オウンドメディアの成功事例18選と企業一覧。失敗しない構築・運用の共通点は?
オウンドメディアは、広告費をかけずに自社製品の認知を広げたり、顧客との初回接触の機会を創出できることで人気の高いインターネットマーケティング手法です。
しかし、
- そもそもどのようなメディアを立ち上げたら良いのかわからない
- 立ち上げたものの思ったような効果が出ない
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、オウンドメディアの成功事例とオウンドメディアで失敗しないためのコツを紹介していきます。
オウンドメディアの立ち上げや、ビジネスへの活用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、テクロ株式会社では「Webメディア作成マニュアル」資料を無料で配布しています。
マーケティング会社が実践しているWebメディアの作り方を知りたいBtoB企業様はぜひご確認ください。
目次
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業が運営しているWebメディアの総称です。
ただし、企業が運営しているWebメディアと言っても、広告で収益を上げることを目的として運営されているキュレーションメディアやアフィリエイトメディアなどは当てはまりません。
あくまで、自社で実施しているビジネスと関連する情報を発信しているWebメディアを、オウンドメディアと呼びます。
オウンドメディアは、自社で実施するビジネスと関連する情報を発信していく中で自社の製品やサービスを紹介し、購入や利用につなげていくことを目的に運営されています。
オウンドメディアについては以下の記事で詳しく紹介しているので、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
関連記事:オウンドメディアとは?立ち上げる目的やメリット・デメリットについて解説
注目される背景
オウンドメディアが注目される要因としては、インターネットやSNSが普及したことによる、消費行動の変化が挙げられます。
スマートフォンの普及とともに、消費者はインターネットやSNSを通して自由に情報に触れられるようになりました。
結果的に、消費者は商品やサービスを選定する際に、情報を調べてから意思決定をするようになります。
今までの広告手法では、ユーザーに必要な情報量を提供できなくなっているため、マーケティング手法を変えていく必要があるのです。
情報発信が重要視される現代において、オウンドメディアは環境に適した手法といえるでしょう。
コンテンツマーケティングとの相性
オウンドメディアは、コンテンツマーケティングと非常に相性の良い手法といえます。
コンテンツマーケティングは、動画やSNS、メールマガジンなどのコンテンツを通して情報発信を行うマーケティング手法です。
コンテンツには、Webサイトやブログなどの記事も該当し、オウンドメディアはコンテンツマーケティングの一部ともいえます。
オウンドメディアは、自社の事業に関連する情報発信の場所として非常に有効な手段といえます。
また、見込み客の獲得や顧客との関係構築など、コンテンツマーケティングの成功に大きく貢献できるでしょう。
オウンドメディアとコンテンツマーケティングの違いについて詳しく知りたい場合は、以下を参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアとコンテンツマーケティングの違いと成功戦略を解説
オウンドメディアを運用する企業の目的
オウンドメディアを運用する際の目的として4つの項目が挙げられます。
本項ではそれぞれの詳細について解説します。
自社のブランディング
自社の商品・サービスの情報を自由に掲載できるオウンドメディアは、ブランディングに活用できます。
自社の情報を定期的に発信していくことで、ブランドイメージを高めて自社のファンを増やしていけるでしょう。
「顧客が求めていること」を常に把握し、専門性の高い自社独自のコンテンツ配信を続けて「〇〇ならこの会社」と、第一想起を取れば、売上や利益の増加にもつながります。
採用活動の強化
新しい人材の確保には、費用をかけ外部の求人媒体へ出稿することが一般的な手法です。
しかし採用が確定した後に、求人媒体への追加費用が必要となる・入社後にミスマッチが発覚するリスクもゼロではありません。
ですが、オウンドメディアで
- 自社の理念
- 社内の雰囲気
- 実際に働いている社員の様子
を取り上げることで、費用を抑えながら自社にマッチした人材からの募集を集めることが可能です。
見込み顧客との最初の接点づくり(タッチポイント)
SEOを実施し、自社オウンドメディアを検索結果の上位に表示できるようになれば、見込み顧客(リード)との最初の接点を作ることも可能です。
ユーザーの役に立つ情報や、興味・関心の高いコンテンツを制作し発信することで、訪問者数が増え検索順位も上がり、より多くのユーザーとの接点を増やせます。
初めてオウンドメディアを訪れたユーザーから、自社に対して良い印象を抱いてもらえれば新規顧客や有力顧客となる期待も持てるため、コンテンツ制作やSEOにも力を入れていきましょう。
広告費用削減(リードや成約の獲得)
広告は一度止めてしまえばアクセスが減少する傾向があるのに対し、オウンドメディアは更新を止めても、今まで制作したものが財産になり一定のアクセスを維持できる特徴があります。
中長期的な目線で見れば、オウンドメディアはコンテンツを一定以上の質と量で制作することで、長期に渡り安定したユーザー流入を見込めます。
予算や工数の都合でオウンドメディアの更新が難しくなったとしても、積み上げた資産で広告費を抑えた集客を実施することも可能です。
広告とオウンドメディアを上手に使い分けながら、広告費用を抑えたアクセス増加を狙いましょう。
採用オウンドメディアの成功事例:ブランディングを意図した取り組み
ここでは、オウンドメディアの成功事例のうち、ブランディングを意図した取り組みについて紹介します。
オウンドメディアを通した自社の情報発信によって、ブランドイメージの向上に貢献した事例を見ていきましょう。
1.mercan(株式会社メルカリ)
引用元:mercan
「mercan」は、人気のフリマアプリ「メルカリ」の運営元である株式会社メルカリが運営しているオウンドメディアです。
一般的なオウンドメディアが、顧客や取引先に向けた情報発信を行うことに対して、mercanは自社を志望する就活生向けのメディアとなっています。
採用向けのオウンドメディアとしては、かなり早い段階からメディアを立ち上げていて、まさにパイオニア的な存在です。
就活や転職を行う場合は、志望者が自ら情報収集を行い、エントリーシートや面接の対策を行うことが一般的です。
メルカリのようにオウンドメディアを設けて、自社の情報をあえて発信することで、採用のミスマッチを減らせます。
オウンドメディアリクルーティングは、成果が数値化しにくいため成果に関するデータは公表されていません。
しかし、メルカリの採用面接に来る応募者のほとんどが「mercan」を見て応募を決めたと話しています。
「mercan」が成功した理由
「mercan」が成功した理由は、以下の2つが挙げられます。
- 包み隠さずありのままの姿を発信した
- 更新頻度を維持し、会社全体で取り組んだ
メルカンでは仕事のことだけではなく、記事によって取材対象の幼少期や学生時代のことを書くことで「一緒に働く仲間のイメージ」がつきやすくなるよう工夫。
また更新頻度を一定に維持し、会社全体で支えるメディアという共通認識のもと運営しています。
KPIも設定せず、反応や効果を見ながら発信をすることで、社内外で読まれるコンテンツを生み出しています。
ターゲット層 | メルカリへの入社を考えているユーザー |
コンセプト | メルカリの「人」を伝える |
得られた効果 |
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オウンドメディアリクルーティングについては以下の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
関連記事:オウンドメディアリクルーティングとは?メリット・デメリットから進め方まで徹底解説!
