動画はDXに活用できる?成功事例8つと活用方法を徹底解説

スマートフォンの普及に伴って、インターネット上の動画を視聴するユーザーも増加しています。
視聴ユーザーの増加を背景に、動画を活用する企業も増えており、DXに動画を活用する動きもみられるようになりました。
一方で、「どのようにDXに動画を活用すればいいのか分からない」と考える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、DXに動画を活用する方法や具体的な事例をご紹介します。
動画の活用を検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン氏によって提唱された概念です。
「ITの浸透によって、人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」ことを指しています。
国内では、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」をきっかけに注目されるようになりました。
経済産業省では、DXを次のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
デジタルトランスフォーメーションは、単なる業務のデジタル化ではなく、ビジネスモデルや経営戦略の変更も含めた大きな改革を指す言葉です。
「DXレポート」によるとDXの導入が進まなかった場合、2025年以降、最大で年間12兆円の経済的損失が生じるとされています。
「2025年の崖」と呼ばれる上記の問題に対処するには、DXの推進が不可欠と考えられています。
DXについて詳しく知りたい方は「デジタルトランスフォーメーションとは?注目される理由を徹底解説」を御覧ください。
動画はDXでも活用できる
動画はDXに活用できます。
スマートフォンの普及に伴い、インターネット上の動画配信サービスの利用者も増加傾向にあります。
ニールセンデジタル株式会社の発表によると、2020年は新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が多くなったため、ひと月あたりの動画サービスの利用時間が2019年と比較して、1時間程増加したことが明らかになりました。
(参考:COVID-19の影響で、3-4月の若年層の「投稿動画」視聴時間が大幅増加~ニールセン、スマートフォンの動画アプリ利用状況を発表~ )
対面によるサービス提供が困難になり、ビジネス分野では動画をDXに活用するケースも。
また5Gサービスの提供もはじまり、今後もインターネット上で配信される動画は増えると予想され、DXへ動画を活用する企業も増えると考えられます。
動画をDXに活用するべき4つの理由
ここでは、動画をDXに活用するべき4つの理由について解説します。
理由1.短い時間で多くの情報が伝えられる
動画は、
- 映像
- テキスト
- 画像
- 音声
- アニメーション
など、さまざまな表現方法を用いて制作できるコンテンツです。
テキストや画像でPRする場合に比べてより多くの情報を短時間で伝えられるメリットがあります。
PRの時間が短縮されてユーザーの離脱率の抑制にもつながるため、取り組むべきだと言えます。
理由2.説明コストを削減できる
今までオンラインでのPRにはテキストや画像を用いるのが一般的でした。
しかし、テキストや画像では意図したとおりに情報が伝わらず、説明コストがかさんでしまいがちです。
一方、動画には先ほど紹介したとおりさまざまな表現方法を用いて情報を伝えられるメリットがあります。
この特徴によって伝えたい情報がしっかりと伝わり、説明コストの削減につながるため、取り組むべきだと言えるわけです。
理由3.データを使ってマーケティングに活用できる
動画の活用は、ユーザーに関するさまざまなデータを収集できるメリットもあります。
動画を視聴したユーザーの属性はもちろん、行動データの取得も可能です。
これらのデータを取得して分析すれば、より効果的な施策を実施でき、マーケティングにも活用できるでしょう。
マーケティングに有利な情報を得られるため、積極的に活用するべきだと言えます。
理由4.潜在顧客にアプローチできる
