BtoBマーケティング戦略の立て方完全ガイド|成功に導くプロセスとKPI設定方法
- 「BtoBマーケティングを強化しろと言われたけど、一体何から手をつければいいんだ…」
- 「施策は色々試しているのに、なかなか成果に繋がらない」
BtoB企業のマーケティング担当者様、あるいは兼任されている営業担当者様や経営層の皆様は、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
この記事では、そんな皆様のためにBtoBマーケティング戦略の「教科書」となるべく、
- 基本的な考え方
- 具体的な戦略の立て方
- すぐに使える施策
- 成功事例
までを体系的に解説します。
この記事を最後までお読みいただければ、BtoBマーケティングの全体像を深く理解し、自信を持って戦略を立案し、上司や関係者を納得させられるようになるでしょう。
なお、テクロ株式会社では、BtoBマーケティングの戦略設計についてまとめた資料「成功するBtoBマーケティング計画の立て方」を無料で配布しています。
マーケティング戦略立案でよくある悩みとその解決策について知りたいBtoB企業様は、ぜひ参考にしてください。
目次
BtoBマーケティング戦略の基本|なぜ今、戦略が重要なのか?

本格的な戦略論に入る前に、なぜBtoBマーケティングにおいて「戦略」がこれほどまでに重要視されるのか、その基本から確認していきましょう。
BtoBマーケティングの特性を理解することで、戦略の必要性がより明確になります。
BtoBマーケティングとは?企業間取引を成功させる活動の全て
BtoB(Business-to-Business)マーケティングとは、企業が他の企業に対して製品やサービスを販売し、長期的な関係を築くための一連のマーケティング活動を指します。
その目的は、単に製品を売ることだけではありません。
顧客企業のビジネス課題を解決し、事業成長に貢献することで、自社も共に成長していくことを目指す、戦略的なパートナーシップ構築活動なのです。
BtoBにおけるマーケティングの基本については、こちらの記事もあわせてご参照ください。
→BtoBマーケティングの基本と知っておきたい定番の手法33選
BtoBとBtoCのマーケティングの5つの決定的な違い
BtoBマーケティングは、企業間取引(Business to Business)において、自社の製品やサービスをターゲット企業に認知させ、信頼を勝ち取り、最終的な受注・契約へと繋げるための「全体設計図」となるBtoBマーケティング戦略が重要です。
BtoBマーケティングの戦略を考える上で、個人消費者を対象とするBtoC(Business-to-Consumer)マーケティングとの違いを理解しておくことが不可欠です。
主な違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | BtoB(企業向け) | BtoC(個人向け) |
|---|---|---|
| ① 顧客の属性 | 企業や組織 | 個人消費者 |
| ② 購買の意思決定 | 複数の担当者や部署が関与し、プロセスが複雑 | 個人または家族など、少人数で決定 |
| ③ 検討期間の長さ | 数ヶ月〜数年に及ぶこともあり、長期にわたる | 比較的短期間(数分〜数日) |
| ④ 購買動機 | 課題解決、生産性向上、コスト削減など、論理的・合理的な判断が中心 | 個人の欲求、感情、流行など、感情的な判断が影響しやすい |
| ⑤ 顧客との関係性 | 導入後のサポートを含め、継続的で長期的な関係構築が重要 | 購入時点で関係が終了することも多い |
このように、BtoBの購買プロセスは論理的かつ長期的であり、関わる人も多岐にわたるため、BtoCとは全く異なるアプローチが求められるのです。
BtoBでは、広告やSNSで「面白そう」と思わせるだけでは不十分です。「その投資が自社の課題をどう解決し、どれだけの利益(ROI)をもたらすか」という論理的な裏付けを、組織内の複数の関係者に納得させる戦略が求められます。
顧客ニーズの把握がBtoBマーケティングの成果に直結する理由
BtoBマーケティングの成否は、「顧客が何に困っているか」というニーズの解像度で決まります。ニーズを外した状態でSEOや広告に投資しても、獲得できるのは「自社にとって質の低いリード」ばかりになってしまいます。
【顧客ニーズを深掘りする3つの調査方法】
「なぜ自社を選んだのか?」「導入前に比較した他社は?」「導入の決め手となった社内事情は?」を直接聞くことで、ペルソナの輪郭が明確になります。
失注理由や、商談中に頻出した質問を分析します。ここに「市場が求めているが、自社が提供できていない情報」のヒントが隠されています。
ターゲットがどのような語句で検索しているかを分析し、彼らが抱える「顕在化した悩み」を可視化します。
なぜ戦略なしのBtoBマーケティングは失敗するのか?