2.CAREER HACK(エン・ジャパン株式会社)
引用元:CAREER HACK
自社サービスの利用者増加と企業・サービスのファン作りを目的に立ち上げられた「CAREER HACK」では、Web・IT業界で働く人向けに
- 業界の最新動向
- お役立ち情報
- 業界をけん引するリーダーのインタビュー記事
など、自分のなりたい姿やキャリアを応援するコンテンツを掲載しています。
業界を絞って専門的な記事を掲載することで、非常にクオリティの高い内容となっています。
「CAREER HACK」が成功した理由
CAREER HACKが成功した理由は以下の3つが考えられます。
- 業界を絞ることで専門性を高くしている
- 読者の共感性が高い記事を制作している
- 業界の特性を理解して最新の情報を届けている
CAREER HACKは、Web・IT業界で働く人をターゲットとすることで目的が明確になっており、ピンポイントで専門性の高い良質な情報の提供に成功しています。
また、記事の内容もライフスタイルやワークスタイルなどの、業界で働いているからこそ感じる共感性の高い内容も特徴です。
さらに、変化の激しいWeb・IT業界の最新動向を記事にすることで、読者の満足度を高めている点も特徴です。
オウンドメディアを活用して、自社サービスのターゲット層をしっかりとキャッチできる好事例となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ターゲット層 | Web・IT業界で働く人 |
コンセプト | テック業界で働く人のためのWebメディア |
得られた効果 |
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3.ジモコロ(株式会社アイデム)
引用元:ジモコロ
「ジモコロ」は株式会社アイデム・株式会社バーグハンバーグバーグが共同で運営しているオウンドメディアです。
日本各地のローカルネタをメインとして取り扱っており、メディアを訪れたユーザーへ株式会社アイデムの、地域密着型の求人サービス「イーアイデム」につなげる狙いがあります。
共同運営により、アイデムに来る求人応募者の10%はジモコロの読者と数字が出るほどまでに認知度が上がりました。
メディアを通じて
- ユーザーに「地元の求人情報を取り扱う会社」であることを印象付ける
- 求人応募者を増加させる
と目的を果たす意味合いで、運用されているオウンドメディアの事例です。
「ジモコロ」が成功した理由
「ジモコロ」が成功した理由は、以下の2つが挙げられます。
- 「面白いコンテンツの制作」に注力したコンテンツマーケティングを展開した
- 若い世代に人気のライターを起用し、回遊率の数字を伸ばした
ジモコロは「インターネットでは面白いコンテンツを出せば広まっていく」と考え、ユニークなコンテンツ作成を得意とする制作会社と共同で、オウンドメディアを作り上げていきました。
さらにARuFaさんやヨッピーさんといったSNSでも有名なライターを起用し記事を載せることで、記事を見に来た読者が、ジモコロ内の他記事を回遊してくれる動きにもつながりました。
多くのユーザーにオウンドメディアへアクセスしてもらい、イーアイデムは地方の求人を多く取り扱った求人サイトである、と印象付けられています。
ユーザーが今すぐの転職・アルバイトを考えておらずとも、将来求人を探したいと思った際に「イーアイデムでは地方の求人を取り扱っている」と事前に認知してもらえれば、応募者数の増加にもつなげられます。
人材業界では「どうやって企業名を検索してもらうか」がキーポイントです。
株式会社アイデムはオウンドメディアを通じて、Web上でユニークなコンテンツを配信することで企業名を覚えてもらうことを目指し、応募者の1割がオウンドメディアの読者となるまでに成果を上げました。
ターゲット層 | 地方での転職や就職を考えているユーザー |
コンセプト | あなたがどこに暮らしていても、もっと地元が好きになる |
得られた効果 | 求人応募者の10%がオウンドメディアの読者と統計が取れた |
BtoBオウンドメディアの成功事例:リードの獲得を意図した取り組み
続いては、BtoBのオウンドメディアにおいて、リードの獲得に成功した事例を紹介します。
オウンドメディアは、広告などの方法に比べて長期的に費用対効果の高い集客方法です。
一方で、より効果的なBtoB向けのオウンドメディアの構築には、ターゲットや目標の設定など、戦略に沿った運営が欠かせません。
企業の成功事例を参考に、どのようなオウンドメディア運用で成果を上げているのかをチェックしましょう。
4.サイボウズ式(サイボウズ株式会社)
引用元:サイボウズ式
「サイボウズ式」は、ソフトウェア開発をするサイボウズ株式会社が運用しているオウンドメディアです。
- KPI目標を追わない
- 他メディアと同じ記事を書かない
- 編集長は企画書だけでジャッジをしない
と運用方針を設けており、独自性の高い記事を更新し続けています。
PV数は月間平均20〜40万ほど公開記事数も月に10本前後と、企業のオウンドメディアとして規模は大きくありませんが、TV番組に取り上げられるほどの影響力があるコンテンツを制作。
コミュニケーションが生まれるきっかけとなるオウンドメディアを目指し、コンセプトとして「新しい価値を生み出すチームのための、コラボレーションとITの情報サイト」を挙げ、チームで働くビジネス関係者に向けた新しい視点で運用されています。
「サイボウズ式」が成功した理由
サイボウズ式では数字での目標や撤退ラインを設けず、読者とサイボウズの間にコミュニケーションで信頼を築く目的で運用が進められました。
どれだけの人に読まれたのか、ではなく自社のコンテンツを
- 誰に読んでもらうのか
- どう感じてもらいたいのか
- 結果的に読者にどのような行動をしてもらいたいのか
を考えたことで、成果につながります。
販促や売上向上を狙ったオウンドメディア施策ではなく、ユーザーの自社認知や広報・ブランディングと目的とした施策では、コンテンツの反応も数字ではなくSNSに投稿されたコメントの内容を重視しました。
「やるべきこと」「やらないこと」を決めて、徹底した「ユーザーとのコミュニケーション」を重視することで、自社のブランディングや認知度向上につなげた事例です。
ターゲット層 | ワークライフバランスやチームでの働き方に興味のあるユーザー |
コンセプト | 新しい価値を生み出すチームのための情報サイト |
得られた効果 |
