先進事例!AmazonがDXに成功した4つの理由を徹底解説
デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を活用して既存のビジネスモデルを改革し、競争力を高めることです。
競争力の獲得のために、多くの企業でDX導入が進められています。
しかし、「なかなか成果が出ない」「何から着手すれば良いのか分からない」など、苦戦している企業も多いです。
Amazonは、世界でもっともデジタルトランスフォーメーションに成功している企業と言われています。
これからDXに取り組む企業にとっては、参考になる部分も多いです。
そこで本記事では、Amazonがこれまでに実施したデジタルトランスフォーメーションの事例や成功した理由について解説します。
DXをこれから導入する方や成果が出ていない方は、ぜひご覧ください。
また、DXを検討中の方は、無料配布中の「DX解説本」も併せてご確認ください。
目次
Amazonはデジタルトランスフォーメーションの先駆者
Amazonは、デジタルトランスフォーメーションがもっとも進んだ企業と言われています。
1994年に創業したAmazonは、DXの成功によって世界でも有数の大企業へと成長しました。
90年代にはAmazon以外にも、オンラインで書籍を販売しているショップは存在していましたが、失敗している企業がほとんどでした。
当時、オンラインで書籍を販売していた企業の多くは、ECサイトを既存の店舗の延長としか考えていなかったと言われています。
Amazonが成功できたのは、はじめからオンライン販売を前提としたビジネスモデルを構築していたためです。
既存の枠組みにとらわれることなく、書籍の販売方法を改革したのです。
そのため、AmazonはDXの元祖とも言われています。
Amazonの理念
Amazonのデジタルトランスフォーメーションを理解するためには、同社の理念を知っておく必要があります。
Amazonは、「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」「地球上で最も豊富な品揃え」を経営理念に掲げています。
上記の理念を一言で表すならば、「最高の顧客体験を提供すること」です。
Amazonが実施したデジタルトランスフォーメーションは、理念を実現することが目的です。
最高の顧客体験を提供し続けることで、多くのユーザーの支持を獲得したのです。
Amazonのデジタルトランスフォーメーション
一口にデジタルトランスフォーメーションといっても、企業によって抱えている課題に違いがあるため、DXの形もさまざまです。
そのため、イメージするのが難しい概念と言えるでしょう。
ここからは、Amazonが実施したデジタルトランスフォーメーションをいくつかご紹介します。
1クリックで注文
AmazonのWebサイトやアプリには、「今すぐ買う」ボタンが設置されています。
Amazonを利用したことがある方であれば、目にしたことがあるでしょう。
ECサイトからユーザーが離脱する原因のひとつに、購入の手続きの煩わしさが挙げられます。
商品をカートに入れてから購入までのプロセスが長くなるほど、ユーザーが離脱しやすくなります。
この問題の解決策で考案されたのが、今すぐ買うボタンです。
Amazonに情報を登録済みのユーザーであれば、配送先や支払い情報の入力を省略して、1クリックで注文を確定できます。
この仕組みにより、ユーザーの手間を最小限に抑えています。
シンプルですが、離脱を防ぐには効果的な手段と言えるでしょう。
DashボタンからEchoへの転換
2015年にAmazonでは、「Amazon Dash Button」の提供を開始しました。
「Dashボタン」は、前述の今すぐ買うボタンと同じ役割のデバイスです。
特定の商品に限った物理的なボタンで、ユーザーがボタンを押すと自動的に購入の手続きが実行され、商品が届く仕組みです。
現在、Dashボタンは廃止されていますが、代わりにスマートスピーカー「Echo」を提供しています。
Echoでは、音声による注文に加えて、IoT対応の家電の操作も可能なほか、インターネット検索などのさまざま機能を備えています。
ユーザーの利便性を向上させる意味ではDashボタンよりも、はるかに多機能なデバイスと言えるでしょう。
Amazon Prime Now
「Amazon Prime Now」は、Amazonによる食品の配達サービスで、野菜や肉、魚介類などの生鮮食品を取り扱っています。
Amazon Prime Nowは、スーパーマーケット「ライフ」と提携することで実現したサービスです。
生鮮食品のほかにも、ライフで扱っている惣菜や日用品も注文できます。
現在のところ利用できるエリアは一部の地域に限られますが、最短2時間で商品を受け取れます。
買い物のためにスーパーに寄る必要がなくなるため、忙しい方にはうれしいサービスです。
Amazon go
「Amazon go」は、Amazonが運営する無人の店舗です。
