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【完全ガイド】デジタルマーケティングのKPI設定|目標達成に導く指標一覧と事例

【完全ガイド】デジタルマーケティングのKPI設定|目標達成に導く指標一覧と事例

「自社のデジタルマーケティング、成果が出ているのかよくわからない…」
「上司からKPIを設定しろと言われたけど、何から手をつければいいんだろう?」
「KPIやKGIという言葉は聞くけど、違いが曖昧でうまく説明できない」

企業のマーケティング担当者、特にデジタル領域でキャリアをスタートして間もない方は、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。

感覚的な施策運用から脱却し、成果を正しく評価して次の一手を打つためには、KPI《けーぴーあい》の設定が不可欠です。
KPIは、いわばデジタルマーケティングという航海における「羅針盤」の役割を果たします。

この記事では、KPIの基本的な知識から、具体的な設定方法、計測に役立つツール、そして成功事例までを網羅的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って自社のマーケティング戦略を語り、データに基づいた意思決定を下せるようになっているはずです。

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そもそもKPIとは?デジタルマーケティングにおける重要性を知ろう

まずは、デジタルマーケティングを成功に導くための土台となる「KPI」の基本を理解しましょう。
KPIとは一体何なのか、なぜそれが重要なのかを知ることで、今後のマーケティング活動の精度が格段に向上します。

KPIを正しく理解し、適切に設定することが、目に見える成果を出すための第一歩です。
ここでは、KPIの定義や関連用語との関係性、そしてKPI設定がもたらすメリットについて詳しく見ていきます。

KPI(重要業績評価指標)とは?ビジネスにおける「中間目標」

KPIとは「Key Performance Indicator」の略語です。
日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。

これは、企業が掲げる最終的なビジネス目標(KGI)を達成するための中間的な指標のことです。
たとえば、「売上1億円」という最終ゴールに向かう道のりに置かれた、「月間Webサイト訪問者数10万人」「問い合わせ獲得率2%」といったチェックポイントだと考えると分かりやすいでしょう。

用語読み意味
KPIけーぴーあいKey Performance Indicator(重要業績評価指標)の略。最終目標の達成度合いを測るための中間指標

KPIを定期的に観測することで、目標達成に向けた進捗が順調かどうかを客観的に判断できます。
もし進捗が芳しくなければ、早期に課題を発見し、改善策を講じることが可能になります。

KGI・KSFとの違いと関係性|目標達成へのロードマップ

KPIを理解する上で、KGI《けーじーあい》とKSF《けーえすえふ》という2つの用語との関係性を把握することが非常に重要です。
これら3つは、目標達成までの道のりを描くロードマップのように、密接に連携しています。

用語読み意味
KGIけーじーあいKey Goal Indicator(重要目標達成指標)の略。ビジネスの最終目標を定量的に示した指標。(例:売上高、利益率、成約数)
KSFけーえすえふKey Success Factor(重要成功要因)の略。KGIを達成するために、最も重要となる成功要因。(例:ブランド認知度の向上、顧客満足度の向上)
KPIけーぴーあいKey Performance Indicator(重要業績評価指標)の略。KSFを達成するための具体的な行動が、適切に行われているかを測る中間指標

これらの関係は、次のような階層構造で整理できます。

  • KGI(最終目標): 年間売上を3億円にする
    • KSF(重要成功要因): Webサイト経由での新規顧客からの受注を増やす
      • KPI(中間目標): 月間100件の問い合わせを獲得する
      • KPI(中間目標): 問い合わせからの商談化率を30%にする
      • KPI(中間目標): Webサイトのコンバージョン率を2%に維持する

このように、KGIという最終ゴールから逆算してKSFを特定し、さらにKSFを達成するための具体的な行動指標としてKPIを設定することで、日々の活動が最終目標にどう繋がっているのかが明確になります [1]。

なぜKPI設定が重要なのか?3つのメリットを解説

デジタルマーケティングにおいて、なぜKPIを設定することがそれほど重要なのでしょうか。
その理由は、KPI設定がもたらす3つの大きなメリットに集約されます。

  1. 施策の成果を客観的に評価できる

    • KPIという共通の物差しがあることで、「なんとなく良かった・悪かった」という感覚的な評価から脱却できます。
    • 数値に基づいて施策の効果を正確に判断できるため、成功した施策の再現性を高め、失敗した施策からは学びを得ることができます。
  2. チームの目線が揃い、同じ目標に向かえる

