【混同注意】SEOとコンテンツマーケティングの違いを詳しく解説!
コンテンツマーケティング施策として、オウンドメディアや自社ブログの運用を始める方は多いのではないでしょうか。
SEO対策をしたおかげでサイト訪問数やPV数が増えてきたという方は、これから現れるであろうコンテンツマーケティングの効果を期待しているかもしれません。
しかし、SEOだけに力を入れていてもコンテンツマーケティングの成果は上がらないのです。
コンテンツマーケティングはすなわちSEOだと誤解されがちですが、これらを混同しているとさまざまなリスクがあります。
この記事では、SEOとコンテンツマーケティングについてその違いから詳しく解説していきます。
テクロ株式会社では、Webメディアの基本から立ち上げ、運用の仕方などを徹底解説したホワイトペーパー「Webメディア作成マニュアル」を無料配布中です
下のバナーから資料請求できますので、興味を持たれた方はぜひご覧ください。
目次
SEOとは
SEOはSearch Engine Optimizationの頭文字を取った略称で、日本語に訳すと「検索エンジン最適化」になります。
検索エンジン最適化とは、主にGoogleの検索エンジンで表示される検索順位を上位にするための施策です。
特定のキーワードでコンテンツの検索順位が上位になれば、それだけユーザーの目に留まりやすくなるため、Webサイトへの流入数は増加します。
コンテンツやWebサイトの閲覧数が増えれば、商品やサービスをそこで初めて知る潜在顧客を集客することが可能です。
見込み顧客(リード)をどんどん集客していくには、SEO対策が必須といえます。
SEO施策の具体的な方法は、サイト内の整備をしていく内部対策とサイト外とのつながりを作る外部対策の2種類です。
内部対策の例としては、次のような方法が挙げられます。
- 内部リンクの設置などサイト構造の整備をする
- titleタグ、discriptionタグなどを適切に使用する
- モバイル表示への対応を行う
一方、外部対策の例には次の方法があります。
- 他サイトからの被リンクを獲得する
- 他サイトでサイト名や運営企業名を引用される
このような方法で、Googleが設計した検索アルゴリズムに対して最適なコンテンツやサイトを作成・調整していく施策がSEOです。
適応すべき検索アルゴリズムはGoogleが日々アップデートしており、特に年2〜3回大規模なコアアップデートが行われます。
SEO対策に重要なGoogleアップデートの変遷
検索アルゴリズムとは、Webページの検索順位を決めるための計算システムです。
計算は複雑かつ膨大であり、その具体的な内容については外部に知らされていません。
システムの大きな改変を伴うコアアップデートは年2〜3回実施されており、そのたびに新しく検索順位を決める要因が付け加えられてきました。
ここでは、これまでアップデートによってどのように検索順位が影響されてきたのかを簡単に解説します。
ペンギンアップデート・パンダアップデート
2012年4月にペンギンアップデート、同年7月にパンダアップデートが実行されました。
これらのアップデートで、ユーザーにとって質が低いと判断されるコンテンツは上位表示されなくなりました。
具体的にいうと、独自性・専門性が低く内容の薄いコンテンツや他サイトのコピーを流用しているサイトなどは軒並み順位が下がったようです。
また、スパムサイトからの被リンクや、Googleが発表しているWebマスター向けのガイドラインに違反しているWebページについても順位が下がるようになりました。
モバイルフレンドリーアップデート・モバイルファーストインデックス
2015年4月に実行されたモバイルフレンドリーアップデートでは、スマートフォンなどのモバイル端末に対応しているWebサイトが上位表示されるようになりました。
さらに2018年3月のモバイルファーストインデックスによって、Webサイト評価の基準がこれまでPCサイト中心だったのが、モバイルサイト中心に変更されたのも大きな変化です。
今までPCサイトにしか対応していなかったサイトは、モバイル表示への対応も求められるようになりました。
スピードアップデート
2018年7月には、Webサイトのコンテンツを表示するスピードに関しても検索順位を決めるための要因するアップデートが発表されました。
ページの表示スピードがただ速ければいいというものではなく、ユーザーにとって有益なコンテンツならば検索順位は上位になります。
しかし、あまりにも遅い場合には順位に影響を受けるようになりました。
BERTアップデート
2019年12月のBERTアップデートで検索アルゴリズムにAIが導入され、自然言語処理技術が用いられるようになりました。
これによって検索エンジンによる検索キーワードへの理解度が上がり、より検索結果の精度が上がるようになったのです。
