オウンドメディアKPI設定完全ガイド|成果を可視化し事業貢献を証明する方法

「PVは伸びているのに、売上への貢献度が説明できない…」
「上司からオウンドメディアの成果を問われ、具体的な数字で答えられない…」
オウンドメディアの運用を担当する中で、このような悩みを抱えていませんか。
アクセス数は増えていても、それがどう事業に結びついているのかを論理的に示せなければ、社内での評価を得ることは難しく、最悪の場合、予算削減につながる可能性もあります。
この記事では、そんなあなたのための「羅針盤」となるKPI設定の完全ガイドをお届けします。
感覚的な運用から脱却し、データに基づいて事業貢献を可視化する方法を学びましょう。
最終的には、自信を持って成果を報告し、戦略的なメディア運営を実現できるようになります。
なお、テクロ株式会社では「オウンドメディア作成マニュアル」資料を無料で配布しています。
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目次
- 1 なぜオウンドメディアにKPI設定が不可欠なのか?「成果が出ない」を防ぐ羅針盤
- 2 【基本のキ】KPI・KGIの違いを1分で理解する
- 3 【テンプレート付】事業貢献を可視化する「KPIツリー」の作り方
- 4 【目的・フェーズ別】オウンドメディアで設定すべきKPI一覧と具体例
- 5 【業界別】オウンドメディアKPIのベンチマーク(目標数値の目安)
- 6 【独自事例で解説】BtoBに強いテクロ社のKPI改善実績
- 7 【上級者向け】GA4×BigQuery連携でKPI分析を深化させる方法
- 8 KPIモニタリングに役立つおすすめツール5選
- 9 オウンドメディアKPI設定でよくある5つの落とし穴と回避策
- 10 まとめ:成果に繋がるKPI設定で、自信を持ってオウンドメディアを推進しよう
なぜオウンドメディアにKPI設定が不可欠なのか?「成果が出ない」を防ぐ羅針盤
オウンドメディアの運用において、KPI《けーぴーあい》設定は施策の成否を分ける極めて重要なプロセスです。
なんとなく記事を更新しているだけでは、時間とコストを浪費し、期待した成果を得ることはできません。
KPIは、ゴールまでの道のりを照らし、進むべき方向を明確にする「羅針盤」の役割を果たします。
オウンドメディア運用については、こちらの記事もあわせてご参照ください。
→オウンドメディアの目的とは?成功に導く4つの役割と始め方を徹底解説
「PV数だけ」を追う運用の危険性とは?
オウンドメディア運用でよく陥りがちなのが「PV至上主義」です。
もちろんPV(ページビュー)は重要な指標の一つですが、それだけを追い求めることには大きな危険が潜んでいます。
なぜなら、PV数はあくまで「どれだけ見られたか」を示す量的な指標に過ぎないからです。
たとえPV数が多くても、それが自社のターゲット顧客でなければ、最終的な売上や問い合わせにはつながりません。
PV数という「虚栄の指標」に囚われると、事業貢献度を測れず、メディアの本当の価値を証明できなくなるリスクがあります。
適切なKPIがもたらす3つのメリット
KPIを適切に設定することで、オウンドメディア運用は劇的に改善されます。
具体的には、以下のようなメリットが生まれます。
- データに基づく意思決定が可能になる
- 感覚や経験則ではなく、客観的なデータに基づいて「どのコンテンツを強化すべきか」「どの流入経路が有効か」といった戦略的な判断を下せるようになります。
- これにより、限られたリソース(人・時間・予算)を最も効果的な活動に集中できます。
- チーム内の目標共有と連携強化
- 「今月はCV数を10%増やす」といった具体的なKPIをチーム全体で共有することで、メンバー全員が同じ目標に向かって動けるようになります。
- ライター、編集者、マーケター間の連携がスムーズになり、施策の一貫性が高まります。
- 経営層への論理的な成果報告
- 「PVがこれだけ増え、そこから〇件のリードが生まれ、商談化率は△%でした」というように、事業貢献度を数字で明確に報告できます。