    • 「WebサイトのCVRを3%に上げる」といった明確なKPIをチーム全体で共有することで、メンバー全員が同じ方向を向いて業務に取り組めます。
    • 担当者ごとの目的のズレを防ぎ、組織としての一貫したマーケティング活動を実現します。
  3. データに基づいた論理的な改善(PDCA)が可能になる

    • KPIの数値が目標に届かない場合、その原因をデータから分析し、具体的な改善策を立てることができます。
    • たとえば、「CVRが低い」という課題に対し、「特定のページの離脱率が高い」という原因を特定し、「そのページのコンテンツを改善する」といった次のアクションに繋げられます。
    • これにより、PDCA《ぴーでぃーしーえー》サイクルを高速で回し、継続的に成果を向上させることが可能になります [2]。

【目的別】デジタルマーケティングで使われる主要KPI一覧

デジタルマーケティングで用いられるKPIは多岐にわたります。
やみくもに全ての指標を追うのではなく、自社のビジネスの目的やフェーズに合わせて、適切なKPIを選択することが重要です。

ここでは、代表的なKPIを4つの目的別に分類してご紹介します。
自社のマーケティング活動において、今どの指標に注目すべきかを考える参考にしてください。

1. Webサイト全体のKPI

Webサイトは、デジタルマーケティング活動の拠点となる重要なチャネルです。
サイト全体の健全性や集客力を測るための基本的なKPIを理解しておきましょう。

PV数(ページビュー数)/セッション数

Webサイトがどれだけ閲覧されているかを示す、最も基本的な指標です。

  • PV数(ページビュー数)
    • サイト内のページが閲覧された「回数」です。
    • 1人のユーザーが10ページ見れば、10PVとなります。
  • セッション数
    • ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの一連の流れを「1」とカウントする「訪問回数」です。
    • 1人のユーザーが朝と夜に1回ずつ訪問すれば、2セッションとなります。

広告収益モデルのメディアサイトではPV数が、多くのユーザーにサイトを訪れてほしい場合はセッション数が重要な指標となります。

UU数(ユニークユーザー数)

サイトを訪問した、重複しないユーザーの「人数」を示す指標です。
期間内に同じユーザーが何度訪問しても、UU数は「1」とカウントされます。

この指標は、Webサイトがどれだけ多くの人にリーチできているかを示します。
特に、新規顧客の獲得やブランドの認知度拡大を目指す場合に重要なKPIとなります。

直帰率/離脱率

ユーザーがサイトの内容に満足しているかを測る指標で、低いほど良いとされます。
この2つは混同されがちですが、意味は異なります。

指標意味注目すべきケース
直帰率サイトに訪問したユーザーが、最初の1ページだけを見てサイトを離れてしまった割合。ランディングページや広告の遷移先ページの効果測定。
離脱率全てのPVのうち、そのページがセッションの最後の閲覧ページになった割合。問い合わせフォームや購入手続きページなど、ユーザーに次の行動を促したいページ。

直帰率が高いページは、ユーザーの期待とコンテンツの内容が合っていない可能性があります。
また、特定のページの離脱率が極端に高い場合は、そのページに何らかの問題があると考えられます。

平均滞在時間

ユーザーがサイトに滞在した時間の平均値です。
一般的に、滞在時間が長いほど、ユーザーがコンテンツに興味を持ち、深く関わっている(エンゲージメントが高い)と判断できます。

ブログ記事やオウンドメディアなど、コンテンツの質が重要となるサイトでは特に重視されるKPIです。
滞在時間が短い場合は、コンテンツの内容が薄い、読みにくい、求めている情報がない、といった原因が考えられます。

2. コンバージョン(成果)に関わるKPI

デジタルマーケティングの最終的な成果、つまりビジネス上の利益に直結する非常に重要なKPI群です。
これらの指標を改善することが、事業成長を実現する上で欠かせません。

CV数(コンバージョン数)

Webサイト上で設定した「成果」の達成数です。
コンバージョンはビジネスモデルによって異なり、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 商品の購入
  • 問い合わせ
  • 資料請求・ホワイトペーパーのダウンロード
  • 会員登録
  • セミナー申し込み

