ネタ切れに困らない!独自性のあるコンテンツの作り方【ネタ探しに困らないコンテンツマーケティングのやり方とは ネットリサーチ×コンテンツマーケティング活用術セミナー】
優良なコンテンツは二次利用、三次利用も容易で中長期的に使えます。
しかし、ネタが切れて長続きできなかったり、ネタ作りに四苦八苦していたりする方は多いのではないでしょうか?
今回は、2023年1月24日(火)に開催された「ネタ探しに困らないコンテンツマーケティングのやり方とは ネットリサーチ×コンテンツマーケティング活用術セミナー」のウェビナーレポートを紹介します!
講師紹介
榎本 涼(エノモト リョウ)
アイブリッジ株式会社 SaaS事業部 シニアマネジャー
入社して10年以上に渡り、インターネットリサーチを中心にアイブリッジグループのソリューションを販売。テレビ局・出版社からメーカーや代理店など300社を超える企業を担当。セルフ型アンケートツール「フリージー」ではマーケティングからセールス、カスタマーサクセスなどビジネスサイド全般を担当。
天野央登(アマノ ヒサト)
テクロ株式会社 代表取締役
テクロ株式会社CEO。⼤学2年⽣時に起業。留学メディア「交換留学ドットコム」を1年半ほど運⽤し事業売却。その後はコンテンツマーケティングの知⾒を活かして、Webマーケティングの顧問事業を開始。BtoBマーケティングを中心にSEO・MAツールに詳しい。
本ウェビナーの趣旨について
優良なコンテンツは中長期にわたって、新規顧客開拓や既存顧客の満足度向上などさまざまな目的に利用できます。
しかし、優良なコンテンツは誰でも手軽にできるわけではありません。
特に、「ネタ探し」に苦労している方は多いのではないでしょうか?
本記事では、コンテンツマーケティングの根幹といえる「ネタ探し」の方法とコンテンツの利用方法などを事例を交えて紹介します。
本記事はこのような方におすすめの内容です。
- コンテンツマーケティングのネタ探しに悩んでいる方
- 自社のコンテンツマーケティングをよりブラッシュアップしたい方
- コンテンツマーケティングのやり方を知りたい方
- コンテンツマーケティングの二次利用、三次利用について知りたい方
毎月10本のコンテンツを生み出すネタ探しの方法
天野:「コンテンツが何の役割を果たすのか」と考え方ことはありますか?
集客するのか、集客するお客様を暖めるのかなどコンテンツは目的に応じて質感や中身が変わってきます。
ネタを探すときも同様です。
「何のためにネタを探すのか」目的意識を持たないと、ネタの方向性を見失いがちになってしまいます。
テクロのコンテンツマーケティング方法
天野:テクロは、自社を知らない人が自社を知ってもらうために実施するコンテンツ作りが得意です。
コンテンツを見た人が自発的に自社と連絡を取り、かつ自社にほぼ決めている段階まで持っていきます。
本来なら営業パーソンが担っていた役割をコンテンツが代替えできます。
営業の代わりになるコンテンツを作るには、顧客の状況に合わせて発信手法や内容を変更していくことが重要です。
天野:現在は、SNSをはじめとしていろいろな発信方法がある中で、テクロの主要なコンテンツは「オウンドメディア」です。
オウンドメディアとは、Googleで検索したときに上位に表示し、ユーザーの流入を図る手法です。
オウンドメディアをしっかりと作り込むことで、ホワイトペーパーや共催セミナーで「リード獲得」し、メールマガジンなどで「リード育成」を経て商談化まで持っていきます。
コンテンツマーケティングの2つの課題
天野:自社でマーケティングをする場合、2つの課題が立ちはだかることがよくあります。
1つ目は、自社コンテンツ作成の社内リソースが足りないことです。
これは、コンテンツ作成がうまくいかない一番の原因になります。
集客するためのコンテンツは作り込みが必要で、ブログ記事1本につき5,000~1万文字執筆します。
月10本のコンテンツを作るなら、月々5万~10万文字が必要です。
社内のリソースだけではこれだけのレベルのコンテンツを作り続けるのは、どうしても難しいでしょう。
2つ目は、コンテンツのネタ切れで更新が滞こってしまうことです。
自社ブログを解説したとき、最初はいろいろな部署の人たちと協力して記事を書くと一時的に盛り上がります。
しかし、日常業務に忙しくしているうちに、どうしても更新が滞りがちになります。
テクロは、2つの課題を解決し企業のコンテンツマーケティングの成功をサポートする取り組みを実施している会社です。
ネタ切れを起さず、自社でリソースを探してコンテンツを作成していきます。
テクロが実施しているコンテンツマーケティング
天野:テクロでは、
- ホワイトペーパー19本
- メルマガ100本
- 記事作成120本
- ウェービナー年30回
顧客から依頼されるものを含めると、年間1,000本いかないくらいでしょうか。
