オウンドメディアの役割とは？6つの目的とBtoB成功事例でわかる始め方・運用ガイド

「オウンドメディアって言葉はよく聞くけれど、具体的にどんな役割があるの？」
「自社でも始めるべきか悩んでいるけど、メリットや成功のポイントが知りたい」

このようなお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。
オウンドメディアは、正しく運用すれば企業の強力な資産となりますが、その役割や目的を理解しないまま始めても期待する成果は得られません。

この記事では、BtoBマーケティングのプロが、オウンドメディアの基本的な役割から具体的な目的、メリット・デメリット、そして成功事例までを網羅的に解説します。
さらに、明日から実践できる始め方・運用のステップもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、テクロ株式会社では「オウンドメディア作成マニュアル」資料を無料で配布しています。

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そもそもオウンドメディアとは？基本をわかりやすく解説

まずは、オウンドメディアとは何か、その基本的な部分から確認していきましょう。
言葉の意味や、よく比較される広告やSNSとの違いを理解することで、その役割がより明確になります。

オウンドメディアの定義

オウンドメディア《おうんどめでぃあ》とは、企業が自社で所有し、情報発信を主体的にコントロールできるメディアの総称です。
具体的には、以下のようなものが含まれます。

• 自社ブログ（コラムサイト）
• 公式サイト
• メールマガジン
• パンフレットやカタログ

特にWebマーケティングの世界では、この中でも「自社で運営するブログ形式のWebサイト」を指してオウンドメディアと呼ぶことが一般的です。

広告やSNSとの違い｜トリプルメディアの中での役割

オウンドメディアの役割をより深く理解するために、「トリプルメディア」という考え方が役立ちます。
トリプルメディア《とりぷるめでぃあ》とは、企業が利用するメディアを以下の3つに分類するマーケティングのフレームワークです。

ペイドメディア（広告）でお金（Pay）を払って集客し、アーンドメディア（SNSなど）で信頼（Earn）を獲得し、その受け皿としてオウンドメディアを活用する。
このように、3つのメディアを連携させることで、マーケティング効果を最大化できるのです。

オウンドメディアが担う6つの重要な役割と目的【海外成功事例・KPI例付】

それでは、企業がオウンドメディアを運用する具体的な役割と目的を6つご紹介します。
自社がどの目的を最も重視するのかを考えることが、成功への第一歩です。
今回は、海外の有名企業の成功事例と、効果測定のためのKPI（重要業績評価指標）例もあわせて解説します。

• 役割①：認知度向上
• 役割②：見込み顧客（リード）の獲得
• 役割③：コンバージョン（購入・契約）の促進
• 役割④：顧客エンゲージメントの強化
• 役割⑤：ブランディングの確立
• 役割⑥：採用力の強化

役割①：認知度向上

一つ目の役割は、自社の製品やサービス、あるいは企業自体の存在を広く知ってもらうことです。
有益な情報や面白いコンテンツを発信することで、これまで接点のなかった潜在顧客にアプローチできます。

事例：ユニリーバの「Dove」
スキンケアブランドのDoveは、「リアルビューティー」をテーマにしたコンテンツを発信し、多くの女性の共感を得てブランド認知度を飛躍的に高めました。

KPI例

• WebサイトのPV数、ユニークユーザー数
• SNSでのシェア数、言及数
• ブランド名での検索数

役割②：見込み顧客（リード）の獲得

二つ目の役割は、将来的に顧客になる可能性のある「見込み顧客（リード）」の情報を獲得することです。
特に、検討期間が長いBtoB商材において非常に重要な役割を担います。

事例：HubSpot
マーケティングツールを提供するHubSpotは、ブログや無料のeBookを通じてマーケティング担当者に役立つ情報を提供し、膨大な数のリードを獲得しています。

KPI例

• リード獲得数（お問い合わせ、資料ダウンロード）
• メールマガジン登録数
• リード獲得単価（CPL）

役割③：コンバージョン（購入・契約）の促進

三つ目の役割は、Webサイトの最終的なゴールである購入や契約（コンバージョン）を後押しすることです。
製品の詳しい使い方や導入事例などを提供し、顧客の疑問や不安を解消して購買意欲を高めます。

