マーケティング会社が使っているツールとは?【自社事例で大公開!インサイドセールス・マーケティング支援会社のリードジェネレーションから商談化まで】:前編
昨今の社会情勢により、リード獲得から商談までをオンライン化する試みが増えてきています。
その中で営業とマーケティングの連携に課題を持っていたり、これからリード獲得のオンライン化を進めていきたい企業のご担当社様もいるのではないでしょうか?
今回は、2021年4月16日におこなわれたテクロ株式会社主催のオンラインイベント「自社事例で大公開!インサイドセールス・マーケティング支援会社のリードジェネレーションから商談化まで」のウェビナーレポートをお届けします!
このウェビナーでは、今回参加した3社それぞれのマーケティング・セールス戦略について、事例を上げてお話をしていきます。
前編の本記事ではそれぞれの会社で使用しているビジネスツールや、株式会社soraプロジェクト取締役COOの樋口裕貴さんにリードジェネレーションから商談化までの自社事例について、お話をうかがいます。
講師の紹介
松永創
株式会社FLUED 代表取締役/CEO
1984年 福岡市出身。IT(SaaS)ベンダの営業としてキャリアをスタート。その後 博報堂系テレマーケティング/ECサポートベンダでEC構築・運用・受注処理・カスタマーサポート・フルフィルメント(物流)事業/拠点の立ち上げ・営業企画に従事。自身もインサイドセールス部門での業務経験を積む。
その後B2BマーケティングエージェンシーでスタートアップSaaSベンダからERPなどのエンタープライズITまで様々なマーケティングに携わる。インサイドセールス/テレマーケティングで携わった企業・プロジェクトの数は100以上に及び、企業規模・フェーズに応じたコンサルティング幅の大きさに定評がある。
B2Bマーケティング/ビジネスプロセス改善などのテーマを中心にセミナー・カンファレンスなどで講演多数。
樋口裕貴
株式会社soraプロジェクト 取締役COO
インサイドセールス代行業界歴11年。
クライアントのインサイドセールス施策のPM・営業を8年間経験後営業部部長兼取締役に就任。スタートアップから外資大手まで700社以上の案件を担当する。
ターゲットリスト作成からスクリプト改善まで、営業施策全体のコンサルティングが専門分野。
天野央登
テクロ株式会社 代表取締役
テクロ株式会社CEO。⼤学2年⽣時に起業。留学メディア「交換留学ドットコム」を1年半ほど運⽤し事業売却。その後はコンテンツマーケティングの知⾒を活かして、Webマーケティングの顧問事業を開始。BtoBマーケティングを中心にSEO・MAツールに詳しい。
本ウェビナーの趣旨について
- マーケティング部から質の低いリードが流れてきて、営業部で苦労している
- マーケティング部は営業部と連携したいけれど、上手くやっていけない
- インサイドセールスの設置の部分で悩んでいる
- リード獲得のオンライン化をしたいが、何から始めていいのか分からない
BtoBマーケティングのオンライン化をやる上で、こういった課題を頻繁にお聞きすることがあります。
それぞれ別個の問題ではありますが、そもそもの全体感が見えていないと稟議を上げたり、相談したりすることもできません。
したがって、本ウェビナーはその全体感や戦略を含めて、コンサルティングや代行などビジネス支援の会社はどのようにリード獲得・商談化を進めているのか、自社の事例を3社分お話ししていきます。
支援している側の3社が集まっているのが本ウェビナーのポイントです。
各社の使用しているツールとは?
天野:では最初に、「ツールは何を使っていますか?」とよく聞かれるので、お話しいたしますね。
DSP(※広告を配信する側にむけたプラットフォーム)をSoraさんとFLUEDさんは使ってらっしゃるとのことでしたが、いかがでしょうか?
現在は在宅も増えているので、アドレスを狙っていくのは難しいかと思っているのですが…。
樋口:DSPは企業のIPアドレスを取得して、その企業向けにターゲティングをし、企業の中の人に広告を表示させるツールですよね?
これを始めてから、SaaS(※インターネット経由で使用するソフトウェア)の企業さんをピンポイントに狙ってたんですけど、そこから問い合わせが来ている実感はあります。
これは専門的な内容になってくるので、ご興味がある方がおりましたら「ADMATRIX DSP」で検索して頂くと良いんじゃないかなと思います。
松永:樋口さんの会社はインサイドセールスの代行サービスをしているので、SaaSの企業から問い合わせが欲しい、となるんですよね?
