BtoBマーケティングとは?基礎知識と戦略、手法、成功事例を徹底解説
BtoBマーケティングは、企業が企業に向けて実施するマーケティング手法です。
BtoCとはターゲットなどに異なる特徴があるため、適切なアプローチが必要です。
しかし、実際にどのようにアプローチすればいいのか迷っている担当者は多いかもしれません。
本記事ではBtoBマーケティングとは何かについて解説しながら、基礎知識や戦略、手法、成功事例を紹介します。
BtoBマーケティングに取り組みたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
なお、テクロ株式会社ではBtoBマーケティングの施策についてまとめた資料「押さえておくべきBtoBマーケティングの施策」を無料で配布しています。
BtoBマーケティングの施策にお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。
目次
BtoBマーケティングとは
BtoBマーケティングは、Business to Business(企業対企業)の略であり、企業間での商品やサービスの販売促進を行うマーケティング活動のことを指します。
つまり、企業が他の企業などの法人に対して製品やサービスを販売し、ビジネスを展開するためのマーケティング戦略や手法の総称です。
例えば、経営コンサルティングなどのサービスや生産設備の販売などがBtoBに該当します。
BtoBマーケティングに取り組む際は、BtoCマーケティングに比べて、よりビジネス視点での顧客ニーズの理解やソリューションを提供することが必要です。
また、購買の意思決定のフローが異なる点も特徴で、購買担当者と商品の使用者が異なるケースもあります。
BtoBマーケティングが注目される背景
BtoBマーケティングが注目される背景には、デジタル化が進んだことによる購買行動の変化が挙げられます。
インターネットの普及により、顧客は自ら進んで情報を得られるようになりました。
例えば、企業が自社の課題を解決するために経費精算システムを導入する場合、企業としては複数のシステムを比較検討しながら、より自社にあったサービスを利用したいと考えます。
比較検討のフェーズこそが、インターネットの発達によってもたらされた大きな購買行動の変化です。
つまり、商品やサービスを提供する企業は、比較検討のフェーズにあわせた顧客へのアプローチが求められるようになったのです。
さらに、対面営業が難しくなった昨今の情勢も影響しています。
そのため、BtoBマーケティングの重要性がより注目されるようになりました。
BtoCマーケティングとの違い
BtoBマーケティングが企業へのマーケティング活動を指すことを指していました。
対して、BtoCマーケティング(Business-to-Consumer Marketing)は、企業と一般消費者との間で行われるマーケティング活動です。
BtoCマーケティングとの主な違いは、ターゲット市場が異なる点です。
BtoCマーケティングは一般消費者に向けたマーケティング戦略が展開されるため、より市場規模が大きくなります。
そのため、BtoBとBtoCではアプローチ方法が大きく異なります。
また、それぞれのマーケティングでは、決裁者が異なる点にも注意が必要です。
BtoCの場合は、商品やサービスの利用者と決裁者が同一であるケースがほとんどです。
これに対してBtoBマーケティングでは、商談の担当者と決裁者が異なるケースがあります。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングでは、それぞれ効果的なアプローチが異なるため、適切な手法が展開できるようにしましょう。
BtoB営業とBtoC営業の違いについては、「BtoB・BtoC営業の違い|成約につなげる4つのコツを解説」も参考にしてみてください。
BtoBマーケティングの特徴
BtoBマーケティングの特徴は、顧客との長期的な関係構築が求められる点が特徴です。
先ほども紹介した通り、BtoBマーケティングは意思決定のフローが複雑化しているケースが多く、製品やサービスの購入に時間がかかる場合もあります。
例えば、経費精算システムの導入する場合、実際に導入した際の費用対効果の検討や既存システムとの置き換え、社内にシステムを浸透させる準備など一定の期間が必要です。
また、担当者レベルでの購入が決定したとしても、決裁権を持つ経営陣などへ再度アプローチする必要があるなど、時間をかけて信頼と信用を構築することが求められます。
さらに、より企業に対してより効果的なアプローチをするためには、製品やサービスの有用性を理解してもらうための価値を強調することも重要です。