もし、明確な戦略を持たずにBtoBマーケティングを進めてしまうと、どのような問題が起こるのでしょうか。
- 施策が場当たり的になる
流行りのツールを導入したり、競合が始めたからと同じ広告を出したりと、一貫性のない活動に終始してしまいます。
- 費用対効果(ROI)が悪化する
ターゲットが曖昧なまま施策を行うため、無駄なコストが発生し、成果に繋がりません。
- 営業部門と連携できない
マーケティング部門が獲得した見込み客(リード)の質が低く、営業部門から「使えるリードが来ない」と不満が出るなど、部門間の溝が深まります。
- 成果を正しく評価・改善できない
明確な目標や指標がないため、何が成功で何が失敗だったのか分からず、次のアクションに活かすことができません。
自己流で進めることに限界や不安を感じているなら、それは戦略が不足しているサインかもしれません。
体系的な戦略を立てることが、成功への最短ルートとなります。
【ステップ別】BtoBマーケティング戦略立案方法
戦略立案は、行き当たりばったりな施策を防ぎ、投資対効果を最大化するために不可欠な工程です。
自社を取り巻く環境を正しく把握します。ここでは「3C分析」や「PEST分析」などのフレームワークを使い、市場のトレンド、競合の動き、自社の強みを客観的に評価します。
SaaS型勤怠管理システムを提供している場合、「働き方改革による需要増(市場)」「競合A社の価格改定(競合)」「自社の操作性の高さ(自社)」といった要素を洗い出します。
市場全体を、共通のニーズを持つグループに切り分けます。BtoBであれば「業種」「従業員規模」「地域」「解決したい課題」などの切り口で分類します。
細分化した市場の中から、自社の強みが最も発揮でき、かつ十分な利益が見込める層を「狙い撃つターゲット」として定めます。
ターゲットの頭の中で「〇〇といえばこの会社」という独自の立ち位置を確立します。
「価格は高いが、セキュリティが最も強固な勤怠管理システム」など。
具体的な戦術の組み合わせ(4P)を決定します。
| 要素 | 内容(BtoBの具体例) |
|---|---|
| Product(製品) | 外部ツールとの連携機能、専任サポート体制の充実 |
| Price(価格) | 初期費用無料、ユーザー数に応じた月額サブスクリプション |
| Place(流通) | 直販営業、パートナー代理店、Webサイトからの直接契約 |
| Promotion(販促) | 展示会、SEO、タクシー広告、比較資料の提供 |
立てた戦略に基づき、実際の施策をスタートさせます。Webサイトの改修、広告の運用、営業部門との連携などがこれにあたります。
実行した結果をデータで振り返ります。受注に至った要因や、逆に商談化しなかったボトルネックを特定し、次のアクションへ繋げます。
BtoBマーケティングの戦略立案には、客観的に分析する必要があるためマーケティングフレームワークの使用がおすすめです。
| フェーズ | フレームワーク名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 環境分析フェーズ | PEST分析 | 自社ではコントロールできない外部環境(マクロ環境)を捉える |
| 5フォース分析 | 業界の競争構造と収益性を分析する | |
| 3C分析 | 事業成功の鍵(KSF)を見つけ出す | |
| SWOT分析 | 内部・外部環境を整理し、戦略の方向性を定める | |
| 戦略策定フェーズ | STP分析 | 狙うべき市場と自社の立ち位置を明確にする |
| 6R | ターゲット市場の魅力度を多角的に評価する | |
| 施策実行フェーズ | 4P/4C分析 | 売り手視点と顧客視点から施策を具体化する |
| SAVEモデル | BtoBに特化した価値提供のフレームワーク | |
| カスタマージャーニーマップ | 顧客体験を可視化し、接点を最適化する | |
| BANT条件 | 商談の質を見極め営業効率を最大化する |
【フェーズ別】BtoBマーケティング戦略設計方法
上記の7ステップは、実務レベルではさらに「BtoB特有の動き」に合わせて最適化されます。 先ほどの7つのステップを、より現場で使いやすい「4つのフェーズ」に整理し直したものが以下の構成です。
- 戦略設計(Strategy)
上記のステップ①〜⑤(分析・STP・4P)を凝縮し、勝つためのシナリオを作ります。 - リード獲得(Lead Generation)
ステップ⑥(実行)の入り口。Webや展示会で顧客との接点を作ります。 - リード育成(Lead Nurturing)
ステップ⑥(実行)の中核。検討期間が長いBtoBにおいて、顧客を「その気」にさせます。 - リード分類・供給(Lead Qualification)
ステップ⑦(分析)と連動。質の高いリードを営業へ渡し、全体の投資対効果を最大化します。
フェーズ①:戦略設計(Strategy)|「誰に・何を」の徹底定義
このフェーズは、マーケティング7ステップの「①市場調査」から「⑤マーケティングミックス」までを凝縮した、最も重要なプロセスです。BtoBでは、ターゲットを「企業(アカウント)」と「担当者(個人)」の両面から捉える「二重のペルソナ設定」が成功の鍵となります。
3C分析やSWOT分析を用いて、自社の「勝てる領域」を特定します。
- Customer(市場・顧客):市場規模や、顧客が抱える根深い課題は何か?
