressを使うメリットとして、自由にカスタマイズできることも挙げられます。
Webデザインの知識がなくても、よりユーザービリティの高いサイトが構築が可能です。
なかには、SEO対策が施されたテーマも用意されており、より検索上位に表示される可能性もあります。
WordPressのデザインには、無料のものから有料のものまで幅広く用意されているので、比較した上で目的に合ったカスタマイズをしましょう。
さまざまなプラグイン機能が用意されている
WordPressにはプラグインという便利な機能が用意されています。
プラグインとは、世界中のクリエーターが開発したツールのことで、WordPress上にインストールして利用します。
テーマと同じく、無料から有料のものまで幅広く用意されており、さまざまな用途で利用可能です。
例えば、SEOで必要な設定をひとまとめにできるプラグインでは、知識がない人でも簡単に対策ができます。
また自分が利用しやすいプラグインを活用して、効率的にSEO対策を行いましょう。
WordPressで実施したいSEO対策
SEOに強いWebメディアを作るためには、WordPress上で適切な設定を行い、SEO対策の実施が必要です。
ここでは、WordPressを利用するうえで必ず実施したいSEO対策を紹介します。
SEO対策が施されたテーマを使用する
WordPressには、デザイン以外にも、SEO対策がされたテーマがあります。
例えば表示速度を速くしたり、ユーザーの閲覧媒体によって表示サイズを変更できるレスポンシブデザインを実装しているテーマなどです。
テーマをインストールすることで、SEO設定が省けるため、いち早くコンテンツ作成に取りかかれます。
SEO対策ができるプラグインを導入する
テーマと合わせて、適切なプラグイン機能を導入することも重要です。
プラグインにはSEO対策全般に作用する統合型と、特定の機能だけを追加する特化型が存在します。
統合型は、SEOに関する設定をまとめて実施できる点が便利です。
総合型で補えない部分は、特化型のプラグインを導入することで対応できます。
特化型のプラグインでは、このあと説明する各設定を簡単に行える機能が備わっています。
ただし、総合型の機能と特化型の機能が競合してしまう可能性があるため注意しましょう。
また、不要なプラグイン機能をダウンロードしすぎると、サイトの表示速度が遅くなってしまう点がデメリットです。
WordPressにインストールするプラグインは、必要最低限にとどめるようにしましょう。
パンくずリストを作成する
WordPressでSEO対策を行うためには、パンくずリストの作成も有効です。
パンくずリストとはページの上部に表示されるもので、以下の画像のように現在表示しているページの位置を示してくれます。
Webサイトの訪問者は、必ずしもトップページから流入してくるとは限らないため、現在のページがどの位置か一目で理解できることは非常に重要です。
またGoogle botがクロールを行う際に、サイトの構造を理解しやすくなるため、SEO上の評価が良くなるメリットもあります。
パンくずリストは、プラグイン機能などを利用することでページに挿入できますので、必ずページ上部に挿入しましょう。
URLを最適化する
URLの最適化とは、URLの自由に設定できる部分(パーマリンク)を分かりやすい文字列に変更することです。
例えば、「https://techro.co.jp/blog/001/」などの記事番号で表記するのではなく、「https://techro.co.jp/blog/seo-measures-method/」などの記事の内容に合わせたパーマリンクを設定します。
ユーザーが文字列から記事の内容を理解しやすいというメリットもありますが、実は検索エンジンもパーマリンクを理解することがあります。
つまりパーマリンクの分かりやすさが、SEOに影響を与えることがあるのです。
Googleからも、短く分かりやすいパーマリンクを設定するよう報告されました。
サイトの URL 構造はできる限りシンプルにします。論理的かつ人間が理解できる方法で URL を構成できるよう、コンテンツを分類します。
可能な場合は、長い ID ではなく意味のある単語を URL に使用します。引用:Google検索セントラル「シンプルな URL 構造を維持する」
パーマリンクを設定するときは、ローマ字もしくは内容に合わせた英語表記を使用しましょう。
なお、複数の単語をつなぐときは「-(ハイフン)」もしくは「_(アンダーバー)」を使用します。
2つの文字を1文字として認識させたいときはアンダーバーを使用し、複数の単語として認識させるときはハイフンを利用しましょう。
例えば「green_tea」と記載した場合に、検索エンジンは「greentea」という文字列として認識します。
内部リンクを徹底管理
検索エンジンは、ページ内のリンク先などを移動しながら、関連性のあるページが表示されているかどうかも評価の対象となっています。
そのため、サイト表示されているリンクの管理も徹底しなければなりません。
特に内部リンクは自分で管理できる部分ですので、誤ったリンクを記載したり、すでに削除されたページをそのまま表示するなどのリンク切れには注意しましょう。
また内部リンクのアンカーテキストにも注意が必要です。
検索エンジンは、アンカーテキストの内容によってリンク先を判断しています。
