コンテンツSEOの成功事例15選|成功のポイントや導入手順も紹介
コンテンツSEOは広告費を抑えて継続的に集客できるなど、メリットが多いマーケティング手法の一つです。
すでに自社サイトを運営している会社でも、リニューアルのタイミングでコンテンツSEOを導入したいと考えている方は多いのではないでしょうか。
しかしコンテンツSEOでなるべく早く効果を得るには、知見や経験が必要です。
さらに、始める前に自社製品やサービスに適したコンテンツやターゲット層をよく検討しておかなければ、コンテンツ制作を継続するのは難しくなります。
この記事では、企業におけるコンテンツSEOの成功事例を紹介します。
実際に効果が出ている事例を見て、作成するコンテンツの参考にしてください。
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目次
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOの事例を見る前に、コンテンツSEOについておさらいしておきましょう。
コンテンツSEOとは、良質なコンテンツを使ってGoogleなどの検索エンジンから自社サイトへの検索流入を狙う手法です。
コンテンツSEOでは主に記事コンテンツが使われます。
近年、Webを使った集客が注目を集めていますが、他のWebサイトに広告を掲載するにはかなりの費用がかかります。
記事を公開するまでの手間はかかるものの、記事が検索で上位表示されればそこから自社サイトへの流入が可能です。
コンテンツによって、ニーズがはっきりしている顕在顧客層からまだニーズがあいまいな潜在顧客層まで幅広くリード獲得へとつなげられます。
コンテンツマーケティングとの違い
コンテンツSEOとよく混同されるのが「コンテンツマーケティング」です。
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを活用して顧客とコミュニケーションをとり、購買行動につなげるマーケティング方法の一つです。
とはいえ、コンテンツマーケティングで活用するコンテンツは記事コンテンツだけではありません。
YouTubeなどの動画コンテンツやSNS、ホワイトペーパー、メルマガなども含まれます。
このような多様なコンテンツを通して顧客と接点を作れるのがコンテンツマーケティングの特徴です。
一方で、コンテンツSEOは顧客との接点が検索エンジンのみになります。
マーケティングの一手段であるコンテンツSEOは、コンテンツマーケティング手法の一つだともいえるでしょう。
SEOとの違い
また、コンテンツSEOはSEO施策の一つでもあります。
そもそもSEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略称です。
SEOの施策には、大きく分けて次の2種類があります。
- 外部SEO対策…Webサイトに被リンクを集める施策
- 内部SEO対策…Webサイトの内部構造を整備する施策
コンテンツSEOで行うことは、内部SEO対策にあたります。
さらに記事を検索上位表示させるには、見やすいサイトの設計や内部リンクの設置など、その他の内部リンク対策も欠かせないのです。
コンテンツSEOの事例15選
コンテンツSEOを導入するにあたって、どのようなコンテンツを作成していけばよいかは大いに悩むところでしょう。
コンテンツはただ思いつきで作成していけばよいというものではなく、自社が自信を持って発信できる内容であることが大切です。
コンテンツSEOが成功すると、自社のブランディングにもつながっていきます。
ここでは、さまざまな企業のコンテンツSEO成功事例を紹介しますので、自社で作成したいコンテンツの参考にしてください。
企業のコンテンツSEO成功事例8選
コンテンツの内容は、業種や業態によって様々な工夫が施されています。
ここでは、BtoB3社とBtoC5社について紹介します。
freee株式会社 (BtoB)
引用:経営ハッカー
経営ハッカーを運営しているfreee株式会社は、中小企業や個人事業主の事務管理を効率化するためのクラウドサービスを提供している会社です。
経営ハッカーは起業したばかりの会社や個人事業主などをターゲットとして、事務処理や会計のノウハウを発信しています。
検索ニーズを解決するコンテンツの質の高さもさることながら、そこから自社製品へ誘導するCTA設計も秀逸です。
また、膨大なコンテンツ量ながら、全11分野にカテゴリ分けされてユーザーが回遊しやすいサイト構造になっているのが特徴です。