- Competitor(競合):競合他社が提供できていない価値はどこか?
- Company(自社):自社だけが提供できる独自の強み(USP)は何か?
BtoBでは、まず「どの企業群を狙うか」を決めます。
- 状況(トリガー):DX推進中、新規事業立ち上げ、既存システムの更新時期、など
- 業種・規模:製造業、従業員数500名以上、など
企業が決まったら、次にその中にいる「人」を深掘りします。
- 決裁者(部長・役員):関心事は「投資対効果(ROI)」や「リスク回避」。
- 担当者(現場):関心事は「業務効率化」や「使いやすさ」。
フェーズ②:リード獲得(Lead Generation)|効率的な接点の創出
戦略を実行に移すステップ(ステップ⑥:実行)の入り口です。ターゲットが「どこで情報を探しているか」に合わせて、オンラインとオフラインを組み合わせた最適なチャネルを選定します。
以下に主要な獲得手法の使い分けをまとめました。
| 手法 | 役割・特徴 | 向いているターゲット |
|---|---|---|
| SEO・記事制作 | 課題解決策を探している潜在層へのアプローチ | 情報収集段階の担当者 |
| Web広告 | 購買意欲が高い顕在層への短期的なアプローチ | 比較検討段階の担当者 |
| 展示会 | 信頼関係の構築と、熱量の高いリード獲得 | 決裁権限を持つ役職者 |
| ホワイトペーパー | 専門性をアピールし、リード情報を取得 | 実務の課題を解決したい担当者 |
リードの「数」だけを追うと、営業部門が疲弊します。戦略段階で「どのような属性のリードが欲しいか」を合意しておくことが不可欠です。
フェーズ③:リード育成(Lead Nurturing)|信頼の積み上げ
BtoBは検討期間が長いため、獲得したリードを放置すると他社に流れてしまいます。ここでは、顧客の検討ステージに合わせた情報の提供が求められます。
- 課題認識期:業界動向レポートや、課題解決のヒントとなるコラム記事を送付。
- 比較検討期:導入事例、他社比較表、デモ動画の案内。
- 意思決定期:費用対効果(ROI)シミュレーション、サポート体制の詳細資料。
このフェーズを自動化・効率化するのが、デジタルマーケティングの得意領域です。
フェーズ④:リード分類・供給(Lead Qualification)|商談の質の担保
最後のフェーズは、マーケティング7ステップの「⑦分析」と密接に関わります。マーケティング部門が獲得したリードを、どのタイミングで営業に渡すかの「境界線」を設計します。
- 行動スコアリング
- 事例ページを3回見た:+10点
- 料金ページを閲覧した:+20点
- 合計30点以上を「ホットリード」として営業へ供給
- MQLとSQLの定義
- MQL:マーケティング側が「商談の可能性がある」と判断したリード
- SQL:営業側が「追う価値がある」と受け入れたリード
「供給して終わり」ではなく、営業からのフィードバック(例:「この媒体からのリードは決裁権がない人が多い」など)を戦略フェーズ①に差し戻し、ターゲット設定を微調整します。この「分析と改善のサイクル」こそが、BtoBマーケティング戦略を成功させる継続的なエンジンとなります。
【施策一覧】BtoBマーケティングの具体的な手法を目的別に紹介
戦略の骨子が固まったら、次はいよいよ具体的な施策の検討です。
ここでは、代表的なBtoBマーケティング施策を「見込み客獲得」と「見込み客育成」の2つの目的に分けて一覧で紹介します。
リードジェネレーション(見込み客獲得)のための施策
リードジェネレーションとは、自社の製品やサービスに興味を持つ可能性のある企業や個人の情報(=リード)を獲得するための活動です。
コンテンツマーケティング(オウンドメディア・SEO)
顧客の課題解決に役立つブログ記事や導入事例、ノウハウ集などを自社サイト(オウンドメディア)で発信し、検索エンジン経由での見込み客流入を狙う手法です。
- メリット:一度作成したコンテンツが資産となり、中長期的に集客し続けてくれる。広告費をかけずにリード獲得が可能。
- デメリット:成果が出るまでに時間がかかる。コンテンツ制作のリソースが必要。
- ポイント:SEO(検索エンジン最適化)対策を徹底し、検索結果の上位表示を目指すことが重要です。
コンテンツマーケティングについては、こちらの記事もあわせてご参照ください。
→BtoBコンテンツマーケティングの役割とは?手法やメリットも紹介
Web広告(リスティング広告・SNS広告
費用をかけてWeb上に広告を出稿し、短期間でリードを獲得する手法です。
