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デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?成功事例40選とポイント解説

2020.08.27

ITテクノロジーの急速な変化にともない、ビジネスシーンでもさまざまな変化が生まれています。

そんな中、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉を聞く機会が増えてきたのではないでしょうか。

デジタルトランスフォーメーションは、デジタル化が進む現代において、ビジネスを成長させていくうえで最重要ともいえるキーワードです。

この記事では、いまや企業の成長戦略に欠かせないデジタルトランスフォーメーションの定義と、知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。

さらに、実際にデジタルトランスフォーメーションを活用して成功した事例を日本・海外あわせて40選紹介します。

 

目次

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、一言でいうと

「デジタル技術を活用してビジネスに変革をもたらすこと」

です。

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の概念自体は、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授が提唱したもので、元々は「デジタル技術によって人々の生活をより良いものに変革すること」を意味していました。

以降、この概念は世界中でさまざまな分野に広がり、ビジネス業界においては変革をもたらす対象をビジネス全体として用いられるようになりました。

日本でも、2018年に経済産業者が「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を設置して推進ガイドラインを発表し、国をあげて取り組んでいく動きが見られます。

経済産業省のガイドラインでは、デジタルトランスフォーメーションは以下の通り定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

(出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインVer. 1.0/経済産業省)

 

デジタルトランスフォーメーションの定義で押さえておくべきポイントは、単にシステムをアナログからデジタルに変換するということではなく、デジタル技術によってビジネスのしくみそのものを根本から変革させるという点です。

変革させる対象は顧客に提供する製品やサービスだけでなく、価値提供のプロセスそのものや、それを生み出す企業の組織体制、従業員の働き方など、ビジネスに関わるあらゆる事象があてはまります。

 

ちなみに、ビジネスの一部で効率化のためにデジタル技術を導入することはデジタイゼーション(Digitization)、プロセス全体をデジタル化することはデジタライゼーション(Digitalization)と呼び区別されます。

デジタルトランスメーションはさらにその先の、ビジネス全体の抜本的な変革を指す概念なのです。

 

なぜ今デジタルトランスフォーメーション(DX)が必要なのか

 

経済産業省が研究会を設置していることからも、デジタルトランスフォーメーションが今日本のビジネス界でいかに重視されているかがうかがえます。
推進ガイドラインでは、デジタルトランスフォーメーションの意義について以下のように述べられています。

あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。

 

つまり、デジタル技術が急速に進化し続ける現代において、新技術をスピーディーに取り入れて変革できる企業ほど競争優位性を得られるということです。

逆にいえば、今は競争優位性を得ている企業でも、デジタル技術を活用しないまま既存の体制やビジネスモデルを維持しているだけでは、今後は競争優位性を保てないということになります。

このような状況から、今やデジタルトランスフォーメーションの必要性は企業経営者を中心に広く認識されてきています。

 

しかし一方で、日本の企業においては以下のような課題が挙げられています。

・デジタル部門やプロジェクトの設置までは進むものの、ビジネス変革までに至らない
デジタルトランスフォーメーション取り組むために必要な経営陣のマインドセット変革や体制構築ができない
・現場にビジネスモデル変革に対応できるだけの余裕がない
・既存のシステムやデータが複雑化・老朽化しすぎているため刷新の負荷が高い

 

また、根本的な改革と言われても、何をどう始めればいいのかの具体的な手法がわからなかったり、明確なゴール設定がないままなんとなく進めて袋小路に陥ってしまうケースも多いようです。

経済産業省は、デジタルトランスフォーメーションを推進するうえで「経営のあり方、仕組み」「ITシステムの構築」という2つの軸を提唱しています。

1.経営のあり方、仕組み
・戦略・ビジョンを明確に提示する
・トップ自ら強力にコミットメントする
・新たな挑戦に積極的に取り組める環境をつくる
・投資の意思決定を適切に行う

2.ITシステムの構築
・役割分担・体制を整える
・全社的なガバナンスを確立する
・各部門がオーナーシップを持ち要件定義を行う
・IT資産の現場を分析・評価する
・IT資産の仕分けとプランニングを行う

 