事例：Amazon
Amazonは商品ページだけでなく、商品の選び方や比較記事などのコンテンツを通じて、ユーザーの購買決定をサポートしています。

KPI例

• コンバージョン数（購入数、契約数）
• コンバージョン率（CVR）
• カート投入数

役割④：顧客エンゲージメントの強化

四つ目の役割は、既存顧客との関係性を深め、ファンになってもらうことです。
購入後のサポート情報や、製品をより楽しむための活用術などを提供することで、顧客満足度とLTV（顧客生涯価値）の向上に繋がります。

事例：Apple
Appleは製品の活用方法を紹介する「Today at Apple」や、サポートページを充実させることで、顧客との長期的な関係を築いています。

KPI例

• リピート購入率
• 顧客満足度アンケートの結果
• 特定コンテンツの閲覧数

役割⑤：ブランディングの確立

五つ目の役割は、企業や製品に対する共通のイメージ（ブランド）を構築することです。
コンテンツを通じて企業の価値観や世界観を伝えることで、競合他社との差別化を図り、独自のブランドを確立できます。

事例：Red Bull
エナジードリンクのRed Bullは、エクストリームスポーツ関連の刺激的なコンテンツを発信し、「挑戦」や「冒険」といったブランドイメージを確立しました。

KPI例

• ブランド好感度調査の結果
• SNSでのポジティブな言及数
• 指名検索数の増加

役割⑥：採用力の強化

最後の役割は、採用活動を有利に進めることです。
社員インタビューや社内イベントの様子、企業文化などを発信することで、求職者に自社の魅力を伝え、入社後のミスマッチを防ぎます。

事例：Google
Googleは「re:Work」というサイトで自社の働き方に関する知見を公開し、働きがいのある企業としてのブランドイメージを確立し、優秀な人材を惹きつけています。

KPI例

• 応募者数
• 採用単価
• 内定承諾率

なぜ今オウンドメディア？運用する5つのメリット

オウンドメディアが担う多様な役割をご理解いただけたでしょうか。
ここでは、広告などの他の施策と比較しながら、オウンドメディアを運用する5つの大きなメリットを解説します。

知っておくべき4つのデメリットと具体的な対策

多くのメリットがある一方、オウンドメディアには注意すべきデメリットも存在します。
事前にこれらを理解し、対策を講じることが運用を成功させる鍵となります。

【BtoB・BtoC別】オウンドメディアの国内成功事例4選

海外だけでなく、国内にもオウンドメディアを活用して大きな成果を上げている企業は数多くあります。
ここでは、BtoB（企業向けビジネス）とBtoC（消費者向けビジネス）から、特に参考になる4つの成功事例をご紹介します。

【BtoB/SEO】LANYブログ（株式会社LANY）

株式会社LANYが運営する「LANYブログ」は、SEOやコンテンツマーケティングに関する専門的なノウハウを発信しています。
質の高い記事で検索上位を獲得し、Webサイト制作やコンサルティングの問い合わせに繋げており、BtoBにおけるリード獲得の王道的な成功事例です。

【BtoB/専門性】経営ハッカー（freee株式会社）

クラウド会計ソフトを提供するfreee株式会社の「経営ハッカー」は、経理や人事労務、会社設立に関する情報を網羅的に発信しています。
税理士などの専門家が監修した信頼性の高いコンテンツで、スモールビジネスの経営者という潜在顧客層からの厚い信頼を獲得しています。

【BtoB/ブランディング】サイボウズ式（サイボウズ株式会社）

グループウェアで知られるサイボウズ株式会社の「サイボウズ式」は、「新しい価値を生み出すチームのメディア」がコンセプトです。
自社製品の宣伝はほとんどせず、「働き方」や「多様性」といった社会的なテーマを深く掘り下げることで、企業の思想に共感するファンを増やし、ブランディングに成功しています。

【BtoC/EC連携】北欧、暮らしの道具店（株式会社クラシコム）

「北欧、暮らしの道具店」は、ECサイトでありながら、暮らしを豊かにするコラムやスタッフの愛用品紹介、ドラマ制作まで行うユニークなオウンドメディアです。
ライフスタイルを提案する魅力的なコンテンツが、ECサイトへの自然な回遊と商品の購買を促し、多くのファンを惹きつけています。

