コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違いとは?
コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違いをご存知ですか?
両者には共通する部分もありますが、基本的には異なるものです。
この記事では、コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違いについて解説し、それぞれの役割や手法、事例などを紹介します。
マーケティングの基本を理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
なお、テクロ株式会社では、企業が抱えるWebマーケティングの課題と解決方法についてまとめた資料「Webマーケティングの教科書」を配布しています。
Webマーケティングの基本を知りたいBtoB企業様は、ぜひご活用ください。
目次
- 1 コンテンツマーケティングやWebマーケティングが注目されている理由
- 2 コンテンツマーケティングとWebマーケティングの歴史
- 3 コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違い
- 4 コンテンツの種類
- 5 Webマーケティングの手法
- 6 オフラインにおけるコンテンツマーケティング
- 7 コンテンツマーケティングとWebマーケティングのターゲット
- 8 コンテンツマーケティングとWebマーケティングを成功させるためのポイント
- 9 コンテンツマーケティングの成功事例
- 10 Webマーケティングの成功事例
- 11 【2024年】コンテンツマーケティングとWebマーケティングの最新トレンド
- 12 まとめ:コンテンツマーケティングはWebマーケティングの手法の一部
コンテンツマーケティングやWebマーケティングが注目されている理由
コンテンツマーケティングとWebマーケティングが注目されている理由は、電子商取引が拡大しているからです。
経済産業省が発表した「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、ECサイトの市場規模や、広告費全体に占めるWeb広告費の割合は、年々増加しています。
このような電子商取引の拡大には、
- スマートフォンの普及
- 宅配サービスの充実
- キャッシュレス決済の普及
などが背景にあると考えられます。
電子商取引の拡大傾向は、今後もしばらく続くでしょう。
そのため、コンテンツマーケティングやWebマーケティングに取り組むことで、大きな販売促進効果が期待できます。
参考:令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書|経済産業省
コンテンツマーケティングとWebマーケティングの歴史
次に、コンテンツマーケティングとWebマーケティングの歴史を紹介します。
コンテンツマーケティングの方が歴史が古く、インターネットの普及に伴ってさまざまな手法が生まれたことから、Webマーケティングが広がりました。
コンテンツマーケティングの歴史
コンテンツマーケティングの始まりは、1895年に登場した農業情報誌「The Furrow」といわれています。
この雑誌は、農機具メーカーが農作物の育て方や新しい技術を紹介するために農家向けに発行したものです。
農家にとって有益な情報が掲載されており、世界40か国で今なお発行されています。
「The Furrow」は直接的に農機具を売り出すのではなく、お役立ちコンテンツで信頼を得てから販売促進につなげるという手法をとっていたので、現在のコンテンツマーケティングと同様であるといえます。
このように、雑誌や新聞といった紙メディアを中心としたコンテンツマーケティングが、1980年代まで続きました。
1990年代になると、インターネットの普及に伴い、Web上のコンテンツが主流となります。
1994年にブラウザが誕生し、1998年にGoogleをはじめとする検索エンジンが登場すると、Web上のコンテンツマーケティングが一気に広がりました。
そして、2001年頃には、初めて「コンテンツマーケティング」という言葉が登場します。
その後、SNSや動画プラットフォームなどが登場し、現在のように多種多様なコンテンツマーケティングに発展していきました。
Webマーケティングの歴史
1994年にインターネット上でバナー広告が葉登場したことが、Webマーケティングの始まりといわれています。
それ以降、検索エンジンやリスティング広告などが登場し、さまざまな手法が生まれていきました。
2000年代に入るとブログやSNSなども登場し、現在のような多様な手法が存在する状態となっています。
コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違い
ここでは、コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違いについて解説します。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに有益なコンテンツを発信することで自社製品・サービスへの購買意欲を高め、最終的に購入につなげるマーケティング活動です。