まず自社にとってのコンバージョンは何かを明確に定義することが、KPI設定の第一歩です。

CVR(コンバージョン率)

サイトへの訪問者のうち、どれだけの割合がコンバージョンに至ったかを示す指標です。
Webサイトの「効率性」を測る上で、最も重要なKPIの一つと言えます。

計算式は以下の通りです。
CVR(%) = CV数 ÷ セッション数 × 100

たとえば、1,000セッションで20件のCVがあった場合、CVRは2%となります。
たとえサイトへのアクセス数が少なくても、CVRが高ければ効率的に成果を上げられていると評価できます [3]。

3. 広告運用におけるKPI

Web広告は、短期間で集客や成果を出すための強力な手法です。
しかし、費用がかかるため、その効果を厳密に測定し、費用対効果を最大化する必要があります。

CPA(顧客獲得単価)

1件のコンバージョン(顧客)を獲得するために、いくらの広告費用がかかったかを示す指標です。
「Cost Per Acquisition」または「Cost Per Action」の略です。

計算式は以下の通りです。
CPA(円) = 広告費用 ÷ CV数

CPAは低ければ低いほど、効率的に顧客を獲得できていることを意味します。
広告運用においては、いかにCPAを目標値以下に抑えるかが利益を確保する上で重要なポイントとなります。

ROAS(広告費用対効果)

投下した広告費用に対して、どれだけの売上が得られたかを示す指標です。
「Return On Advertising Spend」の略で、日本語では「広告費用対効果」と訳されます。

計算式は以下の通りです。
ROAS(%) = 広告経由の売上 ÷ 広告費用 × 100

ROASが100%を超えていれば、広告費以上の売上を上げられていることになり、その広告は利益に貢献していると判断できます。
広告キャンペーン全体の収益性を評価する際に用いられます。

CTR(クリック率)

広告が表示された回数(インプレッション数)に対して、実際にクリックされた割合を示す指標です。
「Click Through Rate」の略です。

計算式は以下の通りです。
CTR(%) = クリック数 ÷ 表示回数 × 100

CTRが高い広告は、ユーザーの興味を惹きつける魅力的な広告(広告文やバナー画像)であると言えます。
また、ターゲティング精度が高いことの証左でもあります。

4. その他のチャネルにおけるKPI

マーケティング活動はWebサイトや広告だけにとどまりません。
SNSやメールマガジンといった他のチャネルでも、それぞれの特性に合わせたKPIを設定することが重要です。

SNSのエンゲージメント率

FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNS投稿に対する、ユーザーの反応の割合を示す指標です。
エンゲージメントには、主に以下のようなアクションが含まれます。

  • いいね
  • コメント
  • シェア(リツイート)
  • 保存
  • リンクのクリック

エンゲージメント率が高い投稿は、ファンの心に響き、ブランドへの関心を高めている証拠です。
ブランド認知度の向上や、顧客ロイヤルティの醸成を目指す上で重要なKPIです。

メールマガジンの開封率・クリック率

メールマガジン配信の効果を測定するための基本的なKPIです。

  • 開封率: 配信したメールが、受信者にどれだけ開封されたかを示す割合。
  • クリック率: 開封されたメール本文中のリンクが、どれだけクリックされたかを示す割合。

開封率は件名の魅力、クリック率はコンテンツの質をそれぞれ反映します。
これらの指標を分析することで、見込み客の育成(リードナーチャリング)をより効果的に進めることができます。

5ステップで実践!失敗しないデジタルマーケティングのKPI設定方法

KPIの重要性や種類を理解したところで、次はいよいよ実践編です。
「何から手をつければいいかわからない」という方でも迷わず進められるよう、KPI設定の手順を5つのステップに分けて具体的に解説します。

このステップに沿って進めれば、誰でも論理的で実用的なKPIを設定することができます。

STEP1. KGI(最終目標)を明確にする

全ての土台となるのが、ビジネスの最終目標であるKGIの設定です。
KGIが曖昧なままでは、そこに至るまでの中間指標であるKPIも正しく設定できません。

まずは、あなたの部署やチームが、最終的に何を達成したいのかを明確に定義しましょう。
KGIは、必ず具体的で測定可能な数値目標にすることが重要です。

  • 良いKGIの例:
    • 今年度の売上高を前期比15%増加させる。
    • 新規サービスの市場シェアを1年以内に5%獲得する。
  • 悪いKGIの例:
    • 顧客満足度を上げる。(→具体的にどうなれば達成か不明)
    • 業界No.1を目指す。(→測定が困難)