ユーザーの検索意図により近い結果を表示できるようになったため、コンテンツを配信する側としてはさらにユーザーの検索意図に寄り添った内容を目指して作成していく必要があります。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、コンテンツの配信を通して行うマーケティング手法です。
コンテンツにはテキストベースの記事だけでなく、動画やSNS、ウェビナー、さらにはDMやチラシなどオンラインに限らずオフラインのコンテンツも含まれます。
ユーザーにとって価値がある情報をコンテンツとして発信していくことで、問い合わせなどのコンバージョンや購買行動に至るまで顧客を育成していくのがコンテンツマーケティングなのです。
ユーザーの悩みや問題に対し、適切なタイミングでコンテンツを提供することによって、製品・サービスに興味がある段階の潜在層から見込み顧客、顕在層を経てファンになってもらうまで育成していきます。
コンテンツは、ユーザーにとって価値がある内容であることが重要です。
サイト内に質のよいコンテンツが蓄積していくことで、サイトの価値も高まります。
そしてSEOにとってもまた、コンテンツの質は重要なポイントです。
コンテンツマーケティングとSEOの関係とは、SEOがコンテンツマーケティングの方法の一つといえるでしょう。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを発信して自然検索からの流入を目指す手法で、内部リンク対策などと同様SEO施策の一つです。
コンテンツの質を高めることでWebサイトへの安定的で長期的な集客を期待できるため、コンテンツマーケティングには欠かせない施策だといえます。
SEOとコンテンツSEO、コンテンツマーケティングは混同されやすい用語ですが、厳密にはそれぞれ意味や役割が違うので注意が必要です。
コンテンツSEOについてさらに詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:コンテンツSEOの効率的な取り組み方を7つのステップを徹底解説
SEOとコンテンツマーケティングの5つの違い
SEOとコンテンツマーケティングはそれぞれ検索エンジンに対する施策とマーケティング手法であり、そもそも役割が異なります。
それゆえ、それぞれの目的やターゲット層などにも大きな違いがあるのです。
ここではSEOとコンテンツマーケティングの違いについて詳しく解説していきます。
1.目的
SEOとコンテンツマーケティングの大きな違いの一つに、それぞれの目的があります。
SEOの目的は、Webサイトのアクセス数を増やすために検索結果の上位表示を目指すことです。
一方でコンテンツマーケティングの目的は、コンテンツの継続的な発信ではありません。
コンテンツマーケティングの最終的な目的になるのは、問い合わせ数や購買数の増加といったコンバージョンの獲得にあります。
そのために、ユーザーにとって有益なコンテンツを継続的に発信しているわけです。
2.ターゲット層
SEOのターゲットになるのは、主に検索エンジンでサービスや商品につながるキーワードを検索している層です。
これからサービス・商品へ興味を持ってくれることを期待できる潜在層が主なターゲットになります。
一方コンテンツマーケティングの場合は、SNSなど発信するコンテンツによっては潜在層とすでにサービスを知っている顕在層の両方がターゲットです。
3.対象となるコンテンツ
SEOの場合、対象になるコンテンツはテキストコンテンツがメインです。
コンテンツマーケティングでは、テキストコンテンツがメインになるブログやオウンドメディアだけでなく、メルマガやSNS、ホワイトペーパー、動画などもコンテンツとして発信する対象になります。
4.対策方法
SEOとコンテンツマーケティングは、対策方法にも違いがあります。
SEOではユーザーの検索意図を満たすようなコンテンツを作成し、蓄積していくことでWebサイトの質を高めていきます。
一方、コンテンツマーケティングはユーザーに対して有益なコンテンツを配信することが最も大切です。
そのため、時には検索意図に沿ったものよりもユーザーの悩みや問題に対して答えを提示していく記事やコンテンツを配信していくことが重要な対策になります。
5.流入経路
SEOでの流入経路は検索エンジンですが、コンテンツマーケティングでは検索エンジンからの流入はもちろん、SNSやその他のコンテンツからの流入が見込めます。
コンテンツマーケティングにおける流入経路や顧客接点(チャネル)の多さは、コンテンツを通して顧客育成を行うにあたって大きなメリットなのです。
コンテンツマーケティングとSEOを混同しているときのリスク3つ
コンテンツマーケティングは、テキストコンテンツなどのSEO対策さえできていれば十分だと考えている方はおられないでしょうか。
コンテンツマーケティングはテキスト主体の記事コンテンツだけでなく、ホワイトペーパーやウェビナー、メルマガ、SNSなどさまざまなコンテンツを活用して行うマーケティングです。