制作した動画の活用方法はさまざまですが、YouTubeやTikTokなどのユーザーが多いプラットフォームに動画をアップした場合、潜在顧客にもアプローチできます。
潜在顧客は今後コミュニケーションを取っていく中で、顧客になってくれる可能性があります。
積極的に動画を活用し、継続的にアプローチをして営業コスト削減も図っていきましょう。
DXで動画を活用する方法
デジタルトランスフォーメーションに、動画を活用する具体的な方法を紹介します。
動画による解説
製品の使用方法や注意点を解説する動画マニュアルを導入する事例も増えています。
動画マニュアルには、図や文章を使用したマニュアルでは難解になってしまう内容でも、簡単にユーザーに伝えられる利点があります。
文章だけでは説明が難しい事項も動画で見せれば一目瞭然です。
紙のマニュアルよりも学習時間を短縮できれば、業務の効率化に繋がるだけではなく、ユーザーのストレスも軽減できるでしょう。
サービスの紹介
動画はサービスの紹介にも活用できます。
目に見える物理的な製品を扱うビジネスとは異なり、形のないサービスはユーザーに魅力が伝わらないこともあります。
分かりにくいサービスを紹介する際に動画を活用すれば、魅力や利点を正確に伝えられるでしょう。
製品のPR
動画を活用すれば、静止画では伝わりにくい製品の魅力をPRできるでしょう。
製品をさまざまな角度から見せたり、実際に使用している場面を見せれば、商品に対する理解を深めてもらえます。
パンフレットだけで商品の雰囲気を伝えるのは難しいですが、動画であれば簡単に伝えられるでしょう。
360度ビューによる疑似体験
360度全方位を見られる動画をDXに活用するケースも増えています。
展示会やモデルルームのバーチャルツアーのほか、360度動画を配信している動物園も存在します。
加えて、2020年は新型コロナウイルスによって多くのイベントが中止になったため、イベントの代わりに360度動画を配信するケースも。
360度動画は対応したカメラさえあれば簡単に撮影できる上、スマートフォンアプリやパソコンのブラウザで再生できるため、導入のハードルが低いメリットもあります。
動画を使った人材採用
採用活動は企業が成長する上で欠かせない取り組みですが、慢性的な人材不足の影響もあって年々採用が難しくなっており、採用にかかるコストも高騰しています。
そこで活用したいのが「動画」です。
- 会社紹介動画
- 先輩社員へのインタビュー動画
- 事業内容を紹介する動画
などを制作して公開することで、就職を希望している若者や転職を希望している人へのアプローチができ、人材採用につなげられます。
社内マニュアル
先ほど動画はユーザーがサービス・製品を利用するためのマニュアルに活用できると紹介しましたが、社内マニュアルにも同様に使えます。
活用方法は社内で使用する製品やツールについて解説された紙マニュアルを動画に移行する形です。
特に効果を発揮するのが操作が複雑な製品やツールのマニュアルで、テキストや画像では説明しづらい部分も、映像を用いて解説できます。
動画にすれば、イメージがしやすいため、社員の理解度も高まりやすいでしょう。
動画でDX化の推進に成功した事例8選
すでに動画によるDXの推進に成功した企業も存在します。
株式会社サムシングファン
年間1,300件以上の動画制作実績を誇る映像制作会社、「株式会社サムシングファン」。
さまざまな企業に動画の活用をサポートしているサムシングファンですが、サムシングファン自体コロナ禍での新規リードの獲得に苦戦していました。
そこで活用したのがライブウェビナーです。
このライブウェビナーの実施によって、サムシングファンは単月で新規のリードを2,500件獲得しました。
また、コロナ禍以前であれば取り組んでいなかったであろう動画広告への取り組みもスタートさせ、リードの獲得につなげたとしています。
株式会社サムシングファンの事例については、「動画マーケティングって何から始めるべき?【サムシングファン・薮本直樹さん】」をご覧ください。
LogKnot株式会社
LogKnot株式会社では、紙媒体の商品資料だけでは魅力が伝わらないことが課題になっており、動画配信だけではない接客が求められました。
その課題を解決するべくシーズ・リンクの「riclink」を導入しました。