- リスティング広告:Googleなどの検索結果に表示される広告。課題が明確なユーザーに直接アプローチできます。
- SNS広告:FacebookやLinkedInなどで、企業の属性や役職などを指定して広告を配信できます。
- メリット:短期間で成果が出やすい。ターゲットを細かく設定できる。
- デメリット:継続的に広告費用がかかる。運用ノウハウが必要。
ホワイトペーパー・資料請求
市場調査レポートや製品の技術資料、導入事例集といった専門的な資料(ホワイトペーパー)を作成し、ダウンロードと引き換えにリード情報を獲得する手法です。
- メリット:課題感が明確で、質の高いリードを獲得しやすい。
- デメリット:質の高い資料を作成するための専門知識やリソースが必要。
- ポイント:思わずダウンロードしたくなるような、魅力的なタイトルと概要をランディングページで訴求することが重要です。
展示会・セミナー(ウェビナー)
オフラインの展示会や、オンラインで開催するセミナー(ウェビナー)も有効なリード獲得手法です。
- メリット:一度に多くの見込み客と直接接点を持つことができる。製品のデモなどを通じて、魅力を伝えやすい。
- デメリット:出展や開催にコストと準備期間がかかる。
- ポイント:オンラインとオフラインを組み合わせることで、より多くのターゲットにアプローチできます。
リードナーチャリング(見込み客育成)のための施策
リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して継続的に情報提供を行い、関係を深め、購買意欲を高めていく「育成」のプロセスです。
メールマーケティング・メルマガ
獲得したリードのメールアドレスに対して、定期的にお役立ち情報やセミナー案内、新製品情報などを配信する手法です。
- メリット:低コストで多くのリードと継続的な関係を築ける。
- デメリット:開封・クリックされなければ効果がない。配信コンテンツの企画・制作が必要。
- ポイント:一斉配信だけでなく、顧客の興味や業種に合わせて内容を変える「セグメント配信」が効果的です。
マーケティングオートメーション(MA)の活用
リードナーチャリングを効率化・自動化するためのツールが《MA(マーケティングオートメーション)》です。
- 主な機能:リード情報の一元管理、メールの自動配信、Webサイト上の行動履歴の追跡、リードのスコアリングなど。
- メリット:人的リソースをかけずに、各リードに最適なタイミングで最適なアプローチが可能になる。営業部門との連携がスムーズになる。
- デメリット:ツールの導入・運用にコストと専門知識が必要。
MAツールを活用することで、「Webサイトの料金ページを3回見たリードに、自動で製品案内のメールを送る」といった高度なナーチャリングが実現できます。
こちらの記事では、特にデジタルマーケティングにおいて使用されるツールについてまとめています。
→【2026年版】デジタルマーケティングツール完全ガイド|中小企業の成果を最大化する選び方とおすすめ32選
戦略立案に役立つ!BtoBマーケティングの重要フレームワーク4選

「戦略を立てる」と言っても、何から考えれば良いか分からない、という方も多いでしょう。
そんな時に思考を整理し、抜け漏れを防いでくれるのが「フレームワーク」です。ここでは、BtoBマーケティング戦略立案に特に役立つ4つのフレームワークを紹介します。
| フレームワーク | 目的 | 活用シーン |
|---|---|---|
| SWOT分析 | 自社の内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理し、戦略の方向性を定める。 | 戦略立案の初期段階での現状把握。 |
| STP分析 | 市場を細分化し(Segmentation)、狙うべき市場を定め(Targeting)、自社の立ち位置を明確にする(Positioning)。 | 新製品の投入時や、ターゲット顧客の見直し時。 |
| 4P/4C分析 | 企業視点(4P)と顧客視点(4C)からマーケティング施策全体を設計・評価する。 | 具体的な施策を検討する際、顧客視点が抜けていないかのチェック。 |
| The Model | マーケティングと営業のプロセスを分業し、連携を強化して全体の効率を最大化する。 | 組織全体のマーケティング・営業体制を構築・見直す際。 |
SWOT分析:自社の強み・弱みを客観的に把握
自社のビジネス環境を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素で分析するフレームワークです。
