ホワイトペーパーの作り方を細かく解説!制作のコツや活用事例も紹介
リード獲得やリードナーチャリングに有効なホワイトペーパー。
BtoBマーケティングでは、欠かせないツールの1つといわれています。
しかし、制作にはノウハウや専門知識が必要なため、「自社で作りたいけど、作り方がわからない」と、悩みを抱えている企業も多いでしょう。
そこでこの記事では、ホワイトペーパーの作り方を、10個のステップに分けて細かく解説します。
自社でのホワイトペーパー制作を検討している方は、ぜひご一読ください。
なお、テクロ株式会社では、BtoB企業様向けに「良質なリードを獲得できるホワイトペーパーの作り方」を提供しています。
無料でダウンロードできるので、ぜひホワイトペーパー制作の参考にしてください。
目次
ホワイトペーパーとは
ホワイトペーパーとは、読者にとって役に立つ情報やノウハウをまとめた、Web上の資料のことです。
企業が培ったノウハウや自社製品・サービスを用いた課題解決の事例、調査レポートなどの情報を掲載しています。
元々は文字通り「白書」という意味で、政府や公的機関による調査レポートを意味する言葉として使われていました。
しかし近年はマーケティング用語として使われることが増え、「Web上の資料」という意味合いが浸透しています。
中でもBtoBマーケティングではリード獲得やリードナーチャリングの重要施策の1つとして認識されています。
なお、ホワイトペーパーの基礎的な内容は以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
ホワイトペーパーを制作する目的
次に、ホワイトペーパーを活用する目的を3つ紹介します。
新規リード獲得
1つ目の目的は、新規リードの獲得です。
ホワイトペーパーを活用する目的の中でも、最も重要といっても良いでしょう。
企業はホワイトペーパーを使って読者に有益な情報を提供する代わりに、読者(リード)の情報を収集します。
具体的な流れは以下のとおりです。
- ホワイトペーパーのダウンロードフォームを自社サイトに掲載する
- SEO対策やSNSなどで自社サイトへの流入を増やす
- ダウンロード時に会社情報を入力してもらい、リード情報を獲得する
会社情報は、以下のようなものを入力してもらいます。
- 担当者名
- 企業名
- 役職
- 電話番号
- メールアドレス
読者に役立つ情報を無償で提供するのは、リード情報を得て、その後の商談や受注につなげるためです。
ホワイトペーパーをダウンロードしてくれたリードは、扱っている内容について何らかの課題を抱えているはずです。
そのため、自社製品・サービスと相性の良い可能性があります。
リードナーチャリング
2つ目の目的は、リードナーチャリングです。
リードナーチャリングとは、リードの購買意欲を高め、商談や受注につなげるためのマーケティング活動を指します。
一口にリードといっても、上の図のように、検討段階はさまざまです。
そこで、検討段階に合わせたホワイトペーパーをメールマガジンに添付するなどして提供することで、信頼関係を築くことが可能です。
その結果、「自社の課題解決をサポートしてくれる」存在として認められ、受注角度の高いリードへと育成できます。
顧客満足度向上による受注確度の向上
3つ目の目的は、顧客満足度向上による受注確度の向上です。
ホワイトペーパーによってサービス内容を深く認識してもらうことで、ニーズがより顕在化されたリードを集められます。
そして顕在層に絞ってアプローチをかければ、より効率的なマーケティングが可能です。
また、成約後の顧客に対しても、
- 最新の業界ニュース
- 政府機関のレポートをわかりやすくまとめたもの
- 自社独自の調査結果
ホワイトペーパーの種類
一口に「ホワイトペーパー」といっても、その内容はさまざまです。
ここからは、ホワイトペーパーの種類を紹介します。
①疑問解決型|顧客の疑問に答える
「疑問解決型のホワイトペーパー」とは、顧客が抱えている課題を解決するために参考となる情報をまとめたホワイトペーパーです。
現在配布されているホワイトペーパーの中で、最も多いのがこの型です。
課題の分析や解決方法、必要に応じて自社製品・サービスを紹介します。
例えば、「成功するBtoBマーケティング計画の立て方」などがこの種類に該当します。
まだニーズが顕在化されていない、潜在顧客に対して有効です。
専門的な知識を盛り込めるため、顧客満足度が高い傾向があります。
②製品・サービス比較型|比較検討段階の顧客に有効
「製品・サービス比較型のホワイトペーパー」とは、自社と競合他社の製品・サービスを、さまざまな要素で比較するホワイトペーパーです。
製品・サービスの導入が既に決まっている、比較検討段階の顧客に有効です。