- これにより、上司や経営層の理解と納得を得やすくなり、メディアの予算確保や担当者としての評価向上につながります。
【基本のキ】KPI・KGIの違いを1分で理解する
KPIについて深く理解するためには、その上位概念であるKGI《けいじーあい》との関係性を把握することが不可欠です。
この2つの指標はよく混同されがちですが、役割は明確に異なります。
以下の表で、その違いを整理してみましょう。
用語 | 読み | 意味 | オウンドメディアでの例 |
---|---|---|---|
KGI | けーじーあい | Key Goal Indicator(重要目標達成指標)。事業における最終的なゴールを示す指標。 | 売上高〇〇円、新規契約数〇〇件、利益率〇% |
KPI | けーぴーあい | Key Performance Indicator(重要業績評価指標)。KGIを達成するための中間プロセスを測る指標。 | 月間リード獲得数、商談化率、CPA、CVR |
簡単に言えば、KGIが「山の頂上(最終ゴール)」だとすれば、KPIは「頂上へ至るまでの中間地点にあるチェックポイント(中間目標)」です。
KPIを一つひとつクリアしていくことで、最終的にKGIの達成が見えてきます。
KGI(重要目標達成指標):事業の最終ゴール
KGIは、オウンドメディア単体の目標ではなく、会社全体の事業戦略と直結する最終ゴールです。
「オウンドメディアを通じて、事業の売上を年間5%向上させる」といった形で設定されます。
このKGIが曖昧だと、その後のKPI設定もすべて的外れになってしまうため、最初に明確に定義することが最も重要です。
KPI(重要業績評価指標):KGI達成に向けた中間指標
KPIは、設定したKGIを達成するために、具体的にどのような行動や数値を追うべきかを示す中間指標です。
例えば、「事業の売上を年間5%向上させる」というKGIに対し、「そのために必要な問い合わせ数を月間100件獲得する」といった指標がKPIになります。
KPIはKGIを分解して作られるため、両者は常に論理的な親子関係で結ばれています。
【テンプレート付】事業貢献を可視化する「KPIツリー」の作り方
KGIからKPIを論理的に導き出すための強力なフレームワークが「KPIツリー」です。
これは、最終目標であるKGIを頂点に置き、それを達成するための要素(KPI)を樹形図のように分解していく手法です。
KPIツリーを作成することで、日々の活動が最終ゴールにどう繋がっているのかが一目瞭然になります。
STEP1:KGI(最終ゴール)を事業目標から設定する
まずは、自社の事業目標に立ち返り、オウンドメディアが貢献すべき最終ゴール(KGI)を明確にします。
このとき、経営層や事業責任者としっかり認識を合わせることが重要です。
業態の例 | KGIの例 |
---|---|
BtoB SaaS企業 | ・月間有効リード獲得数:50件 ・年間受注金額:3,000万円 |
Eコマースサイト | ・年間売上高:1億円 ・新規顧客獲得数:5,000人 |
人材紹介会社 | ・月間キャリア相談申込数:100件 ・採用決定人数:10人 |
STEP2:KGIを構成要素に分解し、KPIを洗い出す
次に、設定したKGIを数式や要素に分解していきます。
例えば、KGIが「月間有効リード獲得数:50件」だった場合、以下のように分解できます。
- リード獲得数 = サイトへのセッション数 × CVR(コンバージョン率)
- サイトへのセッション数 = 各流入経路(自然検索, SNS, 広告など)からのセッション数の合計
- 自然検索セッション数 = 各キーワードの表示回数 × クリック率(CTR)
このように分解していくことで、KGI達成のために追うべき具体的なKPI(セッション数、CVR、クリック率など)が洗い出されます。
これがKPIツリーの幹や枝葉となっていきます。
STEP3:各KPIにSMARTな目標数値を設定する
洗い出したKPIには、具体的で測定可能な目標数値を設定します。
その際に役立つのが「SMART」というフレームワークです。