- 内部環境:自社でコントロールできる要因
- 強み (S):技術力、ブランド力、顧客基盤など
- 弱み (W):価格競争力、販売チャネル、人材不足など
- 外部環境:自社でコントロールできない要因
- 機会 (O):市場の成長、法改正、新技術の登場など
- 脅威 (T):競合の台頭、景気後退、顧客ニーズの変化など
この分析を通じて、「自社の強みを活かして機会を掴む」といった攻めの戦略や、「弱みを克服して脅威に備える」といった守りの戦略の方向性を導き出します。
STP分析:市場を切り分け、狙うべき顧客を定める
市場全体を同じように狙うのではなく、特定のセグメントに集中するためのフレームワークです。
- Segmentation(セグメンテーション)
市場を共通のニーズや性質を持つグループに細分化します。(例:業種、企業規模、地域) - Targeting(ターゲティング)
細分化したグループの中から、自社の強みが最も活かせ、収益性が高い市場を選び、ターゲットとします。 - Positioning(ポジショニング)
ターゲット市場において、競合と差別化できる自社独自の価値を明確にし、顧客に認識させます。
「誰に、どのような価値を提供するか」を明確にする、マーケティング戦略の核となる考え方です。
4P/4C分析:顧客視点でマーケティングミックスを考える
具体的な施策を検討する際に役立つフレームワークです。企業視点の「4P」と、それに対応する顧客視点の「4C」を同時に考えることが重要です。
| 企業視点 (4P) | 顧客視点 (4C) |
|---|---|
| Product(製品・サービス) | Customer Value(顧客にとっての価値) |
| Price(価格) | Cost(顧客が支払うコスト) |
| Place(流通・提供方法) | Convenience(顧客にとっての利便性) |
| Promotion(販促活動) | Communication(顧客とのコミュニケーション) |
自社の製品は顧客にとってどのような価値があるのか?価格は、顧客が感じる価値に見合っているか?常に顧客視点に立ち返って施策を評価することが、成功の鍵となります。
The Model:営業とマーケティングの連携を強化する分業モデル
マーケティング部門と営業部門、さらに導入後のサポート部門までを含めた、顧客獲得から成功までの一連のプロセスをモデル化したものです。
特にSaaSビジネスで広く採用されています。
- ① Marketing(マーケティング):見込み客(リード)を獲得する。
- ② Inside Sales(インサイドセールス):リードにアプローチし、商談の機会を創出する。
- ③ Field Sales(フィールドセールス):商談を行い、契約を獲得する。
- ④ Customer Success(カスタマーサクセス):導入後の顧客を支援し、継続利用や追加契約を促進する。
各部門がそれぞれのKPIを追いながら連携することで、プロセス全体が効率化され、売上の最大化に繋がります。
【業界別】BtoBマーケティングの成功事例から学ぶ戦略のヒント

理論だけでなく、実際の成功事例を知ることは、自社の戦略を考える上で大きなヒントになります。
ここでは、私たちテクロ株式会社がご支援した事例を含め、業界別の成功事例をご紹介します。
【製造業の事例】専門コンテンツで月間資料請求0件→168件を達成(テクロ支援実績)
- 課題
- 技術的に優れた製品を持つものの、Webサイトからの問い合わせや資料請求が全くない状態でした。
- 専門性が高いため、どのようにWebで魅力を伝えれば良いか分からずにいました。
- 戦略・施策
- ターゲットである製造業の技術者が検索するであろう、専門的なキーワードを徹底的に分析しました。
- そのキーワードに対応する形で、技術的な課題解決に繋がる高品質なブログ記事や、詳細な技術データを含むホワイトペーパーを制作し、オウンドメディアで発信しました。
- 成果
- 施策開始後、徐々に検索流入が増加。
- 最終的に、Webサイトからの資料請求数を月間0件から月間168件にまで増やすことに成功しました。
- 成功のヒント
製造業のような専門分野では、ターゲットが求める「質の高い情報」を提供することが、信頼獲得とリード獲得に直結します。
【SaaS業界の事例】オウンドメディア運用でPV数300%増、SQL数を15%改善(テクロ支援実績)
- 課題
- ある程度の知名度はあるものの、新規リードの獲得数が伸び悩んでいました。