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5.ferret(株式会社ベーシック)
引用元:ferret
「ferret」は、マーケティング関連のサービスを提供している株式会社ベーシックが運営しているオウンドメディアです。
- SEO
- SNSマーケティング
- Web広告
など、Webを活用したマーケティングに関するさまざまなコンテンツを配信しています。
「月間UU150万人」「月間PV200万人」などのデータからも、オウンドメディアとして成功していることがわかります。
「ferret」が成功した理由
「ferret」が成功した理由は、以下の2つです。
- マーケティング知識がない人でも学べるコンテンツ作りを心がけた
- 量と質の両方を大切にした
マーケティングに特化したメディアである「ferret」が成功した理由は、マーケティングの知識をまったく持ち合わせていない人でも、体系的に学べるコンテンツ作りを心がけたためです。
「ferret」には会員登録の機能があり、会員になるとマーケティングのカリキュラムが閲覧できます。
用意されているカリキュラムは、マーケティングを基礎から講座形式で学んでいけるように設計されたもので、進捗率なども確認が可能です。
「ferret」では「初心者の何から学べばいいのかわからない」という悩みを解消し、マーケティングをスムーズに学んでいける環境を提供しています。
さらに量と質を大切にする運営方針で、記事ごとに評価基準を変えていきました。
カスタマージャーニーを引き直し、フェーズごとにどのようにコンテンツを作成するべきか可視化。
上記を元にコンテンツを作り、記事の評価ポイントがわかるようにしています。
コンテンツづくりに注力し、成功した事例です。
ターゲット層 | マーケティングに興味のあるユーザー |
コンセプト | マーケターのよりどころ |
得られた効果 |
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6.LIGブログ(株式会社LIG)
引用元:LIGブログ
オウンドメディアの成功事例としてよく挙げられる「LIGブログ」は、Webサイト制作・教育事業を展開する株式会社LIGが運用しているオウンドメディアです。
SEOを実施し検索エンジンでの上位表示を狙いながらも、SNSで話題となるコンテンツ制作を狙い、Web制作に関わるユーザーやビジネスに興味のあるユーザー層の認知度を高めていきました。
またオウンドメディアの運用目的として以下の5つの項目を挙げています。
1.【教育】自分たちの学んだことや技術を、記事としてアウトプットをしよう
2.【営業】自分たちのやれることを伝えて、仕事を貰おう
3.【採用】一緒に働きたいと思ってもらえるような情報を発信しよう
4.【収益】ブログで直接収益を上げよう
5.【ファン】上記4つの活動を通じて、LIGのファンをつくろう
引用:LIGブログ「『退けば老いるぞ。臆せば死ぬぞ』守りに入るのは100年早いよね」
運用には社内教育や採用でのミスマッチを防ぐ目的も含まれており、広告収益以外のメリットを用意することで長期的な運用を可能とします。
結果として2019年の時点で7,000本以上の記事を公開し、毎月500万PVを記録するなど数字としてもかなり大きな成果を達成しているオウンドメディアです。
「LIGブログ」が成功した理由
「LIGブログ」が成功した理由は、以下の2つが挙げられます。
- テーマを「社員ブログ」とし、社員で1本ずつ記事を書くルールを定めた
- あえて空気や世間にとらわれない自由な情報発信を心がけた
LIGブログでは、株式会社LIGの社員が1本ずつ記事を書くルールを定めています。
Web制作会社ならではの制作のノウハウや、Web・ITのビジネス知識を提供するだけではなく
- デザイナー
- エンジニア
- ライター
を始めとする専門職の社員が記事を書くことで、クリエイティブな記事が集まったサイトとして知名度の向上にもつながりました。
また社名を背負った会社員として発信するには、個人での活動よりも責任やプレッシャーが発生してしまうことを逆手に取り「会社員が発信するブログだからこそ自由に書ける」ことを、自社メディアの強みとします。
オウンドメディアへの執筆を通じて社員に「会社員でも空気を読まず、世間に囚われることなく、自由に遊び心を持って発信していい」を実感してもらうことで、独自性の高いコンテンツ制作に至った点が成功への第一歩となりました。
ターゲット層 | Webサイト制作に関わるユーザー/ビジネスに興味のあるユーザー |
コンセプト | 社員ブログ=サラリーマンブログ |
得られた効果 |
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7.LISKUL(SO Technologies株式会社)
引用元:LISKUL
「LISKUL」はSO Technologies株式会社が運営する、マーケティングの知識やノウハウをまとめたオウンドメディアです。
オウンドメディアのコンセプトに「中小・ベンチャーのWebマーケターが、経営者の右腕たるCMOになるまでに必要な情報を提供するメディア」を掲げており、ユーザーへ有益な情報を提供し続けることで「Webマーケティングメディア」としてのポジションを確立させました。
2023年の時点で
- 月間約80万PV
- 月間約50万UU
を達成しています。
「LISKUL」が成功した理由
黄色い部分ですが、現在はノウハウを公開しておらず、
「LISKUL」が成功した理由は、2つあります。
- あえて自社のノウハウを公開することでCV数の増加につなげた
- 数字ではなくユーザーを見ながらコンテンツを制作した
LISKULは一見、不利になりかねない「自社ノウハウ」を開示することで、リード獲得を成功させました。
マーケティング支援を実施している自社の事業で、学んだこと・経験したことを発信して、専門性・権威性・信頼性の高いコンテンツ制作を可能とし、高いPV数の獲得数につなげています。
またメディアを運用していく上で、1人のユーザーの動きではなくCPCやCRVと数字に注視してしまうことに気づき、キーワードから見えてくるユーザーニーズに注目しました。
上位表示された記事のキーワードから、ユーザーが検索に至るまでのきっかけやシチュエーションをくみ取り、結果に合わせた訴求を実施しています。
コンテンツマーケティングにおいて、数字ではなくデータから読み取れるユーザーニーズを意識することで、ユーザー視点に立ったコンテンツ制作を可能にしました。