なのでSaaSの企業のIPを取得して、そのIPからアクセスされたところにそのプロジェクトの広告を出していると。
樋口:そうですね。
その企業の人でも、自宅のPCからだと広告は表示されないかもしれないんですが、効果は出ている感じがします。
天野:ありがとうございます。
逆にお二人からなんかご質問はありますでしょうか?
樋口:テクロさんはタスク管理型がとても多いですね。
天野:そうですね、CS・プロジェクト支援はやはりテクロのミソですので力を入れています。
樋口:あとは私どもとお二方の違いで言うと、SalesforceとHubSpotがそれぞれ基幹のSFA(※セールスフォースオートメーション…営業支援システム)になっている違いがありますね。
使い勝手や価格感もかなり違うと思います。
松永:「セールスクラウド」として載せている2つのツールですね。
どちらもコンサルティングの業務で使用しているので、自社でも活用しようと動きがあったのですが、利用している割合は圧倒的にHubSpotの方が高いですね。
リードジェネレーションから商談化までの自社事例:Soraプロジェクト社
天野:では時間になりましたので、樋口さんの方からお話をお願いいたします。
樋口:よろしくお願いいたします。
Soraプロジェクトの方から「リードジェネレーションから商談化まで」をテーマにウェビナーをさせていただきますね。
まずは私どもの会社概要です。
「Soraプロジェクト」と申しまして、
- インサイドセールス代行
- テレアポ代行
の業務をしております。
福岡に会社があり、コールセンターが3つございます。
本社・大橋・天神と3拠点持っておりまして、従業員数は120名ほどですね。
東京オフィスもあるのですが、こちらは営業所という形で置いています。
ご支援先は
- 外資系の企業
- 外資系かつSaaSの企業
- 人材派遣業の企業
が多いです。
樋口:今回はマーケティングと営業にフォーカスしてお話しするのですが、まず営業体制ですね。
マーケティング部は社内人員1名でおこなっております。
外部の事業者に5社様ほど依頼させて頂いて、この社内人員で回していますね。
この社内人員の方は専門性が高い人なんですが、色々な施策ごとにそれぞれのノウハウを持っているわけではありません。
ですので施策ごとに専門性を持った事業者に依頼をしています。
どんな施策を依頼しているかは後ほど説明させていただきますね。
営業部に関しては社内人員を2名配置しております。
ここは外部には頼めないコア業務となってますので、社内で完結していますね。
Soraプロジェクト社の営業フロー
樋口:営業フローとして、私どもはマーケティングと営業を分けております。
最初に申し上げておきますと、私どもはテレアポ代行をおこなっておりますが、私どものリードを獲得するためにテレアポはしておりません。
その理由はマーケティングの施策がうまくいっているのもあり、営業・コールセンター人員が足りていない状況なんです。
よって、お問い合わせベースでお話を頂くことを優先させて頂いております。
樋口:60〜70件ほどリード獲得をしておりまして、具体的に挙げると
- SEO
- リスティング
- SNS広告
- ウェビナー
- コンテンツ
と、こういった施策をしております。
最近bellFaceを導入しまして、非常にその良さを実感しております。
録画も残りますし、新しい人員が入った際にその録画を教育に使うことが可能です。
後で管理者が「あの商談どうだったかな」と確認できますので、非常にいいサービスですね。
Soraプロジェクト社のリード獲得施策「SEO」
樋口:まずはSEOです。
「今すぐ客(顕在層)」に向けた施策ですが、これはやはりキングオブリード獲得ですね。
私どもはSEOが強くて「テレアポ代行」と「インサイドセールス代行」というワードでかなり上位に入ってます。
昔からこのワードを狙い続けており、施策し続けて少しずつ上位に上がっていきました。
実際ビュー数は多いのですが、やはり検索をされる方は他社のホームページも見られることが多いです。
ですのでお問い合わせがしやすいように
- 相談の予約システムを営業のカレンダーと同期させる
- 2〜3クリックですぐに商談を予約できるチャットのシステムを入れる
- そのお客様のメールアドレスをすぐに入手
の流れで体制を整えています。
Soraプロジェクト社のリード獲得施策「ウェビナー」
樋口:「そのうち客(潜在層)」に向けた施策として、今年に入って月に一回ぐらいウェビナーをしております。
これはメリットが大きいので、もしされてない方がいらっしゃったらぜひ、企画してみてもいいかと思います。
準備は大変ですけれども、他社さんと共催するということで一気にリードを取れるなと感じますね。
逆に一社のみで開催するのはハードルが高いんですよ。
おそらく、自社の商材のアピールが中心になってくるので、売り込み方も難しくなることが原因ですね。
個人的な話ですが、効果測定の仕方についてもお話しいたします。
ウェビナーはブランディング、と割り切ってもらった方がいいですね。
例えば「今日ウェビナーするから、その成約は何件決めよう」とやっていくと、どうしても先ほど申し上げたような、売り込み企画になってしまうんですよ。
ありがちな話ではありますが、「集客ではこう言っていたけれど実際の内容は全然違う、売り込みの話だった」となるのはよくないですね。
長期の視点で効果測定することが大事かなと考えており、これはどちらかと言うと目の前の売上を上げる営業やマーケティングの人がやるというよりは
- 事業責任者レベル
- 営業/マーケティング責任者レベル
の方がやるのが、周りから成果について言われずに済みますよ。
松永:ウェビナーをやる際は「100人来たのでその中から◯人商談に繋げて〜」とはやられてないのでしょうか?