カテゴリを個人・法人に切り替えられるのも他のサイトにはないユニークなところといえます。
コンテンツの執筆・監修には会計士や税理士などが担当しているため、専門性が担保されており信頼性が高いのもコンテンツSEOを成功させているポイントでしょう。
株式会社LIG (BtoB)
引用:株式会社LIG
株式会社LIGは、システム開発やWeb支援、DXコンサルティングなどを行う会社です。
公開しているコンテンツはAIやデザイン、マーケティングといったWebに関連する内容が中心になります。
実際に多くの企業のWeb支援を行っているLIGだからこそ、記事はわかりやすく親しみやすい語り口のものがほとんどです。
キーワードがWeb関連用語では、検索結果上位記事が多数あります。
株式会社JR東日本企画 (BtoB)
引用:キクコト
株式会社JR東日本企画はJR東日本を親会社に持つ広告会社です。
オウンドメディア「キクコト」では、交通広告をはじめとする広告関連の内容やマーケティングについてのコラム記事を公開しています。
「バス停広告」「交通広告」などで検索上位になっている記事が多数あり、広告に関して興味を持っているユーザーに対しての検索流入が多いことが予想できます。
株式会社ミツモア (BtoC)
引用:ミツモアメディア
株式会社ミツモアは、手軽な見積もりサービスから弁護士や清掃業者などの専門業者と依頼者をマッチングさせる「ミツモア」を運営している会社です。
ミツモアでは、登録する専門業者向けと依頼したいユーザー向けにそれぞれコンテンツを作成しています。
ミツモアメディアは依頼者向けに害虫駆除からリフォーム、総務・経理などのビジネス分野まで幅広くコンテンツを展開。
「ネズミ 駆除 費用」など暮らしに関わるキーワードで多数検索結果上位を獲得しています。
三井住友海上火災保険株式会社(BtoC)
三井住友海上保険株式会社では、2022年1月からドライブレコーダー付き自動車保険のプレミアム版をリリースしたタイミングでコンテンツSEOをスタートさせました。
「保険は調べてもよくわからない」「保険について相談したいが、誰にすればいいのか悩む」といったユーザーニーズを汲んでコンテンツを作成しています。
特にドライブレコーダーのニーズが顕在化しているユーザーに対して、関連するキーワードの記事から新規訪問につなげようとしました。
コンテンツSEO開始当初は月6本ペースで記事を公開し、そのうちの7割がキーワード検索上位に表示されています。
結果的に、資料請求や問い合わせページへの流入が月200件に達しました。
参考:【インタビュー】三井住友海上、コンテンツSEO強化で検索流入が前年比大幅増へ
土屋鞄製作所(BtoC)
引用:土屋鞄製作所
土屋鞄製作所は、ランドセルや鞄、財布などの革製品を製造する老舗の会社です。
コンテンツは「ジャーナル」として公開しています。
ジャーナルでは製品のPRだけでなく、ものづくりに対する情熱や企業理念、新製品に込めたコンセプトを発信。
また、土屋鞄専任の職人と靴修理師、時計師などにもインタビューを行い「ものづくり」に対する姿勢や考え方なども紹介しています。
サイトのデザインは文章と写真のシンプルな構成ですが洗練されており、上質の雑誌を読んでいるような気持ちになれるコンテンツです。
コンテンツによってSEOだけでなく、土屋鞄のブランディングにも大いに貢献しているといえるでしょう。
ライオン株式会社(BtoC)
引用:Lidea
ライオン株式会社は、歯ブラシや洗剤などの生活用品を手がけるメーカーです。
Lideaでは「なんでもない、ふつうの日」が少し特別に思えるような、暮らしのヒントをコンテンツとして発信しています。
記事はSNSでも公開情報を発信しており、拡散のための導線も確保されています。
会社のブランディングだけでなく、ファン化したユーザーからのロイヤルティも獲得しているコンテンツメディアです。
キリンホールディングス株式会社(BtoC)
引用:キリンビール大学
キリンホールディングス株式会社はビール事業からはじまり、食品やサプリメントなどの医療域・ヘルスケア領域へも事業展開している会社です。
サイト内のコンテンツの一つである「キリンビール大学」では、ビール情報を発信しています。
ビールの基本情報やビールとともにあるライフスタイルを提案しており、ユーザーの購買意欲を促進します。
しかし20歳未満はコンテンツを見られないようになっているなどの配慮もされているのが特徴です。
テクロ支援のコンテンツSEO成功事例7選
次に、テクロ株式会社がコンテンツSEOの支援に入って成功した事例について紹介します。
株式会社 Wakka Inc.
