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新規事業成功例11選から学ぶ!共通ポイントや失敗回避策を徹底解説

企業の成長を促進する手段として、新規事業の展開は有効です。

しかし「新規事業を立ち上げたいが成功させる自信がない」「どうやって新規事業を成功させるかわからない」と課題を抱える企業も少なくありません。

多くの企業が成長のエンジンとして新規事業に挑む一方で、成功への道のりは険しく失敗のリスクも伴うため、大きなプレッシャーとなるでしょう。

本記事では新規事業成功例を徹底分析し、成功確率を上げるための秘訣と失敗を回避するための対策を解説します。

新規事業に挑戦しようとしている担当者は、ぜひ参考にしてください。

テクロ株式会社では、新規事業開発の全体図とマーケティング会社が実践する「勝ちプロセス」を全フェーズにわたり解説しています。

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新規事業の重要性

市場環境や技術が急速に変化する現代では、既存事業だけに依存することはリスクが高まる一方です。

新規事業の重要性と役割について解説します。

新規事業の役割

新規事業は、企業の成長や長期的な競争力を維持するために欠かせません。

現代の市場環境は急速に変化しており、既存の事業だけでは成長が停滞する可能性があります。

新しい分野や市場を開拓することで、成長の停滞を打破し、企業は収益の多角化を図ることが可能です。

新規事業は既存のブランド力を活かして新たな顧客層にアプローチすることで、ビジネスチャンスを広げられます。

新規事業の開発は企業内でのイノベーションを促進し、従業員のスキル向上やモチベーション向上にも効果的です。

新規事業の役割は単なる利益追求にとどまらず、企業の未来を切り開く基盤を作ることにあります。

新規事業への取り組みは企業が社会の変化や技術革新に適応し、持続的に成長を続けるための重要なステップです。

成功例から学ぶ意義

新規事業の成功例を学べば、同じ過ちを繰り返さず、成功確率を高められるので有益です。

成功例からは、事業を軌道に乗せるための具体的なプロセスや戦略を学べます。

成功例を分析することで、事業成功に必要なリソースや課題克服の方法を把握でき、計画をより現実的なものに近づけることも可能です。

ただし、単に成功例を真似るだけではなく、自社の状況や市場環境に合わせた適応が欠かせません。

新規事業が求められる理由

現代の市場では、企業は既存事業だけでは限界が生じることが多く、新たな分野への挑戦が必要とされています。

新規事業が求められる具体的な理由を解説します。

持続的成長に向けた新たな収益源の確保

企業が長期的に成長を続けるためには、既存事業に依存し続けるのではなく、新たな収益源を確保する必要があります。

成熟した市場では需要が頭打ちになることが多く、新しい市場や顧客層を開拓することが必須です。

既存の技術を応用して新しい製品を開発し、収益の柱を増やす新規事業は、新たな収益源を確保する手段として機能します。

新たな収益源を持つことは、経済的な安定性を強化し、企業の成長基盤を広げることにつながります。

社会や技術の変化による既存事業の限界

社会や技術の進歩が加速する中で、既存事業が競争力を失うリスクが高まっています。

デジタル技術の進化によって、従来のビジネスモデルが陳腐化する事例も珍しくありません。

社会や技術の変化に対応するため、新規事業は企業にとって必要です。

例えば、伝統的な製造業がIoT(モノのインターネット)を活用したサービスに転換し、新しい市場を開拓した成功例があります。

新規事業を通じて社会や技術の変化に適応することは、企業が持続可能な競争力を維持するための重要な要素です。

新規事業がもたらすイノベーション効果

新規事業は、企業内外でのイノベーションを生む起点です。

新しい分野に挑戦する過程で、従業員が新たなスキルを学び、企業の文化が進化することも少なくありません。

顧客の新たなニーズに応えることで、従来にはない価値を提供する製品やサービスが生まれることもあります。

例えば、テクノロジー企業がAI技術を活用した新規事業を展開し、業界全体に革新をもたらした事例が挙げられます。

新規事業によりイノベーションを促進することで、企業は社会に対しても大きな影響を与えることが可能です。

成功した新規事業例から学ぶ5つの共通ポイント

