オウンドメディアの費用対効果は?効果を高める6つのポイントを紹介
オウンドメディアでコストに見合った効果を得られるかどうかは、導入してすぐにはわかりません。
そのため、オウンドメディアの導入になかなか踏み切れないという方は多いでしょう。
オウンドメディアの費用対効果を考えるには、運営目的やかかったコストなどさまざまな要因を踏まえる必要があります。
この記事では、オウンドメディアの費用対効果への考え方や効果の高め方について解説します。
オウンドメディアを効果的に運用したい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
オウンドメディアの費用対効果を考える前に確認すべきこと
オウンドメディアの費用対効果と一口で言っても、運営する目的によって考え方や測定方法は異なります。
費用対効果を考える前に、まずは自社におけるオウンドメディアの目的を確認しておきましょう。
オウンドメディアを運営する目的は、主に次の3つがあります。
- リード獲得・売上アップ
- 自社やサービス・商品の認知拡大
- 人材採用
例えばリード獲得が目的の場合、オウンドメディアのPV数がなかなか増えなくても、問い合わせ件数が増えていれば効果があると判断できるでしょう。
オウンドメディアの目的については、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:オウンドメディアの意味とは?役割とスムーズな運用方法を紹介
具体的な費用対効果の測定方法については、次から説明していきます。
オウンドメディアの費用対効果を測定する方法
オウンドメディアの費用対効果を測定する方法は、運営の目的によって考え方が異なります。
以下の3つのパターンに分けて解説します。
- 売上アップ
- リード獲得
- 認知拡大や人材採用
具体的な方法について、次からくわしく解説します。
売上アップ
オウンドメディアを通じて売上が得られる場合、費用対効果は売上から算出できます。
費用対効果(%)=売上÷オウンドメディア運営費×100
例えば、1年の累計売上が1,400万円でメディア運営に年間で1,000万円かかった場合の費用対効果は、上記の式に当てはまると140%です。
1,400万円÷1,000万円×100=140(%)
売上だけでは費用対効果がわかりにくい場合、ROI(Return on Investment)を計算して費用対効果を算出します。
ROIとは、投資した額に対してどれだけ利益が得られたかを示す指標であり、費用対効果と同義として扱われます。
ROI(%)=利益金額÷投資金額×100
なお、利益金額については次の式で計算できます。
利益金額=売上―売上原価―投資金額
例えば、利益金額が1,400万円としましょう。
投資金額には、オウンドメディア運営費が当てはまり、1,000万円になります。
ROIを計算すると、次のようになります。
1,400万円÷1,000万円×100=140(%)
つまり、オウンドメディア運営費に対する利益率は140%であることがわかります。
リード獲得
一方で、オウンドメディアがリード獲得までを目的としている場合は、リード獲得件数とリード獲得単価(CPL)から費用対効果を求めます。
リード獲得単価(CPL)とは、リード1件を獲得するのにかかる費用を指します。
例として、オウンドメディアからリードを2,500件獲得した場合を考えてみましょう。
従来の広告によるリード獲得単価は5,000円、運営費は1,000万円とすると、費用対効果は次の計算で求められます。
2,500件×5,000円/件÷1,000万円×100=125(%)
計算の結果、リード獲得の観点からみた費用対効果は、125%だとわかります。
リード獲得単価(CPL)については、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:リード獲得単価(CPL)とは?業界別の相場と費用を抑えるコツ10個
認知拡大や人材採用
オウンドメディアの目的が売上やリード獲得ではなく、自社ブランドの認知拡大や自社にマッチした人材採用の場合は、次の数値を指標にします。
- PV(ページビュー数)
- 新規ユーザー数
- アプローチ数・エントリー数・面談数
次から、くわしく説明していきます。
1.PV(ページビュー)数
PV数を見れば、オウンドメディアのコンテンツがどのくらい閲覧されているかを把握できます。
認知拡大や人材採用が目的の場合、オウンドメディアがどれだけの人に見られているかや繰り返し閲覧されているかは一つの重要な指針です。
ただし、1年後の目標を1万PV達成と決めて実際に達成したとしても、PV数だけではオウンドメディアの費用対効果が必ずしも良いとは限りません。
その他の指標とあわせて費用対効果を検討することが大切です。
2.新規ユーザー数
新規ユーザー数を指標とすることで、初めてオウンドメディアに訪問した人数を確認できます。
つまり、認知拡大にどれだけ影響したかの指標になります。
新規ユーザー数が増えるほど、新しく認知してもらえたことになるため、一定数を維持しているだけでも費用対効果は良いといえます。
3.アプローチ数・エントリー数・面談数
従来の1人あたりの採用コストと、オウンドメディア経由で採用した場合のコストを比較して費用対効果を検討します。
例えば、従来の採用では月額60万円、1年で720万円の費用が必要な求人サイトを利用しているとしましょう。
また、オウンドメディアの運営費は1年あたり1,000万円かかったとします。