ターゲット層 | Webマーケティングに興味のある中小企業の社員・経営者 |
コンセプト | 経営者の右腕たるCMOになるまでに必要な情報を提供するメディア |
得られた効果 |
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8.ばね探訪(東海バネ工業株式会社)
引用元:ばね探訪
「ばね探訪」は東海バネ工業株式会社が運営する、自社製品の導入事例を紹介したオウンドメディアです。
自社の生産する商品が、実際にどのような現場で使われているのかを紹介し、製品づくりの現場や技術力の高さをアピールする内容となっています。
また、社内人材のモチベーションアップにもつながっており、ブランディングと人材育成の2つの側面があります。
「ばね探訪」が成功した理由
「ばね探訪」が成功した理由は、以下の2つです。
- オウンドメディアからの収益を目的とせず、顧客との関係構築に主眼をおいた
- 社員を自社製品が使われている現場に派遣し、多くの社員が携われるように計画している
ばね探訪は、自社で生産しているパーツが使われている現場に注目し、導入事例として紹介しています。
重要なことは、自社の製品を中心とせず、製品を導入したお客様の事業や歴史などについて紹介をしている点です。
徹底的に顧客との関係構築を主眼に運営を行うことで、情報発信をできるメディアになっているといえます。
また、定期的にプロジェクトの運営メンバーを変えることで、多くの社員がメディアに携われるようにしている点もポイントです。
自分たちの作る製品が、どのように使われているのかを知ることで、社内のモチベーションにも貢献しています。
ターゲット層 | 自社の製品に興味のある事業者 |
コンセプト | 東海バネ工業のばね達が活躍するモノづくりの現場をレポート |
得られた効果 | 毎年100社を超える新規取引の獲得 |
9.カオナビ人事用語集(株式会社カオナビ)
引用元:カオナビ人事用語集
「カオナビ人事用語集」は、人材情報関連のサービスを運営する株式会社カオナビが運営するオウンドメディアです。
従来のサービスサイトのCVとリスティング広告で見込み客を獲得する方法から、さらなる拡大を目的としてオウンドメディアを採用しました。
オウンドメディアは、多数のキーワードから自社製品の紹介につなげることや、ターゲット層へ効率よくリーチできます。
カオナビ人事用語集は、従来のマーケティング方法と比べて見込み客の数を約100倍、受注額を3倍に増加させ、まさにオウンドメディアの成功事例ともいえるでしょう。
「カオナビ人事用語集」が成功した理由
「カオナビ人事用語集」が成功した理由は、以下の2つです。
- 長期スパンでのオウンドメディア運用の準備
- 記事のクオリティを担保しつつ作成スピード向上する
株式会社カオナビは、2年以上のスパンで長期的な計画とリソースを確保し、オウンドメディアの継続的な運用ができる環境を構築しました。
さらに効率の良い検索キーワードの選定や優先度の決定など、限られた記事数でも最大限の効果を発揮する方法を徹底的に追及しています。
また、記事制作に関する生産性を高めた点も、オウンドメディアの成功要因です。
徹底した分業体制を構築したうえで、構成の部分に注力することによって、記事制作にかかる時間を短縮しました。
具体的な方法は、コンテンツの制作を6つの工程に分業し、それぞれの工程に人員を割り振ることです。
各工程に特化した作業ができ、コストの削減と効率化を達成しています。
また、分業の際にクオリティを担保するため、構成段階でコンテンツを作りこむことで、最終的な成果物の質を高めている点もポイントです。
オウンドメディア運用におけるデメリットをしっかりとカバーし、自社の利益創出に大きく貢献した好事例です。
ターゲット層 | 企業の人事担当者や採用担当者 |
コンセプト | 人事やマネジメントのトレンド情報を発信するメディア |
得られた効果 |
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10.レイビー(株式会社グローバル・リンク・マネジメント)
引用元:レイビー
「レイビー」は、株式会社グローバル・リンク・マネジメントが不動産投資に関する情報を届けるオウンドメディアです。
同社の不動産投資事業におけるリード獲得を目的として立ちあげられました。
オウンドメディアの運用初期は、月間PV数が2,000~3,000件程度でしたが、現在では社内で展開するWeb施策でもっとも受注数を獲得する企画へと成長しています。
「レイビー」が成功した理由
「レイビー」が成功した理由は、以下の2つです。
- 徹底した顧客目線
- コンテンツの質を高める
オウンドメディアの運用で欠かせないSEOは、Googleのアルゴリズムを理解し、メディアを検索の上位に押し上げることが目的と考えられがちです。
しかし、マーケティングという視点から考えた場合は、オウンドメディアを検索上位に押しあげることは、目標を達成するための手段であることを理解しなければなりません。
つまり、検索画面の上位に表示されるだけなく、オウンドメディアを読んだ顧客が納得し、サービスの利用を検討、もしくは利用することが本来の目的になります。
対してレイビーでは、徹底的にユーザーと向き合い、コンテンツの質を高めることに注力しました。
ユーザーの検索意図の理解し、求められている情報を提供に注力することで、徹底的ユーザーニーズを満たすコンテンツ作りを行っています。
また、文章だけでなくCTAボタンに至るまで徹底してユーザー目線を考え抜き、結果につなげた事例となっています。
SEOなどの技術的な部分も重要ですが、オウンドメディアの運営においてはユーザーに取って価値のあるものを届けられるかも重要な視点です。
オウンドメディアのCVRが低い場合には、レイビーを参考にユーザー目線の記事作成を目指してみると良いでしょう。
ターゲット層 | 不動産投資初心者・チャレンジしたい人 |
コンセプト | 不動産投資を初心者がゼロから理解できる安心ナビ |
得られた効果 |
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11. ボーグル(株式会社ベネフィット・ワン)
引用元:ボーグル(BOWGL)
「ボーグル」は、福利厚生サービスの提供をしている株式会社ベネフィット・ワンが立ち上げたオウンドメディアです。
自社サービスの導入事例や、福利厚生サービス導入にかかわる企業の課題に関するコンテンツからのリード獲得を目的としています。