多くの新規事業の成功例を分析すると、いくつかの共通した成功要因が見えてきます。

新規事業を成功に導くための5つの重要ポイントを解説します。

市場分析:顧客ニーズを捉える

新規事業が成功するためには、市場分析を通じて顧客ニーズを的確に捉えることが必須です。

市場分析とは、市場規模の大きさを分析するだけではありません。

ターゲットとなる顧客層がどのような課題を抱え、どのような製品やサービスを求めているのかを把握するプロセスです。

例えば、ある食品メーカーは健康志向が高まる現代のトレンドを見極めて低糖質商品を開発し、売上を大幅に伸ばした事例があります。

顧客のペインポイントを理解し、それを解決するソリューションを提供できるかが鍵です。

効果的な市場分析には、以下のステップをおすすめします。

ステップ具体的な方法
ターゲット顧客の特定ペルソナ設定、アンケート調査、顧客インタビューなど
ニーズの特定市場調査レポートの分析、競合製品分析、顧客レビュー分析など
市場規模の推定統計データの分析、市場予測モデルの活用など
市場トレンドの把握業界ニュースのチェック、専門家へのヒアリングなど

分析結果をもとに、顧客ニーズに合致した事業計画を策定することが必須です。

競合分析:優位性を築く

新規事業の成功には、競合分析を通じて市場での優位性を築くことが大切です。

競合分析とは、同じ市場で活動する他社の製品やサービス、戦略、強みと弱みを詳しく調査し、自社の競争力を高めるための施策を考えるプロセスです。

分析によって、競合が提供していない価値を明確にし、差別化を図ることが可能になります。

競合が価格競争に注力している市場では、品質や独自性を強化した製品やサービスを提供することで顧客からの支持を得やすくなります。

一方で、競合が技術力を武器にしている場合、自社では顧客体験やアフターサービスの充実を図ることで優位性を築く戦略も有効です。

競合分析を進める際には、競合他社のWebサイトや顧客の口コミ、業界レポートなどを活用して詳細な情報を収集しましょう。

競合分析を通じて得た知見を活かし、他社にはない独自の価値を提供することで、顧客に選ばれる存在となり新規事業の成功確率を高められます。

分析項目具体的な方法
競合製品・サービスの分析製品・サービスの比較、機能・価格の比較、顧客レビュー分析など
競合企業の事業戦略分析事業計画書、IR資料、ニュース記事などの分析など
競合企業の強み・弱み分析

SWOT分析など

自社独自の強みの明確化競合との差別化ポイントの明確化など

ビジネスモデル構築:収益化の仕組みを作る

新規事業の成功には、ビジネスモデルを構築し、収益化の仕組みを作ることが欠かせません。

利益を生み出すための仕組みを明確にすることで、事業の方向性や持続可能性が高まります。

仕組みを作るためには、まず顧客にどのような価値を提供するかを決めましょう。

特定の問題を解決する商品やサービス、顧客の生活を便利にする新しい体験などが挙げられます。

そして、価値を提供する対価として、どのように収益を得るのかを考えてください。

商品販売型やサブスクリプションモデル、広告収益型などビジネスに適した収益形態を選択しましょう。

企業が無料で利用できるアプリを開発し、ユーザー数を増やした後に広告収益で利益を上げるモデルを採用した事例もあります。

マーケティング戦略:効果的なPR方法

新規事業を成功させるためには、多様なマーケティング手法を効果的に活用しましょう。

デジタルマーケティングでは、SEOやSNSマーケティング、リスティング広告などの手法が有効です。

ターゲット層となる顧客に直接リーチし、認知度を高めるための強力なツールとなります。

コンテンツマーケティングでは、ブログ記事や動画コンテンツ、ホワイトペーパーを通じて顧客に価値ある情報を提供し、信頼関係を構築します。

さらに、見込み顧客の興味を引きつけ、購買行動を促進するのに有効です。

PR活動では、メディアへの露出やプレスリリースの配信を活用することで、ブランドイメージの向上と幅広い層への情報発信ができます。

さまざまなマーケティング手法を組み合わせることで、顧客層の拡大と事業成長につながります。

マーケティング手法効果的な活用方法
デジタルマーケティングSEO、SNSマーケティング、リスティング広告など
コンテンツマーケティングブログ記事、動画コンテンツ、ホワイトペーパーなど
PR活動メディアへの露出、プレスリリース配信など

