BtoBコンテンツマーケティングの事例10選|基本と成功の秘訣を解説
コンテンツマーケティングを実践したいけど、成果につながるか不安を感じる方はいませんか?
今回は成果をあげたい企業にとって参考になる、BtoBに特化したコンテンツマーケティングの事例を10選紹介します。
自社のサービスや商品内容によって、参考にすべきコンテンツマーケティング事例は異なります。
ここで紹介しているいくつか事例を見比べながら、自社に合った成功事例を参考にしてみてください。
なお、テクロ株式会社では「BtoBマーケティング入門書」資料を無料で配布しています。
BtoBマーケティングの主な活動や事例を知りたいBtoB企業様は、ぜひ参考にしてください。
目次
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、見込み顧客に価値のある情報やコンテンツを提供することで信頼を獲得したり、購買につなげたりするためのマーケティング手法です。
顧客に見つけてもらうことを前提としているマーケティングで、インターネットの普及に伴い急速に成長を続けています。
コンテンツマーケティングとして代表的な手段は以下のとおりです。
- オウンドメディア
- メルマガ
- SNS
コンテンツマーケテイングなら、低コストで成果を上げられる「費用対効果の高さ」が1番のメリットとして挙げられます。
コンテンツ作成や成果が出るまでに時間がかかってしまう点がデメリットとして挙げられますが、コンテンツが資産として蓄積されるため、長期的に成果を獲得したい場合に最適です。
さらに詳しいコンテンツマーケティングの解説や進め方は以下の記事で紹介しています。
関連記事:コンテンツマーケティングとは?実践方法や手法、事例まで徹底解説
BtoBにおけるコンテンツマーケティングの重要性
コンテンツマーケティングと聞くとBtoCのイメージが強いかもしれません。
しかし作成したコンテンツで、ブランディングや見込み顧客のファン化ができ、以下のような特徴があるBtoBと相性が高い面もあります。
- 価格が高く、検討時間が長い
- 合理的な意思決定プロセスがある
広告は出稿している間費用がかかり、止めたら集客力が無くなってしまいます。
対してコンテンツマーケティングは一度作成したコンテンツが資産となり、Web上にずっと残り続けます。
広告のように一時的に認知させるものではないため、更新頻度が落ちたとしても、アクセスを獲得できる点が強みです。
よって取引を検討する初期段階からインターネットで、情報を収集しているBtoB企業にコンテンツマーケティングを導入できれば、強力な味方になります。
しかし作成するコンテンツの質が低いと、継続して集客できていてもコンバージョンへと結びつきません。
ターゲットやKPI(評価指標)の設定を間違えていないかなどを確認したうえで、高品質なコンテンツを作成することが重要です。
コンテンツマーケティングの手順
コンテンツマーケティングでは、ただ闇雲にコンテンツの作成・配信をしても期待した効果が得られないかもしれません。
手順を把握し全体設計を行うか否かが、コンテンツの質や成果が大きく左右します。
ここからは、コンテンツマーケティングの手順を詳しく解説します。
手順1.コンテンツマーケティングの目的を整理する
コンテンツマーケティングを導入する際には、目的の設定が欠かせません。
最終的な目的を設定しなければ、どのような施策を打つ必要があるかも決められないため、まずは解決したい自社課題を明確にしましょう。
特にコンテンツマーケティングでは、以下のような目的を設定するのが一般的です。
- 見込み客の集客
- 顧客の熱量を上げる
- 既存顧客のファン化
それぞれに合わせたコンテンツを用意したり、中間目標となるKPIを設定したりする必要があります。
リード獲得が課題なら、資料ダウンロード数や問い合わせ数などが課題として挙げられるでしょう。
目的に適したコンテンツ戦略が必要不可欠です。
手順2.ペルソナを細かく設定する
目的が整理できたら、ターゲットとなる潜在顧客や見込み顧客を可視化するために、ペルソナを設定します。
ペルソナとは、ターゲットとする顧客層を具体的な架空の人物像として設定したものです。
ペルソナを設定するステップは、以下を参考にしてください。
- 顧客データを収集する
- 顧客の属性を精査する
- ターゲット層の具体的なペルソナを描く
BtoBの場合、企業の規模や業種、決定権の有無などを細かく設定しましょう。
どのような課題や悩みを抱えているか、何の情報を求めているか、製品・サービスはどのような基準で選ぶのかなども描けるとよりペルソナが明確になります。
ペルソナが細かく設定されているほど、コンテンツの制作もスムーズに進みます。
