リード獲得単価(CPL)とは?業界別の相場と費用を抑えるコツ10個
顧客獲得の最初の一歩となるのがリード獲得ですが、施策によってかかる単価や相場はそれぞれです。
そのため「リード獲得の単価や相場を知りたい」「リード獲得にかかる単価をなるべく抑えたい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では
- リード獲得の単価(CPL)
- 業界別の相場
- コストを抑えるポイント
について解説します。
リード獲得の単価について詳しく知りたい、リード獲得単価のコストを抑えたいと考えている方はぜひご覧ください
。
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目次
リード獲得単価(CPL)とは
リード獲得単価とは、一社または一人の見込み客を獲得するために必要なコストを指します。
CPL(Cost Per Lead)とも呼ばれ、マーケティングにおいて費用対効果を算出する際の指標に利用されることも。
ここではリード獲得単価の詳細や算出方法について解説します。
リード獲得とは
そもそも「リード獲得」とは何を意味しているのでしょうか。
リードは「自社商品・サービスの見込み客になる可能性があるユーザー」を指しており、リード獲得とは見込み客の氏名や連絡先・会社情報にあたる個人情報を集めることを意味しています。
自社の売り上げや利用者増加のために必要なマーケティング施策の第一歩であり、今後はオンライン上でのリード獲得が主流となることが見込まれています。
リード獲得単価(CPL)と相場
リード獲得単価は施策によって金額が大きく変わります。
主なリード施策の単価相場は以下の通りです。
メディア広告 | 5,000〜1万円 |
---|---|
展示会 | 8,000〜1万円 |
1,000〜1万円 | |
ホワイトペーパー | 3,000〜5,000円 |
セミナー開催 | 8,000円〜 |
お問い合わせ | 30,000〜10万円 |
上記の一覧を参照しても、一つのリードを獲得するのに最低でも1,000〜2,000円前後の経費が必要です。
この額は高いと思われるかもしれませんが、展示会での名刺交換によるリード獲得単価は、一度の参加で8,000〜13,000円前後と言われています。
(参照:ITmedia マーケティング「BtoBマーケティングの効果測定と評価――お勧めのKPIはCPLとCPO」)
そのため、まとまったリードを獲得するにはかなりのコストを要します。
効果の悪かった施策や現行プロジェクトの運用を見直し、削減できるコストをカットすることで期待値の高いリード獲得手法に集中して投資ができます。
社内で最終的なゴール設定やマーケティングの方向性を共有し、より無駄のない効率的なリード獲得を目指していきましょう。
リード獲得単価(CPL)の業界別相場
また、施策別の単価に加えて、業界別相場を把握しておくとさらに精度が高まります。
検索広告の業界ごとの平均的なCPLは以下の通りです。
業種 | CPL(ドル) |
芸術とエンターテイメント | 50.4 |
動物とペット | 17.46 |
アパレル / ファッションとジュエリー | 57.97 |
弁護士と法律サービス | 83.10 |
自動車販売 | 46.99 |
自動車修理サービスと部品 | 18.73 |
美容とパーソナルケア | 40.04 |
ビジネス サービス | 73.70 |
キャリアと雇用 | 81.45 |
歯科医と歯科サービス | 50.91 |
教育と指導 | 54.60 |
金融と保険 | 74.44 |
家具 | 76.71 |
健康とフィットネス | 45.60 |
家と住宅の改善 | 54.05 |
産業と商業 | 49.90 |
個人サービス(結婚式、掃除人など) | 29.08 |
医師 & 外科医 | 29.96 |
不動産 | 44.70 |
レストラン & 食品 | 26.58 |
ショッピング、グッズ & ギフト(全般) | 30.27 |
スポーツ & レクリエーション | 31.50 |
旅行 | 46.06 |
(参照:World Stream「2022 Google Ads & Microsoft Ads Benchmarks for Every Industry (New Data!)」)
上記のデータは、全世界での調査のため、日本の一企業に当てはまらない場合もあります。
あくまで参考程度にとどめて、CPLの目標値を設定するときにチェックしましょう。
リード獲得単価(CPL)の算出方法を解説
リード獲得単価はどのように算出するのでしょうか?