引用:Wakka Inc.
株式会社Wakka Inc.は、複数のシステムを組み合わせて一つのシステムを構築するシステムインテグレーションを主要事業としている会社です。
テクロが支援に入る前にオウンドメディアを構築していましたが、コンテンツやホワイトペーパーの掲載数がなかなか増やせないことが課題になっていました。
テクロで記事制作支援や既存記事リライト、CTA改善などの施策を行った結果、PV数(ページ閲覧数)が2倍になり、コンテンツの掲載順位が上がった結果、顧客からの問い合わせ数が増加しました。
参考:【PV数2倍】他社からの乗り換えで問い合わせ数の増加に成功|株式会社 Wakka Inc.様
株式会社soraプロジェクト
引用:soraプロジェクト
株式会社soraプロジェクトは、インサイドセールス代行会社です。
自社にWebマーケティング担当者はいるものの、リソースや知見が少ないことが課題になっていました。
テクロでは事業のメインキーワードにあたる「インサイドセールス」「テレアポ」に関するキーワードからSEO記事を毎月12記事作成し、合わせて内部SEO施策を行いました。
また、記事ページにCTAの導線を追加し、CVにつなげられるように改善しています。
結果的に、テクロが支援を開始してから1年でPV数は約6倍になり、サイトを経由した資料のダウンロード数が0件だったのが40件以上に増加しました。
さらにSEO上位表示を達成した記事が多数にのぼり、検索エンジンから毎月安定した集客数を確保しています。
参考:問い合わせ数1.5倍!コンテンツマーケティングで新たな見込み客を獲得|株式会社soraプロジェクト様
株式会社FLUED
引用:営業DX
株式会社FLUEDはBtoBマーケティングのコンサルティング会社です。
コンテンツSEOを含むコンテンツマーケティングの知見は豊富ですが、コンテンツ作成のリソースが足りないことが課題でした。
テクロでは次に検索ボリュームが増えそうなキーワードを予測・提案して記事作成を支援した結果、サイト流入数が確実に増加してきています。
参考:【PV数の伸び実感】先読みをしたサポートでサイト流入を獲得|株式会社FLUED様
株式会社サムシングファン
引用:サムシングファン
株式会社サムシングファンは、動画制作・映像制作を通して動画DX(動画を活用して企業のコミュニケーション課題や問題点を解決していくソリューション)を促進している会社です。
テクロが支援する前はオフラインでの集客が主であり、Web経由の問い合わせから得た契約は質が良くないケースが多かったことから、あまりコンテンツSEOを含むコンテンツマーケティング自体に力を入れていませんでした。
テクロ支援後は「動画活用ノウハウ」のコンテンツ数が増加し、サイトのPV数は支援開始前から25倍にも伸びました。
不足していたSEOやコンテンツマーケティングの知見も社内に蓄積できたのも効果の一つです。
参考:PV25倍!コンテンツマーケティングでサイト価値を高め営業に有効活用|株式会社サムシングファン様
株式会社アジャイルウェア
引用:KIWI GO
株式会社アジャイルウェアはプロジェクト管理ツール「Lychee Redmine」や議事録ツール「GIJI」などのBtoB向けの管理ツールを提供している会社です。
テクロでは以前、別サービスである「Lychee Redmine」のオウンドメディアの支援をおこなっていたことから、2021年にローンチしたBtoB向けの運動習慣を支援するアプリ「KIWI GO」のWebマーケティングの支援にもあたりました。
抱えていた課題としては、アプリの関連するメインワードである「社員 運動不足解消 アプリ」や「社員 ウォーキング アプリ」などのキーワードの検索ボリュ―ムが少ないため、検索流入が難しかったという点があります。
「健康経営」や「ウェルビーイング経営」という経営方法の啓蒙を目的としたオウンドメディアで、潜在層へブランディングしていく必要がありました。
テクロから毎月10記事作成の支援とサイト構造の開発・改修を進めた結果、KIWI GOのサイトは立ち上げたばかりでしたが、早い段階で支援前の5倍のPV数を達成しています。