企業のニーズをより深い部分まで理解し、よりクリティカルなソリューションが提供できることを示す必要があります。
BtoBマーケティングの戦略と基礎知識
BtoBマーケティングの戦略を考える際は、顧客の検討フェーズごとに適切な手法を用いることが重要です。
顧客の検討フェーズは、主に以下のように分類できます。
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
- 商談と受注
- 継続利用してもらう
それぞれのフェーズで効果的なマーケティング手法を選択できるように、基本的な知識を身につけておきましょう。
リードジェネレーション
リードジェネレーションは、見込み顧客の持っている情報を獲得したり、自社の商品に興味を持っている顧客(見込客)を生み出したりすることを意味します。
例えば、SEOやテレアポなどの営業活動もリードジェネレーションの一種です。
将来的に受注につながる可能性のある顧客を創出することが、最終的な成約の獲得につながります。
やみくもにリードを創出しても意味がないため、より自社の製品やサービスの購買可能性が高いユーザーの獲得が重要です。
「リードジェネレーションの手法9つを紹介|ポイントや事例まで」では、リードナーチャリングについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、リードジェネレーションなどで獲得した見込客を自社の顧客に育成させることを意味します。
つまり、見込客に対して自社の製品やサービスの有用性をアピールし、実際に購買を検討するフェーズまで進めることが目的です。
例えば、メールマガジンの配信やセミナーの開催などがリードナーチャリングにあたります。
リードジェネレーションで獲得した顧客のほとんどは、購入意欲がまだ不十分です。
まだ温度感の高くない顧客であっても、潜在的なニーズや課題を発見できていない場合や、自社の商品やサービスの価値を正しく理解できていない可能性もあります。
そこで、マーケティング手法を用いてアプローチすることで将来の顧客につながります。
育成する際には、顧客がどのような悩みや興味を持っているかをきちんと把握することが重要です。
リードナーチャリングについては「リードナーチャリングとは?意味や手法について徹底解説!」でも詳しく解説しています。
本記事と合わせて参考にしてみてください。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションは、リードナーチャリングで育成した顧客のなかから、成約へとつながりそうな熱量の高い顧客を選別する手法です。
商談や受注につながる前の最後のプロセスなので、さまざまな要素から慎重に分析する必要があります。
リードクオリフィケーションでは、分析手法を用いたスコアリングを行い、より購買の可能性が高い顧客を選定します。
営業部門などのリードと直接コミュニケーションを取る部署と連携しながら、最終的に購入する顧客の特徴や考えなどを把握した上で設計しましょう。
商談と受注
購買の可能性が高い顧客を選別できたら、商談や受注の段階に移ります。
商談を受注まで運ぶためには、顧客の属性や興味について理解することが重要です。
例えば、顧客のニーズを正確に理解したうえで、自社の商品やサービスで提供できるソリューションとメリットを伝えるなど、より顧客目線でのアプローチが求められます。
また、現在の対応状況を可視化したり、顧客への対応に優先順位をつけるのが受注の確率を高めるポイントです。
営業ツールを導入することで、顧客との対応状況を可視化したり、アプローチ方法の分析したりと、自社の組織管理も重要となります。
継続利用してもらう
BtoBマーケティングは長期的な関係構築が重要であることを解説した通り、商品やサービスの販売後にもマーケティング活動が実施されます。
例えば、1年ごとに契約を結ぶサービスについて、次年度も継続して契約をしてもらうことなどが挙げられます。
顧客に継続して利用してもらうためには、利用状況を把握したうえで、商品・サービスの改善やアフターフォローが必須です。
既存顧客は新規顧客よりも低コストで売上を伸ばすことが可能なため、取引がある顧客に継続してもらうことは企業の安定にもつながります。
また、自社商品への愛着が高い既存顧客は、別の取引先などに紹介してくれることもあるため、新規顧客の獲得につながる可能性もあります。
既存顧客との関係性を継続させるためにもアフターフォローは丁寧に実施しましょう。
BtoBマーケティングの代表的な手法
ここからは、BtoBマーケティングの具体的な手法について解説します。
先ほど紹介した、顧客との関係ステータスごとに手法を紹介するので、ぜひマーケティング活動の参考にしてみてください。