デジタルトランスフォーメーションに取り組むには、その必要性と推進ガイドラインを認識したうえで、まずは経営陣がしっかりコミットし、明確な戦略・ビジョンを持つことがスタートラインとなります。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)日本の成功事例30選

事例1:メルカリ(オンラインフリーマーケット)

オンラインでの個人間取引サービスは手間と時間のかかるオークション形式が主流でしたが、メルカリはデジタルトランスフォーメーションによって個人間取引の敷居を下げ、世間の転売への価値観までも変革しました。

デジタル技術を活用してスマートフォン完結の手続き、簡単でわかりやすいUI、匿名取引などを実現し、個人でも中古品や新品を手軽に売買できるしくみを確立し、幅広い層に普及させることに成功しました。

事例2:日本交通(タクシー)

日本交通はデジタルトランスフォーメーションを牽引する国内企業の一つとして、さまざまな取り組みを行っています。

まず、自社だけでなく他社のタクシーも配車できる日本初のタクシー配車アプリを開発。
タクシー業界全体を活性化させるデジタルトランスフォーメーション事例として注目を集めました。

さらにタクシーにタブレットを設置して動画広告を流したり決済機能を利用したりできる「JapanTaxiタブレット」や、「相乗りタクシー」「変動迎車料金」の実験など、デジタル技術の活用によって既存の枠組みにとらわれないビジネスモデルを開拓し続けています。

事例3:ZOZO(衣料通販)

ZOZOのメインサービスである「ZOZOTOWN」は、デジタル技術によってオンラインショッピングの常識を覆し、アパレル業界に大きな変革をもたらしました。

衣料通販は試着できないことが大きなデメリットでしたが、ZOZOは有料会員に無料返品サービスを提供し、さらに体型違いのモデル試着写真やコーディネート写真が確認できるサイト「WEAR」を開発。

近年は体型を正確に測定できる「ZOZOSUIT」のサービスも注目を集め、デジタルトランスフォーメーションで衣料通販を社会に広く普及させることに成功しました。

事例4:オープンハウス(不動産)

オープンハウスは国内でもいち早くIT部門を設置した、デジタルトランスフォーメーションの牽引企業です。

具体的にはAI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の技術を活用し、作業のデジタル化によって年間25,000時間以上の工数削減に成功しました。

さらにGoogleのグループウェア「G Suite」とクラウドコンピューティングサービス「Google Cloud Platform(通称GCP)」を導入し、大幅な工数&コストダウンを図っています。

事例5:大塚デジタルヘルス(電子カルテ分析ソリューション)

大塚製薬と日本IBMの合弁会社である大塚デジタルヘルスは、デジタルトランスフォーメーションによって医療界に大きな貢献を果たしています。

IBMが開発した人工知能「Watoson」とクラウドサービスを活用し、アナログな手法で蓄積されていた精神科医療のカルテをデータベース化。

これにより患者の症状や病歴などのデータが手軽に閲覧できるようになり、医療現場の負担を大きく軽減。
データ分析や症例レポート作成も容易になりました。

事例6:トライグループ(教育)

「家庭教師のトライ」で知られるトライグループも、デジタルトランスフォーメーションに早くから注力する企業の一つです。

トライが開発したのは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスから場所や時間を問わずに授業を受けられる映像学習サービス「Try IT」。
ユーザー目線の使いやすい設計が高評価を獲得し、登録者数100万人を突破する主要サービスに成長しました。

事例7:三菱電機(総合電機)

三菱電機はIoT(Internet of Things)を活用し、顧客・データセンター・自社サービスセンターの3者をつなぐリモートサービス「iQ Care Remote4U」を開発。

これによって顧客の稼働現場でエラーやトラブルが発生した際に、リモートですぐに状況を把握し一早い対応が行えるようになりました。
自社の作業効率が向上しただけでなく、顧客側にも修理費用削減・生産性向上をもたらした成功事例です。

三菱電機はさらに、自社のIoTシステムを統合した「ClariSense」の構築を進めており、自社およびグループ内でのIoT技術の共有・活用体制を強化していく方針です。

事例8:ソニー損害保険(保険)