参考:見込み顧客への価値あるコンテンツ提供でPV数が5倍に増加|株式会社アジャイルウェア様「KIWI GO」
株式会社ジェイアンドユー
引用:ジェイアンドユー
株式会社ジェイアンドユーは、新聞社の拡販誌や折り込みチラシの広告作成を取り扱っている会社です。
ジェイアンドユーでは電話営業が中心だったため、リード獲得に苦労していました。
テクロでオウンドメディア立ち上げとコンテンツを月間10本作成するのを支援した結果、狙ったキーワードで検索1位表示を獲得して大量のCV獲得につながりました。
現在では多くのキーワードで検索上位表示を達成し、コンテンツSEOの効果で現在も安定的に検索エンジンから集客し続けています。
参考:オウンドメディアで他業種からの問い合わせと営業のモチベーションアップを実現|株式会社ジェイアンドユー様
株式会社ビーイングコンサルティング
株式会社ビーイングコンサルティングは、ものづくりのプロジェクト管理や生産性向上のコンサルティングを行う会社です。
事業に関連するメインキーワードが「TOC(制約理論、制約条件の理論)」というニッチなワードだったため、特にSEO対策はしなくてもWebからの問い合わせがありました。
しかしコロナ禍で問い合わせ数が減少したのをきっかけに、改めてキーワード選定やCTAの設定といったSEOが課題となったのです。
テクロがコラム記事コンテンツの制作支援をおこなった結果、サイトへのアクセス数が回復しました。
ニッチなキーワードだけでなく、プロジェクトマネジメントに関わるキーワードを増やして記事の検索順位を上げた結果、獲得リード数が増加しています。
参考:ホームページ制作とコンテンツマーケティングで問い合わせ数が増加|株式会社ビーイングコンサルティング様
コンテンツSEOを導入する手順6ステップ
コンテンツSEOを導入するには、はじめの準備が大切です。
コンテンツSEOによって得たい結果や目標を明確にするだけでなく、自社商品・サービスの強みや特色を洗い出してよく検討しましょう。
ここでは、コンテンツSEOを導入するときの進め方について詳しく解説していきます。
ステップ1 コンテンツSEOの目的を明確にして目標を設定する
まずは、自社がコンテンツSEOを行う目的について明確にします。
コンテンツSEOの目的は様々です。
- リード獲得
- ブランディング
- 問い合わせ数の増加
何のためにコンテンツSEOを実施するのか明確にしておかなければ、コンテンツを作成していくうちに方向性がずれていく恐れがあります。
また、目的とともにそれに見合ったKPI(重要業績評価指数)も設定しておきましょう。
KPIを設定する方法については、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:BtoBマーケティングにおけるKPI設計のポイントを徹底解説
ステップ2 ペルソナを設計してターゲット層を明確にする
コンテンツ作成の目的が決まったら、次は訪問して見てもらいたいターゲット層を詳しく設定します。
コンテンツは顧客の知りたいことや求めていることを満たす必要があるため、どういう属性の人に向けて情報発信するかを具体的にすることが大切です。
ペルソナとは、商品やサービスを提供する具体的な人物像のことをいいます。
ペルソナとして考えるべき項目は以下です。
属性を細かく設定するほど、顧客の課題や検索ニーズをつかみやすくなるため、顧客の満足を得られる質の高いコンテンツを作成しやすくなります。
ステップ3 適切なキーワードを選定する
コンテンツを届けるべきターゲット層が決定したら、どのようなキーワードで記事を作成していくかを考えていきます。
キーワードを選定するには、まず自社の商品・サービスに関係するメインキーワードを考えます。
このとき、あまりにも業界外での認知がなさすぎるようなニッチなワードをメインにしてしまうと、サイトへの検索流入を思ったように狙えません。
メインには、できるだけ検索される回数が多いワードを選ぶようにしましょう。
