企業のSDGs取り組み具体例と成功ポイント【専門家が解説】
この記事のポイント
- 企業のSDGsへの取り組みは、ブランディング、人材確保、取引先からの信頼、ESG経営の評価向上に直結します。
- 味の素AGF、くら寿司、日清食品、KDDIなど9社の具体例から、自社に応用できる施策の考え方を整理できます。
- 目標12「つくる責任 つかう責任」や目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」は、多くのBtoB企業が事業活動に組み込みやすい領域です。
- BtoB企業では、SDGs活動そのものだけでなく、Webサイト、オウンドメディア、ホワイトペーパーでの情報開示が企業価値を左右します。
- SDGs経営を成功させるには、目標選定、KPI設計、サプライチェーン連携、定期的な情報開示をロードマップ化することが欠かせません。
SDGsへの取り組みは、社会貢献活動にとどまらず、企業価値を高める経営戦略です。環境負荷の低減や人権尊重、働き方改革、地域連携、教育支援などを事業活動と結び付けることで、顧客、取引先、採用候補者、投資家からの信頼を得やすくなります。
本記事では、国内企業の具体的な取り組み事例を業界別・目標別に整理します。さらに、BtoB企業がSDGsを推進する際のロードマップも解説。自社のSDGs活動を「何から始めるか」「どう成果につなげるか」「どう発信するか」検討する際の実務資料としてご活用ください。
【総合サービス資料 無料ダウンロード】
テクロが行う支援内容・料金プラン・制作事例や導入実績などをまとめています。BtoBマーケティングに課題を感じている方はぜひご覧ください。
【こんな方におすすめ】
- 社内でSEOを任せられる人がいない
- リソースが足りない
- SEOの始め方がわからない
- 受注に繋げる方法がわからない
はじめに:企業がSDGsに取り組む重要性
企業がSDGsに取り組む重要性は、持続可能な社会への貢献と自社の持続的成長を同時に実現できる点にあります。SDGsは慈善活動だけを意味するものではなく、調達、生産、販売、採用、広報、投資家対応まで含む経営テーマです。

特にBtoB企業では、取引先から環境配慮、人権尊重、サプライチェーン管理、情報開示を求められる場面が増えています。自社の活動を整理して説明できない場合、品質や価格以外の評価軸で競争力を失う可能性があります。
事業と関連するSDGs目標を選び、実行内容と成果を明確にすれば、企業の信頼性を高められます。つまりSDGs経営は、社会課題への対応であると同時に、選ばれ続ける企業になるための経営基盤となるでしょう。
SDGsとは?国際社会が目指す持続可能な目標
SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略称です。2030年までに持続可能でより良い社会を目指すための国際的な共通目標であり、貧困、健康、教育、ジェンダーなど17の目標と169のターゲットで構成されています。
企業に関係が深い目標は、業種によって異なります。食品メーカーであれば食品ロス削減や持続可能な原材料調達、IT企業であれば省電力化やデジタル技術による社会課題解決、製造業であれば廃棄物削減や資源循環が代表例です。
例えば、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」は医療・ヘルスケア企業だけの目標ではありません。従業員の健康経営、メンタルヘルス対策、安全な労働環境づくり、健康に配慮した商品開発など、幅広い企業活動に接続できます。
日本企業にとってのSDGsは、国内の社会課題に向き合う入り口にもなります。高齢化、地域の担い手不足、食品ロス、エネルギー転換、災害対応、教育格差など、自社の事業と接点のあるテーマを選ぶことで、抽象的な理念を具体的な活動へ落とし込めるでしょう。
なぜ今、SDGs経営が企業に求められるのか
サステナビリティを重視する企業は、環境負荷や人権リスクを放置しません。ESG経営の観点では、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に配慮した経営が、中長期の企業価値を支える要素として評価されます。
日本のSDGs達成状況については、国際比較で課題が残る領域もあります。特にジェンダー平等、気候変動対策、資源循環などは企業活動と密接に関係するため、各社が事業現場で改善を積み重ねることが社会全体の達成度向上につながります。
企業がSDGsに取り組むことで得られる5つのメリット