求人サイトとオウンドメディアそれぞれから得られた応募者のアプローチ数・エントリー数・面談数を比較し、オウンドメディアの方が多ければ、採用コストにおける費用対効果は良いでしょう。
もし、求人サイトからのアプローチ数・エントリー数・面談数の方が多かったとしても、かかった費用をそれぞれの新規採用者数で割れば、1人あたりの採用コストを比較できます。
オウンドメディアの費用対効果を測定するタイミング
オウンドメディアの費用対効果を測定するのに適したタイミングは、立ち上げてから半年〜1年です。
Googleでは、検索エンジンによる順位が安定するには、4か月〜1年かかると言われています。
(参考:Google検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」)
さらに、サイトを立ち上げてすぐはコンテンツの量もまだ不十分であるため、かかっているコストの割に費用対効果は低く感じるでしょう。
しかし、オウンドメディアはすぐに目に見えて効果を得られる手法ではありません。
実際に効果が上がってくるまでに2〜3年はかかることを把握し、社内でも認識を共有しておく必要があります。
オウンドメディアの費用対効果を高める6つのポイント
費用対効果がわかりにくいオウンドメディアですが、できるだけ効果を高めるために押さえておきたいポイントを6つ紹介します。
【ポイント1】中長期的な視点で運営を続ける
オウンドメディアの費用対効果を高めるには、中長期的な視点でwebサイトの運営を継続するのが大切です。
短期的な結果に囚われず、将来的な成果を追求しましょう。
コンテンツの更新や改善を続けることで、長期的な成果を上げられます。
また、ユーザーのニーズやトレンドの動向を常に把握し、サイトを最適化し続けることも重要です。
はじめはオウンドメディアの費用対効果が現れにくく、継続を諦めてしまうケースも少なくありません。
オウンドメディアの費用対効果は長期的な運営によって上がっていくものなので、費用対効果の測定から方向性や予算配分を修正しつつ継続していきましょう。
【ポイント2】成約に近いコンテンツを優先的に作成する
コンテンツを作成する際には、成約に近いコンテンツを優先的に考えましょう。
成約に近いコンテンツとは、購入や契約につながる可能性が高いキーワードで作成したコンテンツのことを指します。
オウンドメディアを始めてすぐには、キーワード検索からのサイト流入数はなかなか伸びません。
まず成約につながるコンテンツから作成することで、集客や売上の向上を図れる上、オウンドメディアの効果を感じやすくなります。
成約に近いコンテンツを作成する際には、まずターゲットとなる顧客のニーズを理解することが重要です。
顧客が何を求めているのかを明確に把握し、応えるコンテンツを作成しましょう。
また、顧客の問題解決を重視するのも大切です。
顧客が抱える悩みや課題について、具体的な解決策を提案することで信頼関係を築けます。
重要なのは、ユーザーが求めている情報や、商品やサービスの購入につながる情報の提供です。
バナーなどのコール・トゥー・アクション(CTA)をうまく配置して、ユーザーの行動を促しましょう。
【ポイント3】コンテンツの質を高める
オウンドメディアの効果を高めるには、コンテンツの質を高める努力も大切です。
コンテンツの質を高めるには、次のような点を見直してみましょう。
- ユーザーの興味やニーズの調査・分析
- コンテンツの独自性
- コンテンツの見やすさ・読みやすさ
- 掲載する情報の正確性・信頼性
- コンテンツの定期的な更新
コンテンツの質を高めるためには、まずは読者の興味やニーズを調査し、分析する必要があります。
具体的なデータや統計を元に、どのようなテーマや形式のコンテンツが人気であるか判断しましょう。
同じような内容のコンテンツがあふれているインターネット上で、読者にとって魅力的なコンテンツを提供するためには、独自の視点や情報を盛り込むことが重要です。
独自性を持った記事は、読者にとって新鮮で興味深いものとなります。
また、信頼性はコンテンツの質を高める上で欠かせません。
情報を提供する際には、著名な情報源や専門家の意見を参考にし、情報を正確かつ客観的に伝えることが求められます。
コンテンツの質を高めるには、読みやすさも重要な要素です。
文言の選び方や文構造、段落の使い方など、読者がスムーズに情報を吸収できるように工夫しましょう。
さらに、コンテンツの質を維持するためには定期的に更新し続ける必要があります。
古くなった情報や古い手法に基づいた記事は読者にとって価値が薄れますので、定期的に情報を見直し、最新のトレンドや情報を反映させましょう。
【ポイント4】すでにあるコンテンツを改良する
すでに公開されたコンテンツの内容をメルマガやウェビナーに再編集して活用すると、制作費を抑えられます。
例えばオウンドメディアに公開した記事の一部をメルマガにして、オウンドメディアへの動線にすることも可能です。
さらに、SNSやメールニュースなどを活用し、既存のコンテンツを再配信するのも効果があります。
オウンドメディアの既存の記事やブログを見直し、不足している情報や追加すべき点を洗い出して情報の追加や更新を行うのも大切です。
適時リライトして、検索流入数を増やす努力をするのも費用対効果を上げるポイントの一つです。
メルマガの作成方法について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:メルマガの作り方の基本8ステップ!クリック率を高めるコツも紹介
ウェビナーについて理解を深めたい場合は、こちらをご覧ください。
関連記事:ウェビナーの意味とは?メリット・デメリットや便利なツール6選を解説!