オウンドメディアの始め方から運用までの7ステップ

ここまでの内容で、オウンドメディアの重要性や目的が明確になったのではないでしょうか。
最後に、実際にオウンドメディアを立ち上げ、運用していくための具体的な手順を7つのステップに分けて解説します。

1. 目的とKPIを明確に設定する
2. ターゲット（ペルソナ）を具体的に描く
3. コンテンツのテーマ（コンセプト）を決める
4. コンテンツを企画・制作する
5. コンテンツをプロモーション（拡散）する
6. 効果を測定し分析する
7. 改善を繰り返しコンテンツを育てる

Step1：目的とKPIを明確に設定する

なぜオウンドメディアを始めるのか、その目的を明確にすることが全ての出発点です。
「認知度向上」「リード獲得」「採用強化」など、自社の課題に合った目的を設定しましょう。
そして、その目的が達成できたかを測るために、具体的で測定可能なKPIを設定します。

Step2：ターゲット（ペルソナ）を具体的に描く

次に、「誰に」情報を届けたいのか、具体的なターゲット像（ペルソナ）を設定します。
ペルソナを設定することで、発信するコンテンツの方向性がブレなくなり、読者の心に響く記事を作成できます。

ペルソナ設定項目の例

• 年齢、性別、居住地
• 職業、役職、年収
• 抱えている悩みや課題
• 情報収集の方法

Step3〜6：企画・制作・プロモーション・効果測定

目的とペルソナが決まったら、いよいよコンテンツマーケティングのサイクルを回していきます。

1. 企画：ペルソナの課題を解決できるようなコンテンツのキーワードやテーマを決めます。
2. 制作：SEOを意識しながら、読者にとって価値のある記事を執筆します。
3. プロモーション：記事を公開したら、SNSやメルマガなどで情報を拡散し、より多くの人に届けます。
4. 効果測定：Googleアナリティクスなどのツールを使い、どの記事がどれくらい読まれているか、コンバージョンに繋がっているかを分析します。

Step7：改善を繰り返しコンテンツを育てる

オウンドメディアは、一度作って終わりではありません。
効果測定で得られたデータを基に、記事をリライト（修正・加筆）したり、新たな企画を考えたりと、継続的に改善していくことが不可欠です。
このサイクルを回し続けることで、オウンドメディアは企業の価値ある「資産」として成長していきます。

BtoBオウンドメディアの運用ならテクロ株式会社へ【伴走支援で成果を最大化】

ここまで解説してきたように、オウンドメディアの運用、特に専門性が求められるBtoB領域で成果を出すには、戦略的な設計と継続的なリソース投下が不可欠です。
「社内にノウハウやリソースがない」とお悩みの場合は、専門家の力を借りるのも有効な選択肢の一つです。

テクロ株式会社は、BtoBマーケティング支援に特化した専門家集団です。
100社以上の支援実績で培ったデータドリブンなノウハウと、お客様と二人三脚で目標達成を目指す伴走型の支援で、オウンドメディアの成果を最大化します。

テクロのオウンドメディア運営支援実績①：株式会社LGブレイクスルー「自治体ビジネスドットコム」

画像出典：自治体ビジネスドットコム

「自治体ビジネスドットコム」は、地方自治体や官公庁からの業務を受託するためのソリューションを提供している企業です。

以前からオウンドメディアを導入していましたが、Webでは企業との接点がないと考えており、オウンドメディアの運営が進められていない状態でした。

状態を打破するべくコンテンツマーケティングを実施し、半年経過した頃にはPVが約20倍まで成長しました。

ここまでの成長を遂げた理由は、コンテンツを作成する際に数値のデータとして変化を記録し、改善を模索したことです。

オウンドメディアを事業に活用するという目的も達成されました。

同社は小さな会社でありながら、オウンドメディアを活用することで営業の自動化に成功した事例です。

参考：【半年でPV20倍】オウンドメディアでサイト流入数を増加｜株式会社LGブレイクスルー様

株式会社LGブレイクスルーのコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

テクロのオウンドメディア運営支援実績②：株式会社ジェイアンドユー「PAPER AD」

画像出典：PAPER AD

広告代理店である株式会社ジェイアンドユー様はオウンドメディアの立ち上げから支援させていただいており、オウンドメディアの「PAPER AD」を立ち上げ、運用を続けたことで、これまで問い合わせのなかった業界からの新規リードの獲得することに成功しました。

