ナーチャリングコンテンツで理想の顧客を育成!種類や作り方を解説
「展示会イベントや営業先で収集した名刺や顧客情報を活かせていない」
「既存顧客の失注や休眠顧客が増えてきている現状がある」
そんなお悩みを持っていたりしませんか?
リードナーチャリングのコンテンツをうまく活用すれば、見込み顧客や既存顧客がより自社商品やサービスに興味を持つ可能性が高まります。
この記事では、顧客の状況を把握しながら、計画的なナーチャリングコンテンツを作成していく方法を紹介していきます。
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目次
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、見込み顧客を育成しながら購買意欲を高めていき、成約につなげていく手法のことです。
見込み顧客には商品やサービスへの購買意欲が高い顧客もいれば、興味はあるが今は必要性を感じていない顧客もいます。
顧客の興味関心や購買意欲を高めるために、メールマガジンやブログ、ホワイトペーパーといったコンテンツを通して、顧客を育成(ナーチャリング)しましょう。
実際に商品購入までの基本的な3つのプロセスは、以下になります。
- リードジェネレーション(顧客情報の獲得)
- リードナーチャリング(顧客の興味関心、購買意欲の向上)
- リードクオリフィケーション(購買意欲の高い顧客を抽出)
リードナーチャリングの最終的な目的はリードクオリフィケーションの段階で、見積依頼やデモなど体験するなど、顧客の能動的な行動を引き出すことです。
リードナーチャリングがさらに気になる方は、「リードナーチャリングとは?意味や手法について徹底解説!」の記事も参考にしてみてください。
リードナーチャリングコンテンツが必要な理由
見込み顧客のリストは、そのままの状態だと売上にはなかなか直結しません。
ここからは、なぜナーチャリングが求められるのかという理由を紹介していきます。
顧客とのコミュニケーションが多様化したから
現在は、対面営業だけでなく、電話・メール・セミナー・Web・SNS広告などのアプローチ方法も増え、従来よりも見込み顧客を集めやすい環境です。
オンラインやオフラインをハイブリッドで活用して、見込み顧客と継続的なコミュニケーションを取りながら効果的なアプローチをしていくことが求められます。
それは旧来の営業スタイルでもある名刺交換をして、顧客リストで管理して、アポイントを取り、商談で成約につなげるという時代ではなくなったのでしょう。
現在は、顧客の温度感に合わせて、価値提供を繰り返して寄り添いながら、育成していくというアプローチが必要となっているのです。
顧客が自ら情報収集するようになったから
新型コロナウィルス以降は、見込み顧客がご自身で情報収集し、購買するかどうかを決めるような状況が増加しています。
そのため、過去に接触の機会があっても、顧客自身が比較検討した上で、他社に流れるケースも多いかもしれません。
リードナーチャリングを実施して、情報収集する顧客に最適な導入手段と顧客に合わせたベストなタイミングでのアプローチし、確実に購買や成約につなげることが重要になっています。
リードナーチャリングに活かすコンテンツの種類
リードナーチャリングにおいて重要なのは、見込み顧客のニーズを理解し、状況に合わせた最適なコンテンツを配信することです。
ここから各コンテンツの種類と特徴を紹介していきます。
ブログ記事
ブログ記事では、見込み顧客のお悩みを解決できるようなコンテンツを配信するのがベストです。
例えば、マーケティング担当者に向けて「MAツール活用で、劇的に売り上げが150%アップした事例3選」などといったタイトルや内容で配信するようなイメージです。
配信する相手を意識して、商品・サービスとの関連性を意識しましょう。
ただ注意が必要なのは、売り込み内容ばかりにしないということです。
売り込みの内容ばかりだと、今後ブログを読んでもらえなくなる可能性も高まりますので、配信するテーマを意識することも大切といえます。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパー(お役立ち資料)は、定番のナーチャリングコンテンツです。
商品やサービスに対して、少し興味がある見込み客から、具体的に購入を検討している見込み顧客まで幅広く対応が可能です。
