HubSpotでBtoBマーケティングのKPIを管理する方法|ダッシュボード設計まで解説
この記事のポイント
BtoBマーケティングにおけるKPI管理の重要性とHubSpotの役割
BtoBマーケティングのKPI管理は、リード獲得数だけでなく商談・受注までの進捗を可視化し、施策の優先順位を判断するために不可欠です。特に検討期間が長いBtoBでは、Web施策、ナーチャリング、営業接触が分断されると、どこに改善余地があるのか分からなくなります。HubSpotは、コンタクト情報、行動履歴、メール反応、商談情報を同じ基盤で管理できるため、部門横断のKPI可視化に適しています。

BtoBマーケティングでKPI管理が不可欠な理由
BtoBでKPIを管理する目的は、マーケティング施策を「売上につながる活動」として評価することです。PVやCVが増えても、MQLからSQL、商談、受注へ進まなければ事業成果には直結しません。テクロ株式会社の支援資料でも、売上であるKGIを意識したKPI設計により、PV112%、CV109%、メール開封率142%、クリック率186%といった改善実績が示されています[1]。
既存のKPI記事と接続して考えるなら、まず事業目標から逆算し、必要な商談数、SQL数、MQL数、CV数を分解します。そのうえで、各数値をHubSpot上で追跡できる状態にすると、施策ごとの貢献度が見えやすくなります。
HubSpotがKPI管理にもたらすメリット
HubSpotのメリットは、マーケティングと営業が同じ顧客データを見ながら判断できる点です。フォーム送信、資料ダウンロード、メール開封、ページ閲覧、商談作成などを連携すれば、リード獲得後の動きまで追跡できます。部門ごとに別々の表計算ソフトで集計する状態から脱却でき、月次レポート作成の工数も削減できます。
テクロ株式会社のHubSpot導入・活用設計プランでは、CRM設計、パイプライン設計、リード管理設計、KPI設計、MAフロー設計、営業フロー設計、ダッシュボード設計までを一貫して支援しています[2]。
HubSpotで追跡すべきBtoBマーケティングKPIの種類と選定基準
HubSpotで追跡すべきKPIは、認知、獲得、育成、営業接続、受注の流れに沿って選ぶ必要があります。単に計測できる指標を並べるのではなく、「次にどの意思決定をするための数字か」を明確にした指標だけをダッシュボードに載せることが重要です。

主要なBtoBマーケティングKPIの定義と具体例
BtoBでまず定義すべきKPIは、CV、MQL、SQL、商談、受注の5つです。MQLは「対象企業で、一定の検討シグナルがある状態」、SQLは「営業が具体的な商談可能性を確認した状態」と定義すると、マーケティングと営業の判断が揃いやすくなります。
| KPI | 定義 | HubSpotで見る主なデータ |
|---|---|---|
| CV | フォーム送信や資料請求などの成果行動 | フォーム送信数、CTAクリック数 |
| MQL | 対象企業かつ検討シグナルがあるリード | 会社属性、閲覧ページ、資料DL |
| SQL | 営業が商談可能性を確認したリード | 営業ステータス、架電結果 |
| 商談化率 | SQLから商談化した割合 | 取引レコード、パイプライン |
| 受注率 | 商談から受注した割合 | 取引ステージ、受注金額 |
マーケティングファネル別(認知・獲得・育成・顧客)で見るKPI
ファネル別にKPIを整理すると、施策ごとの役割が明確になります。認知ではセッションや流入元、獲得ではCV数やCVR、育成ではメール反応や再訪問、営業接続ではMQLからSQLへの転換率、顧客化では受注率や売上を見ます。
| ファネル | KPI例 | HubSpotでの計測方法 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 認知 | セッション数、流入元、ページビュー数 | トラフィック分析、参照元レポート | ブランド認知度向上、潜在顧客の獲得 |
| 獲得 | CV数、CVR、リード獲得数 | フォーム送信数、CTAクリック数、コンタクト作成数 | 見込み客の獲得効率と質 |
| 育成 | MQL数、メール開封率、クリック率 | ライフサイクルステージ、メールパフォーマンスレポート | リードの購買意欲向上、ナーチャリング効果 |
| 営業接続 | SQL数、商談化率 | ライフサイクルステージ、取引パイプラインレポート | 質の高いリードの営業への引き渡し |
| 顧客化 | 受注数、受注率、平均受注単価 | 取引ステージ、売上レポート | 売上貢献度、事業成長への寄与 |
2026年現在は、ChatGPTやGeminiなどのAI検索を起点に情報収集する顧客も増えています。Gartnerは、AIチャットボットなどの影響により、検索エンジンの検索量が2026年までに25%減少すると予測しています[3]。そのため、AI検索経由の流入や指名検索も、BtoBのKPI候補として扱うべきです。