本来であれば顧客自身がおこなうはずだった情報収集や検討の手間を省き、比較の基準となる情報を提供していきます。
また、業界や競合他社に対しても自社の知見をアピールできるほか、公平に比較することで顧客からの信頼も厚くなります。
比較検討段階の顧客を対象としているので、クロージングにつながりやすい点もメリットです。
③事例紹介型|見込み顧客へのアプローチに有効
「事例紹介型のホワイトペーパー」とは、自社製品・サービスの導入事例を紹介するホワイトペーパーです。
比較検討段階の顧客に対して「製品・サービスの導入による変化」をアピールできるため、見込み顧客へのアプローチに有効です。
制作する場合は、以下の3点を取材してまとめ、比較検討段階の顧客に導入後の未来をイメージしやすい内容にしましょう。
- 導入前の課題
- 導入後の変化
- 今後への期待
④調査・レポート型|潜在顧客にダウンロードされやすい
「調査・レポート型のホワイトペーパー」とは、公的機関や業界の団体などが発表しているレポートや、自社の独自調査の結果などをまとめたホワイトペーパーです。
潜在顧客にダウンロードされやすい点が特徴で、有益な情報を提供できている場合は、検討段階を引き上げることも可能です。
SNSでも拡散されやすい傾向にあるので、認知拡大施策にも向いています。
ただし、元のレポートを要約するだけでは、他社との差別化が課題となります。
そのため、切り口を変えたり、内容に関連する自社独自の調査結果を付けたりすることが必要です。
また、定期的に内容をアップデートして、最新の情報に保っておくことも重要です。
⑤市場ニュース型|用語やトピックについて解説
「市場ニュース型のホワイトペーパー」とは、業界の中で新しく登場した用語や概念、話題のニュースについて解説するホワイトペーパーです。
例えば、最近の話題だと「DX解説本」や「集客できるウェビナーのタイトル作りのコツ」など、DXやウェビナーについて解説するホワイトペーパーが当てはまります。
難しい概念やニュースをわかりやすく説明することで自社の専門性の高さをアピールでき、顧客との信頼関係構築につなげられる点が特徴です。
また、解説の中に自社製品・サービスを自然な流れで盛り込めると、顧客に強い印象を残せます。
⑥イベントレポート型|次回のイベント参加を促す
「イベントレポート型のホワイトペーパー」とは、過去に開催した展示会やセミナーなどの様子をまとめたホワイトペーパーです。
イベントに参加するメリットを伝え、次回のイベントに参加してもらえるように促すことが目的です。
そのため、
- 写真
- 配布資料の抜粋
- 参加者アンケートの結果
など、イベントで得られるものや雰囲気が伝わる情報を盛り込みます。
⑦営業・サービス資料型|自社製品の魅力を伝える
「営業・サービス資料型のホワイトペーパー」とは、自社製品・サービスに関する情報をまとめた、カタログのようなホワイトペーパーです。
検討段階がかなり進んでいる顧客に対し、自社製品・サービスの内容やメリットを具体的に提示します。
受注確度の高い顧客をターゲットにしているので、チャンスを逃さないよう、ダウンロード後にフォローできる体制を整えておくことが重要です。
さらに踏み込んだ情報やデモ提供ができるようにしておきましょう。
ホワイトペーパーの制作方法
それでは、ホワイトペーパーの制作方法を解説します。
制作手順をよりイメージしやすいように、以下の10個のステップに分けて解説しています。
- 目的を決める
- ペルソナを設定する
- テーマとホワイトペーパーの種類を決める
- 全体のストーリーを決める
- ボリュームを決める
- 表記ルールを決める
- タイトルを決める
- 構成を作る
- 本文のライティング
- デザインを調整する
ポイントは、戦略策定に時間をかけることです。
事前にホワイトペーパー運用の戦略をじっくり練ってから、制作作業に移ります。
制作手順①目的を決める
まずはホワイトペーパーを制作する目的を決めましょう。
目的を決めることで、顧客に期待するアクションや適切なホワイトペーパーの種類を明確にできるからです。
以下にホワイトペーパー制作の目的と顧客に期待するアクション、ホワイトペーパーの内容をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
目的 | 顧客に期待するアクション | 適切なホワイトペーパーの種類 |
リード獲得 | 興味を持ち、ダウンロードする | 疑問解決型、調査・レポート型、イベントレポート型、 |
リードナーチャリング | メールマガジンへの登録、次回イベントへの参加など | 製品・サービス比較型、事例紹介型、市場ニュース型 |
受注確度の向上 | 社内稟議の資料として活用する | 営業・サービス資料型 |
ホワイトペーパー制作の目的は、自社の課題を起点に考えましょう。