企業がSDGsに取り組むメリットは、ブランド向上だけでなく、売上機会、人材確保、資金調達、サプライチェーン上の信頼性強化に広がります。特にBtoB企業においては、社会貢献活動としての側面だけでなく、顧客からの要求、競争力の維持、そして将来の成長戦略として位置付けられます。

単なる「良いこと」としてではなく、事業リスクの低減、取引先からの評価、人材採用、マーケティング効果など、経営指標との具体的な関連性を言語化し、社内外に継続的に開示することが、SDGsを企業価値に変える上で不可欠です。ここでは、BtoB企業に直結する5つのメリットを整理します。
1. 新たなビジネスチャンスの創出と市場獲得
SDGsは、新しい製品・サービス・協業機会を生み出す市場探索の視点です。既存事業に社会課題の視点を加えることで、製造業における廃棄物原料の再利用、IT企業における業務効率化や遠隔支援など、具体的なビジネスモデルへと転換できます。特にBtoB企業では、既存商品・サービスの提供価値を「誰のどの課題を解決しているか」という観点で再定義し、それを営業資料やWebサイトで明確に伝えることが、新たな市場獲得に繋がるでしょう。
2. 企業ブランド価値・競争力の向上
SDGsへの取り組みは、企業ブランドに信頼性と一貫性を与え、競争力を高めます。特にBtoB企業が導入検討される際、顧客は単なる製品・サービスの品質だけでなく、企業の姿勢、社会への責任、情報開示の透明性を重視します。Webサイト等で単なるスローガンに留まらず、活動内容、対象目標、実施時期、成果、今後の課題まで具体的に記載することが、他社との差別化と信頼獲得に直結します。
3. 優秀な人材の獲得と定着
SDGsへの取り組みは、企業理念に共感する優秀な人材の獲得と定着に貢献します。特に若手人材や専門人材は、企業の社会的意義や価値観を重視するため、採用広報において働き方、多様性、女性活躍、育児との両立、学習機会、健康経営といった情報を具体的に示すことが有効ですし、目標3、目標5、目標8などと関係し、従業員エンゲージメントの向上にも繋がります。
4. サプライチェーン全体での信頼性強化
SDGsへの取り組みは、サプライチェーン全体のリスク管理と信頼形成に直結します。特に大手企業と取引するBtoB企業にとって、調達先評価やアンケートを通じて温室効果ガス、廃棄物、労働安全、人権方針などが確認されるケースが増えています。事前に方針と実績を整理し、説明責任を果たせる体制を構築することは、商談や取引継続における重要な要素となります。
5. ESG投資の対象となり資金調達を有利に
SDGsの取り組みは、ESG投資や金融機関からの評価に関わる重要な情報となります。環境・社会・ガバナンスに関する取り組みを開示している企業は、中長期のリスク管理力を説明しやすくなるでしょう。ただし、資金調達のためだけに見せかけの活動を行うと、実態との乖離が生じ、グリーンウォッシュやSDGsウォッシュと受け取られるおそれがあるため、誠実かつ透明性の高い情報開示が求められます。
SDGsに取り組む企業の具体例【業界別・目標別】
SDGsに取り組む企業の具体例は、業界別に見ると自社への応用方法を考えやすくなります。ここでは、提供情報に含まれる9社の公開情報に基づき、取り組みの背景、具体的な施策、成果、課題を整理します。

大手企業の事例は仕組み化や発信方法の参考になり、中小企業の事例は限られたリソースで始めるヒントになります。重要なのは、単に有名企業の活動を模倣することではなく、自社の事業、顧客、地域、従業員との接点を見つけることです。
以下の表では、各社の活動をSDGs目標別に整理しています。公式情報で確認できる範囲に限定し、成果数値が公開されていないものは、確認できる活動内容を中心に記載します。
| 企業名 | 主な目標 | 取り組みの具体例 | 実務上の学び |
|---|---|---|---|
| 味の素AGF株式会社 | 目標12、17 | コーヒー豆生産支援に消費者が参加できるキャンペーン | 生活者参加型にするとSDGs活動の理解が広がりやすい |
| 日清食品株式会社 | 目標12 | カップヌードルのフタ止めシールを廃止し、プラスチック使用量を削減 | 既存商品の小さな仕様変更でも資源削減に貢献できる |
| キッコーマン株式会社 | 目標12 | しょうゆ粕やしょうゆ油など副産物・廃棄物の再利用 | 製造副産物を資源として捉え直すことが循環型経済につながる |
| 後藤(正)靴下工場 | 目標12、13 | 土に還る靴下「SDGs Socks」を開発 | 中小製造業でも素材選定と商品コンセプトで差別化できる |