手順3.カスタマージャーニーマップを制作する
ペルソナを設定したら、カスタマージャーニーマップを制作しましょう。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを契約するまでのプロセスを図式化したフレームワークのことです。
契約するまでのプロセスを図式化すれば、顧客行動の全体像を把握できたり、思考や感情を深掘りしたりできるなどのメリットがあります。
コンテンツマーケティングでは、顧客のニーズを理解したコンテンツが求められます。
カスタマージャーニーで顧客が辿る一連の流れを時系列で可視化することは、良質なコンテンツを作成する点で非常に効果的です。
具体的なコンテンツを作成する前に、それぞれのフェーズに適した解決策を明確にすることで、コンテンツ制作の軸がぶれません。
課題をしっかりと洗い出し、それに合った解決策を提示できるように制作しましょう。
手順4.目的に合った施策を検討する
コンテンツマーケティングといってもさまざまな種類があり、目的によって最適な施策が異なります。
効率的に運用を進めるためにも、自社の目的に合った施策を検討しましょう。
以下の施策が代表として挙げられます。
- コンテンツSEO
- 広告
- SNS
- 動画コンテンツ
- メールマガジン
- ホワイトペーパー
- セミナー
「コストを抑えながらも、リードを長期的に獲得すること」が目的であれば、SEOを意識した記事コンテンツを公開することが目的達成につながります。
反対にブランディングを目的としているのであれば、SNSアカウント運用などが最適です。
1つのコンテンツだけでなく、複数のコンテンツを組み合わせて、それぞれの相乗効果を最大化するのもおすすめです。
顧客と企業の接点であるタッチポイントを意識し、目的がしっかりと定まっていれば、施策も選びやすくなります。
手順5.効果測定を実施する
コンテンツマーケテイングが成果につながるには、長い時間を必要です。
目標とする成果を得るためにKPIを設定し、効果測定を実施するのが大切といえます。
さまざまな指標が効果測定できますが、自社の目的に合わせて調査したい内容を決めましょう。
コンテンツマーケティングの効果測定では、以下のような指標を使用するケースが多いです。
- 訪問者数
- 平均滞在時間
- 離脱率
- 問い合わせ件数
- ユーザーの直帰率
- コンテンツへのコンバージョン率
どのコンテンツが成果に貢献しているかだけでなく、成果につながっていないコンテンツを改善する面でも重要です。
効果を数値化することで、目的達成に近づけているどうかを客観的に振り返るタイミングにもなります。
マーケティングの施策例
BtoBであってもすべての企業に、オウンドメディアによるコンテンツマーケティングが正解となるわけではありません。
コンテンツマーケティングの大まかな施策例と効果について、以下で把握しておきましょう。
オウンドメディアの作成
コンテンツマーケティングの代表例として挙げられるのが、各企業に合わせたオウンドメディアの作成です。
先述した通り、自社のオウンドメディアに作成した記事(コンテンツ)を掲載し、顧客を獲得・コンバージョンへとつなげます。
集客手段のひとつである「SEO対策」をしたオウンドメディアは、流入増加や認知の拡大などの効果が期待できます。
ストック型のコンテンツのため、長期で続けるほど検索エンジンからの評価が得られるでしょう。
狙うキーワードの選定やコンテンツ作成は、Webマーケティングやコンサルティング会社などに依頼するのも1つの方法です。
導入事例・シミュレーション
企業のサービス・商品の導入事例やシミュレーションをコンテンツとしたマーケティングも存在します。
導入事例では実際にサービスや商品を導入し、成功した顧客の事例をWebサイトに掲載し、コンバージョンへとつなげます。
導入事例は専門的な知識を必要とせず、自社内で簡単にコンテンツを作成できるため、比較的に始めやすい分野です。
シミュレーションでは、Webページ上にサービスを導入して得られる効率化や収益を試行するためのコンテンツを用意します。
例えばフランチャイズ・ビジネスでは、シミュレーションによって開業コストや損益モデルでは数値化して予測が立てられます。
契約前に具体的なイメージがつかみやすく、顧客が参考にしやすいコンテンツです。
ただし、これらの導入やシミュレーション効果を発揮するためには、まず集客しなければなりません。
そのためSEOやSNSで顧客を集めてから、誘導していく必要があります。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、潜在顧客や見込み客に対して有益な情報を提供し、ユーザーの満足度向上や顧客情報の獲得を目的としたコンテンツマーケティングの一種です。