例えば、新規リードの獲得に課題を抱えているなら、多くの顧客に見てもらいやすい疑問解決型を、リードナーチャリングを強化したい場合は事例紹介型や市場ニュース型のホワイトペーパーを作るなどです。
このように、自社の課題を明確にすることで大まかな方向性を決められます。
制作手順②ペルソナを設定する
目的を決めたら、次にペルソナを決めます。
ペルソナとは、ホワイトペーパーを利用する典型的な顧客像のことです。
年齢や性別だけでなく、家族構成や趣味、ライフスタイルなど、特定の個人を示すような細かい情報まで設定します。
ペルソナ設定のメリットは、顧客ニーズを細かく把握できることです。
ホワイトペーパーは、顧客にとって有益な情報を提供する資料です。
顧客ニーズを無視して自社の伝えたいことばかり記載してしまうと、顧客からの信頼は得られません。
そのため、ペルソナを設定することで、顧客ニーズを満たすホワイトペーパーが作りやすくなります。
なお、顧客ニーズの把握に加え、ホワイトペーパーを読んで顧客にどんなアクションを起こしてほしいかまで考えておくと、より的確なアプローチを考えやすくなります。
関連記事:BtoBマーケティングでのペルソナ設定の手順・ポイントを徹底解説
制作手順③テーマとホワイトペーパーの種類を決める
次に、ホワイトペーパーのテーマを決めます。
- 市場背景
- 業界の動向
- 自社への問い合わせ
- マーケティングデータ
などの情報を参考に、解決したい課題を明確にしてからホワイトペーパーのテーマを決めましょう。
例えば、以下のような感じです。
- 「オウンドメディアの作り方を知りたい」という相談が多い:オウンドメディア制作に関する自社のノウハウをまとめたホワイトペーパー
- 営業先で「DXという言葉の意味がわからない」とよく聞く:「DX」という専門用語をわかりやすく解説したホワイトペーパー
テーマを決めたら、前述した7種類の中から、制作するホワイトペーパーを決めます。
なお、テーマが具体的であるほど、顧客の信頼を獲得しやすくなります。
そのため、内容を一言でわかりやすく表現できるテーマを設定しましょう。
制作手順④全体のストーリーを決める
大まかな方向性が決まったら、全体のストーリーを策定します。
ストーリーを決める理由は、顧客が当事者意識を持ってホワイトペーパーを読み、アクションを起こしやすくなるような流れにするためです。
そのため、「製品・サービス導入したユーザーの声」「今後の業界の変化」など、イメージが湧きやすいストーリーを意識することがポイントです。
制作手順⑤ボリュームを決める
ストーリーを決めたら、ホワイトペーパー全体のボリュームを決めます。
細かい構成は後のステップで決めるので、ここでは大まかなページ数を決めておきましょう。
ページ数はテーマやターゲット層によって変わります。
そのため、ストーリーを伝えることを最優先に、大まかなページ数を決めましょう。
制作手順⑥表記ルールを決める
次に、ホワイトペーパーの表記ルールを決めます。
ページによってフォントサイズやデザインが異なっていると、読みにくさを感じるからです。
読みやすいホワイトペーパーであれば途中での離脱防止につながるので、中身を作る前に表記ルールを決めておきましょう。
具体的には、以下のルールを定めます。
- フォントサイズ・色
- 行間
- ヘッダー、フッターのデザイン
表記ルールについては、テンプレートを用意して、それをコピーして使う方法がおすすめです。
最初に表記ルールを決めておくことで、制作途中で調整する手間も省けます。
制作手順⑦タイトルを決める
今までのステップは、ホワイトペーパー制作の準備段階でした。
ここからは具体的な中身を作っていきます。
まずはホワイトペーパーのタイトルを決めます。
ホワイトペーパーはダウンロードするまで内容がわからないため、タイトルでどれだけ興味を引けるかがポイントです。
読んだだけで「求めている情報が得られそう」と顧客に思ってもらえるようなタイトルを付けましょう。
なお、タイトルの付け方のポイントについては、「ホワイトペーパー制作におけるコツ」で解説しています。
制作手順⑧構成を作る
タイトルを決めたら、詳細な構成を作ります。
構成を作るときのポイントは、結論を先に示すことです。
一般的な起承転結の構成では、顧客の多くは結論を待ちきれず、途中で離脱してしまいます。
そのため、最初に結論を示し、その後に具体的な解決策を入れる「PREP法」という手法を用いましょう。
解決策を示す場合は、読んだ後に真似できるレベルまで具体的に示すことが重要です。
具体的な書き方だと顧客は行動に移しやすく「有益なホワイトペーパーだった」と思いやすくなります。
制作手順⑨本文のライティング
ここで、本文のライティングをおこないます。