ソニー損保はデジタル技術の活用によって、自動車損害保険のビジネルモデルに変革をもたらしました。

まず2015年に、ドライブカウンターで計測した運転データに基づいて保険料をキャッシュバックする「やさしい運転キャッシュバック型」の販売を開始。

2020年にはAIとスマートフォンアプリを活用してより正確で使いやすい事故リスク測定システムを確立し、「GOOD DRIVE」としてバージョンアップしました。

これにより自動車保険の加入率アップに成功し、さらに自動車事故のリスクを約15%低減させる効果が見込まれています。

事例9:北海道日本ハムファイターズ(プロ野球球団)

北海道日本ハムファイターズは、新規ファンがプロ野球会場により足を運びやすくなることを目的に、富士通が開発した電子チケットサービス「チケットレボリューション」を採用。

これによって観客は最短3ステップで簡単にチケットを購入できるようになり、ファンの満足度が向上。
さらにシステムによる自動配席、隣席追加購入なども可能になり、配席業務の工数が大幅に削減されました。

北海道日本ハムファイターズはさらにロボットを活用したリモート観戦席「Future Box Seatβ」の実証実験を電通と行うなど、デジタルトランスフォーメーションによる新たなスポーツエンターテインメントの創出に取り組み続けています。

事例10:大塚製薬(薬品)

大塚製薬はNECと共同でIoTを活用した服薬支援システムを開発。
このシステムでは薬の容器がLEDライトを点滅させて服薬時間をリマインドし、さらに服薬したらその情報をスマートフォンなどのデバイスへ共有するしくみです。

これによって服薬者の薬の飲み忘れや飲みすぎを防ぎ、その結果国民の健康維持および社会保障費削減につながると期待されています。

さらに服薬者の行動データを収集し分析できるようになった点も革新的です。

事例11:三越伊勢丹ホールディングス(百貨店)

行き詰まりを見せている百貨店業界で、三越伊勢丹ホールディングスはデジタルトランスフォーメーションにより既存のビジネスモデルからの脱却を図っています。

自社で商品撮影スタジオをつくり、基幹店の全商品をデータベース管理するしくみを構築。
これにより消費者はECサイトや地方店からでも商品を購入できるようになりました。

さらに、百貨店ならではの高品質な顧客体験をオンラインでも味わえるよう、チャットでのパーソナルスタイリングサービスを導入するなど、顧客のファン化につながる挑戦を続けています。

事例12:清水建設(建設)

清水建設は社内の技術研究所に「デジタルXグループ」を新設するなど、建築分野におけるデジタル技術の活用に特に積極的に取り組んでいる企業です。

建築現場では、AIを搭載した自立型ロボットと建築モデルを連携させた「シミズ・スマート・サイト」を導入し、生産性を大幅に向上。

さらに美術館や展示場では来訪者を自動察知し適切な案内サービスを提供する「インテリジェント・ガイドシステム」を導入するなど、人材不足が深刻な建築業界にデジタル技術で革新をもたらしています。

事例13:三井住友銀行(銀行)

三井住友銀行は年間35,000件に及ぶ「お客様の声」をより効率的に精査・分析するため、NECの「お客様の声分析ソリューション」を採用。

このシステムでは、NEC独自開発のテキスト含意認識技術により、お客様の声の内容要約と分類および分析が自動で行われます。

この結果、これまでかかっていた工数を大幅に削減できただけでなく、お客様の意見や要望をより正確かつスピーディーに把握できるようになり、対応スピードが向上して顧客満足度を上げることに成功しました。

事例14:松月産業(ホテル)

仙台に13店舗のビジネスホテルを展開する松月産業は、東日本大震災での被災で手作業での宿泊業務が強いられた経験をきっかけに、ホテルの基幹システムをSaaS(Software as a Service)に完全移行。

クラウド技術により従業員の稼働状況を可視化し、さらに13店舗の横の情報共有も可能になり、業務効率を大きく向上させました。

その結果、売り上げ・客単価ともに2014年からの4年間で110%に向上しています。

松月産業のこの事例は「全国中小企業クラウド実践大賞」で審査員特別賞を受賞しています。

事例15:航和(介護)