一般的には「リード獲得にかかった費用÷リード獲得数」で計算します。
例を挙げると100万円の費用をかけて250人のリードを獲得した場合、計算式は「1,000,000円÷250人」となり、リード獲得単価は「4,000円」と算出できます。
展示会への参加やセミナー開催をした場合は、準備や当日の参加費・会場費を含めた全ての総額を名刺や参加者数で割ることで計算が可能に。
一つ気をつけなければならないのは、自社の商品・サービスやビジネスの方針によって適した手段が異なる点です。
「単価が安い」とコスト面だけでリード獲得手法を選んでしまっては、成果につながりません。
さらに「質の高い顧客かどうか」を把握するためには、リード獲得単価を算出するだけでは不十分です。
最終的な成果はコンバージョン率(※)と呼ばれる他の指標を出さなければ、全体像を把握するのは難しいでしょう。
(※コンバージョン率(CVR):Webマーケティングにおける最終目的をユーザーが達成した割合)
質を上げるにはリード獲得単価(CPL)のKPI設定が重要
リード獲得の質を上げるにはリード獲得単価のKPI設定が重要です。
KPIとは目標達成に向けた進行度を把握するための中間目標において有効な指針であり「重要業績評価指数」と訳されます。
適切なKPIの設定でプロセス途中であっても目標を見失うことなく、最終目標への方向性を定めることが可能に。
KPIの特徴とリード獲得単価との関係性について解説します。
リード獲得単価(CPL)とKPIの関係性
リード獲得単価はKPIの一つです。
リード獲得単価は、利用するメディアや施策によってKPIは大きく異なります。
KPIを設定する際には、自社で展開する予定のリード獲得施策に合わせて、適切な数値の設定が大切です。
数値が適切に設定されていなかった場合、KPIとして役に立たなかったり、達成できず次のステップに進めなかったりします。
目標値は、相場を参考にしながら設定してみてください。
リード獲得単価(CPL)以外のKPI設定方法
リード獲得単価以外のKPIは以下のものが挙げられます。
- 商談数
- 問い合わせ数
- アポイント獲得数
- MQL・SQLへの転換率
- マーケティングファネルの過程で獲得したリードを元に割合で算出するもの
- 各フェーズで一件あたりのリード単価数を算出するもの
の2種類の方法から計算が可能です。
KPI設定方法
KPIを設定する際には、以下の手順で実施しましょう。
- 指標の定義や設計準備をおこなう
- 運用時のメンバー役割やルールを選定する
- 補足事項を確認し、検討できる環境を整える
KPI設定時に気をつける点は「KPIが多すぎて業務の妨げになってしまう」「達成プロセスに注視するあまり目的が達成できない」と目的と手段が反対になってしまうパターンです。
全体の流れで大切なのは社内全体でそれぞれの役割や目標・指標を共有し、ゴールに至るまでの振り返りや改善をしやすい環境作りです。
リード獲得単価(CPL)を抑える10個のポイント
より多くのリードを獲得するためにも、余分な単価は少しでも抑えましょう。
リード獲得単価を抑えるためのポイントは下記の10個です。
- 結果を分析して施策を見直す
- マーケティングファネルを取り入れる
- SEO対策でオンラインリードを増やす
- SNSを活用して潜在的リードを見つける
- メールマーケティングを導入する
- 自社でウェビナーを開催して質の良いリードを獲得する
- MAツールを活用する
- Web広告を活用する
- オフラインの施策も検討する
- 成功するパターンを学んで実践する
それぞれの詳細について解説します。
ポイント1. 結果を分析して施策を見直す
コストを削減するために、まずは今までの施策を振り返ってみましょう。
- 最高の成果を得られたもの、または最悪の成果だったもの
- 上手くいかなかった施策とその原因とは何か
- 進行しているプロジェクトは良い結果を出せているか
と批判的に解析しデータに基づいた評価をすることで、今後の施策・プロジェクトにおいて数字や過去の事例を元に現実的な判断が可能に。
また優良顧客をより多く獲得してきた施策を知ることで、今後の自社で取り組むべきマーケティングの方向性や手法の指針ができます。
施策の結果やリードを適切に管理するためにも、ビジネスツールを取り入れ効率的な振り返り・アプローチができる環境を整えることもおすすめです。
ツールの導入について興味のある方は、こちらの記事もぜひご参考にしてみてください。
「BtoB向けのマーケティングオートメーションツール5選!選ぶときに注目するべきポイントも」
ポイント2. マーケティングファネルを取り入れる
マーケティングファネルの定義を取り入れることも、リード獲得単価を抑える要因につながります。
マーケティングファネルとは、ユーザーが自社商品・サービスを認知してから購入に至るまでのプロセスをステップに分けて定義したものです。