SMART | 意味 | オウンドメディアでの考え方 |
---|---|---|
Specific | 具体的か | 「PVを増やす」ではなく「〇〇というキーワードで1位を獲得し、月間1,000 PVを達成する」 |
Measurable | 測定可能か | 「認知度を高める」ではなく「指名検索数を月間500件に増やす」 |
Achievable | 達成可能か | 過去のデータやリソースを基に、現実的な目標数値を設定する |
Relevant | 関連性があるか | 設定したKPIが、上位のKGI達成に直接関連しているかを確認する |
Time-bound | 期限が明確か | 「いつまでに」達成するのかを明確にする(例:3ヶ月後、年度末まで) |
SMARTの法則に沿って目標設定することで、KPIが具体的で実行可能なものになります。
【目的・フェーズ別】オウンドメディアで設定すべきKPI一覧と具体例
「結局、うちのメディアではどのKPIを見ればいいの?」という疑問にお答えします。
設定すべきKPIは、オウンドメディアの「目的」と「成長フェーズ」によって異なります。
ここでは、それぞれのケースで重視すべきKPIを具体的に解説します。
目的①:認知拡大・ブランディング
まずは多くの人々に自社やサービスを知ってもらうことを目的とする場合です。
直接的な売上よりも、ブランドの認知度や信頼性の向上を重視します。
- KGIの例: 指名検索数、ブランド名のSNS言及数
- 主要なKPI:
- PV(ページビュー)数、UU(ユニークユーザー)数
- SNSでのシェア数、エンゲージメント率
- 被リンク獲得数
- 記事の読了率、平均滞在時間
- 新規ユーザーの割合
目的②:リードジェネレーション(見込み客獲得)
多くのBtoB企業が最も重視する目的です。
オウンドメディアを通じて、将来顧客となりうる見込み客の情報を獲得します。
- KGIの例: 月間有効リード獲得数、商談化数、受注数
- 主要なKPI:
- CV(コンバージョン)数(資料請求、問い合わせ、セミナー申込など)
- CVR(コンバージョン率)
- CPA(リード獲得単価)
- 記事別、流入経路別のCV数・CVR
目的③:リードナーチャリング(顧客育成)
すでに獲得した見込み客や既存顧客に対し、有益な情報を提供し続け、購買意欲を高めたり、ファンになってもらったりすることを目的とします。
- KGIの例: LTV(顧客生涯価値)、リピート購入率、アップセル・クロスセル率
- 主要なKPI:
- メルマガ登録数・開封率・クリック率
- MA(マーケティングオートメーション)ツールでのスコアリング
- 特定コンテンツ(導入事例、活用方法など)の閲覧数
- NPS®(ネットプロモータースコア)
フェーズ別KPI:立ち上げ期・成長期・成熟期で見るべき指標は変わる
メディアの成長段階によっても、追うべきKPIの優先順位は変化します。
フェーズ | 主な目的 | 重視すべきKPIの例 |
---|---|---|
立ち上げ期(〜6ヶ月) | まずはアクセスを集め、メディアの存在を認知させる | ・PV数、UU数 ・検索順位 ・SNSからの流入数 ・回遊率 |
成長期(6ヶ月〜2年) | アクセスをコンバージョンに繋げ、見込み客を獲得する | ・CV数、CVR ・CPA(リード獲得単価) ・オーガニック検索からの流入比率 |
成熟期(2年〜) | 投資対効果を最大化し、事業貢献度を高める | ・商談化率、受注率 ・ROI(投資収益率) ・LTV(顧客生涯価値) ・チャネル別の収益貢献度 |
自社のメディアがどのフェーズにあるのかを客観的に把握し、適切なKPIに焦点を当てることが重要です。
【業界別】オウンドメディアKPIのベンチマーク(目標数値の目安)
「目標数値はどれくらいに設定すればいいの?」という疑問は当然です。
ここでは、一般的な業界別のKPIベンチマークをご紹介します。
ただし、これらはあくまで目安であり、商材の価格やターゲットによって大きく変動するため、自社の過去データと比較しながら調整することが重要です。