riclinkのURLを動画内に設置できる機能を使い、必要な資料を紐付けし顧客が欲しいタイミングでクリックして資料を閲覧する仕組みを作っています。
また視聴ログや遷移ログから、顧客ニーズを汲み取ってさらなる動画作成にも活用しています。
動画を使って、営業の幅を広げた一例です。
【参考】riclink 「プロポライフグループの新戦略、不動産・リノベーション業界のDX推進を目的としたLogKnot株式会社による「riclink」活用法」
アークシステムワークス株式会社
アークシステムワークスは、家庭用から業務用まで幅広いゲームソフトを開発している会社で、製品のプロモーションに動画を活用しています。
年間30本以上のゲームソフトを開発しており、さまざまなプロモーションを展開しています。
現在、ゲームのプロモーションに動画が用いられることは珍しくありません。
しかしアークシステムワークスは、早い時期からプロモーションに動画を活用し、差別化に成功しました。
【参考】CLABEL 「プロモーション動画は、お客様にゲームの存在と内容を 知っていただくために不可欠なツール」
日本フードデリバリー株式会社
日本フードデリバリーは、法人向けに特化した弁当検索サイト「くるめし弁当」を運営しており、登録飲食店数を増やすための営業ツールで動画を導入しています。
動画を活用して以降、新規契約者数は営業担当者1人が2~3か月間、新規開拓をした場合とほぼ同数の契約者を獲得しています。
同社は大阪と東京に事務所を構えていますが、地域によっては直接訪問できないこともあり、遠方地域での営業活動は困難な状態でした。
そこで動画の活用したところ、遠方地域の新規登録者も20%増加しました。
動画を活用することで、より多くの見込み客へリーチできるようになった事例と言えるでしょう。
【参考】CLABEL 「動画は強力な営業補助ツール。『人の顔が見える』動画が店舗開発に役立っています」
水上印刷株式会社
水上印刷は、印刷やプロモーション、ロジスティクスなどを提供している会社です。
年間で300社、1,000人以上の顧客と接触しており、自社のサービスやシステムを紹介する目的で、2014年から動画によるサービス紹介に取り組んでいます。
営業活動以外にも、採用ツールで動画を活用しています。
会社の事業内容はパンフレットなどの紙媒体だけでも求職者に伝えられますが、職場環境や雰囲気を伝えるのは困難です。
紙媒体では伝えきれない部分を動画でカバーすることで、営業・採用の活動を効率化に成功した事例でしょう。
【参考】CLABEL 「会社紹介・商談・採用に動画をフル活用。現場のニーズを汲み取ることで、より使いやすく価値ある動画に」
株式会社ビースタイル ホールディングス
ビースタイル ホールディングスは、働きたい主婦のための就業支援サービス「しゅふJOB」などの人材支援サービスを展開している会社です。
同社ではこれまでリスティング広告を活用して集客をしていましたが、同業他社との競争が激しくなり新規顧客の獲得が困難な状況に。
加えて、従来の方法では獲得できない客層へリーチする方法も模索していました。
トライアルで動画広告を配信したところ、リスティング広告よりも低単価での集客に成功しました。
【参考】CLABEL 「BtoBマーケにも動画広告が有効!〜ビースタイルのWebマーケ戦略とは〜」
株式会社 藤和ハウス
藤和ハウスは、東京都内で総合不動産業を展開している会社です。
360度動画を活用した物件のバーチャルツアーを自社サイトに公開したところ、サイト滞在時間が1.5倍に増加しました。
新型コロナウイルスの影響で、平日は休業していたのにも関わらず、オンライン経由の問い合わせも2倍に増加。
動画を活用してプロモーションに成功した事例と言えるでしょう。
【参考】THETA360.biz 「【第2回】WEBサイトの滞在時間が150%に!企業の進化を支えるTHETA360.biz」
日本ホテル株式会社 JR東日本ホテルメッツ
主要駅へのアクセスに便利な立地にホテルを展開している、「JR東日本ホテルメッツ」。
JR東日本ホテルメッツはこれまで紙のマニュアルで社員の研修をしていました。
しかし情報の更新に手間や時間がかかる上に、視覚的に覚えられず記憶に定着しにくい点に悩まされていました。