立ち上げる前までは、広告施策のCPA(顧客獲得単価)が高いことに悩みを抱えていました。
そこで、オウンドメディアの導入を決意。
ユーザーにとって有益なコンテンツを発信していくことで、信頼が獲得でき、CPA改善につながりました。
また福利厚生などのキーワードでも、上位を獲得し2018年1月時点では月間36万PVを記録しています。
「ボーグル」が成功した理由
「ボーグル」が成功した理由は、以下の2つです。
- ユーザーに寄り添った記事作り
- わかりやすいサイト設計
「ボーグル」では、徹底的にユーザーに寄り添った記事作りを実施しました。
サービス導入のメリットやお役立ち情報はもちろん、事例も盛り込み見込み客が比較・検討しやすいよう工夫しています。
さらに、カテゴリ分けを実施し、訪れたユーザーが閲覧しやすいサイト設計になっています。
上記の工夫が、課題改善につながったのです。
ターゲット層 | 福利厚生業務の導入を考えている担当者 |
コンセプト | 企業の働き方改革は「わかる」から「やってみる」へ |
得られた効果 |
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12.Hubspotナレッジベース(株式会社Hubspot)
引用元:Hubspotナレッジベース
「Hubspotナレッジベース」は、株式会社HubSpotが運営するオウンドメディアです。
オウンドメディアで自社のツールに対するヘルプや活用事例を掲載し、顧客のアフターケアの役割を果たしています。
さらに、HubSpotツールを導入する前の企業に対して、導入事例を提示することでリード獲得に貢献している点もポイントです。
また、HubSpotが運営するツールの不明点を解決するためのヘルプ記事が掲載されており、活用方法や使い方についての情報を発信している点もポイントです。
「Hubspotナレッジベース」が成功した理由
Hubspotナレッジベースが成功しいた要因としては、以下の2点が考えられます。
- サービス導入に関する悩みを解決できるコンテンツの作成
- 活用方法や事例の提示で導入後のイメージがしやすい
HubSpotナレッジスペースは、既存導入企業に対して問題の解決を砂ガス、ヘルプページのような役割を果たすオウンドメディアです。
カテゴリー別や検索を用いて解決策を探せて、導入後のアフターケアの役割を果たしています。
一方で、ユーザーの悩みは、導入前にも生じやすいものです。
ツールの導入後にうまく使いこなせるのか、自社のビジネスにツールを活かせるのかなど、導入の障壁ともいえる悩みはさまざまです。
HubSpotナレッジスペースはサービス導入前の悩みに対して、ヘルプの参照や導入事例を通して応える機能があります。
実際に導入した後のイメージがつきやすいことや、ヘルプを通して導入前の悩みや不安を解消することで、リード獲得に貢献している側面があります。
ターゲット層 | HubSpotツールの導入を検討している企業/導入後のユーザー |
コンセプト | ー |
得られた効果 | メルマガによるリード獲得 |
BtoCオウンドメディアの成功事例:ユーザー利用者を増やすため、アフィリエイトなど
続いては、BtoCのオウンドメディアにおいて、ユーザー獲得や収益の獲得に貢献した事例を紹介します。
BtoBに比べて、意思決定の速度が速いBtoC市場では、オウンドメディアの役割や性質も少し異なるケースがほとんどです。
企業の成功事例を参考に、どのようなオウンドメディア運用で成果を上げているのかをチェックしましょう。
13.北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)
引用元:北欧、暮らしの道具店
オウンドメディアの代表的な成功事例として真っ先にあげられるのが「北欧、暮らしの道具店」の事例です。
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧テイストの家具や雑貨を販売しているECサイトで、北欧テイストのインテリアが好きなユーザーから絶大な支持を集めています。
「北欧、暮らしの道具店」は、2016年に公開されたデータによると、毎月1,600万ものアクセスがあるようです。
「北欧、暮らしの道具店」はECサイトの中でコンテンツを掲載しているタイプのメディアのため、1,600万ものPVすべてがメディアに掲載されているコンテンツによるものだとは言えません。
しかし、オウンドメディアに掲載されているコンテンツがユーザーの集客に大きく貢献しているのは間違いありません。
また、月間1,600万のアクセス数の他にも、
- ユーザーの96%以上が週に1回以上アクセスし、そのうちの72%が毎日アクセスしている
- ユーザー全体の50%以上が過去に20回以上アクセスしている
- Instagramのフォロワー129万人
- X(Twitter)のフォロワー5.3万人
など、さまざまな成果をあげています。
「北欧、暮らしの道具店」が成功した理由
「北欧、暮らしの道具店」が成功した理由は、以下の2つです。
- ユーザーが読みたいと思えるコンテンツ作りを徹底した
- SNSを活用することで、コンテンツを広く拡散した
「北欧、暮らしの道具店」のオウンドメディアが成果をあげられたのは、「商品のある生活がイメージしやすいコンテンツ」を作り、「ユーザーの読みたい」を徹底してきたためです。
もともと読者だったユーザーが社員として運営に加わり、コンテンツを作成しています。
その仕組みにより、ターゲットとなりうるユーザーが「読みたい」と思える魅力的なコンテンツを次々と生み出せているわけです。
また「北欧、暮らしの道具店」では、YouTubeやInstagramなど、SNSを通してコンテンツを広く拡散している点もポイントです。
オウンドメディアは、SNSと非常に相性の良いマーケティング手法といえます。
ユーザーは、Googleなどのインターネット検索だけではなく、SNSなどからも情報を獲得します。
そのため、制作したコンテンツをSNSなどで拡散することによって、幅広いユーザーへ届けることも重要です。
さらに、利用者層がある程度限定できるSNSの活用は、より目的とするターゲットへリーチしやすくなります。
ターゲット層 | 北欧テイストのインテリア・雑貨が好きなユーザー |
コンセプト | フィットする暮らし、つくろう |
得られた効果 |
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14.アマノ食堂(アサヒグループ食品株式会社)