リードジェネレーションの手法
すでに解説した通りリードジェネレーションは、見込み顧客の持っている情報を獲得したり、見込客の獲得を目的とした取り組みです。
そのため、ニーズを持った顧客が、自社に興味を持つ前後の段階での取り組みを実施します。
具体的には、以下のような手法をリードジェネレーションで実施します。
- コンテンツマーケティング
- ホワイトペーパー
- SNS
- Web広告
- 展示会
- 紹介
それぞれの手法について、詳しく解説します。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報を発信することで、顧客の関心を引き出す手法です。
BtoB・BtoCを問わず、さまざまな企業で採用されています。
例えば、疑問や課題を解決したいユーザーに対して、ソリューションとなるコンテンツをWeb上に掲載することで、自社の認知を広げつつ集客に活用できます。
コンテンツマーケティングでは、SNSやオウンドメディア、動画コンテンツなどを活用するケースが多いです。
また、価値のある情報を提供しつつ、自社の製品やサービスに関する情報を織り交ぜることで、顧客の購入意欲を高められます。
そのため、コンテンツマーケティングは集客だけではなく、顧客の育成にも利用できる点も特徴です。
コンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方は、「コンテンツマーケティングの10のメリットと7つのデメリット」を参考にしてみてください。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、特定のテーマや問題を詳細に解説した資料です。
自社の商品やサービスを利用して、見込み客が抱える課題をどのように解決できるのかを明示できます。
さらに、見込み客の業務におけるノウハウや市場調査データ、事例なども提供可能です。
また、ホワイトペーパーをダウンロードする際に、リード情報の獲得にも活用できます。
例えば、ホワイトペーパーをダウンロードするユーザーに対して、企業や担当者の名前、メールアドレスなどの連絡先などを入力させます。
すると、メルマガなどのほかのマーケティング活動につなげられるようになるのです。
ホワイトペーパーの概要については「ホワイトペーパーとは?意味や種類・活用方法を解説」で詳しく解説しています。
ホワイトペーパーの制作を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
SNS
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどを活用するマーケティング手法です。
スマートフォンの普及によって、SNSユーザーの幅が広がったことから、現代では効果的なマーケティング手法といえます。
SNSは年齢や性別、職業、興味など、利用者のデータに基づいてターゲットを設定し、特定のターゲットにリーチできる点が特徴です。
また、テキスト情報以外にも写真や動画などのコンテンツを活用でき、ブランドの魅力を伝えたり、お問い合わせ窓口として使用したりできます。
さらに企業間のコミュニケーションを取る場所にも活用でき、最新情報の取得にも役立つでしょう。
ただし、SNSごとに登録しているユーザー属性に違いがあるため、ターゲットにあわせたプラットフォームの選定が重要です。
Web広告
Web広告は、オンライン広告プラットフォームを活用して、ターゲット市場に広告を配信することで見込客を集める手法です。
例えば、Google広告やLinkedIn広告などのプラットフォームを使用し、特定の業界、地域、職種などに向けた広告を掲載することで、リードの獲得やブランド認知を増加させます。
Web広告には、主に以下のような種類があります。
- 動画
- リスティング広告
- Facebook広告
- Instagram広告
- X(旧Twitter)広告
以下では、それぞれの広告について詳しく解説します。
動画
動画広告は、動画投稿サイトのビデオ再生前後や、Webサイトの広告枠などに動画形式の広告を掲載する手法です。
大きく分けて2種類の動画広告があります。
- インストリーム広告
- アウトストリーム広告
インストリーム広告は、YouTubeをはじめとする動画投稿サイトにおいて、視聴する動画の前後、もしくは途中に挿入される広告です。
再生する動画と同じ画面サイズで表示されるうえ、音声情報も含めた広告を掲載できます。
また、ユーザーが視聴する動画の最初に掲載する広告を「プレロール広告」、途中に挟み込む動画を「ミッドロール広告」、最後に差し込む動画を「ポストロール広告」と呼びます。