例えば、業務効率化を進めるクラウドサービスを提供している会社ならば、「業務効率化」がメインワードとして考えられます。
メインワードが決定したら、そこからサジェストキーワード(関連するキーワード)をさらに洗い出します。
これらを人力で考えていくのは時間がかかるため、Googleが提供しているキーワードプランナーをはじめとするキーワード選定サービスを利用してリスト化していきましょう。
リストアップできたら、異なるキーワードでも検索意図が同じだと考えられるものは一つにまとめます。
ステップ4 良質なコンテンツを作成する
キーワードが選定できたら、キーワードに沿って記事コンテンツを作成していきます。
良質なコンテンツとは、記事を読んだ人が満足する記事、つまり検索意図を満たす記事です。
顧客がキーワード検索するときにどのようなことを知りたいか、という検索意図とニーズを把握して作成することが大切です。
最初にキーワードを盛り込んだ見出しを作成して記事全体の構成を作った上で記事執筆をすると、記事の主張を一貫して書くことができます。
コンテンツ作成には時間がかかるため、内製するリソースが足りなければライターや制作会社へ外注する方法もおすすめです。
ステップ5 記事を公開して効果測定する
記事が完成したら、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)へ投稿してWeb上に公開します。
SEOとして検索エンジンに上位表示されるには、Googleなどのデータベースに公開した記事が情報として保存されなければなりません。
Google のデータベースにWebページが登録されることを「インデックス」といいますが、サイトを立ち上げたばかりの状態ではなかなかインデックスされないため、Google Search consoleを利用して登録リクエストする必要があります。
また、SNSで記事リンクを投稿して拡散するのもサイト流入数が増えるために効果的です。
記事を公開したらPV数(プレビュー数)やユーザー離脱率、サイト回遊率などの効果測定を行い、それに合わせてKPIも改善していきます。
ステップ6 サイトを改善しながらメンテナンスを継続する
このように記事を蓄積していきながら、サイトの見やすさを改善したり似たようなテーマの記事をカテゴライズしたりしながら改善していきます。
また、記事は書いてそのままにしておくと情報が古くなってしまうため、随時内容を見直してリライトしましょう。
コンテンツSEOを成功させるポイント4つ
記事コンテンツは、大量に公開すればSEOに効果があるというわけではありません。
近年のGoogleアップデートによって、SEOには特に記事の質が重視されるようになりました。
ここでは、コンテンツSEOを成功させるポイントを4つ紹介します。
- 顧客満足度の高いコンテンツを目指す
- コンテンツに掲載する情報の信頼性を高める
- 内部SEO対策を行う
- 顧客の具体的なアクションにつながるキーワードを選定する
それでは、詳しい内容を見ていきましょう。
1.顧客満足度の高いコンテンツを目指す
質の良い記事とはすなわち、記事を読んだユーザーが満足する記事を指します。
顧客は疑問点や知りたいことの答えを見つけるために検索しているのです。
欲しい答えとズレていると感じる記事だと、すぐにサイトを離脱してしまうでしょう。
キーワードから検索意図を考え、どのような記事構成ならわかりやすく伝えられるかを考慮した上で記事制作を進めていきましょう。
2.コンテンツに掲載する情報の信頼性を高める
Googleでは、コンテンツに対して以下のように表明しています。
Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。
中でも、信頼性は最も重要なものです。その他の項目も信頼性の一因となるものですが、必ずしもすべてにおいて優れている必要はありません。たとえば、優れたエクスペリエンスを基盤としてユーザーの役に立つコンテンツもあれば、専門性の高い内容でユーザーの役に立つコンテンツもあります。