- 獲得したリードがなかなか商談に繋がらないという、リードの質の課題も抱えていました。
- 戦略・施策
- SEOを意識したオウンドメディアの立ち上げから運用までを一貫して支援。潜在顧客層向けのノウハウ記事から、比較検討層向けの導入事例記事まで、網羅的にコンテンツを制作しました。
- 獲得したリードに対しては、MAツールを活用。行動履歴に基づいたメルマガ配信でナーチャリングを行い、確度の高いリード(SQL:Sales Qualified Lead)を営業部門へ引き渡す仕組みを構築しました。
- 成果
- オウンドメディアのPV数は6ヶ月で300%増加。
- 営業へ引き渡すSQLの数は15%増加し、営業効率の大幅な改善に貢献しました。
- 成功のヒント
リードは「獲得して終わり」ではありません。MAツールなどを活用して適切に「育成」する仕組みを構築することが、成果の最大化に繋がります。
【IT・情報通信業界の事例】ABMで大手企業の重要アカウントを開拓
- 課題
- 幅広い企業にアプローチするマスマーケティングでは、本当に取引したい大手優良企業(ターゲットアカウント)へのアプローチが手薄になっていました。
- 戦略・施策
- 《ABM(アカウントベースドマーケティング)》戦略を導入。ターゲットアカウントを数十社に絞り込みました。
- 営業部門とマーケティング部門が連携し、各アカウントの課題やキーパーソンを徹底的にリサーチ。
- そのアカウントのためだけにカスタマイズした提案資料やセミナーを用意し、個別にアプローチを行いました。
- 成果
- ターゲットアカウントからの商談化率が従来の3倍に向上。
- 結果として、複数の大手企業との大型契約に成功しました。
- 成功のヒント
全てを網羅するのではなく、「選択と集中」が重要になるケースもあります。特に高単価な商材では、ABMが非常に有効な戦略となります。
BtoBマーケティング戦略でお悩みならテクロ株式会社へ
ここまでお読みいただき、「戦略の重要性は分かったけれど、自社だけで実行するのはリソースやノウハウが足りない…」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合は、ぜひ私たちテクロ株式会社にご相談ください。
私たちは、BtoB企業のリード獲得に特化した伴走型のWebマーケティング支援会社です。
- BtoB特化の専門性
私たちはBtoBマーケティング、特にSaaSや製造業などの専門領域に特化しています。BtoB特有の複雑な購買プロセスを熟知したプロフェッショナルが、貴社に最適な戦略をご提案します。 - 豊富なオウンドメディア運用実績
本記事でご紹介した事例のように、コンテンツマーケティングを軸としたオウンドメディア運用で、数多くの企業のリード獲得と事業成長に貢献してきました。 - データに基づいた戦略立案
感覚や経験だけに頼るのではなく、Google Analyticsや各種MAツールを駆使したデータ分析に基づき、論理的で再現性の高い戦略を構築します。 - 伴走型の支援体制
ツールや戦略を提供するだけでなく、貴社のチームの一員として、目標達成まで共に走ります。社内にマーケティング人材が不足している場合でも、安心してご依頼いただけます。
【テクロ支援】 成功事例①:株式会社LGブレイクスルー「自治体ビジネスドットコム」

| メディア名 | 自治体ビジネスドットコム |
| メディアURL | https://www.b2lg.co.jp/jichitai/ |
| コンセプト・テーマ | 自治体ビジネスを成功に導くための情報発信 |
| 運営会社 | 株式会社LGブレイクスルー |
| 公開時期 | 2017年 |
| 目的 | ・リードの獲得 ・新規顧客獲得 |
「自治体ビジネスドットコム」は、地方自治体や官公庁からの業務を受託するためのソリューションを提供している企業です。
以前からオウンドメディアを導入していましたが、Webでは企業との接点がないと考えており、オウンドメディアの運営が進められていない状態でした。
状態を打破するべくコンテンツマーケティングを実施し、半年経過した頃にはPVが約20倍まで成長しました。
ここまでの成長を遂げた理由は、コンテンツを作成する際に数値のデータとして変化を記録し、改善を模索したことです。
オウンドメディアを事業に活用するという目的も達成されました。
同社は小さな会社でありながら、オウンドメディアを活用することで営業の自動化に成功した事例です。
参考:【半年でPV20倍】オウンドメディアでサイト流入数を増加|株式会社LGブレイクスルー様