自社に最適なKPIを選定するためのステップ
最適なKPIは、売上目標から逆算して選びます。まず必要な受注数を決め、受注率から必要商談数を算出し、商談化率からSQL数、MQL転換率からMQL数、CVRから必要流入数を計算します。この逆算がないKPIは、現場の努力量を測るだけの指標になりがちです。
テクロ株式会社が導入支援時に確認するチェック項目は、ターゲットの明確さ、検索意図・顧客課題への回答、結論の明確さ、一次情報・独自見解、根拠や出典、検討フェーズに合うCTA、次に読む情報、営業・商談で使える内容、更新日・責任者の明確さです。これは記事制作だけでなく、KPI設計やプロパティ設計にも応用できます。
HubSpotでのKPI設定・計測・データ収集の基本手順
HubSpotでKPIを正しく計測するには、プロパティ、レコード、ワークフロー、キャンペーンの設計順序を間違えないことが重要です。機能を増やす前に、「何を判断するためのデータか」を定義し、入力者と更新タイミングを決めることが失敗防止につながります。

HubSpotプロパティとコンタクト/会社レコードの活用
プロパティ設計の基本は、用途、入力者、更新タイミングを1つずつ決めることです。よくある失敗は、似た意味のプロパティを複数作り、データが冗長化して分析できなくなることです。たとえば「リード種別」「見込み度」「検討度」のような項目が乱立すると、営業もマーケティングもどれを見ればよいか分からなくなります。
| 失敗例 | 具体的な問題 | 対策 | 関連HubSpot機能 |
|---|---|---|---|
| 似たプロパティの乱立 | データが冗長化し、分析が困難になる | プロパティ追加前に目的と定義を明確化 | プロパティのグループ化、説明文 |
| 入力ルールが不明確 | データ入力のばらつき、誤ったデータが蓄積 | 選択肢を限定し、ヘルプテキストを設定 | ドロップダウン、ラジオボタン、チェックボックス |
| 更新タイミングの未定義 | データが古くなり、最新の状況を反映できない | ワークフローによる自動更新、手動更新ルールを策定 | ワークフロー、タスク、プロパティ履歴 |
| 部門間の定義のずれ | KPIの解釈に齟齬が生じ、連携が滞る | ライフサイクルステージ定義やプロパティ定義を統一 | ライフサイクルステージ、プロパティ定義書 |
| 不要なプロパティの増加 | 管理が複雑化し、パフォーマンスに影響 | 定期的なプロパティの見直しと整理 | プロパティのアーカイブ、監査ログ |
テクロ株式会社では、経営、マーケティング、営業で見る指標を分け、プロパティの追加前に判断目的を確認します。ライフサイクルステージ定義テンプレートでは、購読者、リード、MQL、SQL、商談、顧客の各段階に対して、移行条件と確認項目を整理します。
| ステージ | 定義 | 移行条件 | 確認項目 |
|---|---|---|---|
| リード | 個人情報を取得した状態 | フォーム送信 | 会社名、メール、流入元 |
| MQL | 対象企業で検討シグナルがある状態 | 料金・事例・サービス閲覧、資料DL | 業種、規模、行動履歴 |
| SQL | 営業が商談可能性を確認した状態 | ヒアリングで課題・時期・担当者を確認 | 課題、予算感、導入時期 |
| 商談 | 具体的な提案が進む状態 | 取引レコード作成 | 提案内容、金額、決裁者 |
ワークフロー機能を活用した自動化とデータ連携
ワークフローは、ステージ変更、営業通知、ナーチャリング配信を自動化するために使います。ただし、すべての行動を通知対象にすると営業のアラート疲れを招きます。⚠️ 注意:ページ閲覧やメール開封をすべて通知すると、本当に対応すべきリードが埋もれます。
テクロ株式会社では、料金ページ、サービスページ、事例ページ、問い合わせなど、営業対応につながるシグナルに通知を絞る設計を推奨しています。また、引き渡し条件、初回対応期限、営業に渡す情報、対応結果、失注理由、マーケティングへのフィードバック項目を事前に決めます。
キャンペーン・トラッキングURLによる正確なデータ収集
キャンペーンとトラッキングURLは、どの施策がCVや商談に貢献したかを判定するために設定します。広告、メルマガ、ウェビナー、ホワイトペーパー、オウンドメディアを同じルールで管理すれば、流入元別の成果比較ができます。
HubSpotだけでなく、必要に応じてGoogle AnalyticsやGoogle Search Consoleのデータも参照すると、検索流入から商談化までの全体像を把握しやすくなります。
効果的なHubSpot KPIダッシュボードの設計と活用方法
効果的なダッシュボードは、見る人ごとに意思決定ができる指標だけを配置した画面です。HubSpotダッシュボードをBtoB向けに設計する際は、経営は売上・商談、マーケティングはCV・MQL、営業はSQL・対応状況を見る形に分けると運用しやすくなります。