人材育成:事業を推進するチームを作る

新規事業を成功させるには、事業を推進するための強力なチームを構築し、人材育成が欠かせません。

優れた人材がいなければ、革新的なアイデアの創出や必要な情報の収集が滞り、事業の成長が妨げられます。

一方で優秀な人材が新しい事業を推進すれば、事業は成功しやすく、さらに優れた人材が集まる好循環が生まれやすいです。

ただし、現場で優れたパフォーマンスを発揮する人が、必ずしも人材育成を得意とするわけではありません。

コーチングスキルやモチベーションを高める方法、信頼関係の構築といった専門的なスキルが必要なため、指導者への教育も必須です。

指導者には、適切なタイミングと難易度で課題を与えるスキルが求められます。

指導者自身が人材育成についての知識を常にアップデートし、慢心せず学び続ける姿勢を持つことが重要です。

人材育成は新規事業の成功を支える土台であり、指導者と現場の双方が成長できる環境を整えることが成功の鍵になります。

「社内でリソースの確保が難しい」とお悩みの担当者は、以下の記事をご覧ください。

新規事業開発とは?取り組みのポイントと7つのステップを紹介

新規事業の成功例11選

新規事業の成功例は、企業の成長や変革を実現するための貴重なヒントが満載です。

新規事業の成功例11選を紹介し、それぞれの取り組みから学べるポイントを解説します。

新規成功例1:富士フイルム株式会社

画像出典:富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社は、写真フィルムの製造で長年業界をリードしてきましたが、デジタル化の波によりフィルム需要が急速に縮小しました。

この危機を乗り超えるため、同社はコア技術を活用して医療事業へと大きく転換し、新たな成功を収めています。

写真フィルムの製造で培った化学技術や薄膜技術を活用し、医療用画像機器や診断技術の開発を推進しました。

現在はX線画像診断装置や内視鏡システムなど精密な医療機器を展開し、医療分野での存在感を強めています。

製薬事業にも進出し、抗がん剤の開発やバイオ医薬品の製造プロセス技術を提供するなど幅広い分野で事業を拡大しました。

成功の背景には、市場ニーズの的確な把握と自社技術の新たな応用方法を見出した戦略的な判断があります。

結果として、富士フイルムは医療事業を柱とする新しい収益モデルを確立し、フィルム事業縮小の影響を見事に克服しました。

新規成功例2:ダイハツ工業株式会社

画像出典:ダイハツ工業株式会社

ダイハツ工業株式会社は、新規事業として介護事業者向けの送迎支援システム「らくぴた送迎」を開発し、成功を収めています。

このシステムは、通所介護施設における送迎業務を効率化するためのツールです。

利用者情報や車両情報を事前に登録することで、特別なGPS装置を使用せずとも最適な送迎ルートを自動で作成できます。

当日の参加者の変動や利用者同士の相性を考慮したルート作成機能も備え、柔軟に対応できる点が特徴です。

結果的に介護施設の業務負担を軽減し、運営効率の向上、社会的課題の解決に寄与しました。

「らくぴた送迎」の成功は、単なる車両販売にとどまらない新たな価値提供の一例であり、事業の幅を広げた成功例のひとつです。

新規成功例3:ソニー株式会社

画像出典:ソニー株式会社

ソニー株式会社は、エレクトロニクス分野での成功にとどまらず、エンターテインメント事業への積極的な展開により新たな成長を遂げています。

特に映画や音楽、ゲームなどのコンテンツ制作に注力しているのが特徴です。

PlayStation 5用ゲーム「Marvel’s Spider-Man 2」は発売から24時間で全世界での累計実売本数が250万本以上を達成し、史上最速の記録を樹立しました。 

ゲーム「The Last of Us」を原作としたHBOのテレビドラマシリーズも大ヒットし、放送開始から2カ月で4,000万人近くに視聴されました。

ソニーは映画や音楽、ゲームなどエンターテインメント分野での知的財産を活用し、エンターテインメント事業の強化を図っています。

新規成功例4:株式会社ヤマダホールディングス

画像出典:株式会社ヤマダホールディングス

株式会社ヤマダホールディングスは、家電量販店「ヤマダ電機」の強みを活かし、リフォーム事業へ進出することで新たな成功を収めています。

家電と住宅を融合させた「くらしまるごと戦略」の一環として、生活全般にわたる幅広いニーズに応えることを目指しました。

各店舗内にはショールームを設置し、顧客が設備や内装を実際に確認しながら、家電とリフォームを組み合わせた提案を受けられる体制が強みです。

スタッフが直接相談に応じ、顧客のライフスタイルに合った最適なリフォームプランを提供することで、顧客満足度の向上にも寄与しています。

同社は「ヤマダホームズ」ブランドのもと、住宅の設計や建築、新築販売にも進出し、家電販売の知見を活かして住まい全体をトータルに提案する企業へと進化しました。

ヤマダホールディングスの戦略は、既存リソースを活用しながら顧客目線でサービスを拡充し、住宅関連事業という新たな柱を築いた点が他企業の模範となります。

新規成功例5:本田技研工業株式会社

画像出典:本田技研工業株式会社

本田技研工業株式会社は、二輪車や四輪車の製造で知られる一方で積極的に新規事業への挑戦を続けています。

Hondaのコア技術を活かした新規事業の一例が、電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発です。