| くら寿司株式会社 | 目標4、14 | 小学校向け出張授業「お寿司で学ぶSDGs」を実施 | 自社の業態を教材化すると教育活動に展開しやすい |
| KDDI株式会社 | 目標7、13 | 基地局・通信設備の省電力化と再生可能エネルギーへのシフト | エネルギー使用量が大きい事業ほど削減効果を説明しやすい |
| 興亜商事株式会社 | 目標8、11 | 再生資源回収、耕作放棄地活用、障害者雇用支援 | 地域課題と本業を結び付けると持続性のある活動になる |
| 株式会社やましたグリーン | 目標11、15 | サスティナブルガーデン、植木の里親、もらえる植物園 | 地域の緑化や植物の命を守る活動はまちづくりと相性が良い |
| テクロ株式会社 | 目標5、8、9、17 | 女性役員比率、リモートワーク、テクノロジー活用、共催・パートナー連携 | BtoB支援企業でも働き方と連携を通じてSDGsに貢献できる |
製造業におけるSDGs取り組み事例
製造業のSDGs取り組みは、原材料調達、製造工程、包装、廃棄物、商品設計を見直すことで具体化できます。特に目標12「つくる責任 つかう責任」は、製造業が事業と直結させやすい目標です。
味の素AGF株式会社は、コーヒー豆の持続可能な生産をテーマに、消費者が参加できる「産地支援実感キャンペーン」を実施しました。生活者が取り組み案を選ぶ形式にすることで、企業活動の一方的な伝達ではなく、参加体験を通じて理解を促しています。
この事例の背景には、コーヒー豆生産地の持続可能性というサプライチェーン上の課題があります。BtoB企業が応用する場合は、原材料や委託先の課題を可視化し、取引先や顧客が参加できる仕組みに変換する方法が考えられるでしょう。
日清食品株式会社は、「カップヌードル」のフタ止めシールを廃止し、年間約33トンのプラスチック原料使用量削減に貢献すると公表しています。既存商品の一部仕様を見直すことで、消費者の使いやすさを大きく損なわずに資源使用量を減らした点が特徴です。
この取り組みは、製品単体の大きな刷新ではなく、包装や付属品の見直しから始められることを示唆しています。中小企業でも、梱包材、納品書、緩衝材、製品ラベルなどを点検すれば、すぐに改善候補を見つけられる可能性があるでしょう。
キッコーマン株式会社は、しょうゆ粕やしょうゆ油などの副産物、汚泥などの廃棄物削減と再生利用に取り組んでいます。製造工程で出る副産物を廃棄物として処理するのではなく、有効活用する考え方は循環型経済と相性があります。
この事例から学べるのは、SDGsの起点を「新しい活動を増やすこと」だけに置かない点です。既に発生している副産物、余剰資材、廃棄ロスを棚卸しし、再利用先や協業先を探すだけでも、目標12に沿った活動になります。
後藤(正)靴下工場は、大和高田市立高田商業高等学校「まち部。」と共同で、土に還る靴下「SDGs Socks」を開発しました。生分解性のある繊維を用い、履けなくなった靴下を土に埋めて自然に還すというコンセプトが特徴です。
この事例は、中小企業が地域の教育機関と連携し、商品そのものにSDGsのメッセージを組み込んだ点で参考になります。大規模な設備投資が難しい企業でも、素材、デザイン、表示、販売ストーリーを見直すことで、環境配慮型の商品開発に踏み出せるでしょう。
サービス・IT業界におけるSDGs取り組み事例
サービス・IT業界のSDGs取り組みは、教育、情報提供、省エネルギー、デジタル技術の活用を通じて社会課題の解決に貢献できます。製造物が少ない企業でも、顧客接点やデータ活用を通じて独自の活動を設計できるでしょう。
くら寿司株式会社は、小学校での出張授業「お寿司で学ぶSDGs」を通じて、子どもたちが水産資源や食の課題を学ぶ機会を提供しています。実際の回転寿司という身近な題材を使うことで、難しい社会課題を生活に近いテーマとして理解しやすくしています。
この取り組みは、目標4「質の高い教育をみんなに」と目標14「海の豊かさを守ろう」に貢献する活動です。自社の商品やサービスを教材化できる企業は、学校、自治体、地域団体との連携によって教育活動に展開できるでしょう。
KDDI株式会社は、2050年までのCO2排出量実質ゼロに向け、2030年度までにCO2自社排出量を2019年度比で50%削減する目標を設定しました。携帯電話基地局や通信設備での省電力化、再生可能エネルギーへのシフトが具体的な施策です。
通信事業は社会インフラであり、電力使用量が大きい領域です。だからこそ、省電力化や再生可能エネルギーの導入は、事業継続と環境配慮を両立する重要なテーマになります。