HubSpotダッシュボード設計の基本原則とBtoB特有の視点
HubSpotダッシュボード設計の基本原則は、KGIから逆算して指標を配置することです。BtoBでは、単月のリード数だけでなく、MQLからSQLへの転換率、SQLから商談への転換率、商談から受注への転換率を並べて見る必要があります。
ダッシュボード例として、経営向けには売上見込み、商談数、受注率、チャネル別ROIを配置します。マーケティング向けには流入、CV、MQL数、MQL率、コンテンツ別CVを配置します。営業向けにはSQL数、初回対応期限、未対応リード、失注理由を配置します。
目的別HubSpotレポート作成の具体例と「HubSpot レポート 設計」のポイント
目的別レポートは、改善する対象を1つに絞って作ると活用されます。HubSpot レポート 設計では、全体サマリー、ファネル転換、チャネル別成果、営業対応状況、失注理由の5種類を優先するとよいでしょう。レポートを増やしすぎると、会議で数字を見るだけになり、改善アクションが曖昧になります。
テクロ株式会社が支援した顧客の「MQLからSQLへの転換率改善事例」については、公開時に対象期間、業界・企業規模、施策前後の数値、実施施策、成果要因を社内確認のうえで掲載する必要があります。数値だけが独り歩きしないよう、転換率が上がった理由までセットでレポート化することが重要です。
「HubSpot ダッシュボード BtoB」を意識したカスタマイズと共有
HubSpot ダッシュボード BtoBの運用では、部門別の共有範囲と更新頻度を決めることが成果につながります。経営会議では月次、マーケティング会議では週次、営業連携では日次に近い頻度で見るなど、意思決定サイクルに合わせて設計します。
FAQとしてよく聞かれるのが、マーケティングと営業でMQLやSQLの認識が異なる場合の対応です。この場合、一般論の定義をそのまま採用せず、企業属性と行動情報を分けて整理します。MQLは「対象企業で、一定の検討シグナルがある状態」、SQLは「営業が具体的な商談可能性を確認した状態」と合意し、転換率と失注理由を見ながら定期的に調整します。
KPIデータに基づいたBtoBマーケティング施策の評価と改善
KPIデータは、施策の良し悪しを評価するだけでなく、次にどこへ投資するかを決める材料です。HubSpot上でデータを可視化しても、原因分析と改善施策に接続しなければ成果は変わりません。

ダッシュボードからのデータ分析と現状把握
最初に見るべきポイントは、ファネルのどこで停滞しているかです。CVは増えているが商談が増えない場合は、MQL条件、営業引き渡し、リードの質、CTA内容を確認します。テクロ株式会社の導入事例では、株式会社アジャイルウェア様が月間PV313から8.6万、月間資料DL1件から118件へ改善しています[1]。
一方で、PVを増やすだけが正解ではありません。別事例では、商材に近いキーワード選定、商材から遠いコンテンツ整理、CTA整理により、月間PVが27.2万から22万に下がった一方で、月間資料DLが45件から69件へ増加しています[1]。BtoBでは、流入量よりも商談につながる流入の比率を高める視点が重要です。
KPI未達成時の要因分析と改善策の立案
KPI未達成時は、数値を責めるのではなく、前工程と後工程を分けて原因を特定します。MQLが少ない場合は流入元やCTAを見直し、SQL化しない場合はMQL条件や営業対応内容を見直します。商談化しない場合は、営業に渡す情報や初回対応期限を確認します。
テクロ株式会社の導入事例一覧では、スリーアールソリューション株式会社様が「商談化促進を目指し、HubSpotで営業状況の見える化を実現。営業とマーケの連携も加速」と紹介されています[4]。また、株式会社ジェイアンドユー様では、HubSpotの運用支援で営業の可視化に成功し、売上5%UPにつながった事例が公開されています[4]。
HubSpotを活用したPDCAサイクルの回し方
HubSpotを使ったPDCAは、月次の振り返りだけでなく、週次でボトルネックを確認する運用が効果的です。PlanではKPIと施策仮説を設定し、Doではキャンペーンやワークフローを実行し、Checkではダッシュボードで進捗を確認し、ActionではCTA、メール、営業引き渡し条件を改善します。
AI検索対策も同じ考え方で管理できます。テクロ株式会社の資料では、AI検索で会社情報が表示されるようコンテンツ構造を調整し、AI Overview、ChatGPT、Geminiの検索結果へ会社情報が表示された事例が示されています[1]。AI検索経由のCVもダッシュボードに含めれば、2026年のBtoBマーケティングに合った管理体制を作れます。
まとめ:HubSpotで実現するBtoBマーケティングKPI管理の最適化