引用:E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて/Goolge検索セントラル
コンテンツの信頼性を高めるには、正しい情報を提供することが大切です。
コンテンツの内容に使用するのは調査によって得られたデータなどの一次情報にする、法律関係などの場合は監修者をつけるといった工夫が必要になります。
3.内部SEO対策を行う
記事コンテンツを検索上位に掲載するには、記事の質を良くするだけでは不十分です。
ユーザーが見やすいサイト設計も重要になります。
また、記事を読んだ中でもっと深堀りして知りたい内容を内部リンクでサイト内の記事につなげることも、顧客満足度の高いコンテンツにするために重要です。
4.顧客の具体的なアクションにつながるキーワードを選定する
キーワード選定にも注意が必要です。
コンテンツを作成するにあたって、自社の目的とはずれているキーワードの記事でいくら検索上位を獲得したとしても、CV(コンバージョン・顧客の行動)にはつながりません。
記事を読むことによって、読者にどのような行動をとってもらいたいか考えてコンテンツを作成していくことが大切です。
コンテンツSEOに取り組むメリット5つ
今や多くの企業が取り組んでいるコンテンツSEOには、以下のようなメリットがあります。
- 広告と比べて低コストで始められる
- コンテンツを通して顧客とコミュニケーションを取れる
- 自社のブランディングにつながる
- コンテンツが蓄積していくと資産になる
- 継続的な集客が可能になる
詳しい内容を見ていきましょう。
1.広告と比べて低コストで始められる
従来の新聞・雑誌広告やCMといったオフライン広告やWebサイトに広告を掲載するオンライン広告は、効果がわかりにくい上にかなりの出稿費用がかかります。
しかしコンテンツSEOでは、初期投資として約1万円〜のレンタルサーバー代とドメイン代がかかるだけで、もしも有料のCMS(コンテンツ管理システム)を導入しても広告費よりも低コストで導入が可能です。
ただし、サイトを新しく立ち上げるのに外注する場合は10万〜100万円(サイトの規模による)、内製する場合にも人件費が必要になることを覚えておきましょう。
2.コンテンツを通して顧客とコミュニケーションを取れる
公開したコンテンツの内容について、ユーザーから質問や感想を受けるといったやり取りが生まれる点もコンテンツSEOのメリットの一つです。
ユーザーとのコミュニケーションによって、リアルな意見をいち早く得られるだけでなく、新たな商品・サービス開発のヒントを得られることもあります。
3.自社のブランディングにつながる
自社に関連したキーワードに沿って質の良いコンテンツを配信し続けることによって、ユーザーからの「この分野といえば、この会社」といったイメージを獲得することにつながります。
ブランディングとは、自社商品やサービスをその会社独自のものとしてブランド化し、他社との差別化を図る方法です。
顧客が商品やサービスを選定するとき、自社がブランディングされていれば候補として挙がりやすくなります。
また、作成したコンテンツは営業資料にもなるというメリットもあります。
4.コンテンツが蓄積していくと資産になる
コンテンツは、いわゆる「ストック型」の資産です。
検索上位に表示されれば、長期的に安定した検索流入数を得られます。
そのため、同じく上位表示されたコンテンツが蓄積されていけばどんどん効果は高まっていくことが期待できるのです。
コンテンツ数が少ないうちは効果が現れにくいのですが、蓄積していくと徐々に現れてくるのがコンテンツSEOのメリットです。
ただし、コンテンツは資産になるからといって、公開後は手をつけないで置いておくのはよくありません。
定期的に効果測定を行い、公開から時間が経ったら情報の内容を見直してリライトするといったメンテナンスを継続することが大切です。
5.継続的な集客が可能になる
コンテンツSEOが軌道に乗ると、コンテンツから安定した数を継続して集客できるようになります。