ここでは、コンテンツマーケティングとSEOを混同していることでどのようなリスクが生まれるかを解説します。
1.サイト訪問数が多いのにコンバージョンにつながらない
ありがちな事例として、SEOによってWebサイトの訪問数が増えたことで満足してしまっているケースがあります。
コンテンツマーケティングとしての成果を求めるならば、ユーザーに顧客行動や問い合わせ行動といったコンバージョンを促さなければなりません。
バナー設置やホワイトペーパー配布フォームへのリンク設置などコンバージョンへの導線を設置しなければ、せっかくコンテンツの閲覧数が増えても効果がないのと同じになります。
さらにSEO=コンテンツマーケティングという意識が強いと、記事コンテンツも集客に特化した内容だけになりがちです。
コンテンツマーケティングでは、あくまでユーザーに有益な情報を提供してファン化を目指すのが目的です。
そのため、SEO的にはあまり上位表示を期待できない内容のコンテンツも積極的に作成する必要があります。
2.検索エンジンからの流入数が増えない
逆に、ホワイトペーパーやメルマガを作成して配信し続けるだけでは検索エンジンからの流入は見込めません。
せっかく作成したコンテンツをユーザーに閲覧してもらうためにも、検索意図にそった質の高い記事を公開して検索エンジンから集客していくことが大切です。
3.検索エンジン以外から集客できない
とはいえSEOだけに注力していては、検索エンジン以外からの集客が見込めないこともまた問題になってきます。
検索エンジンは幅広い年代で活用されているツールで、ユーザーとの接点として重要なのは間違いありません。
しかし、昨今では若い世代を中心にSNSを活用した情報収集も広がっており、SNSを活用することでコンテンツマーケティングの効果を高めることが可能です。
コンテンツマーケティングを成功させるSEO施策のポイント5つ
SEOはコンテンツマーケティングにとって欠かせない施策の一つです。
しかしコンテンツマーケティングの効果を最大限に高めるには、コンテンツマーケティングに適するポイントを抑えて実施する必要があります。
ここでは、コンテンツマーケティングにおけるSEO施策のポイントを解説します。
【ポイント1】商品・サービスに関連した検索ニーズからコンテンツを検討する
SEO対策をする前に、自社の商品・サービスに関してどのような検索行動があるかを検討する必要があります。
検索エンジンを使った検索意図には、次の4種類があります。
- Knowクエリ(知りたい)
- Goクエリ(行きたい)
- Doクエリ(やりたい)
- Buyクエリ(買いたい)
クエリとは「検索クエリ」のことです。
検索クエリは、検索でユーザーが実施に検索窓に入力した語句や単語のことを指します。
例えば、扱っている商材がコピー紙の場合を考えてみましょう。
コピー紙に関連する検索ニーズとしては、コピー紙を購入するため商品名を検索する(Buyクエリ)以外にも印刷の方法(Doクエリ)や紙の種類について(Knowクエリ)検索することが考えられます。
このように、検索ニーズから自社の商品やサービスに関する情報をコンテンツにできるかどうかをまず考えていくことが大切です。
【ポイント2】ターゲットに求められるキーワードを選定する
キーワード選定もまた、コンテンツマーケティングにおけるSEO施策には重要な要素です。
ターゲットの人物像をペルソナとして具体的に設定した後、ペルソナが検索しそうなキーワードを洗い出していきます。
BtoBマーケティングにおけるペルソナの設定方法については、こちらの記事も参考にしてください。
参考記事:BtoBマーケティングでのペルソナ設定の手順・ポイントを徹底解説
また、コンテンツマーケティングでのキーワード設定の方法を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
参考記事:コンテンツマーケティングにおけるキーワード選定の方法とポイント
「〜とは」など事象や物・用語を解説する記事や、方法などを説明するいわゆる「How to」記事に関しては、SEO対策を意識した記事作成を心がけましょう。
自社の商品やサービスを初めて知る顧客対象のコンテンツでSEO対策をしっかりすることで、潜在顧客の集客を狙います。
さらにキーワードの検索ボリュームは少なくても、自社の商材に興味を持ったユーザーがさらに知りたい情報を得るためのコンテンツも顧客育成のために準備が必要です。
【ポイント3】検索者の役に立つような質の高いコンテンツを作成する
キーワードを選定したら、検索意図に対応するコンテンツを作成していきます。
ここで大切になるのは、「ユーザーファースト」。
つまりユーザーが知りたいと考えているであろう内容を、漏れ落ちなくコンテンツに含めることです。
また、専門用語や難しい言い回しは避けましょう。