Webや書籍などをリサーチしたり、社内ノウハウをヒアリングしたりして集めた情報を、読みやすくまとめましょう。
ライティングのポイントは以下のとおりです。
- 目を引くキャッチコピーを入れる
- 段落や1文あたりの文字数に注意する
- 専門用語をなるべく使わない
段落や1文あたりの文字数が多すぎると、顧客は読むのを止めがちです。
1段落あたり200文字前後、1分40〜60文字という目安を意識しましょう。
また、
- 誤字脱字はないか
- 適切な表現をしているか
- 事実と異なることを書いていないか
制作手順⑩デザインを調整する
最後にデザインを調整します。
文字ばかりのホワイトペーパーだと顧客は読む気が失せてしまうので、デザインの力を活用して、読みやすいホワイトペーパーに仕上げます。
デザインのポイントは以下のとおりです。
- 使用する色は3〜4色程度で、統一感を持たせる
- 適当な余白をとる
- 図解やイラストを用いる
多くの色を使うと、返って顧客の注意を逸らしてしまいます。
3〜4色程度にするとすっきりとした見た目になるので、おすすめです。
自社のシンボルカラーをメインカラーにすると、ブランディングにも効果的でしょう。
また、図解やイラストを用いることで、顧客の理解を促すことも可能です。
「ここは特に強く伝えたい」という部分には、積極的に図解やイラストを用いましょう。
ホワイトペーパー制作におけるコツ
続いて、ホワイトペーパー制作のコツを紹介します。
これから紹介するコツを意識することで、わかりやすく成果が期待できるホワイトペーパーに仕上がります。
ニーズの大きい部分から制作する
1個目のコツは、顧客ニーズの大きな部分から制作することです。
その理由は、ホワイトペーパーはPDCAを回しにくく、改善が難しいからです。
ホワイトペーパーは制作に時間とコストがかかる上に、一度公開すると気軽に修正できません。
「効果測定の結果が芳しくないからテーマを変えたい」「情報が古くなったから更新したい」といっても、簡単にはできないのです。
そのため、顧客ニーズが大きく、成果が期待できるテーマから優先的に作るのがおすすめです。
顧客ニーズの大きいテーマを上手く捉えられると、費用対効果の高いホワイトペーパーになるでしょう。
結論を先に伝える
2個目のコツは、結論を先に伝えることです。
前述したように、一般的な起承転結の流れでは、顧客が途中で飽きて離脱してしまうリスクがあります。
しかし、タイトルや導入部で結論を伝えておけば、顧客の「その理由を知りたい」「先を読みたい」という意欲を促進することが可能です。
結論を先に伝える手法は「PREP法」と呼ばれています。
以下のように結論、理由、具体例の順で内容を伝え、最後にもう一度結論を書きます。
- P:Point(結論)
- R:Reason(理由)
- E:Example(具体例)
- P:Point(結論)
PREP法を用いると、簡潔でわかりやすい構成になります。
ホワイトペーパーの構成を考える際に、ぜひ活用してみましょう。
独自情報を積極的に記載する
3個目のコツは、自社独自の情報を積極的に記載することです。
独自性の高い情報を盛り込むことで、説得力や信頼性が高まるからです。
また、自社独自の経験やデータを交えることで、競合他社との差別化もできます。
顧客に満足してもらえるよう、情報は惜しみなく提供するという姿勢を大切にしましょう。
数値データを使って説得力を持たせる
4個目のコツは、数値データを使うことです。
具体的な数値を見せることで、情報に説得力を持たせられます。
例えば「自社サービスを導入した企業様の売り上げは、前年度に比べて大きく伸びました」と「自社サービスを導入した企業様の売り上げは、前年度に比べて2倍になりました」では、後者の方がわかりやすいと感じるはずです。
説得力のある情報を伝えるためにも、根拠となる数値は省略せずに明記しましょう。
顧客の興味を引くタイトルをつける
5個目のコツは、顧客の興味を引くタイトルをつけることです。
顧客はタイトルを見てホワイトペーパーをダウンロードするかどうかを判断します。
そのため、タイトルの付け方に失敗してしまうと、ホワイトペーパーがダウンロードされず、機会ロスが生じてしまいます。
「読んでみよう」と思われるように、顧客ニーズを把握し、求めている情報を得られるホワイトペーパーであることが、タイトルだけでわかるようにしましょう。
具体例なポイントは以下のとおりです。
タイトルの決め方のポイント | 具体例 |
ターゲットを示す | 【BtoB企業向け】良質なリードを獲得できるホワイトペーパーの作り方 |
課題解決+定型文 | 【BtoBのリード獲得に繋がる】コンテンツマーケティング施策の始め方 |
数字でインパクトを打ち出す | 【リード数6倍!】BtoBメルマガの効果的な作り方 |
1つ目の「ターゲットを示す」場合、ペルソナが抱えている課題を深く考察することが重要です。