引用元:アマノ食堂
「アマノ食堂」は、食品を製造・販売するアサヒグループ食品株式会社が運用するオウンドメディアです。
2023年8月には、アマノフーズブランドサイトと統合され、サイトがリニューアルされています。
- PV数ではなくUU数でKPIを設定
- 予算や工数をマーケティング全体の10%程度で運用
- X(Twitter)と絡めたメディア運用
など、自社の製品を購入してもらうことではなく、新しい自社のファンを獲得と育成を目的としたオウンドメディアを展開しています。
オウンドメディアにかける予算や工数を、マーケティング施策の10%程度に絞るなかでも、効率的な運用と適切な記事の作成によって、新しいユーザー層の獲得に成功。
また、オウンドメディアと連携するSNS運用もKPIのひとつとなっており、獲得したファン層とつながる場所を用意しています。
コンテンツマーケティングの基本をしっかりと押さえた事例です。
「アマノ食堂」が成功した理由
2017年まではユーザー数の伸び悩みを見せていたアマノ食堂ですが、次の2つのポイントを意識することで、大幅な改善に成功しています。
- 大手サイトが掲載していないお役立ち情報の掲載
- 季節にあわせて人気の高いキーワードの選定をする
どのサイトでも掲載されているおしゃれなレシピや自社製品の活用方法から、ユーザー視点で役立つ情報を提供する記事へ切り替えを実施したのです。
また、食品を扱う特性を活かして、旬の食材の情報をタイムリーに届けることで、ユーザーが情報を求めるタイミングで届けることにも成功しています。
結果、2020年には700万UUを獲得するなど、躍進的なユーザー数の獲得に成功しています。
お役立ち情報を提供することで、見込み顧客との良好な接点を作る良い事例と言えるでしょう。
ターゲット層 | 自社製品を知らない20~40代女性 |
コンセプト | 「おいしい食、人、暮らしが集う アマノフーズのWebマガジン」をテーマに食に関するお役立ち情報の発信 |
得られた効果 |
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15.YOURMYSTAR STYLE(株式会社ユアマイスター)
引用元:YOURMYSTAR STYLE
「YOURMYSTAR STYLE」は、株式会社ユアマイスターが運営するオウンドメディアで、掃除や掃除、洗濯、修理など、暮らしに関する情報を発信しています。
「YOURMYSTAR STYLE」は、ハウスクリーニング業者のサービス内容、料金、過去の利用者の評判や口コミを確認できる「ユアマイスター」の姉妹サイトとしてオープンしました。
ユアマイスターへの集客を行うSEOブログとしての側面があり、生活に役立つ情報を発信することで、ハウスクリーニングを利用したいユーザーの獲得に成功しています。
「YOURMYSTAR STYLE」が成功した理由
「YOURMYSTAR STYLE」が成功した要因としては、以下のような要因が考えられます。
- ユーザー目線に立ったコンテンツの作成
- ユーザーニーズに応えるためのカテゴリ分け
- SNSと組み合わせた運営
ユーザーの生活に焦点を当て、掃除や掃除、洗濯などの日常の困りごとに応えるコンテンツを多く制作しています。
コンテンツの内容は、ユーザーの困っている点にフォーカスしており、対する回答も日常的に取り組みやすい方法です。
ユーザーにとって有益な情報を届けられる点は、オウンドメディアの目的として非常に大きな成功要因といえます。
また、情報をカテゴリ分けすることで、ユーザーが求めている情報を探しやすいという点もポイントです。
さらに「YOURMYSATR STYLE」はメディアとの組み合わせで成功を収めています。
InstagramやTik TokなどのSNSでの発信を行うことで、SEOメディアとの相乗効果を発揮できた点も成功要因といえます。
ターゲット層 | ファミリー層や主婦層を中心とした、生活情報に興味関心のある層 |
コンセプト | 大事なものをもっと大切にするひとのメディア |
得られた効果 |
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16.mybest(株式会社マイベスト)
引用元:mybest
「mybest」は、株式会社マイベストが運営するオウンドメディアです。
2016年にサービスを開始した「mybest」は、商品やサービスを比較検討できるサイトとして、国内最大規模を誇ります。
ユーザーに対して商品やサービスを比較するコンテンツを提供することで、アフィリエイト収益を得ることを目的としています。
商品やサービスを単に紹介するアフィリエイトブログと異なり、知識を持った専門家による解説など、ユーザーにとって信頼と安心感のあるコンテンツが特徴です。
また、紹介する商品やサービスのジャンルも豊富で、幅広いユーザー層が利用できる点も魅力です。
「mybest」が成功した理由
「mybest」が成功した理由は、以下の3点が考えられます。
- 市場の変化にマッチしたオウンドメディアの運営
- ユーザー視点での安心感のある情報提供
- 一次情報に特化した価値の提供
先述の通り、オウンドメディアは市場の変化にともなって注目されるようになりました。
消費者が自由に情報を獲得し、商品やサービスの購入の前に比較検討するフェーズが含まれるようになります。
市場の変化に対して、直接的に比較検討の機会を与えるmybestのオウンドメディアは、消費者のニーズにマッチしているといえるでしょう。
また、ユーザーにとってより有益な情報を届けるために、毎月2,000商品を検証して、分析とデータに基づいた情報提供を行っている点もポイントです。
これらのデータは、実際に商品を使った一次情報を活用しており、読者にとって納得しやすい内容となっています。
ユーザーの目線で考えた場合、より納得感のある情報を提供することは、オウンドメディアを成功させるためのポイントでもあります。
ターゲット層 | 商品やサービスの購入に迷っているユーザー |
コンセプト | ユーザーの生活を豊かにする |
得られた効果 |
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17.CAMP HACK(株式会社スペースキー)
引用:CAMP HACK
「CAMP HACK」は、株式会社スペースキーが運営する日本最大級のアウトドアに関するオウンドメディアです。