STEP2. KPIツリーで目標を分解・構造化する

KGIを定めたら、その大きな目標を達成するために必要な要素を、より小さな単位に分解していきます。
このときに役立つのが「KPIツリー」という考え方です。

KPIツリーとは、KGIを頂点に置き、それを構成する要素をロジカルに分解して樹形図のように表現したものです。
これにより、最終目標と日々の活動がどのように結びついているのかを可視化できます。

例えば、KGIが「Webサイト経由の売上アップ」の場合、以下のように分解できます。

  1. 売上 = アクセス数 × CVR × 顧客単価
  2. アクセス数 = 広告経由 + 自然検索経由 + SNS経由 + …
  3. 広告経由のアクセス数 = 表示回数 × CTR

このように分解していくことで、売上を上げるためにはどの要素(KPI)を改善すれば良いのかが明確になります。

STEP3. 各施策に対応するKPIを選定する

KPIツリーで目標を分解したら、それぞれの要素を改善するための具体的なマーケティング施策と、その効果を測るKPIを紐付けます。

例えば、KPIツリーの要素である「自然検索経由のアクセス数」を増やすという目標に対しては、
「SEO対策」という施策が対応し、その効果を測るKPIとして「特定キーワードでの検索順位」や「オーガニックセッション数」などを設定します。

施策対応するKPIの例
SEO対策オーガニックセッション数、検索順位、直帰率
Web広告CPA、ROAS、CTR、CVR
SNS運用エンゲージメント率、フォロワー数、Webサイトへの流入数
コンテンツマーケティングPV数、平均滞在時間、資料ダウンロード数(CV数)

前章の「【目的別】主要KPI一覧」を参考に、自社が取り組む施策に最適なKPIを選びましょう。

STEP4. SMARTの法則で具体的な目標数値を設定する

KPIとして追うべき指標が決まったら、次に具体的な目標数値を設定します。
この際、現実的で達成可能な目標を立てるために「SMARTの法則」というフレームワークを活用するのが効果的です。

SMARTとは、優れた目標設定に必要な5つの要素の頭文字を取ったものです。

要素意味解説
Specific具体的か誰が読んでも同じ解釈ができる、明確な目標になっているか。
Measurable測定可能か目標の達成度合いを、数値で客観的に計測できるか。
Achievable達成可能か現実的に達成できる、挑戦的だが無理のない目標になっているか。
Relevant関連性があるか設定したKPIが、KGI(最終目標)の達成に関連しているか。
Time-bound期限が明確か「いつまでに」達成するのか、期限が定められているか。
  • 悪い目標例: Webサイトのアクセスを増やす。
  • 良い目標例(SMART): SEO対策によって、(S)オーガニック検索からのセッション数を(M)現状の月間1万から1.5万へ(A)(T)3ヶ月以内に増やすことで、(R)**問い合わせ数を増加させる。

この法則に沿って、各KPIに具体的な数値を落とし込んでいきましょう [4]。

STEP5. 定期的な計測と改善の計画を立てる

KPIは、設定して終わりではありません。
むしろ、設定してからが本当のスタートです。

定期的にKPIの数値を計測し、目標に対する進捗を確認し、改善を繰り返す(PDCAサイクルを回す)ことが最も重要です。
そのためには、あらかじめ計測と改善の計画を立てておく必要があります。

  • 計測頻度: どのKPIを、どのくらいの頻度(日次、週次、月次など)でチェックするかを決める。
  • 報告体制: 誰が、誰に、どのような形式(レポート、定例会議など)で報告するかを決める。
  • 改善アクション: 目標未達の場合に、どのような分析を行い、誰が改善策を立案・実行するかを決める。

これらの計画を事前に立てておくことで、KPIに基づいた継続的な改善活動が組織に定着します。

KPI設定でよくある失敗例と対策

KPI設定は、適切に行えば強力な武器になりますが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。
ここでは、多くの担当者が陥りがちな失敗パターンを3つご紹介します。