テクロ株式会社は、マーケティング支援会社として、女性役員比率、リモートワーク、テクノロジー活用、共催やパートナー紹介を通じた連携に取り組んでいます。働き方やパートナーシップを軸にした活動は、目標5、目標8、目標9、目標17と関係します。
サービス企業がSDGsを進める際は、工場や物流設備がないことを理由に活動を狭める必要はありません。働きやすい環境、顧客の業務効率化、共催セミナー、パートナー紹介、デジタル技術の活用など、事業の提供プロセスそのものに取り組みの余地があるでしょう。
その他業界のSDGs取り組み事例
地域密着型の企業では、地域課題と本業を結び付けることで、継続性の高いSDGs活動を設計できます。大規模な全国展開よりも、地域社会に根差した活動の方が、従業員や住民の共感を得やすい場合があります。
興亜商事株式会社は、愛知県で再生資源の回収などを手がける企業として、リサイクル推進や耕作放棄地の活用、障害者とともに野菜を作る取り組みを行っています。地域循環と障害者雇用支援を組み合わせた点が特徴です。
この活動は、目標8「働きがいも経済成長も」と目標11「住み続けられるまちづくりを」に関係します。地域の未利用資源を活用し、雇用や交流を生み出す取り組みは、地方企業や中小企業にとって再現性のある方向性となるでしょう。
株式会社やましたグリーンは、伝統的な庭師の技術と知識を活かし、サスティナブルガーデン、植木の里親、もらえる植物園などを展開しています。植物の伐採を減らし、地域の緑を守る活動は、目標11と目標15「陸の豊かさも守ろう」に関連します。
この事例の学びは、既存の専門技術を社会課題の解決に接続している点です。庭づくりや植物管理という本業を、地域の景観、緑化、植物の命の循環に広げることで、他社には模倣しにくい独自のSDGsストーリーになっています。
有名企業の取り組みだけでなく、地域企業や中小企業の活動にも実務上のヒントがあります。自社の強み、地域の課題、取引先の期待が重なる場所を探すことが、無理なく続くSDGs活動の出発点になるでしょう。
各SDGs目標達成に向けた企業の課題と解決策
各SDGs目標に対する企業の課題は、目標ごとに異なるため、自社の事業影響が大きい領域から優先する必要があります。17目標すべてに同じ深さで取り組もうとすると、施策が分散し、成果を説明しにくくなるためです。

企業が最初に行うべきことは、自社のバリューチェーンを分解し、どの工程で社会や環境に影響を与えているかを把握することです。原材料調達、製造、物流、販売、使用、廃棄、従業員、地域社会の観点で整理すると、優先すべき目標が見えてきます。
以下では、企業活動との関係が深い4つの目標を中心に、課題と解決策を解説します。あわせて、その他の目標についても企業が取り得る行動の例を整理します。
目標1「貧困をなくそう」:サプライチェーン上の課題と解決策
目標1に対して企業が取り組むべき課題は、サプライチェーン上の不公正な取引や低賃金労働を見過ごさないことです。自社の直接雇用だけでなく、原材料調達先や委託先の労働環境まで視野に入れる必要があります。
グローバル調達を行う企業では、生産地の生活水準、児童労働、過度な価格交渉、労働安全が課題になります。国内企業でも、下請け構造、地域雇用、障害者雇用、ひとり親支援など、貧困や格差と関わる接点があるでしょう。
解決策としては、調達方針の明文化、取引先アンケート、監査、長期契約、適正価格での発注、地域雇用の創出が挙げられます。中小企業では、まず主要取引先との契約条件や支払い条件を点検し、持続可能な取引関係をつくることから始められます。
SDGs目標1は、寄付活動だけで達成するものではありません。企業の本業における取引条件や雇用のあり方を見直すことが、貧困削減への実質的な貢献になります。
目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」:再生可能エネルギーへの転換
目標7に対する企業の中心課題は、事業活動で使用するエネルギーの効率化と再生可能エネルギーへの転換です。工場、オフィス、店舗、データセンター、物流拠点など、電力を多く使う場所から改善余地を探します。
具体策としては、LED化、省電力設備への更新、空調管理、ピーク電力の抑制、再生可能エネルギー由来の電力契約、太陽光発電設備の導入などがあります。IT企業や通信企業では、サーバーやネットワーク設備の省電力化も重要です。