キャンプ場やキャンプ用品などのアウトドアに関連する情報発信をメインとしながら、多くのユーザーを獲得しています。
オウンドメディアのユーザーは、アウトドアの初心者から上級者まで幅広い層をターゲットです。
そのため動画やGIFを活用し、ユーザーにとってわかりやすい情報発信を行っている点がポイントです。
「CAMP HACK」が成功した理由
「CAMP HACK」が成功した要因としては、以下のような要因が考えられます。
- 市場環境に合わせた戦略設計
- ユーザビリティを考えたメディア設計
株式会社スペースキーは、すでにきキャンプに興味を持っているユーザーに対して、キャンプ場の予約サイトを展開していました。
しかし、アウトドアが一般的な趣味としての広がる傾向から、初心者から上級者まで取り込めるCAMP HACKを立ち上げました。
初心者が楽しむには難しいというイメージのあるキャンプに対して、ハードルを下げられるオウンドメディアの存在は、消費者のニーズに適したものといえるでしょう。
また、ユーザービリティの配慮も、ユーザーから支持を得ているポイントです。
例えば、オウンドメディアで多用されているGIF画像は通信環境が整っていない場所でも閲覧しやすく、キャンプなどのアウトドアユーザーが利用しやすいという利点があります。
このように、ユーザー目線でオウンドメディアの戦略立案と設計が、成功に大きく寄与していると考えられます。
ターゲット層 | アウトドアに興味を持つ初心者から上級者 |
コンセプト | 今までにないワクワクを。 |
得られた効果 |
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18.Lidea(ライオン株式会社)
引用:Lidea
Lidea(リディア)は、ライオン株式会社が運営するオウンドメディアです。
生活用品を販売する同社が、暮らしのアイデアを提供することで、自社の製品の認知拡大や紹介をメインに運営しています。
特徴は、「くらしのマイスター」と呼ばれる各分野の専門家が記事を作成・監修しています。
専門家に監修してもらうことで、記事の信頼性が上がっているのです。
また、サイト内のアクションに応じてポイントを獲得でき、特典やプレゼント応募に利用できる点も特徴です。
会員登録が必要なポイントプログラムを設けることで、関係性を構築しています。
「Lidea(リディア)」が成功した理由
「Lidea(リディア)」が成功した要因は、以下の3つが考えられます。
- ユーザーに役立つ情報を発信している
- 会員登録による顧客アプローチ
Lideaが成功した根本的な要因は、ユーザーにとって役立つ情報が発信されている点が挙げられます。
オウンドメディアは、自社の製品やサービスを宣伝する目的でも利用されますが、あくまで優先すべきはユーザーのメリットです。
ユーザーに役立つ情報を提供できなければ、SEO上で評価を得られなかったり、ユーザーの離脱を招いたりと、成果が挙げられないケースもあります。
また、ユーザーが記事を読みたくなる仕組みづくりもポイントです。
ユーザーは、会員登録によって自分の疑問を解消するためのツールとなり、記事を読むことに価値が生まれます。
一方で、企業としてはユーザーの動向が把握しやすくなり、顧客情報などの獲得に活用できる点がメリットです。
オウンドメディアのPDCAサイクルが回しやすくなるため、成功に大きく寄与している施策ともいえるでしょう。
ターゲット層 | 毎日を少しでも楽しく、丁寧な暮らしをしたい人 |
コンセプト | くらしとココロに、彩りを。 |
得られた効果 |
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成功事例から見えるオウンドメディアの共通点
考えもなしにオウンドメディアを運用し始めてもなかなかうまくいきません。
オウンドメディアで成功している企業はいくつかの共通点を持っており、そこを意識するだけでもうまくいく確率がぐんと上がります。
ここからは、オウンドメディア運用で成功した企業の共通点をご紹介します。
すでに運営をしているが伸び悩んでいる方やこれから取り組む方は参考にしてください。
共通点1.目的とKPIが明確に設定されている
オウンドメディアを運用する際は、「流入の70%は検索から獲得する」「成約に近いキーワードで上位を目指す」など目標を設定したうえで取り組みましょう
目標が定まらない状態でオウンドメディアを運用すると、無駄なコストがかかるばかりか、成果が見込めなくなることもあります。
目標を達成するための指針に、KPI(重要業績評価指標)を設定することも重要です。
KPIは具体的な数値で目標を示すことで、日々の業務や行動の指針となり、個人やチームがすべきことを明確に示せます。
また、KPIの設定においては先にKGI(重要目標達成指標)の設定をしましょう。
KGIは、事業やプロジェクトの最終目標を示す数値的な指標で、細かく分解することでKPIを導き出します。
つまり、細かく設定されているKPIをすべて達成すると、同時に最終目標であるKGIを達成できるという仕組みです。
KPIとKGIは常に密接な関係にあるため、KPIツリーを作成するなど、ずれが生じないように管理すると良いでしょう。
共通点2.目的に合わせた戦略を実行している
続いてのオウンドメディア運用で成功した企業の共通点は、目的に合わせた戦略を実行できている点です。
設計を上手にできていたとしても、目的に対して戦略の方向性がずれてしまっては意味がありません。
例えば、SEOで集客をして売り上げをUPさせようと思っていても、競合を避けたいがあまり、関係の薄いキーワードばかり狙っていては成約につながりにくくなってしまいます。
成沢を獲得するのが目的であれば、それにあったキーワードを選定したり、導線を設計するなどの戦略を取ることが重要です。
オウンドメディアを成功させるためには、目的の軸がブレずに戦略を実行できているかが鍵となるでしょう。
共通点3.ユーザーの悩みに合わせたコンテンツを発信している
オウンドメディアのコンテンツを作成するときは、ユーザーの悩みを解決できる内容を発信しましょう。
オウンドメディア記事の重要なポイントは、ユーザーが欲しいと思う情報を提供すること、つまり知りたいことや困っていることの答えを提供することがポイントです。
優良な情報を提供続けることでブランド周知や「〇〇なら××会社」といったを第一想起を得られるのです。
そのため、市場やターゲットの課題リサーチや課題に対する自社の商品やサービスが提供できる価値を洗い出しておきましょう。
共通点4. データを元にした分析と改善を繰り返す