業界知識が全くないユーザーにも抵抗なく読めるような文章を目指すことが検索上位につながります。
【ポイント4】コンバージョンにつながる導線を設計する
SEOによって初めてサイト訪問する新規ユーザーの流入を獲得しても、その後の導線が設計されていなければ、ただ内容に満足しただけで離脱していきます。
初めての訪問からすぐコンバージョンにつながらない場合がほとんどではあるものの、記事には必ずホワイトペーパーのダウンロードページへのリンクや、問い合わせ先に飛べるバナーを設置しましょう。
また、記事の内容に関してもそれぞれのコンバージョンへもっていくように意識して作成すると、内容がぶれにくくなります。
【ポイント5】コンテンツの配信にSNSを活用する
ブログやコラムといった記事コンテンツの効果に関しては、中長期的な視点が必要です。
SEO自体もすぐに効果が現れる施策ではないため、配信にはSNSも活用すると効果が高まります。
SNSは拡散力の高いコンテンツなので、記事を更新したことを投稿すればサイトへの流入につながります。
また、SNSでフォロワーになっているユーザーは情報発信している企業や商品・サービスに対してエンゲージメントが高くなっている場合がほとんどです。
フォロワーが相互に信頼しているコミュニティへ情報を拡散してくれることで、新たに興味を持つユーザーが出てくる可能性が高まります。
その他、記事内へのSNSシェアボタン設置やコストは必要ですがSNS広告を運用するのも効果的です。
【2024年】コンテンツマーケティングとSEOの最新トレンド
コンテンツマーケティングとSEOは、日々進化しているIT技術によってトレンドも目まぐるしく変化しています。
それぞれを最大限に活用するためには、常に情報収集のアンテナを張り巡らせて最新トレンドを把握しておくことが大切です。
ここでは、コンテンツマーケティングとSEOの2024年最新トレンドについて紹介します。
コンテンツマーケティングの最新トレンド
ChatGPTをはじめとする生成AIツールを活用した記事作成やサイトデータの分析など、コンテンツマーケティングにAIを導入するのが最新のトレンドです。
しかし、さらにこれから重要視されていくのは大多数のユーザーに向けての発信ではなく、ユーザー一人ひとりに寄り添ったコンテンツだと考えられています。
データ分析によってユーザーの検索意図をさらに細分化・具体化し、ペルソナの感情にも働きかけたパーソナル性の高いコンテンツが今後ますます求められていくでしょう。
SEOの最新トレンド
SEOの最新トレンドとしては、Google社から2024年3月にコアアップデートの完了が発表されました。
今回のアップデートでは、通常のコアアップデートよりも複雑かつ複数のシステムに対して変更が加えられたとされています。
今回の変更によって、SEOのためだけに作成された大量のコンテンツを抱えるサイトは検索順位を大きく下げることになるとのことです。
参考記事:2024 年 3 月のコア アップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと
検索順位に影響を与える要因はサムネイル画像や動画など多様化していますが、すべてはユーザーの検索ニーズに応えるためです。
テキストメインの記事にも画像や図表、動画を添付するなどわかりやすさを追求することで検索エンジンの評価を得られます。
また、Google検索の新しい機能として「SGE」が導入されました。
SGEとはSearch Generative Experienceの略称で、自動生成AIによってユーザーの疑問に対する回答を表示する機能です。
回答は検索結果の上部に表示されるため、SGEで疑問が解消されればユーザーはサイトへ流入せずに離脱するでしょう。
Googleではサイト流入数に影響を与えないと言及していますが、サイト運営側としてはコンテンツに対する質の向上やさらなるオリジナリティが求められるでしょう。
まとめ:コンテンツマーケティングにはSEOを意識して効果を高めよう
SEOはコンテンツマーケティングに欠かせない施策ですが、混同していると思ったような効果は得られません。
SNSやメルマガ、ホワイトペーパーなど他のコンテンツも合わせて活用していくことで、コンテンツマーケティングの効果を最大限に押し上げられるのです。
コンテンツマーケティングとSEOは、それぞれIT技術の進歩や社会変化によってトレンドが変化していきます。
常に最新の情報にアンテナを張りながら、SEOを活用してコンテンツマーケティングの効果を高めていきましょう。
テクロ株式会社では、Webメディアの基本から立ち上げ方まで解説しているホワイトペーパー「Webメディア作成マニュアル」を配布しております。
Webメディアの立ち上げや運用にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。