BtoB(SaaS・ITサービスなど)のKPIベンチマーク
BtoBビジネスでは、リード獲得を目的とすることが多いため、CVRや商談化率が重要な指標となります。
- 資料ダウンロードのCVR: 1% 〜 5%
- 問い合わせ・見積もりのCVR: 0.5% 〜 2%
- リードからの商談化率: 5% 〜 20%
- CPA(リード獲得単価): 5,000円 〜 30,000円
EコマースのKPIベンチマーク
Eコマースでは、直接的な売上がゴールとなるため、購入に関する指標が中心です。
- 購入CVR: 1% 〜 3%
- 平均顧客単価(AOV): 商材により大きく異なる
- リピート購入率: 20% 〜 40%
- カート放棄率: 60% 〜 80%
【独自事例で解説】BtoBに強いテクロ社のKPI改善実績
理論だけでなく、実際の成功事例を通じてKPI設定と運用の効果を具体的にご紹介します。
私たちテクロ株式会社は、BtoBマーケティングに特化した支援で、多くの企業のオウンドメディアを成功に導いてきました。
事例1:1年でPV数8733%増!資料請求0件→月168件を実現したコンテンツ戦略(株式会社サムシングファン様)
動画制作を手がける株式会社サムシングファン様は、オウンドメディアのアクセス数やリード獲得に課題を抱えていました。
- 課題(Before):
- 月間PV数が1.5万PVで伸び悩んでいた。
- オウンドメディアからの資料請求は月に0件だった。
- 施策(Action):
- 徹底したキーワード分析に基づき、顧客の課題を解決する質の高いコンテンツを戦略的に制作・公開。
- テクニカルSEOとコンテンツSEOの両面からサイト構造を改善。
- 成果(After):
- 支援開始から1年で、月間PV数が 132万PV に到達(8733% 増加)。
- 資料請求数は 月平均168件 を安定して獲得できるようになった。
この事例では、「PV数」と「資料請求数」を主要KPIとして追い続け、コンテンツの質と量を担保することで、KGIであるリード獲得数の最大化に成功しました。
事例記事:PV25倍!コンテンツマーケティングでサイト価値を高め営業に有効活用|株式会社サムシングファン様
事例2:問い合わせ数3倍!営業とマーケの連携で商談化率10%向上(株式会社アジャイルウェア様、スリーアールソリューション株式会社様)
オウンドメディアの成果を最大化するには、マーケティング部門と営業部門の連携が不可欠です。
- 課題(Before):
- Webサイトからの問い合わせは来るものの、商談に繋がりにくい。
- 営業担当者が顧客のWeb上での行動履歴を把握できていなかった。
- 施策(Action):
- HubSpot(MA/CRMツール)を導入し、マーケティングと営業の情報を一元管理。
- オウンドメディアで獲得したリードの行動(どの記事を読んだかなど)を可視化し、営業担当者に共有。
- 成果(After):
- 株式会社アジャイルウェア様では、問い合わせ数が 3倍 に増加。
- スリーアールソリューション株式会社様では、営業とマーケティングの連携が加速し、商談化率が10%向上した。
この事例のように、オウンドメディアのKPI(問い合わせ数)だけでなく、その先の営業プロセスにおけるKPI(商談化率)までを一気通貫で見ることで、事業全体への貢献度を高めることができます。
事例記事:商談化促進を目指し、HubSpotで営業状況の見える化を実現。営業とマーケの連携も加速 | スリーアールソリューション株式会社
【上級者向け】GA4×BigQuery連携でKPI分析を深化させる方法
データドリブンな運用をさらに高いレベルで目指すなら、Google Analytics 4 (GA4) と BigQuery の連携が強力な武器になります。
専門的な内容になりますが、この連携によって、GA4の管理画面だけでは見えない詳細なユーザー行動を分析し、より精度の高いKPI測定と改善施策に繋げることが可能です。
BigQuery連携で可能になる高度なKPI分析とは?