樋口:そうですね。
成約に意識が行き過ぎると、資料作りも大変じゃないですか。
なので私はどちらかと言うと「テレアポの新規開拓の方法」をテーマにウェビナーをする際も、売り込みはせずに「こういうスクリプトを作ったらいいですよ」と実例を出していますね。
ですので「何件商談して、そのうち何件決めよう」とは一切やっていません。
むしろリード数、集まってくれた人が何人いるのかはすごく気にしてますね。
Soraプロジェクト社のリード獲得施策「コンテンツマーケティング」
樋口:次にコンテンツマーケティングですね。
これは初めに言うと、「そのうち客(潜在層)」に向けた施策なんですけど、これもまだされてないところはすぐに始めた方がいいですね。
コンテンツマーケティングとは何かと言うと、弊社の場合だとブログサイトを作ってそこに
- テレアポのノウハウ
- マーケティング施策のコツ
の記事をアップしていくんですね。
今は月に8本くらいアップしています。
例えば
- テレアポがきつい方向けの現実逃避の仕方
- 営業代行とは
- 3Cと4Pとは
とテレアポに関する様々な記事を、テクロさんに作成してもらっているんですよ。
3年ほど前に外部の事業者さんに依頼して半年ぐらい取り組んだのですが、完全に芽が出ず挫折しました。
そして去年の9月にご縁があって、テクロさんにご依頼したんですね。
結果はやればやるほど効果が出ると思っております。
画像に「半年は我慢」と書いてある通り、最初は効果が出ませんが私どもの場合は3ヶ月ぐらいで効果が出ました。
具体的にどういう効果があったかと言うとドメインパワーが上がり、先ほどご説明した「テレアポ代行」といったキーワードのSEO順位が高くなりました。
SEO順位を日ごとに計測しているんですが、2位〜3位まで上がっていた記事がどんどん下がってしまった時期がありました。
9位とか10位になると、ほとんど誰からもお問い合わせが来ないんですよ。
しかし、そこからコンテンツマーケティングを始めたところ、今では2位〜4位に落ち着いて効果がを感じました。
なので、これはぜひ続けてもらっていいんじゃないかな、と思う施策です。
Soraプロジェクト社のリード獲得施策「SNS広告」
樋口:あとはSNS広告ですね。
Facebookをされてる方はご存知かと思うのですが、ページに画像のようなバナー広告が出てくるかと思います。
こういったものを、私どもは定期的に出してます。
表示するターゲットであるとか、広告画像を自分たちで選べるんですが、これは定期的に変えないとすぐに結果が悪くなりますね。
なので2〜3週間に一回ぐらいのペースで変えて、新鮮なものを出しています。
ただやはりあちらから問い合わせがくるわけではなく、こちらから広告を出すので
- 業界的に興味がある分野なのでダウンロードしたい人
- テレアポを実際におこなっている人
- 競合他社の人
といった、何らかの意図がある方がダウンロードするパターンと、純粋に弊社サービスに興味を持ってダウンロードする方の2パターンあるかなと感じていますね。
これも大切なリードなので、引き続き追っていきます。
Soraプロジェクト社のリード獲得施策「リスティング」
樋口:あとはリスティングです。
これも外部事業者さんにお任せしており、「インサイドセールス外注」で検索すると画像のように私どもの広告が出るんですね。
これも1ヶ月に一回ぐらい打ち合わせをしながら、
- どういうワードでやっていくか
- どういう風にお金をかけていくか
と考えながらやっています。
これらが私どものリード獲得への施策の概要ですね。
もしインサイドセールスやテレアポ代行に興味があれば、ご気軽にご連絡ください。
後編では松永さん・弊社の天野から自社事例についてお話ししていただきます。
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