ページとリンク先の関係性がすぐに分かるようなアンカーテキストを作成しましょう。
XMLサイトマップを作成する
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイト構造を正しく理解してもらうために設置するファイルのことです。
検索エンジンがクロールを実行した際に、XMLサイトマップがあることで効率的にサイトの構造を理解してもらえるようになります。
本来はサイトに新規コンテンツを追加する度にXMLサイトマップを更新する必要があり、かなり手間のかかる作業です。
しかし、WordPressのプラグインを導入することで、かなり簡単にサイトマップを作成できます。
直接的に検索順位に影響することはありませんが、検索エンジンに正しくサイト構造を理解させるという面で、検索エンジンに影響を与えます。
ほかのプラグインの導入に合わせてXMLサイトマップの導入も進めましょう。
重複ページや内容の薄いページの対策をする
サイトを運営する際は、内容が重複したページや薄いページが出てくることもあります。
例えば、ネットストアを併設しているホームページなどでは、色違いの商品を掲載するために重複した内容の別ページを作成することもあるでしょう。
同一のサイト内であってもコピペなどを使った重複サイトとして扱われ、SEO上の評価が下がってしまう可能性もあります。
内容が重複しているページや内容が薄いページがある場合は、「canonical」や「noindex」を設定することがおすすめです。
canonicalは内容が重複したページに設定するタグで、検索エンジンにもとになる正規ページがあることを知らせる効果があります。
noindexは、内容の薄いページに対して設定するタグで、検索結果に表示する必要がないことを示すものです。
いずれも、該当するページのソースコードに入力することで効果を発揮します。
WordPressのSEO対策済みのテーマや対応しているプラグインを導入すると、簡単にcanonicalやnoindexが設定可能です。
Webサイトの表示速度を高速化する
Googleの検索エンジンでは、Webサイトの表示速度についても評価の対象としています。
また、クリックしてからなかなか表示されないサイトは、ユーザーが離脱してしまう可能性が高くなることも考慮しましょう。
Webサイトの表示速度を高速させる方法はいくつかあります。
ページ速度を調べる方法
まずはサイトのページ速度をチェックしましょう。
Googleが無料で提供している「PageSpeed Insights」を利用することで、簡単にサイトの表示速度を確認できます。
サイトのURLを入力すると、現在のパフォーマンスが100点満点の数値で示され、サイトの改善ポイントも参照可能です。
対応すべきポイントが理解できたら、具体的な改善に取り掛かりましょう。
不要なプラグインを削除する
WordPressを使用している場合、不要なプラグインがページの表示速度を邪魔している可能性があります。
プラグインはWordPressにインストールして使用することから、取り込む機能が多くなるほどサイトが重くなる点がデメリットです。
インストールするプラグインは最小限に抑え、不必要なものは削除することでページ速度を改善できる可能性があります。
サイトの表示速度を改善するプラグインを導入する
プラグインのなかには、サイトのキャッシュを調整することで、サイトの表示速度を改善するものもあります。
キャッシュとは、一度訪問したサイトのデータを一時的に保存しておくことで、次回の訪問時に高速で読み出しができるようにする機能です。
WordPressには「サーバーキャッシュ」と「ブラウザキャッシュ」の2種類があります。
どちらも高速化ができますが、ブラウザキャッシュはサーバーにアクセスする必要がなくなるためより速く表示されます。
WordPressのプラグインを利用することで、簡単にキャッシュを有効にできるので、試してみてください。
画像の表示を工夫する
アイキャッチや文章の合間に挿入する画像は、多用しすぎるとサイトの表示を邪魔することがあります。
無駄な画像を省くことも考えられますが、ユーザーの文章の読みやすさというポイントにおいては、どうしても画像を挿入いけません。
そのときは、画像のサイズを小さくしたり、画像の表示方法を工夫したりすることがおすすめです。
例えば、画像圧縮用のプラグインを導入することで画像サイズを小さくし、Webサイトを開くときの負担を軽減できます。
プラグインを使用することで、1つずつ画像を圧縮する手間も省けますので、簡単にWebサイトの表示速度を改善が可能です
また画像が多いサイトでは、画像の読み込みを遅延させる処理もおすすめです。
テキストを優先的に読み込ませ、画像は後から表示させることでWebページの表示速度を改善できます。
画像の遅延表示もプラグインによって簡単に設定可能です。
画像圧縮と遅延表示を併用することで、サイト表示速度の改善が見込めるでしょう。
サーバーを改善する
根本的にサイトの表示速度を改善する方法として、使用しているサーバーを変えるのもおすすめです。
より高速で処理ができるサーバーを利用することで、サイトの表示速度も改善できる可能性があります。
料金やサーバーの種類によってかなり差があるため、最初にサーバーを選ぶときから注意すると良いでしょう。