介護事業を手がける株式会社航和は、高い離職率の原因となっている事務作業の煩雑さを改善すべく、クラウド技術を活用。

紙ベースで共有されていた情報をデータ化し、顧客の様子をスタッフがすぐ閲覧できるようになり、事務作業の効率を大きく向上させました。

さらに介護計画書や請求関連業務のICT化にも取り組み、2017年には28%だった離職率を8%にまで落とすことに成功しました。

航和のこの事例は「全国中小企業クラウド実践大賞」で全国商工会連合会会長賞を受賞しています。

事例16:日美装建(業務用空調)

業務用エアコン事業者の日美装建は、エアコン清掃業務の約10%が赤字化している問題を解決すべく、クラウド技術による情報共有に取り組みました。

これによりスマートフォンで集めた現場の情報をリアルタイムで可視化できるようになり、作業効率が大幅アップ。
赤字案件を0件にすることに成功しました。

さらに請求業務のシステム化や、現場の数値データを可視化するIoTセンサを導入するなどし、引き続きデジタル技術での業務効率化に取り組んでいます。

日美装建のこの事例は「全国中小企業クラウド実践大賞」で審査員特別賞を受賞しました。

事例17:資生堂(化粧品)

資生堂はデパートでの対面販売に代わる新たな価値提供として、アプリで手軽にスキンケア提案が受けられるIoTシステム「Optune」を開発。

「Optune」ではこれまで蓄積された資生堂の豊富な知見をデータ化し、顧客一人ひとりの肌状態に合わせて8万通り以上ものスキンケアの提案が可能になりました。

さらに企業と顧客の接点がより長期的になり、ユーザーの詳細な肌データを獲得できることも革新的です。

「Optune」は現在は既にサービスを終了していますが、アナログで行われてきたサービスをデジタル技術によって新しいビジネスモデルに変革した事例として知られています。

事例18:トヨタ自動車(自動車)

自動車産業のデジタルトランスフォーメーション事例として知られるのが、トヨタ自動車とソフトバンクが共同開発を進めている「MONETプラットフォーム」です。

「MONETプラットフォーム」は、車両情報や移動ログなどを集約したデータ基盤とさまざまなサービスのAPI(Application Programming Interface)が連携したプラットフォームで、MaaS(Mobility as a Service)の包括的な支援を目指しています。

具体的には、車を持っていなかったり公共交通機関がなかったりしても、スマートフォンで手軽にオンデマンドバスを配車できたり、鉄道やバスなどさまざまな交通機関の検索・予約・支払いがシームレスに行えるようになったります。

他にも天気、観光、地図情報などさまざまなデータやサービスのAPIが実装される予定で、デジタルトランスフォーメーションによって自動車産業のビジネルモデルを「ハードの提供」から「その先のサービスの提供」に革新させる事例と言えるでしょう。

事例19:住友ゴム工業(タイヤ、スポーツ用品)

MaaSが発展しタイヤの管理も自動化が求められる流れを受け、住友ゴム工業はデジタル技術を活用したタイヤ管理ソリューションシステムの構築に取り組んでいます。

名古屋の工場では、タイヤの生産工程データをAIとIoTによって自動で可視化・解析し、これまでのデータ収集・解析時間を9割短縮することに成功。
さらに、情報をタイムリーに把握することでよりスピーディーな意思決定が可能になり、品質と生産性の向上が期待されています。

事例20:富士フイルム(精密化学)

高度経済成長期につくられた建築物の老朽化が問題視されるなか、富士フイルムはデジタル技術を活用した老朽化検知システム「ひびみっけ」を開発。

AIが橋やトンネルなどの幅0.1ミリ以上のひび割れを自動検知し、CADデータを効率的に作成できるサービスで、数百社が点検事業に導入しています。

これにより人手不足が深刻な建築業界の現場工数を減らすことに成功し、インフラ維持管理費の低減にもつながっています。

事例21:ダイキン工業(空調機)

空調大手のダイキン工業は、ソフトバンクや三井物産など6社と共同して空間データのプラットフォーム「CRESNECT」を開設しました。

空調機は部屋全体を俯瞰できる天井に設置されているため、センサーやカメラを組み込むことで温度、湿度、明るさ、音、人の位置や動きなどさまざまな空間データを収集できます。