株式会社LGブレイクスルー様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。
【テクロ支援】成功事例②:株式会社ジェイアンドユー「PAPER AD」

| メディア名 | PAPER AD |
| メディアURL | https://j-you.co.jp/blog/ |
| コンセプト・テーマ | オフライン広告の情報を発信 |
| 運営会社 | 株式会社ジェイアンドユー |
| 公開時期 | 2020年 |
| 目的 | ・リードの獲得 ・新規顧客獲得 |
広告代理店である株式会社ジェイアンドユー様はオウンドメディアの立ち上げから支援させていただいており、オウンドメディアの「PAPER AD」を立ち上げ、運用を続けたことで、これまで問い合わせのなかった業界からの新規リードの獲得することに成功しました。
その後、リード情報の管理やナーチャリングのためHubspotの導入支援をさせていただきました。
営業フローの整理やHubSpotの設定を行い、営業の一元管理と効率化に成功。営業や在庫の状況を可視化したことで売り上げが5%アップしました。
事例の詳細は以下からご覧いただけます。
参考:「オウンドメディアで他業種からの問い合わせと営業のモチベーションアップを実現|株式会社ジェイアンドユー様」
参考:「【売上5%UP】HubSpotの運用支援で営業の可視化に成功。売上・利益率が前年より大幅アップした施策とは|株式会社ジェイアンドユー様」
株式会社ジェイアンドユー様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。
【テクロ支援】 成功事例③:株式会社リロクラブ「RELO 総務人事タイムズ」

| メディア名 | RELO 総務人事タイムズ |
| メディアURL | https://www.reloclub.jp/relotimes/article |
| コンセプト・テーマ | 総務人事に関する情報発信 |
| 運営会社 | 株式会社リロクラブ |
| 代行時期 | 2023年 |
| 目的 | ・リードの獲得 ・新規顧客獲得 |
株式会社リロクラブは福利厚生の代行サービスを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「RELO 総務人事タイムズ」を運営しています。
非常に強いドメインパワーとPVがありましたが、お問い合わせまでつながらないのが課題でした。
そこで弊社にオウンドメディアの運用代行を依頼いただき、CVを意識したキーワード選定やサイト改善を行い、問い合わせの増加に成功し、より売り上げに貢献できるメディアに成長しました。
CV最適化によって売り上げが伸びた成功事例です。
参考:商材に近いキーワード選定とサイト改善でメディアのCVを最適化。信頼と安心の伴走型サポートとは|株式会社リロクラブ様
株式会社リロクラブ様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。
【テクロ支援】 成功事例④:株式会社NTT印刷「カチアルサポート」

| メディア名 | カチアルサポートオウンドメディア |
| メディアURL | https://kachiarusupport.nttprint.com/column |
| コンセプト・テーマ | BPOサービスに関するサービス紹介 |
| 運営会社 | 株式会社NTT印刷 |
| 代行時期 | 2024年 |
| 目的 | ・リードの獲得 ・新規顧客獲得 |
株式会社NTT印刷はBPOサービスを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「カチアルサポートオウンドメディア」を運営しています。
社内のリソースが限られるなかで月1~2回の展示会出展など他の施策も回しながら、オウンドメディアに各種コンテンツを用意しなければならなかったので、リソース面でも知見の面でもパートナーが必要だと考えられていました。
オウンドメディア運用の外注により、社内工数を削減しながら、結果を出した成功事例です。
参考:本質的なコンテンツ作成でPV、CVアップに成功。担当者への丁寧な寄り添いと豊富な知見による支援とは | NTT印刷株式会社様
株式会社NTT印刷様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。
【テクロ支援】 成功事例⑤:株式会社JAFメディアワークス「JAFトレコラム」