ナーチャリングに適したホワイトペーパーは以下があります。
- 導入事例・成功事例の資料
- 知識レベルに合わせた資料
- 自社の商品・サービス資料
- 商品に関する実態調査資料
メールや電話などのフォローコンテンツとしても活用できます。
顧客が過去にダウンロードした資料に近いホワイトペーパーを紹介して関連性を持たせることで、見込み顧客の興味を惹きやすくなるでしょう。
またオウンドメディア記事の中にホワイトペーパーのダウンロードボタンやバナーを設置することで、リード獲得にも貢献できます。
セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナーは、認知拡大やリード獲得に課題を感じている顧客向けに自社の商品やサービスを直接伝えられるコンテンツ。
課題を感じている顧客であれば、セミナーの案内を受け取った見込み顧客は、申し込む確率は高くなるはずでしょう。
顧客が感じている課題の解決につながるセミナーを実施することが、リードナーチャリングコンテンツを作成する際には重要です。
Webセミナーであれば、LIVE配信、オンデマンド配信、セミナー資料のPDF配布といったように、1回の開催で、複数コンテンツを作成できる点もメリットとして挙がります。
ウェビナーに参加できなかった人の中にも、内容に興味を持っている人がいるかもしれません。
そういった見込み顧客に向けて情報を届けることで、リードナーチャリングの役割が担えます。
診断ツール・チェックシート
診断ツールやチェックシートは、見込み顧客の課題を明確化する際に役に立つナーチャリングコンテンツ。
顧客の抱えている課題に対して有効な解決策を提示できるように作ることが大切です。
見込み顧客の課題感と自社商品・サービスがうまく合致すれば、見込み顧客の購入意欲を比較・検討段階まで高める可能性があるでしょう。
ナーチャリングに適した診断ツールやチェックシートは以下があります
- 性格や適性の診断ツール
- おすすめ商品やサービスの判定ツール
- 対策チェックシート
見込み顧客の解決策の一つの案として、課題にマッチしている診断結果であれば喜ばれます。
課題からズレる診断結果にならないように作成しましょう。
事例紹介・お客様の声
事例紹介やお客様の声は、自社の商品・サービスに興味関心度が高い顧客に届けるコンテンツです。
見込み顧客は、実際に商品やサービスを利用した人の意見を信頼しやすい傾向です。
過去に商品やサービスを利用した顧客や導入企業に対して、アンケートやインタビューといった形で協力をしてもらうとより効果的です。
主に、以下のような活用方法があります。
- オウンドメディアの記事にして、メルマガやSNSなどで紹介する。
- PDFなどで作成し、オウンドメディアからダウンロードしてもらう。
事例の数が多いと、同業種・同規模の企業に興味を持ってもらえる可能性が高まります。
また優良顧客の購入者やモニターなどにインタビュー依頼をして、自社商品・サービスの強みとなる生の声を聞くことを大切にしましょう。
リードナーチャリングコンテンツの作り方のコツ
リードナーチャリングで成果を出すためには、顧客の視点に立ったコンテンツを作ることが大切です。
ここからはコンテンツを作成する際のコツを確認していきます。
ペルソナを詳細に設定する
ペルソナとは、理想の顧客イメージを、年齢や居住区などの基本属性と生活パターンや価値観、ライフスタイルといった行動特性について、個人レベルまで落とし込んだものです。
ペルソナは普段の私生活や趣味嗜好なども詳細に設定することが望ましいです。
具体的にその人の顔が思いついてしまうくらい、フルネームで名前をつけたり、人柄を表すエピソードを加えたりするといいでしょう。
主なペルソナの設定項目は以下になります。
- 名前(架空)
- 性別
- 年齢
- 役職
- 仕事上の目標
- 仕事上の課題
- 家族構成
- 趣味嗜好
- 性格
- 休日の過ごし方
カスタマージャーニーマップを明確にする
ペルソナが商品・サービスを認知して、検討・購入するまでの流れが、カスタマージャーニーマップです。
顧客との接点であるタッチポイントごとに効果的なマーケティング施策を打ち立てることができます。