これに対して、アウトストリーム広告は、Webサイトなどの広告枠に掲載するタイプの動画広告です。
文字情報だけの広告に比べて、動きのあるより目立つ広告を掲載できます。
アウトストリーム広告も広告を設置する場所によって2種類され、バナー広告に表示されるインバナー広告と、記事などの中盤に掲載されるインリード広告があります。
いずれの動画広告の場合も、広告が挿入される位置やタイミングによってユーザーの印象が変化するため、商品やサービスの特徴にあわせて設置することがポイントです。
リスティング広告
リスティング広告は、ユーザーがGoogleなどの検索サイトを利用した場合に、検索したキーワードと関連性の高い広告を検索結果ページに表示する広告です。
先ほど紹介したコンテンツマーケティングなどに比べて、即効性が高いマーケティング手法といえます。
自社の商品やサービスと関連性の高いキーワードに対して、広告費用を支払うことでスピーディーに広告を展開できる点がポイントです。
特に、顕在ニーズに対して効果的なアプローチが展開できます。
例えば、自社が会計ソフトの販売を行っている場合は、会計に課題を感じているユーザーが検索するであろう「会計ソフト 比較」などのキーワードにリスティング広告を展開します。
こうすることで、「会計ソフト 比較」というキーワードの検索結果に、自社の広告が掲載されるようになり、ニーズのあるユーザーに対してリーチが可能です。
ただしリスティング広告は、広告がクリックされる度に広告費が発生します。
また、ニーズを持ったユーザーが検索する適切なキーワード選定が重要です。
リスティング広告と似た広告として、ディスプレイ広告やリターゲティング広告があります。
- ディスプレイ広告:Webサイトやアプリの特定のスペースに掲載する広告
- リターゲティング広告:過去にWebサイトを訪問したユーザーに対して掲載する広告
同じWeb広告の1種ですが、ターゲットにするユーザーが異なるため、より効果的な手法を選択できるようにしましょう。
Facebook広告
Facebook広告は、SNSプラットフォームの1つであるFacebook上で掲載するWeb広告の1種です。
Facebookは、全世界で約29億9,000万人が利用するプラットフォームで、日本でも約2,600万人が登録しています。
Facebookの特徴として、若年世代よりも20代以降の登録者が多いという特徴があります。
また、その他のSNSが匿名登録が中心なことに対して、Facebookは実名登録を基本としていることから、性別や趣味などのターゲティングがしやすい点もメリットです。
その他のSNSと異なる点として、企業などの投稿よりも、友人やフォロワーなどのかかわりがあるユーザーの投稿を優先的に表示する傾向があります。
そのため、Facebookを活用したマーケティングを実施する場合は、Facebook広告の活用が重要です。
Facebook広告は100円から出稿ができることから、コストを抑えながら広告の運用ができます。
Instagram広告
Instagramは、写真や動画などの視覚的なコンテンツを中心に利用されるソーシャルメディアプラットフォームです。
BtoBマーケティングにおいても、特定のターゲットに向けて効果的な広告を配信するための手法として活用されます。
写真や動画を主要なコンテンツとすることから、よりビジュアル効果の高い広告を展開できます。
また、Instagramの母体であるFacebookの広告プラットフォームと連携していることから、年齢や興味、地域などの細かいターゲティングができる点も特徴です。
ターゲットに対して、よりクリエイティブなメッセージを発信したいと考えている企業におすすめのプラットフォームです。
X(旧Twitter)広告
X(旧Twitter)は、リアルタイムで情報を共有することに特化したSNSプラットフォームです。
企業が、ビジネス情報や業界トピックなどを発信する場所としてもよく利用されます。BtoBマーケティングにおいても、専門的なコンテンツやターゲットとのコミュニケーションを強化するために活用されます。
企業が広告を投稿するプロモーテッドツイートは、特定のターゲットに向けて広告を表示するための手法です。
リストによるターゲティングやキャンペーン目標に合わせたオプションを利用して、リードジェネレーションに貢献できます。
自社がターゲットとするユーザーの興味や、狙いたいキーワードをしっかりと選定することが重要です。
展示会
展示会は、業界のイベントや見本市などに出展し、製品やサービスを直接顧客にアピールする手法です。
ブースを設置し、デモンストレーションや製品の特徴を説明することで、リードの収集や販売促進が実施できます。