| メディア名 | JAFトレコラム |
| メディアURL | https://jaf-training.jp/column/ |
| コンセプト・テーマ | 交通安全に関する情報発信 |
| 運営会社 | 株式会社JAFメディアワークス |
| 代行時期 | 2024年〜 |
| 目的 | ・リードの獲得 ・新規顧客獲得 |
株式会社JAFメディアワークスはJAF交通安全トレーニングを提供する会社で、自社のオウンドメディアとして「JAFトレコラム」を運営しています。
社内にマーケティング部がない状態。集客に取り組んでみたものの、「これで効果が出ているのだろうか」「どんな施策が一番効果があるのだろう」といった悩みがありました。
そこでテクロのオウンドメディア支援にご依頼いただき、メディアの立ち上げからPVとCV獲得までサポート。コンテンツを通したリード獲得に成功しています。
参考:オウンドメディアの新規立ち上げからPV、CV獲得まで伴走。依頼の決め手となったデータドリブンな提案とは | 株式会社JAFメディアワークス様
株式会社JAFメディアワークス様のコンテンツマーケティングを担当した株式会社テクロの実績は「実績ページ」で紹介しています。
まとめ:明日から始めるBtoBマーケティング戦略の第一歩
本記事では、BtoBマーケティング戦略の基本から、具体的な立て方、施策、成功事例までを網羅的に解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返ります。
- BtoBとBtoCの違いを理解する:BtoBは論理的で長期的な関係構築が鍵。
- 戦略は7つのステップで立てる:現状分析からPDCAまで、論理的な手順を踏むことが重要。
- 施策は目的別に選ぶ:リード獲得(ジェネレーション)と育成(ナーチャリング)の2軸で考える。
- データに基づいて改善を続ける:戦略は立てて終わりではなく、常に進化させるもの。
この記事を読んでくださった皆様が、明日からBtoBマーケティング戦略の第一歩を踏み出すために、まずは以下のどちらかから始めてみてはいかがでしょうか。
- 自社の「強み」と「弱み」を書き出してみる(SWOT分析の第一歩)
- 「理想の顧客はどんな企業・担当者か?」をチームで話し合ってみる(ペルソナ設定の第一歩)
小さな一歩が、大きな成果へと繋がっていきます。
この記事が、皆様のビジネスを成功に導く一助となれば幸いです。
なお、テクロ株式会社では、BtoBマーケティングの戦略設計についてまとめた資料「成功するBtoBマーケティング計画の立て方」を無料で配布しています。
マーケティング戦略立案でよくある悩みとその解決策について知りたいBtoB企業様は、ぜひ参考にしてください。
成功事例から学ぶBtoBマーケティングのヒントは何ですか?
成功事例では、専門的なコンテンツ制作やMAツールの活用、ターゲットの絞り込みや顧客ニーズに合わせた情報提供が成果につながっています。例えば、技術者向け高品質コンテンツやオウンドメディア運用の強化が効果的です。
効果的なBtoBマーケティング戦略を立てるために役立つフレームワークは何ですか?
効果的な戦略策定には、SWOT分析、STP分析、4P/4C分析、そしてThe Modelが役立ちます。これらのフレームワークは、自社の現状把握や市場の細分化、顧客視点の施策立案、組織間連携強化に有効です。
BtoBマーケティングの基本的なプロセスは何ですか?
BtoBマーケティングの基本プロセスは、リード獲得(リードジェネレーション)、リード育成(リードナーチャリング)、リード抽出(リードクオリフィケーション)、商談・成約、そしてカスタマーサクセスの順に進みます。長期的な関係と段階的な情報提供が重要です。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの主な違いは何ですか?
BtoBマーケティングは企業や組織を対象に、複雑な購買意思決定や長期的な関係構築を重視します。一方、BtoCマーケティングは個人消費者を対象としており、短期的な意思決定や感情的な購買動機に影響されやすい特徴があります。顧客属性、購買決定のプロセス、関係性の長さなどが異なる点です。
なぜBtoBマーケティングに戦略が不可欠なのか?
BtoBマーケティングでは、長期的な関係構築と論理的な購買決定プロセスに対応するため、明確な戦略が必要です。戦略がなければ施策が場当たり的になり、無駄なコストや効率の悪化、部門間の連携不足につながるため、成功を収めるのは難しくなります。