BigQueryと連携することで、GA4から生(ロー)データを出力し、自由に加工・分析できるようになります。
これにより、以下のような高度な分析が可能です。
- ユーザー単位でのLTV(顧客生涯価値)の計測
- コンバージョンに至ったユーザーの詳細な行動パス分析
- CRMデータなど外部データと連携させた統合分析
- SQLを使った複雑な条件でのユーザーセグメント作成
連携の基本ステップとサンプルクエリ
連携は、GA4の管理画面から数クリックで設定できます。
- Google Cloud Platform (GCP) でプロジェクトを作成する。
- GA4 の管理画面を開き、「サービス間のリンク設定」から「BigQuery のリンク」を選択する。
- GCPプロジェクトを選択し、データを出力するリージョンを選んで設定を完了する。
連携が完了すると、日次でデータがBigQueryにエクスポートされます。
例えば、特定のページを閲覧したユーザー数を集計したい場合、以下のようなSQLクエリを実行します。
SELECT
COUNT(DISTINCT user_pseudo_id) AS user_count
FROM
`your-project-name.analytics_xxxxxxxxx.events_*`
WHERE
event_name = 'page_view'
AND (SELECT value.string_value FROM UNNEST(event_params) WHERE key = 'page_location') LIKE '%/example-page-path/%'
このように、SQLを駆使することで、自社のKPIに合わせて自由なデータ分析が可能になります。
KPIモニタリングに役立つおすすめツール5選
設定したKPIは、定期的に測定し、チームで共有することが重要です。
ここでは、KPIのモニタリングと可視化に役立つツールをカテゴリ別に紹介します。
ツールカテゴリ | ツール名 | 主な用途・特徴 |
---|---|---|
基本分析 | Google Analytics (GA4) | PV, UU, CVR, 流入経路など、基本的なWebサイト指標の分析。無料で利用可能。 |
基本分析 | Google Search Console | 検索順位, 表示回数, クリック率(CTR)など、自然検索に関する指標の分析。無料で利用可能。 |
可視化/BI | Looker Studio (旧Googleデータポータル) | GA4やSearch Consoleのデータを連携し、自動更新されるダッシュボードを作成。KPIの定点観測に最適。 |
可視化/BI | Tableau | 高度なデータ可視化と分析が可能なBIツール。大量のデータを扱う場合に強力。 |
MA/CRM | HubSpot | リード獲得から商談化、受注までを一元管理。マーケティングと営業を横断したKPI分析が可能。 |
こちらの記事では、コンテンツマーケティングに用いるツールについて解説しています。
→コンテンツマーケティングツール完全ガイド2025|中小企業担当者が成果を出す選び方・目的別おすすめ厳選&成功事例
オウンドメディアKPI設定でよくある5つの落とし穴と回避策
最後に、KPI設定で陥りがちな失敗パターンとその回避策をまとめました。
これらを事前に知っておくことで、より効果的なKPI運用が可能になります。
- 落とし穴1:KGIとKPIの関連性が低い
- 回避策:必ずKPIツリーを作成し、KGIから逆算してKPIを設定する。全てのKPIが「なぜこの指標を追うのか?」をKGIに結びつけて説明できるようにする。
- 落とし穴2:KPIの数が多すぎる
- 回避策:見るべき指標を3〜5個程度に絞る。目的とフェーズを考慮し、今最も重要なKPI(最重要KPI)を一つ決める。
- 落とし穴3:非現実的な目標数値を設定してしまう