【ポイント5】自社運営のために編集部を結成する
社内に編集部を立ち上げることで、オウンドメディアの自社運営をスムーズにし、外注にかけるコストを削減するねらいがあります。
編集部は、自社のコンテンツ作成を担当する組織です。
編集長を中心にライターやデザイナー、編集アシスタントなどの専門家を集めます。
編集部の業務はコンテンツの企画を行い、ライターやデザイナーに依頼し、適切な形で記事やビジュアルを制作することです。
制作されたコンテンツの品質チェックや編集作業も編集部の役割です。
編集部は、事例や情報を共有し、チーム全体で知識やノウハウを共有できるメリットがあります。
メンバー同士の学び合いや、常に最新の情報を把握することで、より高品質なコンテンツの制作が可能です。
ただし自社だけではリソースが足りないこともあります。
その場合は、一部の業務を外部委託するなど検討すると、すべて外注するよりもコストをおさえられます。
外部委託を検討している場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアのコンサル会社おすすめ6選 | 選び方とメリットを紹介
【ポイント6】アフィリエイト報酬や広告掲載料も収入源とする
オウンドメディアからの成約やリード獲得による利益だけでなく、アフィリエイト報酬や広告掲載料を得るのも費用対効果を上げる方法の一つです。
自社サービスや商品売上からの利益が少ない時期も、アフィリエイト報酬や広告掲載料が少しでもあれば違います。
アフィリエイトは、自社のコンテンツ内にアフィリエイトリンクを設置し、商品やサービスの紹介を行います。
さらに自社のコンテンツの質や人気によって、他社から広告掲載のオファーを受けることもあるのです。
しかし、広告掲載による収益は大切ですが、読者の利便性や体験を損ねることがないように注意しなければなりません。
広告の配置や表示について検討し、バランスを保ちながらコンテンツの質を維持することが重要です。
また、オウンドメディアを立ち上げてすぐは、PV数や検索流入数が少ないためアフィリエイト報酬や広告掲載料にまとまった額を期待するのは難しいことを知っておきましょう。
オウンドメディアの費用相場
オウンドメディアの費用対効果を考える際に、まずはどれだけ構築・運営に費用がかかるかを知っておくことが大切です。
オウンドメディアの費用は、内製するか外注するか、どのようなコンテンツを作成するかによっても大きく異なります。
ここでは、オウンドメディアの費用について内製する場合と外注する場合の相場を紹介します。
内製する場合
オウンドメディアを自社で内製する場合、初期費用はCMS利用料・ドメイン料金だけなので数千円〜2万円です。
また、運用もすべて社内でまかなうならば、発生するのは人件費のみです。
完全に外注するよりもコストは抑えられますが、すべて自社で運営するとなると多くのリソースが必要になり、その分人件費がかかります。
オウンドメディアを効果的に運用していくためにはSEOの知識やサイト分析のスキルが欠かせないため、自社にノウハウがない場合は部分的に外注に頼るのもいいでしょう。
外注する場合
外注する範囲によって、費用は大きく変わります。
オウンドメディアの戦略やデザイン構築など一から任せる場合、初期費用の相場は100万円程度です。
どのようなオウンドメディアを構成するかによってかなり幅があります。
また、記事作成や効果測定など、サイト運用を委託する場合の費用相場はおよそ5万〜30万円です。
記事作成のみ外注する場合は、クラウドソーシングサイトなどを利用すると費用を抑えられますが、発注するライターのスケジュール管理や内容確認に手がかかります。
SEO施策やPV数アップなどのアドバイスをもらったり施策してもらう場合は、20万円以上必要です。
依頼する範囲でも費用は変わるため、多くの会社を比較しながら検討するのが大切です。
オウンドメディアの構築・運営を外注する費用については、こちらも参考にしてください。
関連記事:オウンドメディアの構築・運用の費用は?項目別の相場を徹底解説
外注先を探している場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:おすすめのオウンドメディア制作会社10選!選び方のポイントも解説