特に、実際の商品に触れながら、顧客との直接的な対話の機会を得られる点がメリットです。
また、業界などのテーマに沿って開催されるイベントは、ニーズを持った法人の担当者も多く訪れるため、リードを獲得できる可能性が高い機会ともいえます。
ただし、展示会の参加には高額な参加費用がかかる場合や、準備に多くのリソースが必要となります。
費用対効果を検討し、参加の要不要を判断しましょう。
紹介
BtoBマーケティングにおいては、既存顧客からの紹介もリード獲得の貴重な手法です。
特に、顧客間で自然に発生する紹介であれば、コストをかけることなくリードを獲得できます。
既存顧客からの紹介を獲得するためには、顧客の満足度を高めることが重要です、
既存顧客の満足度が高くなれば、自社の製品やサービスに関する口コミが広がり、新たなリードを獲得しやすくなります。
実際に商品やサービスを利用している既存顧客の口コミは、信頼性が高いこともポイントです。
既存顧客の満足度を高めつつ、リードの獲得に活用できるようにしましょう。
リードナーチャリングの手法
続いては、リードナーチャリングで実施されるBtoBマーケティングの手法を紹介します。
リードナーチャリングは、リードの質を向上させることに焦点を当てます。
つまり、自社の製品やサービスに対する顧客のモチベーションを高める行動が必要です。
そのためには、より顧客のニーズや関心に合わせたコミュニケーションを重視します。
また、適切なタイミングで適切な情報を提供することも重要です。
リードの行動や興味を細かく分析し、適切なタイミングでリードナーチャリングの手法を実施できるようにしましょう。
リードナーチャリングで実施される手法としては、以下のようなものがあります。
- メルマガ配信
- MAツールの運用
- インサイドセールス
- セミナー
それぞれの手法について詳しく解説します。
メルマガ配信
メルマガ(メールマガジン)配信は、自社のビジネスに興味を示したリードに対して、定期的にメールを送信する手法です。
リードに対して有益な情報や業界のトピックを提供することで、プロモーションや顧客育成に利用できます。
定期的に顧客と接点を持つ機会にもなるため、リードの育成に有効な手段です。
また、メールマーケティングツールを活用することで、メールを配信するセグメントを分割しつつ、大量のメールを一括送信できます。
顧客の検討度合いによってメールの内容を変更できる点もメリットです。
メルマガ配信を実施する際は、開封率やコンバージョン(CV)率などを細かく分析することが重要です。
より効果的なメルマガを配信できるように、常に内容の改善を実施しましょう。
メルマガの作り方については、「効果的なメルマガの作り方!読まれるための9つのコツと注意ポイント」でも詳しく解説しています。
ぜひ本記事とあわせて参考にしてみてください。
MAツールの運用
MA(マーケティングオートメーションツール)は、顧客の獲得から育成をはじめとするマーケティング全般の活動をサポートするためのツールです。
MAツールを導入することで、リードの行動履歴や自社のマーケティングによるアプローチ履歴を確認ができます。
マーケティング施策の効果測定や分析を自動化できるため、大幅な効率化ができる点がメリットです。
見込み客の行動に応じてタイムリーな施策を展開できるようになり、リードの質を高められます。
また、効果測定や分析結果を可視化できるツールであれば、他部署との連携をスムーズにする資料としても活用できます。
MAツールは、特に複数のマーケティング施策を展開する際に有効な手段です。
流入経路や広告の効果など、収集すべきデータが多い場合には積極的なMAツールの導入がおすすめです。
導入を検討している場合は「徹底比較!おすすめのMAツール(マーケティングオートメーション)21選」も参考にしてみてください。
インサイドセールス
インサイドセールスは、担当者がリモートでリードと直接対話する手法です。
電話やビデオ会議ツール、メールなどを通じてリードとコミュニケーションを取り、リードに対してアプローチを行います。
インサイドセールスと似た手法としてテレアポがありますが、コミュニケーションの目的が異なる点に注意しましょう。
テレアポは、リストにある企業へ電話をかけ、商談などのアポイントを取得することや、その場で受注することが目的です。
これに対してインサイドセールスは、長期的なコミュニケーションをとることでリードの興味を深め、商談の成功率を高めることが目的です。
つまりインサイドセールスを実施する場合は、アポイントを取得することよりも、リードの質問や疑問を解決することで、コンバージョン率を向上させることを重視します。
インサイドセールスは、訪問営業の成功率を高め、フィールドセールスにかかるコストを低減が期待できます。