記事が検索上位に表示されれば、365日いつでも、休業日や営業外の時間でも集客できるようになるわけです。
コンテンツSEOのデメリット3つ
メリットの多いコンテンツSEOですが、デメリットもあります。
コンテンツSEOのデメリットとして考えられるのは、次の3つです。- コンテンツの作成に時間や手間がかかる
- 外注・内製ともにそれなりのコストが必要
- SEOの知識や経験が乏しいと効果が出にくい
ここでは、コンテンツSEOのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.コンテンツの作成に時間や手間がかかる
コンテンツの作成は最初の戦略立案、キーワード選定から始まり、とにかく時間がかかります。
いざ記事作成に取り掛かったとしても、リサーチして構成を組み、最終的に記事を書き上げるまでには数日はかかるでしょう。
記事が完成して公開した後もアクセス数などを確認して、随時リライトしたりサイトを見直したりするメンテナンスは欠かせません。
かかる時間と手間を考えると、コア業務の片手間で行うにはあまりにも多すぎる作業量であることがデメリットだといえます。
2.外注・内製ともにそれなりのコストが必要
コンテンツSEOは記事制作会社やコンサルティング会社へ外注することも可能です。
しかしコンテンツSEOの外注にかかる費用は5万〜30万円と、それなりの金額がかかります。
一方で社内で内製する場合は費用面でのコストはかかりませんが、コンテンツ作成にかかる時間や手間を考えると時間的なコストがかなりかかります。
さらに、コンテンツSEOの知識を持つ人材獲得にかかる雇用コストなど、別のコストが必要になるのです。
このように、広告を出稿するよりもコストを抑えられると思ってコンテンツSEOを導入したら、意外なところでコストがかかってしまうという思わぬデメリットもあるので注意が必要です。
3.SEOの知識や経験が乏しいと効果が出にくい
コンテンツSEOを進めるにあたって、やはりSEOの知識や経験のある人材が社内にいなければ効果がすぐに現れにくいという面もあります。
コンテンツSEOにはサイト設計やタグの知識、外部SEOの知識も必要です。
もちろん独学しながらできないことはありませんが、たびたび行われるGoogleアップデートの最新情報などに常にアンテナを張っておかなければなりません。
コンテンツSEOを実施する時の注意点3つ
ここでは、コンテンツSEOを実施する際に注意しておかなければならない3つの点について解説します。
- 中長期的な視点を持つ
- 自社商品やサービスばかりを発信しない
- Webサイトを更新しやすい状態にしておく
これらを事前に知らなければ、コンテンツSEOを実施してから「こんなはずではなかった」と頭を抱えることになります。
それでは、それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。
1.中長期的な視点を持つ
コンテンツSEOは、中長期的な施策であることを心しておきましょう。
特にサイトを立ち上げてすぐは検索上位にも上がらず、サイト流入数もなかなか増えません。
実施してすぐに効果が出ないからといって諦めてしまうのではなく、半年〜1年以上効果測定しながらコンテンツを蓄積していくつもりで行いましょう。
コンテンツが順調に増えていけば、検索上位表示されているならPV数は確実に増えていきます。
ただ、SEO対策が不十分な場合はやみくもにコンテンツを増やしても逆効果になることがあるため、ある程度結果が見えてこない場合はコンサルタントに相談しても良いでしょう。
2.自社商品やサービスばかりを発信しない
自社のサイトには、自社商品のメリットやサービスの内容などのPRをメインに掲載したくなるものです。
しかし、自社のPRばかりしているとユーザーはそのサイトに訪問しなくなります。
コンテンツはあくまで「ユーザーの知りたい記事」「お役立ち記事」を中心に作成しましょう。
記事でまずユーザーニーズを満たし続ければ、商品やサービスの想起にもつながります。