これらの失敗例と対策を知っておくことで、あなたはより精度の高いKPI設定ができるようになるはずです。

失敗例1:KPIの数が多すぎる

良かれと思って多くのKPIを設定した結果、どれも中途半端な管理になり、結局どの指標が重要なのか分からなくなってしまうケースです。
日々の数値チェックやレポート作成の負担も増大し、本来注力すべき分析や改善活動がおろそかになります。

  • 対策
    • KPIは3〜5個の重要な指標に絞り込む。
    • KPIツリーを参考に、KGIへの貢献度が最も高い指標を優先しましょう。
    • 「この指標が20%改善すれば、売上が最も伸びる」といった視点で、インパクトの大きいKPIを見極めることが重要です。

失敗例2:KGIとKPIが連動していない

設定したKPIを達成しているにもかかわらず、KGIである売上や利益が全く伸びない、というケースです。
例えば、「サイトのPV数を増やす」ことをKPIに設定し、見事に達成したとします。
しかし、増えたアクセスがターゲット層とずれていたため、全く問い合わせに繋がらなかった、という状況です。

  • 対策
    • 必ずKGIから逆算してKPIを設定する。
    • KPIツリーを作成し、各KPIがKGI達成のプロセスにおいて、どの役割を担っているのかを論理的に説明できるようにしましょう。
    • 「なぜこのKPIを追うのか?」という問いに、常に「KGIである◯◯を達成するため」と答えられる状態が理想です。

失敗例3:コントロールできない指標を設定している

景気の動向や、業界全体の市場規模、競合他社の広告出稿量など、自社の努力だけではコントロールが難しい外部要因に依存する指標をKPIにしてしまうケースです。
このようなKPIは、達成・未達成の要因分析が難しく、具体的な改善アクションに繋げることができません。

  • 対策
    • 自社の施策によって直接的に改善できる指標を選ぶ。
    • 例えば、「市場シェア」を直接のKPIにするのではなく、それを構成する要素である「自社サイトのCVR」や「CPA」などをKPIに設定します。
    • これらは、サイト改修や広告運用の最適化といった自社の努力でコントロール可能な指標です。

KPIの計測・分析におすすめのツール

設定したKPIを効率的に計測し、改善に繋げるためにはツールの活用が不可欠です。
幸い、現在では無料で利用できる高機能なツールが多く存在します。
ここでは、デジタルマーケティング担当者なら必ず押さえておきたい3つの基本ツールをご紹介します。

Google Analytics 4 (GA4)|Webサイト分析の必須ツール

Googleが提供する無料のアクセス解析ツールで、Webサイト運営におけるKPI計測の基本中の基本です。
PV数、セッション数、UU数、CVR、直帰率、滞在時間など、サイトに関するほとんどのKPIをこのツール一つで計測できます。

ユーザーの行動をより詳細に分析できる機能が強化されており、「どのページから来たユーザーが商品を購入しやすいか」といった深い分析も可能です。
まずはGA4を導入し、自社サイトの現状を数値で把握することから始めましょう。

Google Search Console|SEOの成果を可視化

こちらもGoogleが提供する無料ツールで、Google検索におけるWebサイトのパフォーマンスを分析できます。
主にSEO(検索エンジン最適化)に関するKPIを計測するのに役立ちます。

  • 表示回数: Google検索結果に自サイトが表示された回数。
  • クリック数: 実際にクリックされてサイトに流入した数。
  • CTR: 表示回数に対するクリック数の割合。
  • 平均掲載順位: 特定のキーワードでの平均的な検索順位。

どのようなキーワードでユーザーがサイトを訪れているのか、どのページの評価が高いのかなどを把握し、コンテンツ改善や新規記事の企画に活かすことができます。

各種広告媒体の管理画面|広告効果を詳細に分析

Google広告やYahoo!広告、Facebook広告などのWeb広告を出稿している場合、それぞれの広告媒体が提供する管理画面で詳細なKPIを確認できます。

CPAやROAS、CTRといった広告運用に特化したKPIをリアルタイムで把握し、キャンペーンや広告グループ、キーワード単位での効果測定が可能です。
これらのデータを定期的にチェックし、予算配分の最適化や広告クリエイティブの改善を行うことが、広告効果を最大化する鍵となります。

【事例】KPI設定で成果を上げたBtoB企業の取り組み

理論や設定方法を学んでも、「実際にどう活用すればいいの?」とイメージが湧きにくいかもしれません。
ここでは、私たちテクロ株式会社がご支援したBtoB企業様が、適切なKPI設定によってマーケティング成果を大きく向上させた実際の事例をご紹介します。