訪問営業のコストやリソースを削減したい企業におすすめの手法です。
インサイドセールスのやり方に迷う場合は「インサイドセールスのやり方5ステップと効果を高めるポイント」を参考にしてみてください。
セミナー
セミナーは、顧客に向けた専門的な情報提供と交流の場を提供するイベントです。
リードが関心を持っているテーマに基づいたセミナーを企画することで、リードに価値ある情報を提供し、成約につなげていくことが目的です。
セミナーの内容は、自社で扱ってきたこれまでの事例や、企業活動を通して取得したデータなど、自社の保有するノウハウを活用します。
自社の製品やサービスを体験する場の提供や、既存顧客を登壇させることで、説得力のあるセミナーを開催できるでしょう。
参加者にとって有益な情報を提供するセミナーを開催できれば、見込客からの信頼を獲得でき、コンバージョンにつなげられる可能性があります。
また、セミナーの参加者の企業名や担当者名、メールアドレスなどを獲得することで、ほかのマーケティング手法につなげられる点がメリットです。
ただし、セミナーの質は、顧客の獲得にも影響するため、十分な準備が必要です。
現在ではオンラインでセミナーを開催できます。
ウェビナーについて詳しく知りたい場合は「ウェビナーの意味とは?メリット・デメリットや便利なツール6選を解説!」を参考にしてみてください。
BtoBマーケティングの成功事例
ここでは、BtoBマーケティングの成功事例を紹介します。
自社でマーケティングの展開を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社Wakka Inc.
株式会社Wakka Inc.は、DX・システム開発やラボ型開発・法人サポートなどのシステムインテグレーションを主な事業とする会社です。
同社では、一からWebマーケティングを展開し、問い合わせ数の増加に成功しています。
当初は、Web広告なども利用しておらず、Webマーケティングは実施していませんでした。
しかし、長期的な集客効果を見込めるコンテンツマーケティングを導入し、問い合わせ数の増加を達成しています。
また、コンテンツの掲載を行うとともにホワイトペーパーも設置し、ユーザーへの有益な情報提供が行えるようにしました。
これにより、ナーチャリングされたユーザーが問い合わせする事例が増え、より確度の高い見込客を獲得できるようになった点も大きな変化です。
以下の記事では、今回の成功事例について詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
関連記事:【PV数2倍】他社からの乗り換えで問い合わせ数の増加に成功|株式会社 Wakka Inc.様
株式会社ビーイングコンサルティング
株式会社ビーイングコンサルティングは、企業向けのコンサルティングサービスを展開する会社です。
特に、TOC(Theory of Constraints)を活用した、企業全体の業績改善や向上が期待できるマネジメント手法によるコンサルティングを専門としています。
このTOCはニッチな分野である特性上、ホームページなどが検索の上位に表示されやすいこともあり、当初はWebマーケティングへの取り組みは行っていませんでした。
しかし、コロナ禍以降に問い合わせが減少したことから、Webページ制作へ注力するようになりました。
コンテンツマーケティングにも取り組み、「CCPM」「TOC」のようなニッチなジャンルだけではなく「工数」「リソース」などのプロジェクトマネジメンに関連するキーワードから問い合わせを獲得しています。
以下の記事では、今回の成功事例について詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
関連記事:ホームページ制作とコンテンツマーケティングで問い合わせ数が増加|株式会社ビーイングコンサルティング様
株式会社サムシングファン
引用:株式会社サムシングファン
株式会社サムシングファンは、CMやPRビデオをはじめとする映像コンテンツの制作をする会社です。
こちらは、オンラインのマーケティング展開で成功した事例です。
Webマーケティングに取り組む以前は、オフラインマーケティングに偏った状態でした。
しかし、顧客との長期的なコミュニケーションに課題を感じ、オンラインのマーケティングに注力するようになりました。
特に、一般の方向けに有益な情報を提供することを主眼においたコンテンツを制作し、PV数は施策前の25倍になりました。
コンテンツのターゲティングを見直し、ニーズを汲み取った上で情報を提供することで、マーケティングに成功した事例です。