なぜ、ネタ切れなく継続してコンテンツを配信し続けられるのかポイントを紹介します。
継続してコンテンツを配信していくポイント
天野:継続してコンテンツを発信していくには、以下の3つのポイントがあります。
- 顧客の深い理解
- キーワード選定
- 二次利用
コンテンツを作成する際、欠かせないのが顧客に対する深い理解です。
言い換えれば、誰に記事を読んで欲しいか明確にすることが重要になります。例えば、読者の対象を絞ったり、質問リストを作ったり、カスタマジャーニーマップを作成したりが当てはまります。
キーワード選定とは、集客に必要なユーザーが調べているキーワードを選ぶ作業のことです。
Google独自のツールを使って調べてピックアップしています。
コンテンツの二次利用は、一度作ったコンテンツをそのままにするのではなく、切り貼りして他の媒体で再利用することです。
ポイント1.顧客の深い理解
天野:顧客は、
- 既存顧客
- 潜在層
- 潜在顧客
例えば、営業に困っているお客さんがいて、自分たちの会社が営業代行をしているとしましょう。
潜在顧客の場合は、検索する際「営業 コツ」「営業 スクリプト」といった抽象的な語句で検索します。
一方、潜在層は「営業代行 おすすめ」「営業代行 ランキング」と具体的な方法が分かっているので、検索内容が具体的です。
既存顧客は、すでに自社の顧客のため、営業代行をどのように使えばいいかなど活用法を発信していくメールマガジンなどのコンテンツが必要です。
つまり、顧客によって欲しいコンテンツはそれぞれ違います。
そのため、この段階にいる顧客は何を求めているか、常に考えて顧客視点で見ることが重要です。
そうすれば、コンテンツのアイデアが出てきやすくなります。
天野:これに加えて、営業やイベントでかけられた質問をまとめておいたり、質問や要望の内容を分かりやすくまとめてメールマガジンとして配信したりすると、後々ネタ切れに困らなくなります。
天野:ほかの有効手段は、ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成があります。
ペルソナの設定とは、コンテンツを必要としている顧客の想定です。
カスタマージャーニーマップとは、ペルソナがコンテンツで紹介していることを欲したとき、どのような行動を取るのかを想定したマップのことです。
この2つを用いることにより、具体的で詳細にどのようなコンテンツを作っていいか分かってきます。
また、営業やマーケティングメンバーが複数いる場合、個々にコンテンツの作成を任せていると、まったく別のペルソナを想定していることもあるでしょう。
ペルソナやカスタマーズジャーニーマップの作成は、コンテンツを作成するメンバーそれぞれの目線を合わせるためにも有効です。
ポイント2.キーワード選定
天野:顧客の具体的なイメージが湧いたらキーワード選定に入ります。
キーワードの選定は、以下の6つのステップを踏んでいきます。
- キーワードシートの作成
- ビックキーワードの選定(月間の検索ボリュームが1,000件以上のもの)
- ビックキーワードの検索VOLを調べる
- 複合キーワードの選定(2語~3語でできているキーワード)
- 複合キーワードの検索VOLを調べる
- キーワードを検索エンジンにかける(競合を見ながら、キーワードが合っているか確かめる)
キーワードシートを作成すれば、管理や執筆状況の共有に役立ちます。
天野:ビックキーワードの選定は以下のような手順で実施してみてください。
- ペルソナになりきって検索キーワードを想像する
- 競合サイトからキーワードを抽出
- キーワードプランナーで関連キーワードを抽出
コンテンツによっては、ビックキーワードを探すのが大変なものもあります。
そのようなときは、有料サイトを利用して競合サイトからキーワードを抽出してもいいでしょう。
テクロでも、有料サイトを利用してキーワードの抽出をしています。
天野:キーワードプランナーを使えば、月間のビックキーワードボリュームを一括で確認できます。
検索ボリュームの大きな順でキーワードを選定していきますが、あまり大きなキーワードばかりを利用すると競合他社と競うことになるため、調整が必要です。
少し小さめか、中間くらいのキーワードを選択するといいでしょう。
天野:ボリュームが1,000件以上のキーワードは、さらにラッコツールで調べます。
ラッコツールとは、ビッグキーワードを検索すると複合キーワードを拾ってくれるツールです。
天野:複合キーワードのツールを使って、再度ボリュームを調べていきます。
ボリュームによって選定したキーワードをGoogleのシークレットモードで検索し、検索ニーズを確認しましょう。
Googleの通常の検索画面だと、検索地域などからGoogleが個別に検索結果を最適化してしまうため、正確な結果が分かりません。
シークレットモードで調べたら、検索結果が半分以上かぶっていたり、逆にニーズがないキーワードは削除や統合をします。最後にキーワードを整理して、キーワードの選定は完了です。