収益だけではないオウンドメディアの効果5つ
オウンドメディアには、収益に直結するだけでなく他にもさまざまな効果があります。
主に得られる効果として、次の5つが挙げられます。
- 商品・サービスの認知向上
- ブランディング
- 自社にマッチした人材の求人
- 資産になる
- 広告費の削減
次から、詳しく説明していきます。
【効果1】商品・サービスの認知向上
オウンドメディアに商品やサービスのアウトラインを記事にまとめることで、より多くの人に情報を伝えられます。
記事を目にした読者は、自社の商品やサービスについての理解を深め、興味を持つ可能性が高まります。
また、記事は情報発信の手段としての活用も可能です。
SNSやメルマガなどで記事を紹介することで、多くの人に情報を届けられます。
これにより、商品やサービスの認知度の向上に役立ちます。
【効果2】ブランディング
オウンドメディアで良質なコンテンツや情報を提供することで、ユーザーと信頼関係の構築が可能です。
信頼関係ができて自社のブランドイメージが向上すれば、競合他社との差別化を図って顧客のロイヤルティ向上にもつながります。
さらに、オウンドメディアを活用することで、ブランドのイメージを効果的に向上できるのです。
オウンドメディアを使ってブランドのメッセージを伝えることで、共感したユーザーに認知してもらえます。
また、SNSなど他のメディアとの連携や広告キャンペーンと組み合わせることで、ブランドの認知度をいっそう高められるでしょう。
オウンドメディアのブランディングについては、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアでブランディングするメリットや可能性とは?成功事例と併せて解説
【効果3】自社にマッチした人材の採用
オウンドメディアを使って、自社の仕事の魅力や文化を具体的に伝えられます。
求職者は自社のオウンドメディアを見ることで、仕事環境や求められているスキルを理解できます。
これにより、求職者は自社の価値を認識し、興味を持ち、応募する意欲を高められるでしょう。
オウンドメディアを使って、自社の求める人材像や求人条件を明確に伝えることで、適切な人材の採用を促進できます。
求職者はオウンドメディアを参考にし、自社の求めるスキルや経験がマッチするかどうかを判断できます。
このようにして、適職の候補者が応募する確率を高められるのです。
【効果4】資産になる
オウンドメディアを構築してすぐに収益につながらなくても、一度公開したコンテンツはネット上に残り続けるため、資産の一つになります。
オウンドメディアの訪問者数やPV数が伸びていくと、以前作成したコンテンツからもリードが獲得できるが可能性が高まります。
資産として活用するには、継続的な更新やリライトが欠かせません。
思ったような費用対効果が得られないといってすぐに辞めてしまわずに、長期的な運営を目指しましょう。
運用を継続するためには、安定して制作できる体制を整えることが大切です。
【効果5】広告費を削減できる
オウンドメディアの運営が軌道にのって集客できるようになると、これまでかかっていた広告費の削減が可能です。
例えばWeb広告では、1人送客するごとに費用が発生します。
また、広告掲載料自体も近年は高騰しており、集客のために必要といえど広告費はかなり負担が大きいでしょう。
オウンドメディアで上位検索されるようになれば、集客数は増えていきます。
今までの広告費を大幅に減らし、他の施策に充てていくことも可能です。
まとめ:オウンドメディアの費用対効果を考える時は中長期的な視点が必要
オウンドメディアの費用対効果は、立ち上げてすぐに計算すると悪いと感じられるかもしれません。
オウンドメディアは、中長期的な運営によって効果が上がっていく施策です。
コンテンツの蓄積によって、集客や問い合わせ数は伸びていきます。
オウンドメディアの費用対効果を高めるためには、コンテンツの質を高めたり改良していくだけでなく、中長期的に更新を続けていくのが大切です。
自社のオウンドメディアの効果を高めたいという方は、「記事の効果測定方法と原因に合った改善策」の資料を参考にしてください。
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