2つ目の「課題解決+定型文」は、「課題を解決している状態」+「定型文」のパターンに当てはめてタイトルを作ります。
例に挙げた「BtoBのリード獲得につながる」は「新規リードを獲得したい」という課題の裏返しです。
そこに「〜の方法」「〜の事例集」などの定型文を組み合わせることで、「コンテンツの始め方」というタイトルを作っています。
3つ目の場合、数字でインパクトや明確なメリットを示すことで、印象に残りやすいタイトルになります。
専門用語はなるべく使わない
6個目のコツは、専門用語をなるべく使わないようにすることです。
専門用語を使うと、顧客は「難しい」と感じてしまい、途中で読むのを止めてしまいます。
また、「素人同然の自分では相手にされないのでは?」という不安を抱き、次のアクションをためらう可能性もあります。
特に、広く潜在顧客をターゲットとしている場合は、専門用語を極力使わないように意識してください。
ターゲットが聞き慣れている言葉に変換できるとベストです。
定期的に最新情報にアップデートする
7個目のコツは、定期的に最新情報にアップデートすることです。
ノウハウや業界のトレンドは常に変化するものです。
情報のアップデートをしないままホワイトペーパーの運用を続けると、顧客は古い情報を閲覧し続けることになります。
その結果、トラブルにつながったり、信頼性を失ったりするリスクがあります。
情報に対する誤解が生まれないよう、定期的に情報のアップデートをおこないましょう。
信頼できない情報は引用しない
8個目のコツは、信頼できない情報は引用しないことです。
間違った情報を提供すると、顧客からの信頼を失ってしまうからです。
また、間違った情報を元に顧客がビジネスに取り組んでいると、顧客自身がクレームを受けるなど、トラブルに遭うリスクがあります。
そのため、公的機関が出す、信頼できる情報を引用するようにしましょう。
信頼できる情報とは、例えば以下の団体が公表しているデータのことです。
- 官公庁:政府広報オンライン(内閣府大臣官房政府広報室)
- 政府管轄の統計サイト:e-Stat(総務省統計局)
- マーケティング関係のサイト:公益社団法人日本マーケティング協会
なお、同業他社が独自に調査したデータは、たとえ信頼できるデータであったとしても引用しないようにしましょう。
既存の資料を活用する
9個目のコツは、既存の資料を活用することです。
既に作ってある資料を使うことで、ホワイトペーパー制作にかかる労力とコストを大きく減らせます。
加えて、労力とコストを抑えられた分、運用できるホワイトペーパーの数を増やせます。
既存資料はすでに顧客ニーズに対して的確に訴求しているものが多いため、ホワイトペーパーに転換しても成果を期待できるはずです。
コストを抑えてホワイトペーパーを作りたい方は、ぜひ試してみてください。
製品・サービスの押し売りをしない
10個目のコツは、製品・サービスの押し売りをしないことです。
商談や受注につなげることばかり考えていると、無理に自社製品・サービスの話に振ってしまいがちです。
できたもの読んで「不自然な流れだ」と感じると、それは顧客にも伝わります。
少しでも「押し売りされている」と感じると、顧客は悪い印象を抱いてしまうでしょう。
そのため、自社製品・サービスの紹介をするのは、ホワイトペーパーの中で取り上げている課題を解決できる場合だけにしましょう。
自然な流れで紹介できるよう、自社製品・サービスで解決できる課題を洗い出してから、ホワイトペーパーの内容を決めてください。
なお、顧客からの支持を集めやすいホワイトペーパーのポイントについては、下記の記事でも解説しています。
「ダウンロードされるホワイトペーパーを作りたい」という場合は、こちらもご覧ください。
関連記事:ダウンロードされないホワイトペーパーとは?DL数を増やすポイントと併せて解説
ホワイトペーパー制作でよくある疑問
制作手順やコツがわかって、実際に作業する段階に移ると、「どんなツールを使えばいいのか?」「適切なページ数はあるのか?」といった疑問を抱えがちです。
ここからは、ホワイトペーパー制作でよくある疑問とその解決策を紹介します。
どんなツールを使って制作すれば良いか?
ホワイトペーパー制作におすすめのソフトは以下のとおりです。
- PowerPoint
- Adobe illustrator
- Adobe Express
- Canva
- Figma
ホワイトペーパー制作では、画像やデザインを編集しやすいツールを使いましょう。
複数人で作る場合は、共同作業ができるツールもおすすめです。
WordやExcelでも不可能ではありませんが、クオリティの高いホワイトペーパーを作りたければ、上記のツールを活用しましょう。
適切なページ数はどのくらいか?