Hondaは独自の電動化技術とガスタービンを組み合わせたハイブリッド方式のeVTOLを開発し、都市間移動の新たな手段として市場拡大を目指しています。 

ロボティクス分野では、アバターロボットの研究開発が進行中です。

ロボットに多指ハンドやAIサポート遠隔操縦機能を搭載し、時間や空間の制約を越えて人々の活動を支援することを目指しています。 

宇宙領域への挑戦として、燃料電池技術や高圧水電解技術を活用した月面での循環型再生エネルギーシステムの構築に取り組んでいます。

新規成功例6:ユニ・チャーム株式会社

画像出典:ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャーム株式会社は、新規事業の成功例としてペット関連事業の展開が挙げられます。

同社は1980年代にペットケア用品市場に参入し、新たな成長の柱に育てました。

「デオトイレ」シリーズや「デオシート」などのペット用消臭製品は、飼い主のニーズを的確に捉えた製品として高評価です。

ユニ・チャームが得意とする吸収技術や消臭技術を応用して開発された商品で、ペットとの快適な暮らしを支えています。

世界各国でペット関連製品の展開を進め、グローバル規模で収益の多角化を実現しました。

新規成功例7:日本郵政×Yper株式会社

画像出典:Yper株式会社

日本郵政株式会社とYper株式会社の協業により、置き配バッグ「OKIPPA」が開発され、再配達問題の解決に大きく貢献しています。

2018年12月、東京都杉並区で1,000世帯を対象に実施された実証実験では、OKIPPAの導入により再配達率が約61%削減される成果が確認されました。 

OKIPPAは手のひらサイズに折りたたみ可能なバッグで、玄関先に簡単に設置でき、専用のロックと南京錠で安全性も確保されています。

専用アプリと連携することで、荷物の配送状況をリアルタイムで確認できるため、利便性が高いです。

再配達による物流業界の負担軽減や利用者の受け取り利便性向上に寄与し、社会的課題の解決に向けた成功例として評価されています。

新規成功例8:ヤマト運輸株式会社

画像出典:ヤマト運輸株式会社

ヤマト運輸株式会社の新規事業の成功例として、宅急便の展開が挙げられます。

1976年に開始され、従来の法人向け大口輸送が中心だった物流業界において、個人向け小口配送市場を開拓して物流の常識を大きく変えることに成功しました。

電話1本での集荷サービスや近隣の店舗を荷物の受付窓口とする仕組みを導入するなど、顧客目線での利便性を追求したことが特徴です。

ハブ・アンド・スポーク方式の配送システムを採用し、集配の効率化と配送網の最適化を実現しました。

物流ネットワークを効率的に構築するうえで画期的な手法であり、コスト削減とスピード向上を両立させています。

ヤマト運輸は「スキー宅急便」や「クール宅急便」など特定のニーズに応じた派生サービスを展開し、幅広い顧客層に対応しました。

多様なサービス展開により、同社は物流業界での圧倒的な競争優位を築きました。

新規成功例9:株式会社トライグループ

画像出典:株式会社トライグループ

株式会社トライグループは、家庭教師派遣事業の強みを活かし、オンライン学習サービス「Try IT」を展開することで新たな成功を収めています。

「Try IT」は、中学生・高校生を主な対象とした無料の映像授業サービスです。

家庭教師によるマンツーマン指導で培った教育ノウハウを基盤に、学生が時間や場所を問わず学習できる柔軟性を備えています。

スマートフォンやタブレットなど手軽に利用できるデバイスを活用しているため、家庭教師派遣サービスとは異なる層にもリーチの拡大ができました。

「Try IT」は無料で提供されることで教育の格差を是正し、多くの学生に平等な学習機会を与える取り組みとして社会的にも高く評価されています。

新規成功例10:三井物産株式会社

画像出典:三井物産株式会社

三井物産株式会社は、既存の枠組みにとらわれず、新規事業の創出に積極的に取り組んでいます。

2018年にイノベーションラボ「Moon Creative Lab」を設立しました。

三井物産グループ全体から革新的なアイデアを集め、ゼロから新たなビジネスを生み出すことが目的です。

Moon Creative Labは、米国シリコンバレーのパロアルトに本社を置き、日本ではWeWork明治神宮前に拠点を構えています。

独立した環境により、従来のビジネス手法にとらわれず、自由な発想で事業開発を進められているのが特徴です。