ポイント3.二次利用について
天野:作成したコンテンツは、二次利用、三次利用することによって中長期的に利用ができます。
アクセス数が多かった記事を再編集してメルマガ・ホワイトペーパーに利用する、ウェビナーを実施などするのが二次利用です。
三次利用の手法は、
- メルマガ・ホワイトペーパーの配信
- アーカイブの配信
- ウェビナーレポートの配信
コンテンツの一部を利用するだけでも、新たなコンテンツを発信できます。
コンテンツマーケティング作成の秘訣
天野:コンテンツマーケティングは継続的に創り続けることが重要です。
SEOコンテンツ変化が現われるのはおよそ10ヶ月後が平均となっています。
その前に結果が出ることもありますが、10ヶ月以上はみたほうが失敗しないでしょう。
ネットリサーチを活用した独自性の高いコンテンツの作り方
榎本:ここからはアイブリッジ株式会社 SaaS事業部 シニアマネジャーの榎本が担当します。まずは、弊社の紹介を簡単にします。
榎本:弊社は「ネットリサーチをもっと自由に簡単に」をコンセプトにセルフ型アンケートツール「Freeasy(フリージー)」などさまざまなコンテンツを提供している会社です。
榎本:創業は、1999年で「発信者と受信者の架け橋になる会社」を目指し、日々努力を積み重ねています。
2007年より講談社との業務提携を開始しました。
BtoBマーケティングでネットリサーチを使ったコンテンツは用意できる
榎本:皆さんの中には、BtoBマーケティングとしてネットリサーチを使ったコンテンツを作れるのか、と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
BtoCといわれる企業と顧客の間では、アンケートなどを利用すればコンテンツ作成は容易といったイメージもあります。
一方で、BtoBではネットリサーチは難しいというイメージを持つ方は多いのではないでしょうか?
結論を申し上げると、BtoBマーケティングでネットリサーチを使ったコンテンツは作れます。
対象者を絞り、顧客が欲しい情報を取得することで、ネットリサーチを用いたコンテンツ造りは可能です。
では、実際にどのようなコンテンツが作れるのか、弊社の事例を紹介します。
アイブリッジ株式会社でネットリサーチを使ったBtoBマーケティング事例
榎本:Freeasyでは、ブログをオウンドメディア化していいます。
ノウハウやセミナーの情報などブログで一括して発信しており、その中で今回は「調査レポート」の項目を紹介します。
目的はテクロさんが言ったように、新規の見込み客の開拓と獲得したリードの育成などがありますが、弊社では既存のお客様とのコミュニケーションの一環として調査をしています。
今回の事例で使っている「【マーケティングマネージャーのホンネを調査】人脈の広げ方や転職・副業の実態とは?」は、顧客のマーケターの方からの要望で作成しました。
マーケターがスキルアップをして、マーケティングマネージャーになったときの業務内容や転職を考えている方、副業の実態などを知りたいという要望を叶える形です。
アンケートは、ビジネスパーソンが2万5,000人いる中、700人のマーケティングマネージャーを抽出して調査しました。
出現率は3%です。
榎本:ネットリサーチであればコアなターゲットにアプローチが可能です。
BtoBの場合は、ターゲットを絞り込んでアンケート結果をコンテンツ化すれば、マーケティングにも利用もできるでしょう。
リサーチのポイント
榎本:ネットリサーチというと難しく思えますが、一般的な質問であっても、対象者を絞り込むことでオリジナルの調査ができます。
榎本:例えば「注力すべき課題は?」「転職を考えていますか?」といったよくある調査も、対象を絞り込むことでオリジナルの調査ができます。
ターゲットの絞り方は、職業や地域、対象者が置かれている条件などさまざまな方法があります。
オリジナルの自主調査をするだけで、独自性の高いコンテンツができます。
実際の効果
榎本:実際のデータを見てみましょう。
弊社では、以前「新入社員の許せない行動No.1は?[職場に関するアンケート結果]」という自主調査をしました。
新入社員の許せない行動をアンケートしたもので「遅刻」などがあげられています。
リリースして数年が経っていますが、月々ある程度PVがある状態です。
また、毎年4月の新入社員を迎える頃になるとPVが跳ね上がっています。
2020〜2021年と2021〜2022年でPV数が安定しているため、SEOに強いコンテンツであり、中長期的な資産となっているといえます。
調査データの二次利用の方法
榎本:調査データは、以下のような二次利用が可能です。
- 調査結果をブログで記事にすることでコンテンツのSEO対策が可能
- 調査レポートのホワイトペーパー化