スタッフはもちろん、レジも設置されていません。
店の中にはカメラとセンサーが設置されており、ユーザーが商品をカゴに入れると、ユーザーのスマートフォンアプリに商品が表示されます。
店舗に設置されている入口のゲートを通過するだけで会計も完了するため、レジの順番を待つ必要もありません。
Amazon goでは、ユーザーの待ち時間がなくなるほか、人件費も削減できます。
AWS(Amazon Web Service)
「AWS(Amazon Web Service)」は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。
一般的にAmazonと言えば、ECサイトのイメージが強いかも知れませんが、同社の収益の約60%はAWSによるものです。
AWSでは、仮想サーバー環境の構築やデータベースの構築など、幅広い用途に活用されています。
物理的なサーバー環境を構築する必要がなく、導入費や維持費を抑えられることから、企業や公共の機関などで利用されています。
FBA(フルフィルメント by Amazon)
「FBA(フルフィルメント by Amazon)」は、Amazonが商品の保管や発送、顧客の対応を代行するサービスです。
販売者は、Amazonの拠点に商品を預けるだけで、オンラインで商品を販売できます。
通常、商品の発送や顧客の対応などの業務を外注する場合、高額な初期コストや月々の維持費が掛かることも珍しくありません。
しかし、FBAであれば費用を大幅にカットできます。
EC事業の参入のハードルを下げることで、消費者だけではなく、事業者もユーザー側で取り込むことに成功しています。
また、FBAを利用するEC事業者が増えるほど、Amazonにとっては自社で在庫を抱えることなく、取り扱い商品が充実することに。
Amazonの競争力の向上にも、寄与しているでしょう。
Project Kuiper
「Project Kuiper」は低軌道衛星を打ち上げて、大規模なブロードバンドワイヤレスネットワーク構築を目指すプロジェクトです。
実現すれば、地球上のあらゆる地点からネットワークに接続できるようになります。
Amazonは、これまでインターネットに接続できなかった地域の人々に、低価格でネット環境を提供できると示しています。
全体をカバーするためには、3200基以上の衛星を打ち上げる必要があるため、実現にはしばらく時間がかかる見込みです。
Amazonがデジタルトランスフォーメーションに成功した4つの理由
ここからは、Amazonがデジタルトランスフォーメーションに成功した理由について解説します。
最高の顧客体験によるユーザーの獲得
先にご紹介したとおり、Amazonは「最高の顧客体験」の提供を理念で掲げています。
同社のデジタルトランスフォーメーションはすべて、この理念に沿ったものばかりです。
結果的にユーザーに支持され、さらにサービスが利用される好循環を生み出しています。
使い勝手の悪いサービスであれば、現在のようにユーザーの支持を得ることはできなかったでしょう。
膨大なデータを獲得
多くのユーザーがサービスを利用すれば、収集できるデータも増えます。
デジタルトランスフォーメーションを成功させるには、データの活用が欠かせません。
Amazonでは、Amazon Prime NowやAmazon goなど、さまざまなサービスを提供しています。
ユーザーとの接点が増えるほど多くデータを集められ、さまざまな角度からユーザーの行動を分析できます。
データにもとづく最適化
Amazonでは集めたデータの分析に、コンピューターによる学習を活用しています。
分析の結果をもとにリコメンドや在庫を最適化して、ユーザーにとってより使いやすいサービスへと改善。
データの収集と改善を繰り返すことで、さらに進んだ「最高の顧客体験」を実現できます。
デジタル技術を活用して、改善までのサイクルを短縮することで、Amazonは圧倒的な競争力を維持しているのです。
リアルな世界への進出
Amazonは、オンラインだけではなくリアルな世界でもサービスを展開しています。
先述のAmazon goやProject Kuiperなどが、その一例です。
ユーザーとの接点を増やすほど、サービスを利用してもらえる可能性を高められます。
リアルな世界でユーザーを獲得できれば、オフラインでのユーザーの行動の分析も可能です。
オフラインでのデータをうまく活用できれば、デジタルトランスフォーメーションを加速させられるでしょう。
まとめ:Amazonの事例にはDXを成功させるためのヒントがあふれている
Amazonのデジタルトランスフォーメーションについて解説しました。
Amazonは、デジタルトランスフォーメーションがもっとも進んだ企業のひとつです。
事例を掘り下げることで、DXを成功させるためのヒントを得られるでしょう。
弊社・テクロ株式会社より「DX解説本」を無料配布しておりますので、こちらもぜひ、ご活用ください。