「いつも見ているサイトのあのサービスを利用してみよう」
「知りたいことが掲載されているサイト運営会社の商品なら使いやすいかもしれない」
と読者に思わせられれば成功です。
3.Webサイトを更新しやすい状態にしておく
Webサイトを更新するのが難しいと、効果測定しても改善しにくくなってしまいます。
例えば、操作性の悪いCMSを使用していると、次第に記事を公開するのが億劫になってきます。
画像挿入に時間がかかる、外部ツールと連携できないなど一つひとつは小さな不満でも、積み重なったり何度も使用したりしていると、かなりの負担になってくるものです。
コンテンツSEOを継続していくならば、使いやすいCMSを選び、ストレスが少ない状態でWebサイトを更新できるようにしておきましょう。
コンテンツSEOを外注すべき会社の特徴
広告にかけるコストを抑えるために、コンテンツSEOを完全に内製化したいと考える会社は多いでしょう。
しかし、はじめから内製化してうまくいくのは、コンテンツSEOにかけられるリソースが豊富で社内にSEOの知識を持つ人材がいる場合です。
コンテンツSEOを内製すべきか外注すべきか悩んでいる方は、この章の内容をぜひ参考にしてください。
1.自社でコンテンツSEOに充てられる人材が少ない
できれば担当する社員を決めて、コンテンツSEOに注力してもらうのが望ましいでしょう。
しかし、コンテンツSEOを進めるには時間と手間がかかります。
現場の人手不足感に悩まされている会社の場合は、コンテンツSEOへリソースを割くのが難しいでしょう。
特にサイトを立ち上げたばかりで記事が少なく、たくさん更新したくてもリソースが足りないという場合は、無理に内製にこだわるよりも外注した方がサイトを軌道に乗せやすくなります。
2.自社にSEOやWebサイト運用の知識が蓄積されていない
SEOやWebマーケティングの知識を持つ人材が社内におらず、手探り状態で始める場合も外注をおすすめします。
社内へ知識を蓄積して将来完全に内製して運用していくことを目指す場合は、制作のみの会社よりも、伴走型のコンサルティングに依頼するべきです。
コンテンツSEOの立ち上げから支援してもらえるだけでなく、SEOやCTAへつなげるバナー設置のノウハウなども提案してくれます。
もちろん記事作成の依頼も可能なので、コンテンツSEOをゼロからスタートするならば、金銭的コストはかかるものの外注するメリットは大きいでしょう。
3.コンテンツSEOを実施してきたが効果が現れない
自力でコンテンツSEOを導入し、運用を続けてきたものの以下のようなケースで伸び悩んでいるならば、外注してプロの知識を取り入れることで現状打破を期待できます。
- 記事の検索順位が上がらない
- サイト流入数が伸びない
- 問い合わせ数が増えない
- 商談につながらない
コンテンツSEOで成果を上げるためには、内部SEO施策も重要です。
キーワード選定やサイト構造から見直すことで、思ったより早く効果があらわれたという事案も少なくありません。
また、コンテンツSEO会社の選び方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:コンテンツSEO会社の選び方5つ|メリットとおすすめ32社を紹介
まとめ:コンテンツSEOの事例から成功パターンを学ぼう!
コンテンツSEOは軌道に乗れば安定的に集客できるマーケティング手法です。
しかし、ターゲット層の設定やキーワード選定、コンテンツ内容の設計など知見が少ない状態からでは結果を出しにくい面もあります。
今やコンテンツSEOを実施している企業は多いため、成功している事例を見て自社のケースに近いものを参考にするなど、成功パターンを分析・研究することも大切です。
今回の記事の内容が、貴社でコンテンツSEOを導入・実施するときの参考になれば幸いです。
テクロ株式会社では、マーケティング会社が実践しているWebメディアのノウハウを紹介した「Webメディア作成マニュアル」を無料配布しております。
Webメディアの基本を押さえておきたいという方は、ぜひダウンロードしてご覧ください。