例えば、どこでその商品・サービスに出会い、誰のどんな情報に影響を受けて購入を決定し、どこで誰におすすめするのかを明確にすると、その人に向けた効果的なマーケティング施策が実行できます。
実際のカスタマージャーニーマップの作成手順は、以下のとおりです。
- ペルソナ設定
- 各フェーズで顧客の感情、思考、行動を整理順
- 各フェーズで求めている情報とタッチポイント、必要なコンテンツを整理
- KPI(施策する目標値)を設定
またカスタマージャーニーマップを作成すること自体が目的ではありません。
カスタマージャーニーマップを作成して、顧客の感情や行動に各タッチポイントのマーケティング施策が適しているのかを見直すことが重要なのです。
顧客の感情を動かすコンテンツを作る
次に顧客の感情を動かすために必要なコンテンツ作り。
まず顧客に自社の商品やサービスを認知させて興味・関心を持ってもらいます。
そして、最終的に商品の購入や登録といった行動を促すためには、見込み顧客の心理や感情の変化を理解する必要があります。
顧客の心理を動かして、態度に変化に促すコンテンツとはどのようものかをここからみていきましょう。
変化を促す「AIDMAモデル」と「メール配信の例」を説明していきます。
AIDMAモデル | 段階 |
A(Attention) | 顧客が商品・サービスの存在を知る段階 |
I(Interest) | 対象の商品・サービスに関して気になる段階 |
D(Desire) | 関心をもった顧客が、詳しく情報を知り欲しいと思う段階 |
M(Memory) | 実際に商品・サービスを購入するまでの準備段階 |
A(Action) | 顧客が商品・サービスを購入する段階 |
AIDMAモデルでメール配信に例えた例 | 段階 |
A(Attention) | 一斉配信で「キャンペーン商品のお知らせ」 |
I(Interest) | キャンペーン商品のお知らせから商品ページに誘導した人に関連商品を配信 |
D(Desire) | 他社比較したベネフィットを意識した資料を配信 |
M(Memory) | 解約して3ヶ月後、見込み顧客向けに悩みをテーマにしたウェビナー開催を配信 |
A(Action) | 商品・サービス資料をダウンロードした見込み顧客にお客様の声を配信 |
見込み顧客によって、オウンドメディア、SNS、動画、セミナーなど適したコンテンツ形式は異なります。
ですので、それぞれのコンテンツにたどり着いた人がどう行動してほしいかということを明確にして、コンテンツを作ることが大切です。
セグメントごとにコンテンツを変化させる
ナーチャリングコンテンツには、見込み顧客ごとに合わせたパーソナライズされた内容が求められます。
やみ雲にメルマガを一斉送信するだけでは内容に興味の無い人へも届いてしまい、開封されることなく放置されたりして、本当に届けたい情報も届けられなくなるでしょう。
そこで一斉配信とセグメントごとに合わせたコンテンツを用意して、使い分けるのがおすすめ。
セグメント配信では見込み顧客の欲しい情報を配信するため、開封数やクリックが増加し、見込み顧客にメールを読んでもらえる可能性が上がります。
コンテンツ内容が同じでも、見込み顧客のセグメントごとにタイトル・デザイン・アプローチ方法を変えると効果的です。
主なセグメント例としては、以下となります。
- 会社の所在地
- 会社規模
- 業種
- 役職
- 職種
セグメンテーションは一度だけ設定しただけで終わらず、配信後の開封数・クリック数などを見ながら見直していく姿勢が大事です。
またセグメントを細かくしすぎると、配信リストが無くなる可能性もあり、あまり細かくしすぎないようにしましょう。
それぞれの属性で購買プロセスがどこの位置になるのかを把握して、顧客のニーズや興味に合わせたコンテンツを提供するのが大切です。
マインドを醸成するコンテンツを作る
顧客の購買プロセスは、中長期的な期間を要しながら導入する流れの組織も多いかと思います。
購買意欲を醸成しながら、企業という組織を動かすということは人を動かすということであるともいえるのです。
企業向けのナーチャリングは、企業の購買プロセスに沿ったアプローチと、見込み客のマインドフローに沿ったアプローチの2軸での展開が必要といえるでしょう。
▼企業の購買プロセスに沿ったアプローチ
アプローチ手順 | 購買プロセス | 顧客への施策 |