KDDIのように通信設備や基地局を持つ企業では、エネルギー使用量の大きい設備を対象にすることで、環境負荷低減とコスト管理を同時に進められます。BtoB企業でも、拠点ごとの電力使用量を可視化すれば、改善対象を特定できるでしょう。
再生可能エネルギーの導入は、単発施策ではなく中長期の投資判断です。初期費用、契約条件、供給安定性、顧客からの要請を比較しながら、段階的に進める計画を立てることが求められます。
目標12「つくる責任 つかう責任」:持続可能な生産と消費
目標12に対する企業の課題は、資源を使い捨てる前提の事業プロセスを見直し、循環型の生産・消費へ移行することです。製造業だけでなく、サービス業やIT企業にも関係します。
製造業では、原材料使用量、包装資材、製造ロス、副産物、返品、廃棄物を点検します。日清食品の包装材削減や、キッコーマンの副産物再利用は、既存プロセスを見直す代表的な方向性です。
サービス業では、紙資料の削減、デジタル契約、備品の再利用、イベント運営時の廃棄物削減が候補になります。IT企業では、クラウド利用によるペーパーレス化、業務効率化ツールの提供、電子化による移動や印刷の削減が考えられるでしょう。
循環型経済とは、資源を採取して使い捨てるのではなく、再利用、再生、修理、長寿命化によって価値を循環させる考え方です。目標12に取り組む企業は、製品の販売後まで含めたライフサイクルで設計することが求められます。
| SDGs目標 | 企業が取り組める具体例 | 関連部署 |
|---|---|---|
| 目標1 | 適正取引、地域雇用、生活困窮者支援 | 購買、人事、CSR |
| 目標2 | 食品ロス削減、持続可能な農産物調達 | 調達、商品開発 |
| 目標3 | 健康経営、安全衛生、メンタルヘルス施策 | 人事、総務 |
| 目標4 | 出張授業、社員教育、地域学習支援 | 人事、広報 |
| 目標5 | 女性管理職登用、育児との両立支援 | 人事、経営企画 |
| 目標6 | 水使用量削減、排水管理 | 生産、施設管理 |
| 目標7 | 省電力化、再生可能エネルギー導入 | 総務、施設管理 |
| 目標8 | 働きがい向上、障害者雇用、安全な職場 | 人事、現場部門 |
| 目標9 | 技術革新、デジタル化、インフラ高度化 | 開発、情報システム |
| 目標10 | 多様性推進、公平な評価制度 | 人事 |
| 目標11 | 地域連携、防災、まちづくり支援 | 総務、広報 |
| 目標12 | 廃棄物削減、再利用、包装材見直し | 生産、調達、商品企画 |
| 目標13 | CO2削減、移動削減、気候リスク対応 | 経営企画、総務 |
| 目標14 | 海洋資源保全、プラスチック削減 | 商品企画、広報 |
| 目標15 | 森林保全、緑化、生物多様性保全 | 総務、地域連携 |
| 目標16 | コンプライアンス、情報公開、腐敗防止 | 法務、管理部門 |
| 目標17 | 企業間連携、自治体・NPOとの協働 | 経営企画、営業、広報 |
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」:協働によるSDGs推進
目標17に対する企業の解決策は、単独で解決しにくい課題を企業、自治体、教育機関、NPO、顧客と連携して進めることです。SDGsは自社内で完結する活動よりも、協働によって成果が広がる領域が多くあります。
後藤(正)靴下工場と高校の連携、くら寿司の教育活動、興亜商事の地域循環の取り組みは、パートナーシップの実例です。自社だけでは届きにくい層に対して、学校や地域団体と組むことで活動の社会的意義が高まります。
BtoB企業では、顧客企業との共同セミナー、業界団体でのガイドライン策定、取引先との共同改善、自治体との実証実験などが候補になります。Webサイトで協働の目的、役割分担、成果を開示すれば、ステークホルダーエンゲージメントも高まるでしょう。
連携の課題は、目的が曖昧なまま始めると活動が続かないことです。開始前に、対象課題、参加者の役割、評価指標、情報発信のルールを決めることで、単発イベントで終わらない活動にできます。
テクロ株式会社が考えるBtoB企業のSDGs推進とWebマーケティング戦略
BtoB企業のSDGs推進では、取り組みの実行と同じくらい、正確で透明性の高い情報発信が重要です。BtoBの購買担当者は、サービスサイト、導入事例、資料、セミナー、検索結果、AI検索の回答など複数の情報源を見ながら候補企業を比較します。