「コンテンツ」はWeb上のものだけでなく、ポスターやパンフレットといったオフラインのものも含まれます。
しかし、発信した情報を多くの人に見てもらう必要があるため、オフラインよりもオンラインで情報発信をするケースが一般的です。
運用するコンテンツは
- 記事コンテンツ
- 動画コンテンツ
- 画像コンテンツ
- 漫画コンテンツ
など、さまざまです。
関連記事:コンテンツマーケティングとは?実践方法や手法、事例まで徹底解説
Webマーケティングとは
Webマーケティングとは、Web上で行われるマーケティング活動全般のことです。
Web広告やSNS、SEO対策など、あらゆるマーケティング施策が含まれます。
従来のオフラインマーケティングと異なり、結果のほとんどをデータ化できる点が特徴です。
例えば、チラシやポスターなどのオフライン施策では、集客効果や認知度の向上などを詳細に把握することはできませんでした。
一方でWebマーケティングの場合、Webサイト上でのユーザーの動きや流入経路、購入に至るまでの行動など、さまざまなデータを得ることが可能です。
つまり、定量的な効果測定を基に施策の改善をしやすいであるといえます。
関連記事:Webマーケティングとは?基本の知識、施策の方法を詳しく解説
コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違い
コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違いは以下のとおりです。
- コンテンツマーケティング:コンテンツという「手法」に軸を置いた概念
- Webマーケティング:Web上という「場所」に軸を置いた概念
Webマーケティングは、Web上におけるコンテンツを活用したマーケティング活動全般を指します。
そのため、Web上におけるコンテンツマーケティングは、Webマーケティングの手法の1つであるといえます。
しかし、コンテンツマーケティングにはオフラインコンテンツを活用した手法も含まれるため、コンテンツマーケティングがWebマーケティングに完全に包括されていない点に注意してください。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
Webマーケティングと混同しやすい言葉に「デジタルマーケティング」があります。
デジタルマーケティングとは、Web上に限らず、Eメールやアプリなど、デジタルツールを活用して行うマーケティング活動のことです。
マーケティングを行う「ツール」に軸を置いた概念であるところがポイントです。
デジタルマーケティングに関しては以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
関連記事:デジタルマーケティングとは?活用できるチャネルや手法に触れながら徹底解説
コンテンツの種類
コンテンツマーケティングで発信するコンテンツには、いくつかの種類があります。
実際に取り組む場合は、ユーザーに有益な情報を、どのコンテンツで発信するか決めなければなりません。
そのため、コンテンツの種類と特徴を把握しておくことが重要です。
ここからは、コンテンツマーケティングでよく使われるコンテンツを4種類紹介します。
自社の情報をどのコンテンツで届けるとユーザーの関心を引けるか、考えながら読み進めてみましょう。
テキストコンテンツ
テキストコンテンツとは、Webメディアやブログなどで、読み物として配信されるコンテンツのことです。
2015年のコンテンツマーケティング黎明期から現在に至るまで、コンテンツマーケティングの主軸を担っています。
ユーザーにとって有益な情報を文字情報で届けます。
所々に画像や動画、イラストが配置されるケースもありますが、メインはあくまで文字です。
特に、コンテンツSEOに取り組む場合は、テキストコンテンツによる情報発信が必須です。
動画コンテンツ
近年、テキストコンテンツと並んでコンテンツマーケティングの主軸を担っているのが、動画コンテンツです。
YouTubeなどの動画プラットフォームやSNSが充実したことにより、動画コンテンツによるコンテンツマーケティングに取り組む企業は大きく増えました。
動画コンテンツのメリットは、テキストコンテンツよりも多くの情報をユーザーに伝えられることです。
映像だけでなく音声や画像、アニメーションなどを駆使することで、テキストでは伝えにくい情報も、わかりやすく伝えられます。
「動画コンテンツの情報量はテキストコンテンツや画像コンテンツの5,000倍」ともいわれています。
画像コンテンツ
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでよく使われているのが、画像コンテンツです。
画像コンテンツとは、伝えたい情報を画像にまとめて、ユーザーに届けます。