1 | 戦略策定 | 課題により沿った業界のトレンドコンテンツを提供 |
2 | 要件定義 | テーマ別、課題別、業種別コンテンツを提供 |
3 | 情報収集 | サービス紹介、ホワイトペーパー、セミナーの提供 |
4 | 業者選定 | 会社概要、事例紹介、サポートコンテンツの提供 |
5 | 決済段階 | 社長コンテンツ、ブランディングページの提供 |
また見込み客を意識することとして、ナーチャリングによる関係構築・購買意欲の醸成をする上で、態度変容に応じたアプローチが必要となります。
マインドの変容を意識したコンテンツを考える際、以下の「人を動かす3つの要素」を深く理解しておくとよいでしょう。
▼人を動かす3つの要素
- 信頼:情報に対する信頼性
- 感情:感情の変化をもたらす内容、接触方法や接触頻度
- 理論:納得できる情報や説得できる情報
リードナーチャリングで成果を出すポイント
ここからはコンテンツを制作して成果につなげていくまでのポイントを紹介します。
MAツールを効率的に活用する
マーケティングを効率的に実現するためのツールが、MA(マーケティングオートメーション)ツール。
見込み顧客の育成は時間と手間がかかりますが、MAツールを活用することで見込み顧客の育成の自動化を可能にします。
MAツールにはユーザーをスコアリングする機能、適切なタイミングで顧客に合ったコンテンツを届ける機能などが搭載されています。
自動かされるので、営業担当者が見込み顧客をずっと追いかける必要はありません。
蓄積されたデータで効果を分析して、新たな施策の検討も容易です。
さらにマーケティングオートメーションが気になる方は、「【ツール別】マーケティングオートメーションの成功事例21選」の記事も参考にしてみてください。
またマーケティングオートメーションの実現に欠かせないMAツールについては、「徹底比較!おすすめのMAツール(マーケティングオートメーション)21選」の記事が参考になるはずです。
ナーチャリングコンテンツの事例を参考にする
同じ業界のコンテンツ事例を参考にすると、対象の業界に属する見込み顧客から、より興味関心を持ってもらい、資料請求などのアクション喚起につなげることができます。
さらに職種別の事例まで深堀りできると、ペルソナ像に近づけた課題解決案として、見込み顧客に共鳴してもらいやすくなります。
事前にペルソナやカスタマージャーニーマップを作成して、具体的なコンテンツに仕上がるでしょう。
また業界や業種に関係なく、共通した課題もあるはずです。
例えば、「メールマーケティングで反応が薄い」「リード獲得までの課題がある」「見込み顧客が比較・検討段階までいかない」など、よくある共通の課題もピックアップしながらQ&Aにまとめておくとよいでしょう。
顧客の購買プロセスを意識する
リードナーチャリングを行う顧客は、情報収集や比較検討している段階の顧客が該当します。
顧客の段階 | 顧客の状況 | 顧客への対策 |
情報収集 | 自社商品やサービスを認知しており、興味関心を持っている状況 | 興味関心を高めながら、購買意欲を持たせるため、サービス説明会や導入事例などのコンテンツ訴求がベスト |
比較検討 | 購入意欲はあるものの、自社だけでなく他社の商品やサービスも検討している状況 | 商品やサービスの他社比較表や導入の手引などを作成し案内しながら、導入を前向きに検討してもらうコンテンツがベスト |
また購買プロセスは段階的に移行するように見えますが、無関心から一気に情報収集の段階に入ったり、比較検討の段階から始まったりする見込み顧客もいます。
したがって、リードナーチャリングは情報収集と比較検討のどちらの顧客にも、共感してもらえるコンテンツ提供がとても大切です。
まとめ:顧客のお悩み解消コンテンツを実現するために
ナーチャリングコンテンツを作成することは、お悩みを解消するヒントを伝えることができます。
さらには人を動かすことでもあり、さらに企業という組織も動かす可能性も秘めています。
それぞれの顧客の状況を把握しながら、マーケティング活動をすると、顧客は優良顧客に、優良顧客は宣伝力のある理想の顧客に成長するはず。
確度の高い営業や販売を実現するためにも、ぜひ計画的なナーチャリングコンテンツを作成していきましょう。
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