テクロ株式会社は2016年以来、BtoB企業のWebマーケティング支援を行い、オウンドメディア・コンテンツマーケティングを中心に、近年はAI検索への対策としてLLMO対策も支援しています。テクロのサービス概要資料では、BtoBマーケティングにおいてAI検索を起点に課題整理や企業選定が進むケースが増えていると整理されています[1]。
SDGs活動も同様に、検索結果だけでなくAI検索や比較記事で要約される時代です。活動内容、根拠、成果、課題を構造化して公開することが、BtoB企業の信頼獲得に直結します。
BtoB企業がSDGs推進で直面する特有の課題
BtoB企業のSDGs推進における課題は、活動の価値が顧客に伝わるまでの距離が長いことです。BtoC企業のように消費者が商品パッケージや店舗で活動を認知する機会が少なく、発信しなければ取り組みが見えにくくなります。
また、BtoB企業では購買プロセスに複数部門が関与します。現場担当者、購買部門、経営層、法務、情報システム部門などが異なる観点で評価するため、SDGs情報も一枚の理念ページだけでは不十分です。
製造業なら環境負荷低減や品質管理、SaaS企業ならデータ活用や働き方支援、コンサルティング企業なら顧客の業務効率化や人材育成など、事業とのつながりを明確に示す必要があります。抽象的な社会貢献表現ではなく、顧客の課題解決と結び付けた記述が求められます。
WebマーケティングでSDGsへの取り組みを発信する最適な手法
SDGsへの取り組みを発信する最適な手法は、コーポレートサイト、オウンドメディア、ホワイトペーパー、事例記事を役割別に使い分けることです。1つのページにすべてを詰め込むより、検討段階ごとに情報を整理した方が伝わります。
コーポレートサイトでは、方針、対象目標、重点テーマ、ガバナンス体制を整理します。オウンドメディアでは、活動の背景、担当者の考え、現場の改善、取引先との連携など、ストーリー性のある情報を発信できるでしょう。
ホワイトペーパーは、BtoBのリード獲得にも活用できます。例えば「製造業の廃棄物削減チェックリスト」「サプライチェーン人権対応の基本項目」「SDGs情報開示テンプレート」などは、顧客の実務に役立つ資料として機能するでしょう。
テクロのリード獲得支援では、キーワード戦略、コンテンツ構造、内部リンク、サービスページやLP導線、KPI設計、テクニカルSEOなどを組み合わせて、商談につながるコンテンツを設計するとされています[2]。SDGsの発信でも、単なる広報ではなく、問い合わせや商談につながる導線設計が欠かせません。
信頼性向上に寄与する情報開示とステークホルダーエンゲージメント
効果的な情報開示では、取り組み内容だけでなく、背景、対象者、成果、今後の課題をセットで示す必要があります。読み手は「何をしたか」だけでなく、「なぜ行ったか」「どの程度進んでいるか」「今後どう改善するか」を確認しているためです。
日清食品のように削減量を示せる場合は、活動の規模感が伝わりやすくなります。一方、教育活動や地域連携のように数値化しにくい活動では、実施対象、開催内容、参加者の声、継続予定などを開示すると信頼性が高まるでしょう。
テクロでは独自情報として、企業SDGs事例の施策・成果証拠台帳の設計を進める考え方が有効だと捉えています。これは、取り組み内容、実施時期、公開根拠、事業成果との関係を整理するための制作計画であり、取材未完了のため確定比較や事例評価として扱うものではありません。
証拠台帳の考え方を導入すると、広報担当者と現場部門の認識差を減らせます。例えば、施策名、関係するSDGs目標、対象部署、実施期間、確認できる資料、数値成果、今後の課題を同じフォーマットに記録すれば、Web公開時の表現の精度が上がるでしょう。
成果を検証するSDGsブランディングの重要性
データに基づくSDGsブランディングは、活動の信頼性を高め、過度な自己評価を避けるために重要です。実施した活動を感覚的に語るだけでは、社外のステークホルダーに伝わりにくくなります。
テクロのサービス概要資料では、KPI達成への意識としてPV112%、CV109%、メール開封率142%、クリック率186%といった実績指標が整理されています[1]。これはSDGsそのものの成果ではありませんが、BtoBの情報発信においても、活動を数値で検証し改善する姿勢が重要であることを示しています。
SDGs発信で追うべき指標には、ページ閲覧数、資料ダウンロード数、問い合わせ数、採用応募者の閲覧行動、取引先からの評価コメント、社内参加人数などがあります。これらの指標を設定すれば、活動が認知や商談、採用、社内浸透にどう寄与したかを説明しやすくなるでしょう。