Moon Creative Labは、ディープラーニング技術を活用した疾病診断ビジネスなど、多様なプロジェクトを推進しています。

新規成功例11:パナソニック株式会社

画像出典:パナソニック株式会社

パナソニック株式会社は、伝統的な家電製品の製造にとどまらず、多様な新規事業に挑戦し成功を収めています。

その一例が、医薬品向け保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」の開発です。

医薬品の輸送において温度管理が厳格に求められる中、独自の真空断熱技術を活用し、長時間にわたり一定の温度を維持できるようになりました。

医薬品の品質保持と安全な輸送を実現し、医療業界から高い評価を得ています。

スタートアップ企業との共創を推進しており、2024年5月にはオープンイノベーションによるスタートアップ共創型の新たな枠組み「Panasonic Kurashi Visionary Colab」を開始しました。

パナソニックは新たな価値創造と市場開拓を加速させています。

新規事業に積極的な企業の特徴とは?成功企業の共通点を分析

成功企業には、経営理念の明確さやイノベーションを支える仕組みなどいくつかの共通点が見られます。

新規事業に成功している企業の特徴を分析し、戦略や取り組みについての共通点を解説します。

経営理念とビジョン

新規事業に積極的に取り組む企業は、明確な経営理念とビジョンを掲げていることが特徴です。

経営理念は、企業が存在する意義や基本的な価値観を示し、組織全体に一貫性をもたらします。

ビジョンは、将来的な目標や企業が目指すべき方向性を明確にし、社員一人ひとりが進むべき道筋を理解するための指針となります。

新規事業に成功した企業は、経営理念とビジョンが単なるスローガンではなく、具体的な行動指針として実践されているのが共通点です。

社員は目標を共有し、自分の仕事が全体の目標にどう貢献するかを理解できるため、モチベーションの向上や新規事業への挑戦を促進します。

経営理念とビジョンは、顧客に対しても企業の信頼性や将来性を伝える重要なメッセージです。

社会課題への貢献をビジョンに掲げる企業は、事業が利益追求ではなく、社会的な意義を持つことをアピールできます。

経営理念とビジョンを活用して組織全体を結束させ、長期的な成長を支える戦略を構築しましょう。

項目積極的な企業の特徴
経営理念顧客中心、社会貢献、イノベーション重視など具体的な行動指針を示している
ビジョン長期的な成長戦略を明確に示し、社員が共有できる形で提示されている
目標設定数値目標だけでなく質的な目標も設定し、進捗状況を定期的に評価している

組織文化と風土

新規事業の成功には、失敗を恐れず挑戦できる風土が不可欠です。

積極的に新しいアイデアを取り入れ、実験を繰り返す文化を持つ企業は、市場の変化に迅速に対応して競争優位性を築きやすくなります。

一方で保守的な企業風土では、新規事業はリスク回避の対象となり、イノベーションは生まれにくい傾向です。

項目積極的な企業の特徴
失敗への対応失敗を学びの機会と捉え、迅速な改善策を講じる文化が根付いている
コミュニケーション部門間や階層間の垣根がなく、自由な意見交換ができる環境が整備されている
権限委譲現場の担当者に権限を委譲し、迅速な意思決定を可能にしている

失敗から学ぶ文化や迅速な意思決定、柔軟な対応力などが、成功企業の組織文化の特徴として挙げられます。

人材育成と評価制度

新規事業を推進するには、優秀な人材の育成と確保が重要です。

人材育成や評価制度の仕組みを整えることで、必要なスキルや知識を持つ人材を育てると同時に社員が新規事業に積極的に取り組める環境を構築できます。

社員に自由な発想を促し、イノベーションを生み出す機会を提供するため、社員のスキルアップを支援する研修制度や外部研修への参加を奨励している企業もあります。

失敗を許容し、学びとして評価する文化を醸成することも重要です。

新規事業は不確実性が高く、短期的な成果が見えにくいかもしれません。

成功企業は挑戦する姿勢や過程を評価する制度を採用し、社員がリスクを恐れず挑戦できる環境を提供しています。

項目積極的な企業の特徴
研修制度新規事業に必要なスキルを習得できる研修プログラムを提供している
評価制度新規事業への挑戦や成果を明確に評価する制度を導入している
人材採用多様なバックグラウンドを持つ人材を採用し、創造性を重視している