自社のノウハウや知見をまとめた資料や調査結果をWeb上の資料(白書)にまとめ、無料で配布されます。
役に立つ情報やノウハウを無料で手に入れられるため、今すぐコンバージョンにつながらない顧客に対しても、信頼性やサービスの魅力をアピールできます。
取引成立までの検討期間が長い上、高額で継続的な取引を求められるBtoBとの親和性も高く、心理的なハードルを下げてくれるでしょう。
そしてホワイトペーパーは、顧客に有益な情報を提供する代わりに以下の情報が獲得できます。
- メールアドレス
- 電話番号
- 社名
顧客情報が手に入れられるため、リード獲得の面でも効果的です。
効果を最大限に活かすためには、最終的な目標を意識してホワイトペーパーを作成するのがポイントです。
ホワイトペーパーについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
動画・SNS
マーケティングのコンテンツ作成は、テキスト主体の記事だけではありません。
SNSを使ったコンテンツマーケティングは、ファン形成やブランディングに最適です。
SNSといえばBtoC向けのイメージが強いですが、BtoBであっても同様に以下のプラットフォームが活用されています。
- YouTube
例えば社員の個人や企業のアカウントを作成し、自社の情報を発信したり交流したりすることで、効果的にブランディングできます。
そして動画によるコンテンツでは、専門的で複雑な情報が多くなるBtoBのサービスの魅力をわかりやすく伝えるのに最適です。
テキストのみのコンテンツではイメージが湧きにくいサービスであれば、動画も合わせて提供することで高い訴求力が期待できます。
動画で発信するか、テキストで発信するかによって最適なプラットフォームは変わってきます。
自社の発信したい内容に併せて、選定しましょう。
BtoBコンテンツマーケティングの導入事例10選
コンテンツマーケティングの施策はさまざまですが、ここではオウンドメディアを中心に事例を紹介します。
オウンドメディアの主な運用目的は、以下のとおりです。
- ブランディング
- 広告費の削減
- メディア自体の事業化
- リード獲得
ここで紹介するBtoB向けのコンテンツマーケティングの事例をチェックすれば、具体的な成果や導入がイメージしやすくなります。
自社のサービスや商品に適しているか検討しながら参考にしてみてください。
事例1.freee株式会社「経営ハッカー」
画像出典:経営ハッカー
「経営ハッカー」は、BtoBの事業オウンドメディアにもかかわらず、2017年には月間400万pvを記録した大規模なメディアです。
元々は、CEOの佐々木大輔氏の個人ブログとして立ち上げられ、リードの獲得を目的としていませんでした。
次第にコンテンツが増えて現在のようなスタイルとなっています。
経営ハッカーはメディア内の記事作成に力を入れており、経営や会計の知識がない層をターゲットにしたSEOによる流入が特徴的です。
そしてメディア内には、以下のコンテンツが設置されています。
- 導入効果シミュレーター
- 導入事例
- ホワイトペーパー
コンバージョンへの導線もしっかりと設計されていることが特徴です。
コンテンツは経営や会計の用語を網羅しており、中小企業の経営者にとって役立つ内容が発信されています。
「会計ソフト」や「クラウド」などのキーワードでは、リスティング単価の相場が高騰しており、SEOで集客できる点が広告費の削減につながっています。
オウンドメディアにより、ニーズが高まっていない状態のユーザーにリーチできた事例です。
メディア名 |
経営ハッカー |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
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運営会社 |
freee株式会社 |
公開時期 |
2012年 |
目的 |
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事例2.サイボウズ株式会社「サイボウズ式」
画像出典:サイボウズ株式会社
グループウェアの国内シェアNo1のサイボウズ株式会社が運営する「サイボウズ式」は、記事コンテンツをメインにコンテンツマーケティングを展開しています。
2012年に公開されたサイボウズ式は、2019年の時点で平均月間20万PVを超えるメディアへと成長しています。
サイボウズは2011年までグループウェアを使う企業として、新聞広告やメールマガジン、雑誌広告をメインに展開してきましたが、売り上げが足踏み状態になっていました。