「CRESNECT」は空調機を情報端末化して空間データを蓄積し、パートナー企業同士でシェアできるプラットフォームです。
これによりオフィスの生産性向上や従業員の健康維持、新しい空間サービスの創出が成果として期待されています。

事例22:グンゼ(男性用インナー)

グンゼはNECと共同で、着用するだけで活動量・心拍・姿勢などの生体情報を計測できる衣料型ウェアラブルシステムを開発。

これにより姿勢の改善や肩こりの予防対策、利用者データの分析が可能になり、美容や健康に関する新たなサービスの創出につながることが期待されています。

グンゼはさらに自社で全国展開しているスポーツクラブでシステムの実証実験を行っており、データの収集および活用を自社で柔軟に行いながらビジネスの可能性を広げています。

事例23:日本生命保険(保険)

日本生命保険はAIとOCR(光学文字認識)の技術を活用した業務効率化クラウドサービス「READ-IT!!」を開発しました。

「READ-IT!!」は、保険金や給付金の支払い手続きに必要な領収書・診断書などの紙書類を、高精度のAIが正確に読み取りデジタルデータ化するシステムです。

これにより顧客・企業双方の手続き業務を大幅に効率化することに成功し、紙媒体での手続きが主流になっていた保険・共済業界に変革をもたらしました。

事例24:ミスミ(機械加工製品)

3千万点にも及ぶ機械部品を提供するミスミは、即時の見積もりと出荷を可能にする部品調達プラットフォーム「meviy」を開発しました。

「meviy」は顧客がアップロードした設計データを元にAIが工程・納期・価格を自動計算し、さらに設計データから人足を挟まずダイレクトで製造データを生み出すシステム。

これにより作図、見積もり、工数計算などにかかる時間を90%以上削減し、現場業務に変革をもたらしました。

事例25:IDOM(自動車買取・販売)

中古車オークション事業を展開してきたIDOMは、小型店舗数を拡大するなかで店舗オペレーション業務は煩雑化していることが課題でした。

そこでRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、中古車の故障や不具合への保障手続きの大半を自動化。

年間約2万時間もの業務工数の効率化に成功しました。

IDOMはさらに自動車査定のトータルサポートアプリ「ガリバーオート」を開発・提供。

手間や心理的ハードルのあった自動車査定を消費者にとってより手軽で楽しめる体験に変革し、中古車買取・販売の新しいビジネスモデルを生み出しています。

事例26:カインズ(ホームセンター)

ホームセンター事業を展開するカインズは2019年度から戦略の柱の一つに「デジタル戦略」を策定し、国内外から最先端技術を享受できる体制を構築。

2019年から展開している売り場・在庫検索アプリ「FindinCAINZ」は、消費者が商品を探す手間や小売店舗の商品補充業務の負担を大きく軽減することに成功。

さらにホームセンター業界初の店内取り置き専用ロッカーサービス「CAINZ PickUp Locker」をオンライショッピングシステムと連携して提供するなど、デジタル技術の活用によって新しいビジネスモデルを次々と生み出しています。

事例27:伊勢半(化粧品)

化粧品総合メーカーの老舗である伊勢半は、消費者の嗜好の変化が激しい化粧品業界において、売れ行きの変化を掴むための会計管理業務に苦慮していました。

そこで予算管理クラウドシステムを導入し、これまで人手で行ってきた会計管理業務を抜本的に改革。
約50の部門間の適切なデータ共有が可能になり、これまでExcel資料作成とメール送付で行っていた業務が大幅に効率化されました。

また、業務の効率化は会計データの精度向上にもつながり、結果としてより深いデータ分析と経営戦略立てが可能になりました。

事例28:はなまるうどん(飲食)

讃岐うどんチェーンを今やグローバルに展開しているはなまるうどんは、国内店舗数を大きく拡大した2016年からクラウド経営管理ソリューソンの導入に着手。

これまで手入力で行ってきた集計・帳票作成などを自動化・簡略化し、業務時間の大幅な短縮に成功しました。
今後はクラウドシステムによって整理されたデータを分析し、店舗ごとのニーズに応じた細やかな販売戦略に活用していく方針です。

事例29:イオン九州(スーパー・ホームセンター)