ホワイトペーパーの適切なページ数は、テーマや内容によって変わります。
テーマによっては長くしすぎると内容が薄くなってしまい、返って顧客に有益な情報を提供できなくなるケースがあります。
そのため、無理して長くする必要はありません。
ページ数よりも「顧客の課題解決に貢献できるか」という点を意識してください。
営業資料との違いは?
ホワイトペーパーと営業資料の違いは以下のとおりです。
- ホワイトペーパー:顧客の課題解決に焦点を当てた資料
- 営業資料:自社製品・サービスの機能や特徴をアピールするための資料
ホワイトペーパーが顧客目線の内容であるのに対し、営業資料は自社目線の内容である点に違いがあります。
例えば、退勤管理システムを販売している企業を例に考えてみましょう。
ホワイトペーパーの場合、競合他社のシステムも含めて機能やサポート内容、導入企業数などを比較した資料や、企業の課題解決について詳細にまとめた資料となります。
一方で営業資料の場合、自社の退勤管理システムだけを取り上げて、機能やサポート内容をアピールします。
つまり、
- ホワイトペーパー=お役立ち資料
- 営業資料=製品・サービスを売るための資料
といえます。
顧客目線でニーズに沿って作られているため、ホワイトペーパーは潜在顧客へのアプローチに有効なのです。
制作したホワイトペーパーの活用方法
ここで、ホワイトペーパーの活用方法を紹介します。
ホワイトペーパーを作る前に、どのように活用するか考えておきましょう。
自社サイトやオウンドメディアに掲載する
最も一般的な活用方法は、自社サイトやオウンドメディアに掲載し、顧客にダウンロードしてもらう方法です。
コストも手間もかからない上に比較的簡単におこなえるため、多くの企業がこの方法でホワイトペーパーを運用しています。
ただホワイトペーパーを提供するのではなく、ダウンロード時に、顧客に以下のような情報を入力してもらいます。
- 担当者名
- 会社名
- 役職
- 電話番号
- メールアドレス
ここで得た会社情報をリードナーチャリングの起点とし、商談や受注につなげます。
しかし、ダウンロードしてもらえなければ、リード獲得ができません。
そのため、タイトルや概要だけで「有益な情報を得られそう」と、顧客に思ってもらえるよう工夫が必要です。
また、SNSや広告などを活用して自社サイトへの流入を増やすことも重要です。
メルマガやセミナーで配布する
ホワイトペーパーをリードナーチャリングに活用する場合は、メルマガやセミナーで配布するのがおすすめです。
ホワイトペーパーで有益な情報を提供することで、信頼関係の構築につながります。
メルマガで配布する場合は、リードの検討段階や温度感を把握してから、リードの求める情報をホワイトペーパーに載せて送信しましょう。
セミナーやウェビナーで配布する場合は、セミナー内で提供した情報のプラスアルファとなる情報を提供する形がおすすめです。
このようにすることで、自社への関心や信頼感を高められます。
配布後に反響の大きかったホワイトペーパーは、「メルマガ登録特典」「セミナー参加者限定」という形で配布するのもおすすめです。
展示会で配布する
ホワイトペーパーは、展示会で配布するのも有効です。
展示会での会話の中から顧客ニーズを把握し、適切な内容のホワイトペーパーを提供します。
名刺交換より一歩踏み込んだ接点を持てるので、その後の関係構築がしやすくなるというメリットがあります。
実際に配布する際は、紙に印刷して配布するよりも、顧客にダウンロードしてもらうのがおすすめです。
展示会では、たくさんの資料をもらいます。
紙で渡してしまうと競合他社の資料の中に埋もれて、読まれない可能性が高くなります。
ダウンロードしてもらう形であれば他の資料と混ざらないため、紙よりは読んでもらえる可能性が高いはずです。
そのため、ホワイトペーパーごとにダウンロードページにアクセスできるQRコードを用意しておきましょう。
営業資料として活用する
ホワイトペーパーは、営業資料としても活用できます。
ホワイトペーパーは、顧客にとって有益な情報をまとめた資料です。
顧客目線で課題解決や興味関心に応える内容がまとめられているので、上手く活用できれば営業活動をスムーズに進められます。
特に、リード化して間もなく、信頼関係の構築が不十分な顧客に対しては、通常の営業資料よりも効果的です。
会話の中から顧客ニーズを把握し、適切なホワイトペーパーを提供しましょう。
リード獲得メディアなどで宣伝する
自社サイトやSNS以外の媒体にホワイトペーパーを掲載して、リード獲得を狙う方法もあります。
それが「リード獲得メディア」に掲載する方法です。
リード獲得メディアとは、リード獲得に特化したメディアのことです。
会員は多種多様なホワイトペーパーの中から、自社のニーズに合うホワイトペーパーをダウンロードできます。