本事例の詳細については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
本記事と合わせて参考にしてみてください。
関連記事:PV25倍!コンテンツマーケティングでサイト価値を高め営業に有効活用|株式会社サムシングファン様
BtoBマーケティングで押さえるべき成功ポイント
最後に、BtoBマーケティングで押さえるべき成功ポイントについて紹介します。
より効果的なBtoBマーケティングを展開するためには、以下のポイントを押さえることがポイントです。
- ペルソナの設定
- 最適な手法選択
- 問題解決、課題解決を意識したコンテンツ
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
ペルソナの設定
BtoBマーケティングを成功させるためには、自社のターゲットを理解し、ペルソナを設定することが重要です。
ペルソナとは、自社の製品やサービスを利用する典型的なユーザー像です。
BtoBマーケティングにおけるペルソナの設定は、以下のような情報をもとに架空の人物を設定します。
- 担当者の氏名
- 担当者の所属部署
- 担当者の役職
- 担当者の経歴
- 決裁権の有無
- 会社や部署の人数
- 会社の目標や課題
ターゲットとなるユーザー像を細かく決めておくことで、ターゲットの特性やニーズ、課題、興味などを把握しやすくなり、より効果的なマーケティング戦略の策定に役立ちます。
また、チーム内や部署間でターゲットに対する共通認識を持つことで、効率よく顧客へのアプローチができる点もメリットです。
ペルソナを設定する際は、既存顧客の情報を活用することがポイントです。
自社の顧客となり得るペルソナを設定して、効果が見込めるマーケティングを実施していきましょう。
ペルソナの設定方法については、「BtoBマーケティングでのペルソナ設定の手順・ポイントを徹底解説」にて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
最適な手法選択
すでに紹介した通り、BtoBマーケティングには多様な手法があります。
そのため、マーケティングをより効果的に展開するためには、ターゲットに対して最適な手法を選択することが必要です。
最適なマーケティング手法を選択するためには、先ほど解説したペルソナを活用して、顧客を十分に理解することが欠かせません。
ターゲットの特性や購買行動を十分に検証したうえで、どのマーケティング手法がもっとも効果を発揮するかを検討しましょう。
また、自社の求める成果とも目的が一致していることがポイントです。
すぐに成果が欲しい場合や、継続的な集客を測る場合など、マーケティングに求める成果によっても選択すべき手法が異なります。
さらに、すでに競合他社が同じマーケティングを展開している場合、新規の参入難易度が高くなる可能性もあります。
内外の要因を分析したうえで、最良の方法を選択できるようにしましょう。
問題解決、課題解決を意識したコンテンツ
多くの企業は、自社の課題や問題を解決するために商品やサービスを購入します。
そのため、BtoBマーケティングで展開する各種コンテンツは、顧客の問題や課題解決を意識した内容であることが重要です。
顧客にとって価値ある情報を提供することで、リードの興味を引きつけたり、信頼関係を築けたりと、自社の商品やサービスに対するモチベーションを高められます。
さらに、自社のノウハウを活用した情報提供を行うことで、対外的に企業の専門性をアピールするブランディング効果も期待できます。
また、顧客化したユーザーに対して、メルマガなどで情報提供を続けることで、長期的な関係が気づける点もメリットです。
顧客の課題や問題に応えるコンテンツを制作するためには、ユーザーへの理解が必要となり、ここでもペルソナの設定が重要となります。
自社がターゲットとするユーザーの課題や問題を想定し、自社が提供できる価値を伝えられるようにしましょう。
まとめ:BtoBマーケティングを理解して最適な手法を選びましょう
今回は、BtoBマーケティングとは何かについて解説しながら、基礎知識と戦略、手法、成功事例を紹介しました。
BtoBマーケティングを実施する場合は、自社のビジネスに合わせたターゲティングと、ターゲットに適切にアプローチできる手法の選択が重要です。
顧客のステージごとに合わせて効果的な手法でアプローチできるように、マーケティングについて学びましょう。
なお、テクロ株式会社ではBtoBマーケティングの施策についてまとめた資料「押さえておくべきBtoBマーケティングの施策」を無料で配布しています。
BtoBマーケティングの施策にお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。