そこでオウンドメディアであるサイボウズ式を立ち上げ、それまでに獲得できなかったITに関心のないマジョリティ層へのアプローチを開始した結果、大きな成長を遂げました。
編集長である藤村能光さんは、「サイボウズ式を運営する目的は、直接的な売り上げのために運営しているわけではない」と語っており、長期的な効果が期待できる認知度のUPに重点をおいていることがわかります。
(参考:【前編】サイボウズ式に学ぶ、「製品のPRにはつなげない」オウンドメディア運営術|SELECK )
掲載しているコンテンツも品質が高く、豊富なイラストや会話形式の説明など各所に読みやすくなるための工夫がされています。
サイボウズのサービス自体の訴求をあえてせず、ブランディングに成功しているBtoBコンテンツマーケティング事例の1つといえるでしょう。
メディア名 |
サイボウズ式 |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
新しい価値を生み出すチームのメディア |
運営会社 |
サイボウズ株式会社 |
公開時期 |
2012年5月 |
目的 |
認知度UP |
事例3.株式会社キーエンス「バーコード講座」
画像出典:株式会社キーエンス
「バーコード講座」は、1974年に創業して以来、計測機器や情報機器などを製造してきた株式会社キーエンスが運営するオウンドメディアです。
バーコード講座ではその名の通り、物流や計測機器には欠かせないバーコードの仕組みや基礎知識を学べます。
キーエンスが取り扱っているバーコードはBtoBである工業製品向けで、工業事業の管理者や設計者がメインのターゲットです。
バーコードの規格や基礎知識からバーコードの原理などの込み入った内容も解説しており、上級者までも網羅しています。
コンバージョンのポイントは、バーコードの基本構成や種類別が学べる「バーコードの教科書」をホワイトペーパーPDF(ebook)として提供していることです。
ホワイトペーパーのバナーは、メディア内の以下の部分に設置されています。
- ヘッダー
- サイドバー
- フッター
スクロールしても常にボタンが表示されるよう工夫されており、コンテンツ目的で訪れた顧客の目に留まりやすいデザインを意識しています。
このバーコードの資料は網羅性も高く、導入後の改善事例も掲載されているため、キーエンスのサービス利用者増加も期待できるでしょう。
メディア名 |
バーコード講座 |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
バーコードや規格の読み取りノウハウの提供 |
運営会社 |
株式会社キーエンス |
公開時期 |
2017年9月 |
目的 |
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事例4.BASE株式会社「BASE U」&「BASE Book」
画像出典:BASE株式会社
「BASE U」「BASE Book」は、BASE株式会社が運営しているオウンドメディアです。
BASE Uでは、ネットショップの開設や運営、販促に関するノウハウを提供しており、ショップの加入者に向けては350本以上の記事コンテンツを公開しています。
- 商品・ブランド企画
- 販売準備
- 集客
- 運営の工夫
以上のような、ネットショップ立ち上げのステップに分けてコンテンツが用意されているため、視認性も抜群です。
また信頼の獲得やコンバージョンに効果的な導入事例やインタビュー記事も掲載されており、サービスを利用したいあらゆる顧客に魅力をアピールしています。
一方BASE Bookは、社内外のイベントや制度、チームの取り組みを掲載しているオウンドメディアです。
メンバーインタビューを中心に、社内の様子が分かるコンテンツが作成されています。
BASE UはECサイト運営に興味がある層をターゲットとしていますが、BASE Bookは企業のブランディングや人材採用が目的です。
コンテンツマーケティングとして運営するオウンドメディアは1つだけとは限らず、用途や目的ごとに使い分けられることがわかる事例の1つです。
メディア名 |
BASE U |
BASE Book |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
ネットショップ開設や運営、販促に関するノウハウの提供 |
株式会社BASEの社内イベントや取り組みの発信 |
運営会社 |
BASE株式会社 |
BASE株式会社 |
公開時期 |
2013年11月 |
2018年 |
目的 |