掲載コストはかかりますが、自社だけでは集めにくいリードを獲得できる点がメリットです。
また、メディアによっては業種や役職などを絞る「ターゲティング」ができるものもあり、自社製品・サービスにマッチしたリードを獲得しやすい点も特徴です。
ただし、競合他社のホワイトペーパーに埋もれてしまわないように、徹底した差別化を図る必要があります。
なお、以下の記事ではおすすめのリード獲得メディアを紹介しています。
リード獲得メディアのメリット・デメリットなども詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
関連記事:2024年最新|BtoBのリード獲得におすすめのメディア15選
ホワイトペーパーの活用事例
ここで、ホワイトペーパーの活用事例を紹介します。
ホワイトペーパーを上手く活用すれば、ここで紹介する企業のような成果を得られます。
ぜひホワイトペーパー制作の参考にしてください。
事例①株式会社キーエンス
引用:株式会社キーエンス
株式会社キーエンスは、FA機器の製造・販売をおこなっている企業です。
特筆すべきは、ホワイトペーパーの多さです。
2024年5月時点で、カテゴリー別に以下のホワイトペーパーを公開しています。
- カタログ:355件
- 技術資料:1,662件
- データシート:5,476件
これほどまでに多くのホワイトペーパーを管理・運用し、顧客の課題解決に貢献している点が、株式会社キーエンスの強みです。
さらに同社は「安全知識.com」や「測り隊.com」といったオウンドメディアを運営し、ホワイトペーパーへの導線を作っています。
事例②株式会社Kaizen Platform
株式会社Kaizen Platformは、DX導入サポートやWebサイトの改善などをおこなっている企業です。
同社は「DX」という言葉が世の中に出始めた頃から「DX白書」と名付けたホワイトペーパーを定期的にリリースしています。
DXについて
- 定義
- トレンド
- 業界の動き
- 事例
- 先端技術
といった情報が記載されており、DXについて深く情報収集できる点が特徴です。
また、文章とデザインも洗礼されており、専門用語を噛み砕いて、わかりやすく解説しているのもポイントです。
後半にはDXの成功事例に絡めて自社サービスも訴求しています。
市場ニュース型、疑問解決型、事例紹介型という、3種類の要素が混ざったホワイトペーパーといえるでしょう。
事例③株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータグループは、データ通信やシステム構築などの事業に取り組んでいる企業です。
同社はデータ活用分野のトレンドである「Modern Data Stack」に関する情報を、潜在顧客をターゲットに発信しています。
「Modern Data Stack」は定義するのが難しい考え方ですが、それを独自の視点で丁寧に解説している点が特徴です。
また、データ活用という幅広いテーマからトレンドの詳細解説につなげている構成にも注目です。
なお、ホワイトペーパー内では具体的な製品・サービスの紹介はしていません。
しかし、自社の専門的な知識や見解を示すことで、顧客の信頼感を高める効果があると考えられます。
自社でのホワイトペーパー制作が難しい場合は外注もおすすめ
ホワイトペーパーの制作方法や作り方のコツを解説してきました。
一連の流れがわかった一方で、「自社で上手く作れる自信がない」と、不安を抱えている方も多いでしょう。
もし自社でのホワイトペーパー制作が難しいと感じている場合は、外注を検討するのがおすすめです。
ここからは、ホワイトペーパーの外注について解説します。
ホワイトペーパー制作を外注する判断基準
以下に当てはまる場合は、ホワイトペーパー制作を外注するのがおすすめです。
- ホワイトペーパー制作に充てるリソースがない
- ホワイトペーパー制作の知見がない
- ホワイトペーパーを運用しても成果が出ない
特に、リソースや知見がないまま進めても、目立った成果は得られません。
それどころか、ホワイトペーパー制作によって通常業務に悪影響が出るリスクも考えられます。
ホワイトペーパーの目的は、作ることではなくリード獲得などの成果につなげることです。
リソースや知見がない場合は、自社で無理して作るよりも制作代行会社に依頼した方が、成果につながりやすいでしょう。
ホワイトペーパー制作代行会社に依頼できる業務内容
ホワイトペーパー制作代行会社に依頼できる業務内容は以下のとおりです。
- 目的やターゲットの選定
- 効果的なコンテンツの提案
- ホワイトペーパー制作
- 配信先の選定
- ダウンロード後のフォローシナリオの設計
ホワイトペーパーの制作だけでなく、外注先によっては配信先の選定やダウンロード後のフォローも依頼できます。