九州で小売店舗を展開するイオン九州は、ソフトバンクと共同でラストワンマイル配送サービスの取り組みを進めています。

ネットスーパーサービスは社会的な需要が高まっている一方で、個別の配送の要望に応えるには配送コストが余分にかかってしまうことが課題でした。

そこでイオン九州は、配送マッチングシステム「PickGo」を活用し、配送車両と登録ドライバーを自動マッチングしてコストを最適化。
これにより日本で初めてネットスーパーでの注文品を22時以降に配送する仕組みを整えました。

現在は実証実験の段階ですが、今後デジタル技術の活用によって配送対応時間を拡大し、共働き世帯や高齢化社会の買い物負担の軽減につながることが期待されています。

事例30:江崎グリコ(食品)

江崎グリコは2017年から生産管理業務の抜本的改革に取り組み、デジタル技術を活用した「需要予測エンジン」と、生産現場のデータ収集システムの運用を始めました。

同時に需給計画の立案部署を新設し、システムで得た販売実績やセールの投資対効果データをしっかりと分析。

結果、データに裏付けされた精度の高い生産・販売計画を組み立てられるようになり、賞味期限が近い値下げ品の数量を大幅に減少させることに成功しました。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)海外の成功事例10選

事例31:Spotify(音楽配信)

スウェーデン発の「Spotify」は、4000万曲以上を配信する世界最大級の音楽配信サービスです。

CDやデータでの販売が一般的だった音楽業界に、「Spotify」はデジタル技術を活用して「定額で聴き放題」という新しい仕組みを確立。

音楽業界のビジネスモデルを変革しただけでなく、人々の音楽の聴き方・楽しみ方にまで大きな影響を及ぼしました。

事例32:Airbnb(民泊)

「Airbnb」はデジタル技術によって、旅行者と宿泊施設のニーズを簡単にマッチングさせることに成功しました。

具体的には、以前は電話やメールでのやりとりが主だった宿泊予約が、アプリ上のデータ通信のみで圧倒的に手軽に行えるようになりました。

また、ホテルよりも価格帯が安い民泊でサービスを展開することで、旅行者と宿泊施設双方から高い満足度を獲得。
世界190カ国以上で利用される人気サービスに成長し、民泊利用の普及によって既存の旅行ビジネスの概念を覆しました。

事例33:Amazon.com(ECサイト)

全世界で圧倒的な利用率を誇る「Amazon.com」ですが、発足時は書籍のオンライン販売が主でした。

しかしデジタルトランスフォーメーションに取り組み、レビュー機能やレコメンデーション機能を充実させながら取扱商品を増やし、ユーザーの支持を得て爆発的なシェア拡大を果たしました。

「この商品を見た人は以下の商品も見ています」「よく一緒に購入されている商品」などのレコメンド表示からもうかがえるように、徹底したユーザーデータの蓄積・分析・活用が成功につながっています。

事例34:NetFrix(映像ストリーミング)

世界最大手の映像ストリーミングサービスである「NetFrix」は、デジタル通信やクラウド技術を活用して定額制のオンラインデータ視聴サービスを確立しました。

これにより、記憶媒体を物理的に持ち運んだり延滞料金を払うといった手続きがなくなり、映画やドラマなどさまざまな映像作品を手軽に視聴できるようになりました。

映像業界のビジネルモデルを変革しただけでなく、人々の視聴行動にも影響をもたらした事例です。

事例35:Best Buy(家電量販)

アメリカの家電量販店「Best Buy」の取り組みは、デジタルトランスフォーメーションの成功事例として世界的に知られています。

「Best Buy」はネット通販の台頭で売り上げが落ち込むなか、店舗販売とインターネットを掛け合わせたさまざまな事業を考案していきました。

具体的には、インターネットで注文した商品を店舗で受け取れるようにしたり、インターネット上で店頭より低価格で表示されていたら店頭でもその価格で購入できるサービス、24時間年中無休の技術サポートなどを展開。

これにより収益のV字回復を成し遂げました。

事例36:Uber(配車)