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認知度UP |
事例5.株式会社テリロジー
画像出典:株式会社テリロジー
「株式会社テリロジー」は、海外のハードウェアやソフトウェア製品の輸入販売を中心に実施する会社です。
同社は新サービスをアピールするにあたって、広告・展示会・情報サイトへの記事提供・ターゲットメールなどの施策を試しましたが、あまり良い結果が得られませんでした。
そこで導入したオウンドメディアによるコンテンツマーケティングを導入したところ、問い合わせ数を以前の3倍までに伸ばしました。
質の高い記事コンテンツを作成するために、ペルソナ設定・キーワードを突き詰め、クライアントが本当に求めている内容を捉えていることがポイントです。
そしてコンテンツを作成するなかで、自社製品の開発においてヒントとなる発見できるなど副次的なメリットも得られた成功事例といえます。
事例6.株式会社LIG「LIGブログ」
画像出典:株式会社LIG
「LIGブログ」は、Web制作やデザインを主な事業としている、株式会社LIGが運営するオウンドメディアです。
LIGブログが開始してから10年後の2018年には、月間約500万PVのメディアへと成長し、オウンドメディアとして最初に名前が挙げられるほど有名になりました。
メインとなるコンテンツはLIG社員が執筆する記事で、専門であるWeb制作の記事からSNSで拡散されやすい面白コンテンツまでさまざまです。
そのような理由もあり、LIGといえば面白コンテンツのイメージが強いですが、実は集客の大半は検索流入をメインとした記事です。
記事も毎日更新されており、質の高いコンテンツをキープし続けています。
メディア内のデザインや設計からもWeb制作の技術力の高さが伺え、同社のサービスのアピールにも効果的です。
そして面白さや楽しさは、含ませたコンテンツで拡散を狙うだけでなく、企業イメージや社内の雰囲気を伝えることにも一役買ってくれています。
メディア名 |
LIGブログ |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
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運営会社 |
株式会社LIG |
公開時期 |
2012年 |
目的 |
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事例7.東海バネ工業株式会社「ばね探訪」
画像出典:ばね探訪
「ばね探訪」は、ばねの製造・販売をする東海バネ工業株式会社が運営するオウンドメディアです。
ばね探訪では、バネが活躍する現場のレポートや自社製品の活用事例を発信しており、製品の歴史や技術力の高さをアピールしています。
ばねというマニアックな分野のメディアですが、購入を検討しているターゲット層にとっては高い訴求力を誇ります。
さらに、製品づくりに対する取り組みを1〜4話の連載形式で発信しており、記事コンテンツの独自性の高さも魅力の1つです。
自社の商品やサービスを伝えることを目的としたオウンドメディアが多い中、ばね探訪は「自社のビジネスモデル」をテーマにしています。
同社の製品はすべてオーダーにそって製造する受注生産のため、信頼や安全性が重要となる取引に対しても、自社のビジネスモデルの宣伝は有効的です。
長期的な取引となるBtoBコンテンツマーケティングとしても参考にしたい事例の1つです。
メディア名 |
ばね探訪 |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
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運営会社 |
東海バネ工業株式会社 |
公開時期 |
2010年以前 |
目的 |
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事例8.株式会社ベーシック「ferret」
画像出典:ferret
「ferret」は、月間500万PVを超え、リード獲得件数2,000件にも上るBtoBメディアです。
圧倒的な実績を誇るferretの目的は、プロダクトにリードを提供することではありません。
ferret創刊編集長の飯髙悠太氏は「メディア単体で収益をあげることを目的とした事業」と話しています。
(参考:ferretで劇的に成果を上げた、オウンドメディア経由のリードを成約に結びつける4つの組織改革|FastGrow)
SEO対策で検索流入数が多く上位表示もされており、コンテンツマーケティングとして参考にしたい点ばかりです。