テクロのデジタルマーケティング施策成功事例①:株式会社LGブレイクスルー「自治体ビジネスドットコム」

画像出典:自治体ビジネスドットコム

自治体ビジネスドットコム」は、地方自治体や官公庁からの業務を受託するためのソリューションを提供している企業です。

以前からオウンドメディアを導入していましたが、Webでは企業との接点がないと考えており、オウンドメディアの運営が進められていない状態でした。

状態を打破するべくコンテンツマーケティングを実施し、半年経過した頃にはPVが約20倍まで成長しました。

ここまでの成長を遂げた理由は、コンテンツを作成する際に数値のデータとして変化を記録し、改善を模索したことです。

オウンドメディアを事業に活用するという目的も達成されました。

同社は小さな会社でありながら、オウンドメディアを活用することで営業の自動化に成功した事例です。

参考:【半年でPV20倍】オウンドメディアでサイト流入数を増加|株式会社LGブレイクスルー様

株式会社LGブレイクスルーのコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

メディア名

自治体ビジネスドットコム

メディアURL

https://www.b2lg.co.jp/jichitai/

コンセプト・テーマ

自治体ビジネスを成功に導くための情報発信

運営会社

株式会社LGブレイクスルー

公開時期

2017年

目的

  • リードの獲得
  • 新規顧客獲得

テクロのデジタルマーケティング施策成功事例②:株式会社ジェイアンドユー「PAPER AD」

画像出典:PAPER AD

広告代理店である株式会社ジェイアンドユー様はオウンドメディアの立ち上げから支援させていただいており、オウンドメディアの「PAPER AD」を立ち上げ、運用を続けたことで、これまで問い合わせのなかった業界からの新規リードの獲得することに成功しました。

その後、リード情報の管理やナーチャリングのためHubspotの導入支援をさせていただきました。

営業フローの整理やHubSpotの設定を行い、営業の一元管理と効率化に成功。営業や在庫の状況を可視化したことで売り上げが5%アップしました。

事例の詳細は以下からご覧いただけます。

参考:「オウンドメディアで他業種からの問い合わせと営業のモチベーションアップを実現|株式会社ジェイアンドユー様」

参考:「【売上5%UP】HubSpotの運用支援で営業の可視化に成功。売上・利益率が前年より大幅アップした施策とは|株式会社ジェイアンドユー様」

株式会社ジェイアンドユー様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

メディア名

PAPER AD

メディアURL

https://j-you.co.jp/blog/

コンセプト・テーマ

オフライン広告の情報を発信

運営会社

株式会社ジェイアンドユー

公開時期

2020年

目的

  • リードの獲得
  • 新規顧客獲得

テクロのデジタルマーケティング施策成功事例③:株式会社リロクラブ「RELO 総務人事タイムズ」

画像出典:「RELO 総務人事タイムズ

株式会社リロクラブは福利厚生の代行サービスを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「RELO 総務人事タイムズ」を運営しています。

非常に強いドメインパワーとPVがありましたが、お問い合わせまでつながらないのが課題でした。

そこで弊社にオウンドメディアの運用代行を依頼いただき、CVを意識したキーワード選定やサイト改善を行い、問い合わせの増加に成功し、より売り上げに貢献できるメディアに成長しました。

CV最適化によって売り上げが伸びた成功事例です。

参考:商材に近いキーワード選定とサイト改善でメディアのCVを最適化。信頼と安心の伴走型サポートとは|株式会社リロクラブ様

株式会社リロクラブ様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

メディア名

RELO 総務人事タイムズ

メディアURL

https://www.reloclub.jp/relotimes/article

コンセプト・テーマ

総務人事に関する情報発信

運営会社

株式会社リロクラブ

代行時期

2023年

目的

  • リードの獲得
  • 新規顧客獲得

テクロのデジタルマーケティング施策成功事例④:株式会社NTT印刷「カチアルサポート」

カチアルサポート

画像出典:「カチアルサポート

株式会社NTT印刷はBPOサービスを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「カチアルサポートオウンドメディア」を運営しています。

社内のリソースが限られるなかで月1~2回の展示会出展など他の施策も回しながら、オウンドメディアに各種コンテンツを用意しなければならなかったので、リソース面でも知見の面でもパートナーが必要だと考えられていました。