ファネル分析をきちんと実施することで
- どのフェーズのユーザーに、何の施策・アプローチをおこなうのか
- 重点的にセールスをかけるのはどのプロセス段階にいるユーザーなのか
と集中すべき層や施策内容が明確に。
見込み客が今マーケティングファネルのどの位置にいるのかを把握し、それぞれの段階で適切なアプローチ・コンテンツの提供をおこなうことで費用対効果の向上を狙います。
ポイント3. SEO対策でオンラインリードを増やす
インターネットユーザーの78%は、何か商品・サービスを購入する前に検索や口コミで事前リサーチを実施しています。
(参考:Pew Research Center「Online Product Research」)
そこでSEO施策を講じ、自社サイトやランディングページを検索サイトの上位に表示させることで、検索エンジンから訪問したユーザーのリード獲得を狙います。
SEO施策は
- 専門的な知識が必要になる
- 短期で効果を出すのは難しい
と課題もありますが、ここで多くのリードを獲得できればその他の効果的でない施策を切り、リード獲得単価を抑えることも可能です。
SEOについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
ポイント4. SNSを活用して潜在的リードを見つける
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も企業が潜在的なリードを発見・交流するのに適したツールです。
- 同業他社がすでに導入している場合がある
- オンラインで情報を探しているユーザーが多い
- 顧客との交流を通じてリード育成が可能
上記の理由からも、まだSNSアカウントを作成していない企業は、マーケティングにおいてライバル会社に後れを取ってしまう可能性があります。
他の施策と比較してもSNSのアカウント発行や運用はそれほどコストを必要としないため、導入ハードルが低い点も魅力です。
しかし近年は企業アカウントにおいて、担当者の言動が原因で炎上するケースも多く見られます。
一度炎上してしまうと企業のブランドや信用度にも影響が出てしまうため、運用に際しては慎重な姿勢と社員へのネットリテラシーの共有が重要になるでしょう。
ポイント5. メールマーケティングを導入する
積極的にこちらからアプローチできるメールも効果的なマーケティング手法です。
導入の際には以下のステップで進めていきましょう。
- 読者となるユーザーを定義する
- 目的を明確にする
- 達成したい目標を定める
- 配信頻度を調整する
そしてメールマーケティングはあくまで「ユーザーの興味を引くための”お役立ち情報”を伝える」目的で実施するものです。
登録したユーザーが自社商品・サービスに強い関心を持っているとは限らないため、直接的なセールスやメールマガジンのテーマとかけ離れた売り込みは離脱の原因となることもあります。
ポイント6.自社でウェビナーを開催して質の良いリードを獲得する
自社でウェビナーを開催する方法であれば、質のいいリードを獲得しながら、コストを抑えられます。
ウェビナーであれば、展示会など会場を必要とするイベントのように会場設営費や人件費、立地などを気にする必要がありません。
そのうえ、すべてオンライン上で完結するため、会場の大きさ開催規模にとらわれず、多くのリードを獲得できます。
セミナーや展示会に参加するのは、すでにある程度の興味や熱量がある方に絞られるため、リードの質も必然的に高くなります。
コストを抑えながら質の高いリードを多く獲得したいのであれば、自社でのウェビナー開催を検討してみましょう。
ウェビナーについて理解を深めたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
「ウェビナーの意味とは?メリット・デメリットや便利なツール6選を解説!」
ポイント7.MAツールを活用する
MAツールとは、リードの獲得だけでなく、見込み顧客の育成なども含めたマーケティング活動をサポートするためのツールを指します。
リードの獲得を分析したり、改善したりするには多くのデータを読み解くことになりますが、すべて目視でチェックしていては手間がかかりすぎてしまいます。
MAツールをリード獲得の工程に導入できれば、本当に必要な業務に時間を当てられるようになったり、担当者以外でも状況を把握できるようになったりするため、大幅なコスト削減・効率が図れるでしょう。
MAツールの目的に合わせた選び方や、BtoB・BtoCに合わせたおすすめのツールを詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
「徹底比較!おすすめのMAツール記事(マーケティングオートメーション)21選」