コンテンツのターゲットは、SEO対策やSNSマーケティングなど情報を求めている、Webマーケッターやアフィリエイターです。
社内のライターだけでなく、外部のライターにも執筆を発注しており、効率化を図るためフォーマット化や教育システムを導入しています。
効率と質を担保し、資産化できる記事コンテンツを増やしていくことで、長期的に安定できたコンテンツマーケティングの成功事例と言えるでしょう。
メディア名 |
ferret |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
マーケターのよりどころ |
運営会社 |
株式会社ベーシック |
公開時期 |
2014年9月 |
目的 |
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事例9.ソウルドアウト株式会社「LISKUL」
画像出典:LISKUL
「LISKUL」は、リスティング広告の運用ノウハウをはじめ、Webマーケティング全般の情報をブログ形式で発信しています。
月間のサイトアクセス数は80万を超え、資料ダウンロードは1,000件以上と実績も豊富です。
メディア内では、リスティング広告の基礎知識から運用方法まで、カテゴリによって分類されているため、これからマーケティングを学びたい初心者に最適な設計です。
検索キーワードである
- リスティング広告
- ランディングページ
- カスタマージャーニー
- コンバージョン率目安
以下のマーケティング用語でも上位表示されており、実績として確認できるため信頼性の向上にもつながっています。
さらにサイト集客だけではなく、eBookへのダウンロードの訴求にも成功。
自社のオウンドメディアを上位表示させることで、サービスの信頼を勝ち取っているコンテンツマーケティングとして参考にすべき事例でしょう。
メディア名 |
LISKUL |
メディアURL |
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コンセプト・テーマ |
日本のすみずみまでWebマーケティングの力を |
運営会社 |
ソウルドアウト株式会社 (2021年7月よりSO Technologies株式会社へ移管) |
公開時期 |
2014年 |
目的 |
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事例10.株式会社LGブレイクスルー「自治体ビジネスドットコム」
画像出典:自治体ビジネスドットコム
「自治体ビジネスドットコム」は、地方自治体や官公庁からの業務を受託するためのソリューションを提供している企業です。
以前からオウンドメディアを導入していましたが、Webでは企業との接点がないと考えており、オウンドメディアの運営が進められていない状態でした。
状態を打破するべくコンテンツマーケティングを実施し、半年経過した頃にはPVが約20倍まで成長しました。
ここまでの成長を遂げた理由は、コンテンツを作成する際に数値のデータとして変化を記録し、改善を模索したことです。
オウンドメディアを事業に活用するという目的も達成されました。
同社は小さな会社でありながら、オウンドメディアを活用することで営業の自動化に成功した事例です。
参考:【半年でPV20倍】オウンドメディアでサイト流入数を増加|株式会社LGブレイクスルー様
株式会社LGブレイクスルーのコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。
メディア名 |
自治体ビジネスドットコム |
メディアURL |
https://www.b2lg.co.jp/jichitai/ |
コンセプト・テーマ |
自治体ビジネスを成功に導くための情報発信 |
運営会社 |
株式会社LGブレイクスルー |
公開時期 |
2017年 |
目的 |
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コンテンツマーケティングの成功事例に共通するポイント
オウンドメディアを中心としたBtoBのコンテンツマーケティング事例を紹介してきました。
しかし1つの企業で成功したからといって、自社でもうまくいくとは限りません。
見習うべき事例は自社のサービス内容ごとによって異なるため、相性や適正から判断して参考にしましょう。
ここからは「成功事例に共通するポイント」を紹介します。
それぞれのポイントを自社のコンテンツマーケティングに、どう落とし込むかを考えながら確認してみてください。
ポイント1.全体像を構築してコンテンツ制作をする
運営の全体像が曖昧なまま、コンテンツ制作を開始する企業も少なくありません。