AI検索時代には、正確で構造化された情報が引用されやすい状態をつくることも重要です。テクロのAI検索最適化では、FAQ、構造化データ、定義文、引用されやすい情報設計、外部サイテーションなどが支援範囲として整理されています[3]。SDGs情報も、AIが誤解なく要約できる形で公開することが求められます。
SDGs経営を成功させるためのロードマップと具体的なステップ
SDGs経営を成功させるには、目標選定、計画策定、実行、評価、情報開示を一連のロードマップとして運用する必要があります。思いつきの活動を単発で行うだけでは、社内理解も社外評価も積み上がりません。

実務では、最初から17目標すべてを網羅する必要はありません。自社の事業影響が大きい領域、取引先から求められる領域、従業員が参加しやすい領域を選び、優先順位をつけて進める方が成果につながります。
SDGs導入の基本は、現状把握、重要課題の特定、KPI設定、実行体制づくり、進捗評価、情報開示の6段階です。この順序で進めると、社内説明と外部発信の両方が整います。
1. SDGs目標の特定と優先順位付け
SDGs目標の特定では、自社事業と社会課題の接点が大きい領域を優先することが重要です。流行している目標を選ぶのではなく、自社が影響を与えている領域から考えます。
まず、自社の事業活動を「調達」「製造・提供」「販売」「使用」「廃棄」「雇用」「地域」の流れで分解します。次に、それぞれの工程で発生している環境・社会への影響を整理し、関連するSDGs目標を紐付けましょう。
優先順位は、影響度と実行可能性で判断します。影響度が高く、社内リソースで着手しやすいテーマから始めると、早期に実績を作れるでしょう。
| 判断軸 | 確認する内容 | 例 |
|---|---|---|
| 事業関連性 | 自社の売上や提供価値と関係が深いか | 食品企業の食品ロス削減 |
| 社会的影響 | 環境や人権への影響が大きいか | 製造工程の廃棄物削減 |
| ステークホルダー期待 | 取引先・従業員・地域が求めているか | 調達先の人権対応 |
| 実行可能性 | 予算・人員・期間の面で実施できるか | 包装材の見直し |
| 開示可能性 | 成果や進捗を説明できるか | 削減量や参加人数の記録 |
このような整理は、マテリアリティ特定にもつながります。マテリアリティとは、企業が優先して取り組むべき重要課題を意味し、SDGs経営の軸となる概念です。
2. 自社リソースとサプライチェーン全体での戦略策定
SDGs戦略は、自社のリソースとサプライチェーン全体の影響を踏まえて策定する必要があります。社内だけで完結する施策と、取引先や顧客を巻き込む施策を分けると実行しやすくなるでしょう。
社内施策には、省エネ、ペーパーレス、働き方改革、教育研修、健康経営、ダイバーシティ推進があります。サプライチェーン施策には、調達基準の見直し、取引先アンケート、共同改善、物流効率化、廃棄物削減などがあります。
行動計画には、担当部門、実施時期、必要予算、KPI、公開方法を明記します。例えば、包装材削減であれば、購買部門、商品企画部門、製造部門、営業部門が関わるため、部門横断の進行管理が必要です。
BtoB企業では、SDGs活動を営業資料に組み込むことも有効です。ただし、営業目的だけが前面に出ると信頼を損なうため、活動の根拠、実施状況、未達成課題を正直に示す姿勢が求められます。
3. 定期的な進捗評価と情報開示
SDGs経営は、定期的な進捗評価と情報開示によって信頼性が高まります。活動を開始しただけで終わらせず、四半期や半期ごとに進捗を確認し、次の改善に反映する必要があります。
評価指標は、活動量と成果指標を分けて設定します。活動量は実施回数、参加人数、対象拠点数などで、成果指標は削減量、再利用量、離職率、満足度、問い合わせ数などです。
情報開示では、良い結果だけでなく課題も記載します。例えば「全拠点への展開は未完了」「削減量の測定方法を見直し中」といった情報は、誠実な改善姿勢を示す材料になるでしょう。
進捗評価を継続するには、広報部門だけに任せない体制が必要です。現場部門、経営企画、人事、購買、営業がそれぞれデータを持ち寄り、公開前に事実確認するプロセスを整えましょう。
よくある質問(FAQ)
SDGsへの取り組みを始める企業では、費用対効果、社内合意、PR方法、売上への影響に関する不安が多く見られます。ここでは、実務担当者が社内説明に使いやすい形で整理します。
回答の前提は、SDGsを単独の社会貢献活動として扱わず、事業活動、採用、広報、営業、サプライチェーン管理と接続することです。自社の強みや既存業務と結び付ければ、無理なく継続できる取り組みになるでしょう。