すでにWebサイトをもっている場合は、WordPressごと移設できるか、しっかりと確認する必要があります。
WordPressのコンテンツで実施したいSEO対策
WordPress上での設定も重要ですが、各コンテンツにもSEO対策を施すことが重要です。
ここからは各コンテンツ上で実施したいSEO対策について解説します。
記事タイトルや見出しを最適化する
記事のタイトルや見出しは、検索順位を決定するための重要な要素です。
検索エンジンにどのような情報を記載しているサイトなのか、しっかりと理解してもらうために必要になるうえ、サイトの魅力をユーザーに伝えるためにも重要な要素となります。
タイトルを設定する際は、キーワードをできる限り左寄せで記載することがポイントです。
検索エンジンにキーワードをしっかりと理解させるとともに、ユーザーがサイトを探しやすくなる効果が期待できます。
また、見出しを作成する際はサイトの段階構造を意識し、ユーザーが必要な情報を探しやすい文を作成することを心がけましょう。
見出しから情報を読み取れないサイトは、ユーザーが求める情報を検索できないことで離脱を招く可能性があります。
検索エンジンとユーザーのどちらにも読みやすいコンテンツ作りがポイントです。
記事のタイトルを付けるポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:SEOに強いタイトルの付け方6つのポイント!クリック率の高め方も紹介
メタディスクリプションを設定する
メタディスクリプションとは、検索結果の画面でタイトルの下に表示される説明文です。
メタディスクリプション自体に検索順位に直接影響することはありませんが、ユーザーのクリック率に大きく影響する可能性があります。
メタディスクリプションの設定があれば、ユーザーはサイトに訪問する前にどのような情報が書かれているかを理解できます。
サイト訪問後に検索ニーズとの相違が発生しにくくなることから、メタディスクリプションの記載があるWebサイトに訪問しやすい傾向があるのです。
ユーザーが訪問しやすいように、ページの情報を短くまとめたメタディスクリプションを設定しましょう。
alt属性を設定する
alt属性とは、ページに挿入する画像に対して設定するテキストのことです。
基本的に人間は写真を見ればすぐにどのような画像かを判断できますが、検索エンジンは画像から情報を読み取れません。
そのため、どのような画像が表示されているのかをalt属性を設定することで、検索エンジンが理解しやすいサイトにできるのです。
また、サーバーのエラーなどで画像が表示できないときに、本来であればどのような画像が表示されたのかを視覚的に表現できます。
ただし画像に関係のないキーワードをalt属性に設定してしまうと、スパムとみなされることもあります。
alt属性を設定するときは、画像に関係ある言葉を端的に設定しましょう。
カテゴリーを設定する
記事のカテゴリーを設定することで、ユーザーが関連する記事を発見しやすくなるというメリットがあります。
カテゴリーの設定は、検索順位に直接的な影響を与えるものではありませんが、ユーザービリティの観点から設定することがおすすめです。
WordPressの画面から「カテゴリー」を選択し、新規カテゴリーの作成ができます。
また記事の作成画面から、カテゴリーを選択することで分類を設定も可能です。
WordPressのSEO対策に便利なツール
WordPressでのSEO対策には「Googleサーチコンソール」と「Googleアナリティクス」の2つのツールを利用することがおすすめです。
ここではそれぞれのツールの役割について解説します。
Google Search Console
Google Search Consoleは、運営しているサイトの状況を確認するのに便利なツールです。
サイトの掲載順位や管理を行えるだけなく、改善すべきポイントの情報なども確認できることから、SEO対策には必須なツールともいえます。
ユーザーがどのキーワードから自分のサイトから流入しているのか、自分のサイトが他サイトにリンクで掲載された情報を確認可能です。
のちに紹介するGoogle Analyticsと合わせて、今後のコンテンツの作成や改善に活用しましょう。
Google Analytics
Googleアナリティクスは、サイトへの訪問者やサイト内でのユーザーの行動を分析できるツールです。
現在のサイト訪問者をリアルタイムで計測やページの滞在時間、離脱率、流入経路などを確認できます。
離脱率の高い記事の改善や、滞在時間の長い記事の内部リンクを作成するなど、サイト全体の最適化を図れるツールです。
どのキーワードからサイトに流入してきたかを調べられるGoogleサーチコンソールと合わせて、サイトの改善に役立てましょう。
正しいSEO対策でWordPressを活用しよう
今回はWordPressにおけるSEO対策について解説しました。
WordPressはテーマやプラグイン機能を活用することで、簡単にSEO対策を実施できます。
簡単な設定で、サイトを検索結果の上位に表示させることもできます。
WordPressを利用する際は、必ず今回紹介した設定を実施しましょう。
弊社テクロ株式会社では「公開前に確認するべき記事チェックリスト」の資料を配布しています。
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