人材育成と評価制度を活用することで、新規事業を推進する組織の基盤を強化しているのが成功企業の特徴です。

失敗事例から学ぶ!新規事業の落とし穴と回避策

新規事業に関する失敗を避け、成功確率を高めるためには、過去の失敗事例から学ぶことが不可欠です。

新規事業のよくある失敗事例と回避するための具体的な対策を解説します。

事例1:市場調査が不足している

新規事業が失敗する大きな原因のひとつに、市場調査不足によるニーズの誤解があります。

綿密な市場調査を行わずに事業をスタートさせた結果、顧客ニーズと製品やサービスが合致せず、市場に受け入れられないという事態に陥る事例は少なくありません。

革新的な技術を開発したが、その技術に対する市場のニーズが低かったり、ターゲット層が想定と異なっていたりする事例が挙げられます。

対策具体的な方法
定量調査アンケート調査や市場規模調査、競合調査などを通して、数値データに基づいた客観的な分析を行う
定性調査顧客インタビューやフォーカスグループインタビューなどを通して、顧客の潜在的なニーズや不満点を掘り起こす
仮説検証市場調査の結果に基づいて立てた仮説を、MVP(Minimum Viable Product)開発やテストマーケティングを通して検証する
データ分析市場動向や顧客行動に関するデータを分析し、ニーズの変化を常に把握する