しかし「誰に」「何を」「いつ」発信するのかが設計されていないと、コンテンツの価値は低下してしまいます。
ペルソナ「誰に」を具体的に設定し、ペルソナに最適なカスタマージャーニー設計を行い「何を」「いつ」発信するのかを明確にしましょう。
さまざまな事態を想定しながら、全体像を構築することで効率的かつ高品質なコンテンツを制作できます。
ポイント2.達成目標と成果が明確に設定されている
明確な成果を得るためには、目的や成果から逆算してコンテンツを作成する必要があります。
なんとなくコンテンツを作る、バズらせたい、検索順位を上げたいなどの目的では正しいマーケティング施策とはいえません。
コンテンツ制作の取り組み開始前に明確な目的を設定し、目的に基づいた施策を展開するのが重要です。
最初に自社が抱える具体的な課題を洗い出し、その解決を目的とするコンテンツマーケティング戦略を立てましょう。
見込み顧客の獲得数が少ないなら、コンテンツSEOに取り組み、流入した見込み顧客にホワイトペーパーを提供してリード獲得を目指すような目的を設定してみてください。
ポイント3.コンテンツを継続して作れる仕組みを整える
コンテンツマーケティングにおいて、継続的なコンテンツ作成は成功の鍵となります。
自社内での作成、または外注のどちらを選ぶ場合でも、コンテンツを継続的に作成できる仕組みを整えることが必須です。
リソースが限られている企業は、まず社内で可能な範囲からスタートすることをおすすめします。
しかし担当部署を新設する際には、担当者に過度な負担がかからないようにしたり、マニュアルを用意して業務の属人化を避けたりと継続しやすい環境を整えましょう。
コンテンツの質を維持しながら、継続的に発信するためには、PDCAサイクルを回し続けることが不可欠です。
KPIを明確にしてコンテンツ発信後の成果を分析し、なぜ成功したのか、あるいは失敗したのかを検証し改善を目指しましょう。
ポイント4.運営体制を整備する
コンテンツマーケティングは、広告と違いすぐに成果に結びつかないかもしれません。
全体設計を行い、コンテンツ制作・配信など実施し、さらに全体設計を見直して調整を行いながらPDCAを繰り返していく長期施策です。
運営体制がきちんと整備されていないまま、施策を始めてしまうと長く続きません。
まず、誰が何を担当するのか、役割を明確に決めましょう。
リソースが不足している場合は、外部委託の利用も視野に入れるのも良いでしょう。
チームでアイデア出しの時間を定期的に設けるなど、組織全体で協力体制を築くことが求められます。
ポイント5.長期的に取り組む
コンテンツマーケティングで短期的な成果は期待できず、長期的に取り組むことが前提となります。
そのことを理解していなければ、施策の途中で「効果がでない」と投げ出してしまいかねません。
正しく成果を測定するためにも、最低でも半年から1年は続けるようにしましょう。
もし成果の見込めない施策に予算を投じるのが不安であれば、小さく始めて、徐々に拡大するのも1つの方法です。
継続的に有益な情報を発信し続けることで、顧客の信頼を構築し、結果として大きな成果につなげられます。
特にBtoBの場合、効果が出るまでに時間がかかり、途中で挫折すると検索エンジンからもネガティブな評価を受けかねません。
コンテンツマーケティングは、計画的に長期間継続することが重要なポイントです。
ポイント6.SEO対策に偏らない
コンテンツマーケティングにおいて、SEO対策に偏りすぎることは避けましょう。
特にBtoBでは、コンテンツからの流入は情報収集が目的の潜在顧客が中心となり、すぐに収益化は難しいといえます。
ニュースレターやホワイトペーパー、セミナー、コミュニティ運営など流入してきたユーザーに再訪してもらうための施策を事前に準備しておきましょう。
SEO対策だけに頼らず、多角的なアプローチで顧客との接点を増やし、継続的な関係を築くことが成功の鍵となります。
まとめ:BtoBマーケティングの正しい知識を身に付けよう
BtoBとコンテンツマーケティングは、相性が非常に良いとされています。
しかし知識がなければ、運用も続きません。
自社と近い成功事例から学んで、リード獲得へつなげていきましょう。
BtoBで活用されているマーケティングは、コンテンツマーケティングだけではありません。
事業によっては、コンテンツマーケティングよりも成果の出やすい手法も存在します。
企業に向いているマーケティングを見つけるためには、マーケティングの基礎知識が必要です。
テクロ株式会社では、BtoBマーケティングの全体像や具体的に取り組むべきことが学べる「BtoBマーケティングの入門書」を配布しています。
ぜひ社内のマーケティングにご活用ください。