Q. 中小企業でもSDGsに取り組むメリットはありますか?
中小企業でもSDGsに取り組むメリットは十分にあります。取引先からの信頼向上、採用力の強化、地域での認知拡大、業務改善、コスト削減につながる可能性があります。
中小企業は大規模な投資よりも、包装材の見直し、廃棄物削減、地域連携、働き方改善、障害者雇用支援などから始めやすいです。後藤(正)靴下工場や興亜商事のように、地域や教育機関との連携を通じて独自性を出す方法もあります。
最初の一歩は、既に行っている活動をSDGs目標と紐付けることです。既存活動を棚卸しするだけでも、広報、採用、営業資料に活用できる情報が見つかるでしょう。
Q. SDGsの取り組みはコストがかかるイメージがありますが、どのように進めればよいですか?
SDGsの取り組みは、必ずしも大きな投資から始める必要はありません。低コストで始められる業務改善型の施策から着手し、効果を確認しながら段階的に拡大するのが現実的です。
例えば、紙資料の削減、照明のLED化、梱包材の見直し、廃棄物の分別強化、社内研修、テレワーク制度の整備などは、比較的始めやすい取り組みです。これらはコスト削減や従業員満足度の向上にもつながるでしょう。
費用が発生する施策では、初期費用だけでなく、削減できる運用コスト、取引先評価、採用広報への効果も含めて検討します。社内稟議では、活動目的、KPI、想定効果、実施期間をセットで示すと合意形成しやすくなります。
Q. 自社のSDGsへの取り組みを効果的にPRするにはどうすればよいですか?
自社のSDGsへの取り組みを効果的にPRするには、活動内容、根拠、成果、課題を具体的に発信することが大切です。理念だけを掲げるのではなく、実施したことが読み手に伝わる形で整理します。
コーポレートサイトには、重点目標、取り組み一覧、推進体制を掲載します。オウンドメディアでは、担当者インタビュー、現場レポート、取引先との協働事例、地域活動の背景を記事化すると、活動の温度感が伝わるでしょう。
BtoB企業では、SDGsページから資料ダウンロードや問い合わせへ自然に移動できる導線も重要です。SDGs活動に関心を持った読者が、サービス理解や商談に進めるよう、関連資料や導入事例への内部リンクを設計しましょう。
Q. SDGsへの取り組みは、企業の売上向上に直結しますか?
SDGsへの取り組みは、短期的に売上へ直結するとは限りませんが、信頼形成、商談機会、採用力、取引継続に影響することで中長期の売上基盤を支えます。特にBtoBでは、取引先評価や比較検討時の差別化要素になります。
例えば、環境配慮型の商品、サプライチェーンの透明性、働き方改善、地域連携は、顧客の購買判断を後押しする材料になります。営業担当者がSDGs情報を説明できれば、価格以外の価値を伝えやすくなるでしょう。
売上との関係を検証するには、SDGsページの閲覧数、資料ダウンロード数、商談時の言及回数、採用応募者の反応、取引先からの評価を記録します。数値と定性的な声を合わせて見ることで、事業成果との関係を説明しやすくなるでしょう。
まとめ:貴社のSDGs取り組みを次のステージへ
企業のSDGsへの取り組みは、社会貢献と事業成長を両立させる経営テーマです。味の素AGF、日清食品、キッコーマン、KDDI、くら寿司、興亜商事、やましたグリーンなどの具体例から分かるように、活動の形は業界や企業規模によって異なります。
重要なのは、有名企業の施策をそのまま模倣することではありません。自社の事業、サプライチェーン、従業員、地域、顧客との接点を整理し、最も影響度が高い目標から着手することです。
SDGs経営を企業価値につなげるには、実行内容を証拠とともに記録し、Web上で分かりやすく発信する体制が必要です。活動内容、実施時期、根拠、成果、課題を整理すれば、社内説明、採用広報、営業資料、取引先対応に活用できるでしょう。
テクロ株式会社は2016年以来、BtoB企業のWebマーケティングを支援し、オウンドメディア・コンテンツマーケティングに加え、AI検索時代に対応したLLMO対策にも取り組んでいます。SDGs活動を発信する際も、単なる理念ページではなく、検索・AI検索・リード獲得・商談化までを見据えた情報設計が求められます。
自社のSDGs取り組みを次の段階へ進めるには、まず既存活動を棚卸しし、優先目標とKPIを決め、公開できる情報から整備することが出発点です。小さく始めて、記録し、改善し、発信する流れを作ることで、SDGsは継続的な企業価値向上の仕組みになります。
【総合サービス資料 無料ダウンロード】
テクロが行う支援内容・料金プラン・制作事例や導入実績などをまとめています。BtoBマーケティングに課題を感じている方はぜひご覧ください。
【こんな方におすすめ】
- 社内でSEOを任せられる人がいない
- リソースが足りない
- SEOの始め方がわからない
- 受注に繋げる方法がわからない