市場調査は、データを集めるだけでなく得られた情報を分析し、具体的な戦略に落とし込みましょう。

また仮説検証を繰り返すことで、市場の反応を的確に捉え、事業計画を柔軟かつ素早く変更することが成功のポイントです。

事例2:人手が不足している

新規事業の推進中に、人手不足が原因で計画が遅れる事例は珍しくありません。

新規事業は既存の事業とは異なるスキルや知識が必要な場合があり、適切な人材を確保できないと進行に大きな支障をきたします。

人手不足は既存の従業員への負担増加を招くリスクも高いです。

従業員が過剰な業務を抱えると、モチベーションの低下や離職率の上昇につながり、事業全体のパフォーマンスが低下するかもしれません。

問題を回避するためには、事業開始前に必要な人材やスキルを明確にし、計画的に人材を採用・配置しましょう。

外部の専門家やフリーランスの活用、パートナー企業との連携も効果的な解決策となります。

既存社員に対してもスキルアップのための研修を実施すれば、チーム全体の能力を底上げすることにも効果的です。

事例3:仮説検証に時間がかかる

新規事業が失敗する大きな要因のひとつに、仮説検証に時間がかかることが挙げられます。

新規事業では、ターゲット市場のニーズや製品・サービスの価値を確認するために仮説検証が不可欠です。

しかし、準備不足や過剰な分析で仮説検証が遅れると市場の変化に対応できず、競合に後れを取るリスクが高まります。

問題を回避するには、スピード感を持った仮説検証のプロセスを構築することが重要です。

小規模なターゲット市場での早期テストや、簡易プロトタイプを使用した素早いフィードバック収集を実施しましょう。

データの収集・分析に重点を置きすぎず、迅速に実行可能な次のステップを設定することが成功への鍵となります。

事例4:撤退条件が明確になっていない

新規事業が失敗する理由のひとつは、撤退条件が明確になっていないことです。

新規事業は必ずしも成功するとは限らず、適切なタイミングで撤退する判断が求められる場面も少なくありません。

しかし撤退条件を事前に設定していない場合、不採算事業を続けてしまい、企業全体に悪影響を及ぼすリスクがあります。

撤退することで生じる損失や関係者への影響を過剰に恐れ、撤退をためらう事例も少なくありません。

新規事業の計画段階で、撤退基準を明確に設定しておくことが重要です。

収益目標やコスト対効果、市場動向の変化など撤退を判断するための定量的な指標をあらかじめ決めましょう。

撤退条件を明確にすることで、不採算事業を早期に終わらせ、新規事業における失敗を最小限に抑えられます。

新規事業成功のための実践ガイド

新規事業を成功させるためには、戦略的な計画と効果的な実行が欠かせません。

新規事業を成功に導くための具体的なステップについて解説します。

黒字化までの期間

新規事業の黒字化までの期間は、一般的に3〜5年とされています。

しかし、あくまで平均的な期間であり業種や市場環境、経営戦略、初期投資額など多くの要因により変動するので注意してください。

企業が家電事業と住宅事業を融合した包括的なライフスタイルを提案し、相乗効果を得られる事業であれば、短期間での黒字化も期待できます。

一方でビジネスモデルを導入する事業やニッチ市場を狙う事業などは、市場開拓や顧客獲得に時間を要するため、黒字化まで時間がかかるかもしれません。

要因黒字化期間への影響
市場の成長性成長市場:短縮、成熟市場:長期化
競合状況競合が少ない:短縮、競合が多い:長期化
ビジネスモデル収益モデルが明確:短縮、不明確:長期化
初期投資額少額:短縮、多額:長期化
マーケティング戦略効果的な戦略:短縮、非効率な戦略:長期化

黒字化までの期間を予測する際には、さまざまな要因を総合的に考慮し、現実的な計画を立てましょう。

段階的なロードマップ

新規事業の黒字化を目指すためには、明確なロードマップを作成し、段階的に目標を達成していくことが不可欠です。

ロードマップには、以下の要素を含めることをおすすめします。

段階目標期間KPI
フェーズ1:事業準備市場調査、事業計画策定、資金調達3~6カ月調査レポート完成、事業計画承認、資金調達完了
フェーズ2:事業開始サービス・製品ローンチ、顧客獲得6~12カ月顧客数、売上高、顧客満足度
フェーズ3:事業拡大市場シェア拡大、収益向上12~24カ月売上高成長率、利益率、市場シェア
フェーズ4:黒字化収支トントン、利益確保24~36カ月以降売上高、利益額、損益分岐点

各フェーズの目標や期間、KPIは、事業内容によって調整しましょう。

各段階で具体的な目標を設定し、達成状況を定期的にモニタリングすることも必須です。

KPI設定と進捗管理の重要性

新規事業の黒字化を目指すうえで、KPI(重要業績評価指標)の設定と進捗管理は重要です。

KPIは事業の成功を図るための具体的な指標であり、売上高や顧客数、顧客満足度、利益率など事業の状況を数値で示します。

適切なKPIを設定すれば、事業の進捗状況を客観的に把握し、問題点を早期に発見するのに有効です。

定期的な進捗管理を行うことで、目標達成に向けた修正や改善策を迅速に実行できます。

進捗状況が目標を下回っている場合は、マーケティング戦略の見直しやコスト削減、製品開発の改善など対策を考えましょう。

新規事業の構想を考える際に効果的な方法

新規事業を成功させるためには、アイデアを生み出すプロセスが重要です。

しかし、漠然と考えるだけでは良い発想は得られません。

新規事業の構想を考える際に、体系的にアイデアを整理し、新たな視点を得るための方法について解説します。

マインドマップ

マインドマップは、中心となるテーマを軸に関連するアイデアを枝分かれさせて書き出す手法です。

アイデアが視覚的に整理され、情報の関係性や全体像を把握しやすくなります。

「新規事業」というテーマから顧客ニーズや競合分析、技術活用などサブテーマを展開し、それぞれに詳細なアイデアを広げていきます。

マインドマップはアイデアの連鎖を促し、関連性を可視化できるため、考えの幅を広げるのに効果的です。

ブレインストーミング

ブレインストーミングは、集団で自由にアイデアを出し合い、問題解決や新しい発想を生み出す手法です。

批判や評価を一切せずに意見を出し合うことで、個人では考えつかないような斬新なアイデアや解決策を集めます。

一部の人に発言が偏らないよう配慮が必要ですが、チームの結束力が強まるなどの効果も期待できます。

マンダラチャート

マンダラチャートは、中心となるアイデアから派生する要素をマス目に埋めていく方法です。

例えば、チャートの中心に「新規事業の成功」と書き、周囲にターゲット市場や技術力、収益構造などの主要要素を書き出します。

さらに、それぞれの要素を細分化することで、全体像と細部を同時に整理できます。

アイデアを体系的に整理し、視覚的に全体像を把握できるため、戦略立案の初期段階に有効です。

アンチプロブレム

アンチプロブレムは、課題を逆転させて考えることで新たな解決策を見つける手法です。

「新規事業を成功させる方法」を考える代わりに、「新規事業を失敗させる方法」をリストアップしましょう。

発想を逆転させることで、通常では気づきにくいリスクや課題が明確になります。

行き詰まりを感じた課題や従来の方法では解決が難しい問題に対して、新しい視点や気づきを得るために効果的な手法です。

6W3H

6W3Hは、「Who」「What」「When」「Where」「Why」「Whom」「How」「How much」「How many」の9つの視点からアイデアを整理する手法です。