オウンドメディアを運用していく場合、データを元にした分析と改善は繰り返すようにしましょう。
データの収集には、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどがおすすめです。
これらのデータはオウンドメディアの運営に必須といっても良いツールで、取得した情報をどのように活かしていけるかが成功のわかれ道になります。
オウンドメディアは、分析や改善をしたからといってすぐに効果の出るものではありません。
そのため、継続的に分析と改善を続ける必要があります。
オウンドメディア運営を成功させる手順とポイント
オウンドメディアを成功させるためには、立ち上げから運用までの流れを正確に把握し、長期のプロジェクトに耐えられる計画を立てることが重要です。
そこで、オウンドメディアの立ち上げの手順を
- オウンドメディアの役割の設定
- ペルソナの設計と読み手の検索意図理解
- SEOを意識したコンテンツ作成
- 継続的な情報発信
- 定期的な解析とPDCA
に分類し、各フェーズで意識すべき成功させるためのポイントを解説します。
1.オウンドメディアの役割の設定
オウンドメディアを立ち上げる場合は、役割を明確にしておくことが重要です。
設定するオウンドメディアの役割は、今後のフェーズに大きく影響を与えるため、慎重に検討することが求められます。
オウンドメディアの役割がぶれてしまうと、効果的なコンテンツの投稿ができなくなり、結果的に成果を上げられない可能性があります。
例えば、自社のサービスや商品の購買を促す場合と、自社のブランディングを目的とする場合では、オウンドメディアの設計が大きく異なるでしょう。
さらに、既存顧客やすでに自社の事業や業界に興味のあるユーザーに向けたメディアなのか、新しいユーザー層の開拓を目的としたメディアなのかによって、オウンドメディアの性質は大きく変わります。
このように、オウンドメディアを立ち上げるための根幹になるポイントのため、十分に検討したうえでメディアの役割を設定しましょう。
2.ペルソナの設計と読み手の検索意図理解
オウンドメディアの役割が明確になったら、ペルソナの設定や読み手の検索意図を理解します。
ターゲットへ情報をリーチさせることや、満足度の高い情報を提供するためには、適切なターゲティングが欠かせません。
どのようなユーザーがオウンドメディアにアクセスし、どのような情報を求めているのかを徹底的に理解しましょう。
そのためには、ユーザーのモデルとなるペルソナの設定が欠かせません。
また、競合他社の情報やユーザーが求めているものをリサーチし、参考にすることも重要な情報源です。
オウンドメディアを立ち上げる目的を達成できるように、ターゲットに届く情報発信を意識しましょう。
ペルソナ設定については、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアにペルソナ設定が重要な理由とは?設定方法や活用例も解説!
3.SEOを意識したコンテンツ作成
オウンドメディアを成功させるためには、SEOを意識したコンテンツ制作が欠かせません。
多くのユーザーは検索エンジンからオウンドメディアへ流入するため、検索結果のより上位に表示されることが重要です。
SEOには、さまざまな方法が考えられます。
中でも、ユーザーにとって有益な情報を過不足なく伝えることは、SEOにおいてもっとも重視すべきポイントです。
SEOに失敗した場合、オウンドメディアへのユーザーの流入が少なくなってしまい、ターゲットに情報をリーチできなくなります。
より多くのユーザーに情報を届けるためには、SEOを意識したコンテンツを作成しましょう。
オウンドメディアで失敗しないSEOについては、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアで失敗しないSEO対策とは?効果的な方法を解説
4.継続的な情報発信
オウンドメディアを成功させるためには、継続的な情報発信が欠かせません。
さまざまなニーズにマッチするコンテンツを投稿し続けることで、多くのユーザーとの接点ができ、より目的達成へ近づけます。
オウンドメディアを質の高い状態で運用していくためには、綿密な組織運営と管理が必要です。
そのためには、制作のスケジュールや記事の投稿頻度などの管理体制をしっかりと整えておきましょう。
また、本格的な運用を始める前に、現在の組織が正しく機能するかどうかを判断することも重要です。
必要にあわせて外部の会社からのリソースの追加などの措置を取りましょう。
オウンドメディアの外注を考えている場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:オウンドメディアの外注の注意点。運営上の課題と依頼先別特徴と費用
5.定期的な解析とPDCA
コンテンツを公開したら、定期的な効果測定を実施して、修正や次回記事への改善を実施します。
常に最大限の効果を発揮できるように、現状把握と改善を繰り返していくことが必要です。
例えば、順位が低い記事があれば、上位表示されている記事との違いを比較し、不足している要素やニーズに合った新たな情報を追加していきます。
効果測定をするためには、オウンドメディアの成果を定期的にチェックし、数値的なデータに基づいた運用が欠かせません。
ツールなどを活用し、できるだけ素早くPDCAサイクルを回せるようにしましょう。
オウンドメディアの作り方を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:失敗しないオウンドメディアの作り方!おすすめの計測ツールも紹介
まとめ:オウンドメディアを成功させるため事例から学ぼう
オウンドメディアを成功させるために、他社の分析は非常に有効な手段です。
自社では気付けなかった新しい視点や、潜在的な顧客のニーズを見出すこともできるでしょう。
オウンドメディアの運用は手軽に感じますが、すべての人が運用に成功するとは限りません。
成功している他社のオウンドメディアには、成功するためのヒントが隠されているのです。
ぜひ、他社の成功事例から自社に活かせるものを見つけてみてください。
また、オウンドメディアを成功させるためには、正しい手順に乗っ取って運営することも重要です。
テクロ株式会社では、オウンドメディアを中心としたWebマーケティングの支援をしています。
オウンドメディアをこれから始めたい方向けに「Webメディア作成マニュアル」を無料で配布していますので、ぜひ参考にしてみてください。