- 回避策:SMARTの法則、特に「Achievable(達成可能か)」を意識する。過去のデータや競合の状況を参考に、現実的な目標を設定する。
- 落とし穴4:KPIを一度設定したきり見直さない
- 回避策:市場や事業の状況は変化するため、四半期に一度など、定期的にKPIツリー全体を見直す機会を設ける。
- 落とし穴5:KPIがチーム内で共有されていない
- 回避策:作成したKPIツリーやダッシュボードは、関係者全員が見える場所に保管・共有する。定例会議などで進捗を確認し、チーム全体の目線を合わせる。
まとめ:成果に繋がるKPI設定で、自信を持ってオウンドメディアを推進しよう
オウンドメディアの成果を最大化するためには、データに基づいた戦略的なKPI設定が不可欠です。
本記事の要点を以下にまとめます。
- KGIは「最終ゴール」、KPIは「中間目標」であり、KPIツリーで両者を論理的に結びつける。
- KPIはオウンドメディアの「目的」と「成長フェーズ」に応じて設定する。
- SMARTの法則を活用し、具体的で達成可能な目標数値を設定する。
- 成功事例を参考にし、自社のKPI運用に活かす。
- ツールを活用してKPIを定点観測し、定期的に見直しを行う。
KPI設定は、単なる数値管理ではありません。
これは、あなたの活動の価値を証明し、事業への貢献を可視化するための強力なコミュニケーションツールです。
さあ、まずは自社のKGIを確認し、この記事を参考にKPIツリーの作成から始めてみませんか。
「自社だけでは適切なKPI設定が難しい」「BtoBマーケティングのプロに相談したい」という方は、ぜひ一度テクロ株式会社にご相談ください。
貴社のビジネスを成功に導くための最適な戦略をご提案します。
なお、テクロ株式会社では「オウンドメディア作成マニュアル」資料を無料で配布しています。
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「オウンドメディア作成マニュアル」をチェック!
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- 担当者が抱えるオウンドメディアの課題
- オウンドメディアを作る手順
- オウンドメディアを作るにあたって大切なこと
オウンドメディアの基本から立ち上げまでの手順を解説しています。「オウンドメディア作成マニュアル」をお気軽にダウンロードください。
GA4とBigQueryを連携させるメリットは何ですか?
GA4とBigQueryの連携により、データを自由に加工・分析できるため、ユーザーの行動パスの詳細把握やLTVの算出、外部データとの統合など高度な分析が可能になります。この連携によって、より精度の高いKPI測定と改善策を実施できるようになります。
KPI設定におけるよくある落とし穴は何ですか?
代表的な落とし穴には、KGIとKPIの関連性が低いこと、多すぎる指標の設定、非現実的な目標値の設定、定期的な見直し不足、そしてチーム内での共有不足があります。これらを避けるためには、明確な関連付けや適正な指標数、現実的な目標設定と定期的な見直しが重要です。
効果的なKPIツリーの作り方は何ですか?
まずKGI(最終ゴール)を設定し、それを達成するための要素に分解します。その後、具体的なKPIを洗い出し、SMARTの法則に従って目標値を設定します。最後に、これらを論理的に繋げて全体像を把握できるツリー構造を作成します。
KPIとKGIの違いは何ですか?
KGIは最終的な事業のゴール(山の頂上)を示す指標であり、売上高や契約数などです。一方、KPIはそのゴールを達成するための中間ポイント(チェックポイント)であり、具体的な活動や数値を測定します。両者は論理的に結びついています。
オウンドメディアにおいてKPI設定が重要な理由は何ですか?
KPI設定は施策の成否を左右し、目的に沿った進行と事業貢献を可視化するために不可欠です。適切なKPIがあれば、明確な方向性を持って効率的な運用が可能となり、経営層への報告やチーム間の連携も強化されます。