また、部分的な依頼はもちろん、ホワイトペーパー運用の全てを依頼することも可能です。
ホワイトペーパー制作を外注する場合の費用相場
ホワイトペーパー制作を外注する場合の費用相場は、1本あたり10〜30万円です。
「そこまで予算を確保できない」という場合は、「制作だけお願いしてその後の運用は自社でおこなう」など、部分的に外注して費用を抑えましょう。
また、費用をベースに外注先を選ぶ際は、過去の実績やその会社が公開しているホワイトペーパーを確認するのがおすすめです。
内容や読みやすさに加え、誤字脱字がないかという基本的な部分もチェックし、クオリティと費用感がマッチする制作代行会社を選びましょう。
おすすめのホワイトペーパー制作代行会社5選
最後に、おすすめのホワイトペーパー制作代行会社を5社紹介します。
テクロ株式会社
引用:テクロ株式会社
テクロ株式会社では「BtoB企業向け実働型オウンドメディア運用代行サービス」の中で、ホワイトペーパー制作をサポートしています。
オウンドメディアの立ち上げから運用までを一括で代行し、
- 戦略立案・キーワード選定
- SEO対策
- 月10本の記事制作
- ホワイトペーパー制作
- コンバージョン率向上につながる施策(バナーやCTA改善など)
により、オウンドメディア運用にかかる時間を削減しつつ、リード獲得の最大化を目指します。
また、記事作成だけでなく、バナーやCTAの改善によって、ホワイトペーパーのダウンロードや問い合わせを増やすための運用もおこなっています。
BtoBのリード獲得やSEO対策に力を入れたい方は、ぜひご検討ください。
住所 | 東京都渋谷区神宮前1-5-8 神宮前タワービルディング12階 |
主なサービス |
|
リンク | ホームページ・過去の実績 |
株式会社アイコネクト
引用:株式会社アイコネクト
株式会社アイコネクトは、BtoBマーケティングやDXの支援に取り組んでいる企業です。
同社の特徴は、ホワイトペーパー専用に開発された独自の分析ツールを用いている点です。
このツールによって
- 基本的な閲覧データ
- ページ間の遷移率
- 読了率
が可視化され、顧客に支持されるホワイトペーパーを把握できます。
そして、ホワイトペーパーの最適化や内容の見直しにより、継続的な品質向上が可能です。
また、制作だけでなく、活用方法や広告運用でのリード獲得の支援もしています。
B2Bマーケティング株式会社
B2Bマーケティング株式会社は、リード獲得から受注までのサポートに取り組んでいる企業です。
同社の特徴は、リード獲得だけでなく、リードナーチャリングにも対応したホワイトペーパーを制作している点です。
リード獲得から受注までのプロセスを重視しているため、「次につなげる」という視点を持って制作してくれます。
株式会社CONE
引用:株式会社CONE
株式会社CONEは、資料制作のサポートやBtoB向けの記事制作代行などに取り組んでいる企業です。
スピーディな対応が特徴で、依頼内容によっては最短2日で納品します。
また、1枚あたりの価格が5,000円と、比較的リーズナブルな点も特徴です。
料金プランは3種類で、特急料金やオプション料金はかかりません。
コストパフォーマンスや納期の短さを重視する方におすすめです。
ナイル株式会社
引用:ナイル株式会社
ナイル株式会社は、コンテンツマーケティングに強みを持つ企業です。
ホワイトペーパーに関しては、
- ヒアリング
- 戦略立案
- 分析
- 効果検証・改善
- 運用サポート
と、運用に関する業務を一括でサポートしています。
専門知識のあるライターが内容を執筆してくれるので、専門性の高いホワイトペーパーを制作できるでしょう。
住所 | 東京都品川区東五反田1-24-2 JRE東五反田一丁目ビル7F |
主なサービス |
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リンク | ホームページ |
まとめ:ホワイトペーパーは戦略的に制作しよう
ホワイトペーパー制作では、戦略を丁寧に考えることが重要です。
ライティングやデザインの前に、目的やペルソナの設定、ストーリーを決めるといった手順を、丁寧におこないましょう。
また、「顧客に有益な情報を提供する」ことを第一に考え、わかりやすい文章やデザインを意識することも重要です。
もし自社の力だけでクオリティの高いホワイトペーパーを作る自信がない場合は、外注もおすすめです。
テクロ株式会社でも「BtoB企業向け実働型オウンドメディア運用代行サービス」の中でホワイトペーパー制作をサポートしているので、ぜひご利用ください。
また、BtoB企業様向けに「良質なリードを獲得できるホワイトペーパーの作り方」も提供しています。
ホワイトペーパーの作り方だけでなく、獲得したリードを商談につなげるコツも紹介しているので、ぜひ自社のビジネスにご活用ください。