その後、リード情報の管理やナーチャリングのためHubspotの導入支援をさせていただきました。

営業フローの整理やHubSpotの設定を行い、営業の一元管理と効率化に成功。営業や在庫の状況を可視化したことで売り上げが5％アップしました。

事例の詳細は以下からご覧いただけます。

参考：「オウンドメディアで他業種からの問い合わせと営業のモチベーションアップを実現｜株式会社ジェイアンドユー様」

参考：「【売上5%UP】HubSpotの運用支援で営業の可視化に成功。売上・利益率が前年より大幅アップした施策とは｜株式会社ジェイアンドユー様」

株式会社ジェイアンドユー様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

テクロのオウンドメディア運営支援実績③：株式会社リロクラブ「RELO 総務人事タイムズ」

画像出典：「RELO 総務人事タイムズ」

株式会社リロクラブは福利厚生の代行サービスを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「RELO 総務人事タイムズ」を運営しています。

非常に強いドメインパワーとPVがありましたが、お問い合わせまでつながらないのが課題でした。

そこで弊社にオウンドメディアの運用代行を依頼いただき、CVを意識したキーワード選定やサイト改善を行い、問い合わせの増加に成功し、より売り上げに貢献できるメディアに成長しました。

CV最適化によって売り上げが伸びた成功事例です。

参考：商材に近いキーワード選定とサイト改善でメディアのCVを最適化。信頼と安心の伴走型サポートとは｜株式会社リロクラブ様

株式会社リロクラブ様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

テクロのオウンドメディア運営支援実績④：株式会社NTT印刷「カチアルサポート」

画像出典：「カチアルサポート」

株式会社NTT印刷はBPOサービスを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「カチアルサポートオウンドメディア」を運営しています。

社内のリソースが限られるなかで月1～2回の展示会出展など他の施策も回しながら、オウンドメディアに各種コンテンツを用意しなければならなかったので、リソース面でも知見の面でもパートナーが必要だと考えられていました。

オウンドメディア運用の外注により、社内工数を削減しながら、結果を出した成功事例です。

参考：本質的なコンテンツ作成でPV、CVアップに成功。担当者への丁寧な寄り添いと豊富な知見による支援とは | NTT印刷株式会社様

株式会社リロクラブ様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

テクロのオウンドメディア運営支援実績⑤：株式会社JAFメディアワークス「JAFトレコラム」

画像出典：「JAFトレコラム」

株式会社JAFメディアワークスはJAF交通安全トレーニングを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「JAFトレコラム」を運営しています。

社内にマーケティング部がない状態。集客に取り組んでみたものの、「これで効果が出ているのだろうか」「どんな施策が一番効果があるのだろう」といった悩みがありました。

そこでテクロのオウンドメディア支援にご依頼いただき、メディアの立ち上げからPVとCV獲得までサポート。コンテンツを通したリード獲得に成功しています。

参考：オウンドメディアの新規立ち上げからPV、CV獲得まで伴走。依頼の決め手となったデータドリブンな提案とは | 株式会社JAFメディアワークス様

株式会社リロクラブ様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。

まとめ：オウンドメディアの役割を理解し、自社の資産を育てよう

本記事では、オウンドメディアの基本的な役割から、メリット・デメリット、成功事例、そして具体的な始め方までを解説しました。

オウンドメディアは、認知度向上からリード獲得、ブランディング、採用まで、企業の様々な課題を解決するポテンシャルを秘めた強力なマーケティング手法です。
しかし、その成果は一朝一夕には得られません。

明確な目的意識を持ち、読者にとって価値のある情報を継続的に発信し、改善を繰り返していくこと。
この地道な努力こそが、オウンドメディアを他社には真似できない、自社だけの強力な「資産」へと育てていく唯一の道です。

なお、テクロ株式会社では「オウンドメディア作成マニュアル」資料を無料で配布しています。

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天野 央登 代表取締役

テクロ株式会社CEO。シンガポール国立大学・インド工科大学留学、データサイエンスを学ぶ。大学2年⽣時に起業、留学メディア「交換留学ドットコム」を1年半ほど運⽤し事業売却。その後はコンテンツマーケティングの知⾒を活かして、BtoBマーケティング支援事業を開始。BtoBマーケティングを中心にSEO・MAツールに詳しい。

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