HubSpotでBtoBマーケティングのKPIを最適化するには、指標定義、プロパティ設計、ダッシュボード設計、改善運用を一体で整えることが重要です。KPIを可視化するだけでなく、MQLからSQL、商談、受注までの停滞ポイントを特定できる状態を作ることが成果改善の出発点です。
本記事の要点とKPI管理成功への道のり
成功のポイントは、売上から逆算してKPIを決め、MQLとSQLの定義を営業・マーケティングで合意し、HubSpot上のデータ構造に落とし込むことです。プロパティは増やすほど便利になるわけではなく、判断に使える粒度で整理する必要があります。
FAQとして、最初に作るべきダッシュボードは何かと聞かれることがあります。最初は「ファネル全体」「チャネル別成果」「営業対応状況」の3つで十分です。完璧なレポートを最初から作るより、運用しながら不要な指標を削るほうが定着しやすくなります。
HubSpot導入・活用に関するご相談(CTA)
テクロ株式会社は2016年以来、BtoBマーケティング支援を行っています。主にオウンドメディア・コンテンツマーケティングを中心に、昨今はAI検索への対策としてLLMO対策のご支援も行っています。HubSpot導入/活用設計プランでは、CRM設計、KPI設計、営業フロー設計、ダッシュボード設計までを一貫して支援します。
「KPIを定義したが、HubSpotでどう可視化すべきか分からない」「MQLからSQLへの転換率を改善したい」「営業通知が多すぎて運用が定着しない」といった課題があれば、HubSpotダッシュボード設計相談をご活用ください。KPIをHubSpotダッシュボードで可視化し、改善アクションにつなげる設計をご提案します。
【総合サービス資料 無料ダウンロード】
テクロが行う支援内容・料金プラン・制作事例や導入実績などをまとめています。BtoBマーケティングに課題を感じている方はぜひご覧ください。
【こんな方におすすめ】
- 社内でSEOを任せられる人がいない
- リソースが足りない
- SEOの始め方がわからない
- 受注に繋げる方法がわからない
よくある質問
HubSpotでBtoBマーケティングのKPIを管理する上で、特に重要なポイントは何ですか?
HubSpotでBtoBマーケティングのKPIを管理する上で重要なのは、CV数だけでなくMQL、SQL、商談化率、受注率までを一元管理することです。経営・マーケティング・営業の各部門が意思決定しやすいよう、見るべき指標を分けてダッシュボードを設計することが改善アクションにつながります。また、プロパティ設計時には「何を判断するためのデータか」を定義し、データの冗長化を防ぐことが失敗しないための鍵です。
BtoBマーケティングのKPIとして、HubSpotで具体的にどのような指標を追跡すべきですか?
BtoBマーケティングでは、CV、MQL、SQL、商談、受注の5つを主要KPIとしてHubSpotで追跡すべきです。MQLを「対象企業で、一定の検討シグナルがある状態」、SQLを「営業が具体的な商談可能性を確認した状態」と定義し、マーケティングと営業で認識を揃えることが重要です。2026年現在はAI検索経由の流入も増えているため、これらの流入元もKPI候補として考慮に入れると良いでしょう。
HubSpotでKPIダッシュボードを設計する際、どのような点に注意すれば効果的ですか?
HubSpotのKPIダッシュボードを設計する際は、KGI(売上目標)から逆算して指標を配置し、見る人ごとに意思決定できる情報だけを配置することが重要です。特にBtoBでは、経営、マーケティング、営業で見る指標を分け、ファネル全体の転換率(MQLからSQL、SQLから商談、商談から受注など)を可視化することで、どこに改善余地があるか明確になります。
HubSpotで設定したKPIが未達成だった場合、どのように原因を特定し改善を進めれば良いですか?
KPIが未達成だった場合、数値を責めるのではなく、ボトルネックとなっているファネルの「前工程と後工程」を分けて原因を特定します。例えばMQLが少ない場合は流入元やCTAを見直し、SQL化しない場合はMQL条件や営業対応内容を確認します。HubSpotのダッシュボードで現状を把握し、毎週のPDCAサイクルでボトルネックを特定し、CTAや営業引き渡し条件などを改善していくことが効果的です。
マーケティングと営業でMQLやSQLの定義が異なる場合、HubSpotではどのように連携を取れば良いですか?
マーケティングと営業でMQLやSQLの認識が異なる場合は、一般的な定義をそのまま採用せず、企業属性と行動情報を分けて具体的に定義することで合意形成を図ります。MQLは「対象企業で、一定の検討シグナルがある状態」、SQLは「営業が具体的な商談可能性を確認した状態」と合意し、HubSpot上で転換率や失注理由を見ながら定期的に定義を調整していく運用が効果的です。
参考文献
- 新_テクロのサービス資料_提案資料のまとめ_AI検索_LLMO_SEO対策 — テクロ株式会社(2026年)