その問題を解決したのが動画マニュアルです。
株式会社スタディストが提供しているTeachme Bizによる動画マニュアルを導入したことで、簡単にマニュアルの作成や更新ができます。
映像で視覚的に確認でき、着度もアップしたといいます。
【参考】Teachme Biz 「拡大するインバウンド需要に向けたサービス品質や付加価値を向上 Teachme Bizは業務でも研修でも活躍する万能ツール」
インタラクティブ動画もDXで注目されている
DXが注目されるようになって以降、インタラクティブ動画を活用する動きも見られるようになりました。
ここでは、インタラクティブ動画とはどのようなものなのか、どのような効果があるのかについて解説します。
インタラクティブ動画とは
インタラクティブ動画とは、ユーザーが操作できる動画を指します。
通常の動画とは異なり、映像を介した双方向のコミュニケーションを取れる点が特徴です。
例えば、YouTubeでは動画内に「チャンネル登録ボタン」が表示されることがあります。
単に情報を発信するだけではなく、動画自体がチャンネル登録のツールで機能しているのです。
インタラクティブ動画は、ユーザーに行動を促すツールでさまざまな場面で活用されています。
次はインタラクティブ動画の効果について、もう少し詳しく解説しましょう。
インタラクティブ動画の効果
インタラクティブ動画には、
- 印象に残りやすい
- 最後まで視聴してもらえる可能性が高い
- データを残せる
といった効果があります。
インタラクティブ動画は、通常の動画と比べてユーザーの印象に残りやすいです。
ユーザーは必要に応じて動画を操作する必要があるため、記憶に残りやすい傾向があります。
加えて、インタラクティブ動画はユーザーの興味を引きやすく、最後まで視聴してもらえる可能性も高いため、訴求したい情報をしっかり伝えられるでしょう。
従来の動画では、収集できる情報に限りがありました。
しかしインタラクティブ動画は、ユーザーの操作をデータで残せます。
ユーザーの行動を把握できれば、マーケティング施策の改善にも活用できます。
インタラクティブ動画が得意な企業3社
インタラクティブ動画制作が得意な会社を3社ご紹介します。
株式会社サムシングファン
![]()
引用元:サムシングファン
サムシングファンは、映像制作やYouTube運用、ライバーマーケティング事業などを手掛ける制作会社です。
広告用の動画やWebサイト用の動画など、目的に合わせた動画の制作を依頼できます。
映像制作だけではなく、動画マーケティング支援ツール「DOOONUT」も提供しています。
映像の活用方法についての提案もおこなっているため、インタラクティブ動画の活用を検討中の方は相談してみると良いでしょう。
株式会社VIDWEB
![]()
引用元:VIDWEB
VIDWEBは、動画の企画・制作や動画メディアコンサルティングなどの事業を展開している会社です。
動画の制作からマーケティングまでワンストップで対応しています。
マーケティング込みで、インタラクティブ動画制作を依頼したい方におすすめです。
株式会社スプレッドオーバー
![]()
引用元:スプレッドオーバー
スプレッドオーバーは、動画制作やライブ配信支援などの事業を手掛けている会社です。
インタラクティブ動画配信プラットフォーム「SOVE」を運営しています。
「SOVE」を活用すれば、動画の任意の場所にリンクを設置したり、ユーザー操作に応じてストーリーが分岐する動画を作成できます。
まとめ:動画をDXに活用しよう!
動画をDXに活用するべき理由に触れながら、動画をDXへ活用する方法や事例についてご紹介しました。
まだまだ数は少ないものの、DXへの取り組みの一環に動画を活用し、成果をあげている企業は少なくありません。
今後も動画コンテンツの重要性は高まり、DXのさまざまな場面で動画が活用されると考えられます。
しかし、「どのようにDXを進めていけばいいかわからない……」と頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?
弊社テクロ株式会社は、DX支援を得意としています。
DXの活用方法について解説している「DX解説本」もありますので、ぜひご活用ください。