新規事業を考える際に「Who(誰に)」「What(何を)」などの問いを立てて、問いに答える形でアイデアを具体化します。

事業の詳細を網羅的に確認できるので、論理的な事業計画を立案するための基盤としておすすめです。

新規事業の未来予測!成長市場と成功への新たなアプローチ

新規事業を成功させるためには、未来を見据えた市場の動向や成長分野を的確に把握しましょう。

注目の成長市場について紹介します。

注目すべき成長市場

新規事業の未来予測において、成長市場への的確な参入は成功のポイントです。

社会ニーズの高まりや技術革新を背景に、今後さらなる成長が見込まれている注目すべき成長市場には下記の分野が挙げられます。

成長市場成長要因新規事業参入のポイント
持続可能な社会を実現するESG関連事業環境問題への意識の高まり、SDGsへの取り組み促進、企業の社会的責任への関心の増大環境配慮型製品・サービスの開発、サステナブルなビジネスモデルの構築、透明性と情報開示の徹底
デジタル技術を活用したDX関連事業デジタル化の加速、AI・IoT技術の進化、データ利活用ニーズの拡大既存ビジネスへのデジタル技術導入支援、AIを活用した新規サービス開発、データ分析に基づいた顧客体験向上
健康寿命延伸に貢献するヘルスケア関連事業高齢化社会の進展、健康志向の高まり、予防医療への関心の増大健康管理アプリ開発、遠隔医療サービス提供、パーソナライズされた健康支援サービス

新規事業を検討する際には、市場動向を的確に捉え、自社の強みを活かした独自の価値提案をしましょう。

最新技術を活用した新規事業

AIやIoT、ブロックチェーンなど最新技術の進化は、新規事業創造の可能性を大きく広げています。

最新技術を効果的に活用することで、既存のビジネスモデルを革新し、競合優位性を築くことが可能です。

最新技術新規事業への応用事例成功のためのポイント
AI顧客行動予測、パーソナライズされたサービス提供、業務効率化データの質と量の確保、AI技術の専門家との連携、倫理的な側面への配慮
IoTスマート家電、スマートファクトリー、遠隔監視システムデータセキュリティの確保、ネットワークインフラの整備、ユーザーインターフェースの設計
ブロックチェーンサプライチェーンの透明性向上、デジタル資産管理、セキュリティ強化技術的な理解、規制への対応、信頼できるパートナーとの連携

最新技術を活用した新規事業は、高度な専門知識と技術力が必要となる場合が多いです。

外部パートナーとの連携や人材育成を積極的に行うことが、成功への重要な要素となります。

オープンイノベーションによる共創

自社だけでは実現できない革新的な事業創造のためには、オープンイノベーションによる共創が有効です。

オープンイノベーションとは、企業や組織が自社の枠を超えて外部と連携して新しいアイデアや技術を取り入れる戦略です。

大学や研究機関、スタートアップ企業など外部の知恵や技術を取り入れることで、新規事業開発のスピードと成功確率が向上します。

共創パートナーメリット成功のためのポイント
大学・研究機関最先端技術へのアクセス、専門知識の活用共同研究契約の締結、知的財産権の明確化、研究成果の事業化計画
スタートアップ企業革新的なアイデア、迅速な開発力柔軟な連携体制、リスク共有、適切な評価制度
大企業資金力、販売網、ブランド力戦略的なパートナーシップ、互恵的な関係構築、明確な役割分担

オープンイノベーションによる共創は、単なる技術導入ではなく、互恵的な関係構築と戦略的なパートナーシップが不可欠です。

長期的な視点で信頼関係を築き、継続的な協働体制を構築することで、より大きな成果を生み出せます。

新規事業を始める際には成功例を参考に道を切り拓こう

新規事業の成功確率を高める秘訣と失敗を回避するための対策について、成功例を交えながら解説しました。

新規事業の成功には市場分析や競合分析、ビジネスモデル構築、マーケティング戦略、人材育成の5つが重要なポイントです。

紹介した事例と成功ポイントを参考に自社に最適な戦略を策定して、新規事業の成功を目指しましょう。

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