オウンドメディア運用の外注により、社内工数を削減しながら、結果を出した成功事例です。

参考:本質的なコンテンツ作成でPV、CVアップに成功。担当者への丁寧な寄り添いと豊富な知見による支援とは | NTT印刷株式会社様

株式会社リロクラブ様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

メディア名

カチアルサポートオウンドメディア

メディアURL

https://kachiarusupport.nttprint.com/column

コンセプト・テーマ

BPOサービスに関するサービス紹介

運営会社

株式会社NTT印刷

代行時期

2024年

目的

  • リードの獲得
  • 新規顧客獲得

テクロのデジタルマーケティング施策成功事例⑤:株式会社JAFメディアワークス「JAFトレコラム」

JAFメディアワークス_JAF交通安全トレーニング_テクロ事例

画像出典:「JAFトレコラム

株式会社JAFメディアワークスはJAF交通安全トレーニングを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「JAFトレコラム」を運営しています。

社内にマーケティング部がない状態。集客に取り組んでみたものの、「これで効果が出ているのだろうか」「どんな施策が一番効果があるのだろう」といった悩みがありました。

そこでテクロのオウンドメディア支援にご依頼いただき、メディアの立ち上げからPVとCV獲得までサポート。コンテンツを通したリード獲得に成功しています。

参考:オウンドメディアの新規立ち上げからPV、CV獲得まで伴走。依頼の決め手となったデータドリブンな提案とは | 株式会社JAFメディアワークス様

株式会社リロクラブ様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

メディア名

JAFトレコラム

メディアURL

https://jaf-training.jp/column/

コンセプト・テーマ

交通安全に関する情報発信

運営会社

株式会社JAFメディアワークス

代行時期

2024年〜

目的

  • リードの獲得
  • 新規顧客獲得

自社に最適なKPI設定に悩んだら、専門家への相談も一手

ここまで、KPI設定の重要性から具体的な方法、成功事例まで解説してきました。
しかし、中には「自社のビジネスモデルの場合、どの指標をKPIにすれば良いか判断が難しい」「KPIを設定しても、計測や改善を行うリソースが足りない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合は、外部の専門家の力を借りるのも有効な選択肢の一つです。

テクロ株式会社は、BtoBマーケティングに特化した伴走型の支援を得意としています。
40社以上のオウンドメディア運用支援で培った豊富なノウハウを活かし、貴社のビジネスに最適なKPI設定から、コンテンツ制作、効果測定、改善提案までを一気通貫でサポートします。

もしKPI設定やデジタルマーケティングの推進にお悩みでしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

まとめ|正しいKPI設定でデジタルマーケティングを成功に導こう

本記事では、デジタルマーケティングにおけるKPI設定について、その基礎から実践までを詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返ります。

  • KPIは目標達成への「羅針盤」: 施策の成果を客観的に評価し、チームの目線を合わせ、データに基づく改善を可能にします。
  • KGIから逆算して設定する: 最終目標(KGI)と成功要因(KSF)を明確にしてから、具体的な中間指標(KPI)に落とし込みます。
  • SMARTの法則を活用する: 「具体的」で「測定可能」な、現実的な目標数値を設定することが重要です。
  • 設定して終わりではない: 定期的に計測し、PDCAサイクルを回し続けることが成果への鍵です。

デジタルマーケティングの世界では、なんとなく施策を打っているだけでは、成果を出すことは難しくなっています。
正しいKPIを設定し、それを道しるべとすることで、初めてあなたのマーケティング活動はビジネスの成長に貢献する強力なエンジンとなります。

完璧なKPIを最初から目指す必要はありません。
まずはこの記事を参考に、自社のKGIを定義することから始めてみてはいかがでしょうか。その一歩が、デジタルマーケティング成功への確かな道のりの始まりとなるはずです。

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天野 央登 代表取締役
テクロ株式会社CEO。シンガポール国立大学・インド工科大学留学、データサイエンスを学ぶ。大学2年⽣時に起業、留学メディア「交換留学ドットコム」を1年半ほど運⽤し事業売却。その後はコンテンツマーケティングの知⾒を活かして、BtoBマーケティング支援事業を開始。BtoBマーケティングを中心にSEO・MAツールに詳しい。

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