アメリカ発の配車サービス「Uber」は、デジタル技術を活用して配車サービスのしくみを大きく変化させました。

具体的には、ユーザーがスマートフォンのアプリ一つで、配車から料金決済まで手軽に手続きできるようになりました。

そしてさらに革新的だったのが、価格交渉が厄介だった個人ドライバーの配車も明朗会計かつ安全に利用できるようになったことです。

日本では法規制によりサービスが限定されていますが、「Uber」は今や世界各国で一般的に利用される交通手段の一つになりました。

事例37:BNPパリバ(銀行)

ヨーロッパのメガバンクである「BNPパリバ」は、デジタル技術を活用し「モバイルファースト銀行」としてその地位を確立することに成功しました。

具体的には、CTI(コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション)を駆使して窓口・コールセンター・ネットバンキングの顧客対応を統合したり、SNS上のやりとりをモニタリング・分析するシステムを導入してキャンペーン効果を確認するなど、さまざまな取り組みを実施。

2013年からはスマートフォンだけであらゆるサービスを利用できる「Hello Bank!」を開始して若い年齢層のニーズを掴み、顧客の幅を大きく拡大しています。

事例38:24 Hour Fitness(フィットネス)

アメリカの大手フィットネスチェーン「24 Hour Fitness」は、競合他社が会員一人ひとりへのパーソナルなコミュニケーションを実施するなかで、自社のパーソナルトレーナー利用が約3%にとどまっていることを憂慮していました。

そこでデジタルトランスフォーメーションの取り組みをはじめ、会員一人ひとりに適切なトレーニングガイダンスを行うアプリを開発。

現在は400万人の会員のうち100万人がアプリを利用しており、アプリ利用者はジムへのロイヤリティが高まる傾向が確認されています。

事例39:Natuzzi(家具)

イタリアの大手家具メーカー「Natuzzi」は、マイクロソフトと共同で家具製品のバーチャル展示サービスを開発し、実証実験を行っています。

このサービスでは、顧客がVIヘッドセット「Microsoft HoloLens」を着用すると仮想ショールームで全製品の実物イメージを確認することができます。

さらに店舗側は顧客が家具を自室に配置した際のイメージをホログラフィックプロジェクションで作成し、顧客はそれをスマートフォンなどのデバイスで確認できます。

この技術によって顧客の製品購入率が上がり、購入にかかる時間や店舗側の業務コストの軽減が見込まれています。

事例40:Shake Shack(飲食)

アメリカのハンバーガーチェーン「Shake Shack」は、注文にかかる顧客とスタッフの手間を効率化するため、自動注文端末とオンライン注文システムを導入。
これにより人件費の大幅な削減に成功しました。

さらに注文システムで実装したストレスフリーなUIとレコメンド機能が功を奏し、結果的に顧客単価も15%向上させることができました。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を成功させるポイントまとめ

 

国内外の成功事例を幅広く見ていくと、デジタルトランスフォーメーションを成功させるうえで大きく3つのポイントが見えてきました。

一つ目は、経営トップが明確な意思をもってプロジェクトを牽引していること。
デジタルトランスフォーメーションはビジネスモデル自体を変革させる大きな取り組みだからこそ、現場の努力のみでは実現が難しく、まとまった資金投資や組織改編が必要なケースが多いためです。

二つ目は、組織内でナレッジや情報の共有がスムーズであること。
経営陣やデジタル部署のみでビジョンを共有しプロジェクトを進めても、最終的にその技術を活用するのは現場であるため、開発から運用まで組織内でしっかり認識をすり合わせていくことが重要です。

三つ目は、必要に応じて適切に外部パートナーを選定し共同していること。
大企業では自社内に専門部署を立ち上げるケースも多いですが、その場合も目的に応じた人材を適切に雇用しています。

デジタルトランスフォーメーションでは、そもそもスタートラインで「何から始めていいかわからない」とハードルを感じてしまい、現状の課題分析やビジョン策定のところから立ち止まってしまうケースも少なくありません。

そういった際にも、デジタルトランスフォーメーションの成功体験と知見をもつパートナー企業と相談しながら進めるのが有効です。

国をあげて取り組みが加速し、今後ますます注目が高まっていくデジタルトランスフォーメーション。
この記事がデジタルトランスフォーメーションに取り組む日本企業の皆様の一助となれば幸いです。