- リード獲得施策として新規+既存顧客にもメルマガ配信
- 調査PRとしてプレスリリース配信(PRTIMESなど)
- 広報施策
調査データは、新規見込み客と既存顧客の両方に活用できるという強みがあります。
例えば、調査レポートをホワイトペーパー化して、リード情報の獲得施策として活用できます。
自主調査とコンテンツを組み合わせるとさらに相乗効果が得られることもあるでしょう。
これから始めたい方は、世の中の調査レポートなどを参考にしながら作るといいかと思います。
他社で自主調査を活用した事例
榎本:他社で自主調査を使った事例は、以下のようなものがあります。
榎本:まずは、bellFaceです。
2020年に「オンライン商談に関する実態調査」を実施しました。
BtoB向けで、対象者を経営者や営業職に絞り込んでいます。
榎本:株式会社JTBビジネストラベルソリューションズでは、企業の会計や経理、財務担当者を対象に「改正電子帳簿保存法に関する調査」をしました。
さらに、株式会社JTBビジネストラベルソリューションズが提供するJ’sNAVI NEOでは、2021年5月〜2022年4月の期間に3ヶ月に一回以上の頻度で宿泊を伴う国内出張に行く経営者と会社員の500人を対象に「国内出張に対する意識調査」を実施しました。
効果的にコンバージョンにつなげている事例は、花王とananがお歳暮の販促を目的にしたコンテンツです。
Amazonの特設ページで「お嫁さんからお歳暮をもらったらどう思いますか?」というアンケート結果を紹介したコンテンツを活用していました。
最終的にAmazonの商品を紹介して、コンバージョンにつなげています。
このように、対象を絞り込むことでBtoBマーケティングに使用できます。
オウンドメディアを持っていない場合は、noteなどを使っていただくのもいいですね。
自主調査企画の流れ
榎本:自主調査企画は以下のような流れで実施します。
- コンテンツが届けたい対象者を絞る
- 読み手が気になる情報やコンテンツのトピックスを考える:仮説を考える
- 調査対象者を考える:対象条件で差別化
もう少し具体的に手順を説明すると、以下のようになります。
- 調査概要をまとめる
- 手段や目的、対象者など
- 質問リストを作る
榎本:画像は質問リストの作り方の一例ですが、大分類・中分類・小分類と質問を細かくしていき、最後の小分類が実際の質問になります。
自主調査のメリットを改めてまとめると、以下の通りです。
- 独自性の高いコンテンツになる
- 二次利用・三次利用ができる
- SEO対策となり、中長期期的な資産になる
- 定点調査を実施することでネタに困らなくなる
質疑応答
天野:参加者の皆様からいただいたご質問に回答します。
調査の対象者の選別方法はとんな感じで実施しますか?
榎本:すでにFreeasyで回答されている職業であれば、そこで対象者を絞れます。
ニッチな対象の場合は事前調査をして、結果から対象者をさらに絞り込んで選別していき、本調査をして2段階で絞り込めます。
天野:調査の分母数は不足しませんか?
榎本:母数は不足することはあるので、ニッチすぎる対象のときは注意が必要です。
1,000人くらいスクーリングを取って、調査可能かどうかを調べると効率よく調べられるでしょう。
ハウスリストについてのナーチャリング向けのコンテンツのネタ探し方を教えてください。
榎本:ハウスリストのお客さまがどのような情報を求めているか考えるのがいいと思います。
ナーチャリング向けの場合は届けたいターゲットをより絞ることが重要です。
天野:テクロの例では、実際にいただいたお問い合わせ内容を活用しています。
カスタマジャーニーの段階に合わせてコンテンツを変えていますね。
プレスリリースにかける時間の目標はどのくらいですか?
榎本:1ヶ月くらいはかかっています。
調査設計に2週間ぐらいです。
残り1週間でレポート作成してプレスリリースへ入稿するのが、およそのスケジュールです。
1つのコンテンツと考えると結構時間がかかりますが、独自性の高いコンテンツが作れるため、許容しています。
最後に
榎本:今回いろいろ共催セミナーを開催させていただいて分かったのですが、最初は他社さんの成功例を参考にすることが大事だと思いました。
天野:業界にも寄りますが、ITとかは分かりやすいです。
製造業などは分かりにくいので、提案する際には他社さんの例を使えないこともあります。
IT系は量、製造業は質という感じですが、微妙な業界ごとの特性をつかむことも重要だと感じました。
榎本さん最後に一言いただけますでしょうか?
榎本:本日はありがとうございました。
ネットリサーチを活用されている方も、これから導入しようと考えている方も、アンケートを試してもらえると、独自性のあるコンテンツが作れると思います。
まずは一歩踏み出してみてください。
天野:ありがとうございます。
私も今回学びが多かったです。
本日はありがとうございました!