ポイント8.Web広告を活用する
数ある広告の中でもWeb広告は費用を抑えながらリードを獲得するのに適しています。
主にWeb広告では以下の配信形態が一般的です。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- SNS広告
- 動画広告
- 記事広告・タイアップ広告
- アフィリエイト広告
大量消費の時代では、消費者の行動も予想がしやすかったですが、多様性に富んだ現代では個人に合わせた広告を提供することが重要なポイントとなります。
Webでは個人向けに最適化された広告を配信するのに向いており、cookieを記録する技術では、訪問者が訪れたサイトや入力したデータ、利用環境などの情報を読み取れます。
ターゲットを絞り広告を配信することで、本当にリードの獲得に必要なコストのみの出費にできるでしょう。
ポイント9.オフラインの施策も検討する
オンラインの実施するWeb広告ではコストが抑えられ、オフラインでの施策はコストがかかりがちと思われますが、必ずしもそうではありません。
自社のサービスや商品によっては、最終的なリードの獲得単価が抑えられるオフライン施策も存在します。
例えば会場にわざわざ足を運ばなければならない展示会やセミナーでは、それだけ熱量のあるリードを獲得できる可能性も高くなります。
オフラインだからといってコストがかかると決めつけるのではなく、自社のサービスとの相性や獲得したいリードの質をふまえたうえで検討しましょう。
ポイント10.成功するパターンを学んで実践する
リードの獲得施策にはいくつかの成功パターンがあり、これを1から見つけ出すとなると大変な労力となります。
しかし現代ではすでにどうすれば成果が上がりやすいかの「成功パターン」が手に入るため、まずは定石通りに試してみるのをおすすめします。
すでに存在する成功パターンが必ずしもうまくいくとは限りませんが、独学で学び進めるよりも失敗する確率は下がるはずです。
もし独学で進め、施策うまくいかなかった場合は大量の費用と時間を捨ててしまうことになりまねません。
まずは成功するパターンを学んで実践してから、徐々に自社に合わせた内容に改善するといいでしょう。
リード獲得に費用をかける価値はあるのか
ここまでリード獲得の単価や相場について説明しましたが、リード獲得にはそれほどまで費用をかける価値はあるのでしょうか?
新規顧客の獲得は既存顧客への販売より5倍もコストがかかる「1:5の法則」があるように、リード獲得には時間と手間がかかります。
しかし既存顧客は時間の経過と共に減ってしまうため、先を見通して新規顧客の獲得も継続的に実施する必要があります。
- 継続的なリード獲得が成約につながる
- 獲得したリードには使用期限がある
リード獲得に力を入れる上記2つの理由について解説します。
継続的なリード獲得が成約につながる
最初は購入見込みの低いリードでも、獲得後の育成や時間・関係値の変化で自社商品・サービスの購入見込みが高い状態(ホットリード)となり、お問い合わせへつながるケースがあります。
見込み客との交流を続けニーズや興味・関心の把握で、適切なタイミングでの自社商品・サービスの提案を可能にします。
そのためにも
- 定期的なやりとり
- お役立ち情報の提供
- 丁寧なカスタマーサービス
と、日々の関係構築や自社への信頼度を高めるアプローチを続けていきましょう。
獲得したリードには使用期限がある
獲得したリードは5年、10年後も有効に使えるとは限りません。
時間の経過と共に
- ユーザーが所属している会社
- メールアドレス
- 電話番号
と状況や個人情報が変わることもあります。
「一度リードを獲得すれば大丈夫」と考えるのではなく、手に入れたリードを迅速に育成・選別し、成果へとつなげていくことが最終のゴールです。
リード獲得は売り上げを増やす重要なマーケティング手法であり
- ターゲット設定
- 費用を投下する場所
- タイミング
を間違えなければ、効果的に集客ができます。
そのためにも
- 専門的なマーケティング知識を持った人材の確保
- マーケティング手法の知見を持った外部組織からの協力
を視野に入れていくのもおすすめです。
まとめ:リード獲得単価(CPL)・相場は施策や目的によって大きく異なる
リード獲得単価(CPL)や支出を抑えるポイント・重要性について解説しました。
「コストを抑えたリード獲得をしたい」と考えていても、自社商品・サービスやターゲット層によって適切なアプローチ方法は異なります。
費用対効果を高めていくためにも、マーケティングの知識やコストを抑えられる手法を見つけることが重要になるのです。
テクロ株式会社では「WEBマーケティングの教科書」を発行しています。
企業が抱えるWebマーケティングの課題やテクロが実践する手法などを解説しています。
気になる方は、参考にしてみてください。