単に製品・サービスの画像を載せるのではなく、ユーザーに有益な情報を完結にまとめ、画像内にテキストやイラストを配置する形でコンテンツ化するのがポイントです。
特に近年では、難しい内容をわかりやすく図解して、複数の画像で伝える手法が増えています。
漫画コンテンツ
テキストコンテンツと画像コンテンツの弱点をカバーしているのが、漫画コンテンツです。
テキストコンテンツは、活字が苦手なユーザーには敬遠されがちです。
また、ボリュームが多いと、時間がない方にも敬遠されます。
一方で画像コンテンツは、テキスト量が少なく気軽に楽しめますが、伝えられる情報量が限られる点がデメリットです。
それに対して漫画コンテンツは、これまでテキストコンテンツで伝えていた内容を漫画にして発信します。
漫画化すると読み進める心理的ハードルが下がるため、ユーザーに目を通してもらいやすくなります。
また、画像コンテンツよりも多くの情報を伝えることも可能です。
Webマーケティングの手法
続いて、Webマーケティングの手法を紹介します。
紹介する手法の中には、コンテンツマーケティングに該当する手法もあります。
SEO対策
SEO対策とは、「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の略で、自社サイトがGoogleなどの検索エンジンの検索結果で上位に表示されることを目指して、コンテンツを最適化することです。
検索結果で上位に表示されると、自社サイトの表示回数が増え、それに伴って自社サイトへの流入も自然と増加します。
そして、コンバージョン(製品の購入やお問い合わせ)の増加が期待できます。
SEO対策は、集客力を強化したいときに用いる手法の1つです。
社内リソースを活用して、コストを抑えながら取り組める点がメリットです。
一方で、手間や工数がかかることや、効果が出るまでに時間がかかるといったデメリットもあります。
関連記事:WebマーケティングにおけるSEOの重要性とは?メリットとデメリットも紹介
Webサイト運営
製品・サービスの紹介をしたり、ユーザーがお問い合わせや購入ができたりするWebサイトを制作し、運営します。
主な作業は以下のとおりです。
- コンテンツの追加と更新
- ユーザーからの問い合わせへの対応
- Webサイトの分析と改善
- ドメインやサーバーの管理
コンテンツの更新だけでなく、Webサイトの保守・管理も必要です。
また、発信したコンテンツを分析し、ユーザーニーズに応えられるよう改善策を打っていくことも重要です。
Web広告
Web媒体上に広告を出稿し、集客や認知度向上を狙います。
以下の表のように、Web広告にはさまざまな種類があります。
自社が狙うターゲットや予算に合わせて、どのWeb広告に出稿するかを決めましょう。
Web広告の種類 | 概要 |
リスティング広告 | GoogleやYahoo!の検索結果の上部に表示される広告。ユーザーが検索したキーワードに連動して、テキスト形式で表示される。ニーズに合っている可能性が高くユーザーの目に留まりやすい上に、画像や動画などを作らなくて良い点がメリット。 |
バナー広告(ディスプレイ広告) | Webサイトの中に画像や動画といった形式で掲載する広告で、潜在層にアプローチできる。「画像+テキスト」または「動画+テキスト」と視覚的に表現できるため、製品・サービスのイメージを直接的に伝えたい場合に有効。 |
アドネットワーク広告 | 複数の媒体に一括で広告を掲載する手法。通常、複数の媒体に出稿する場合は、媒体ごとの料金体系や入稿形式に合わせる必要がある。アドネットワーク広告の場合、1つのアドネットワーク業者に一括して任せられるので、業務を効率化できる。 |
リターゲティング広告 | 1度Webサイトに訪れたことのあるユーザーに向けて発信する広告。製品・サービスが気になっているものの購入に踏み切れていない潜在層に繰り返しアプローチできるため、費用対効果が高い点が特徴。また、リピーターの獲得にも有効。 |
アフィリエイト広告 | 第三者のWebサイトに自社の広告を掲載し、その広告効果によって報酬を支払う「成果報酬型広告」のこと。成果分だけを支払うため、広告費用を抑えられる点がメリット。個人ブログなどにも掲載できる。 |
SNS広告 | InstagramやFacebookなどのSNSに表示できる広告。集客や認知度向上、顕在層の獲得など、さまざまな目的に活用できる。他の広告に比べるとターゲットを細かく設定できる点が特徴で、BtoB運用も可能。 |
SNS運用
- X(旧Twitter)
- TikTok
などのSNS(Social Networking Service)を活用し、集客や認知度向上を目指す手法です。
拡散力が高く、上手く活用すればファンを獲得しやすい点が特徴です。
また、ユーザーと直接コミュニケーションをとれるため、ユーザーの反応を把握できることもメリット。
既存顧客だけでなく、潜在層を含めた幅広いユーザーに向けてアプローチできます。
ただし、炎上などのリスクがあるので、扱いには注意が必要です。
動画マーケティング
動画マーケティングとは、動画コンテンツを活用し、自社や製品・サービスについて情報発信することです。
- テキストや画像では伝えにくい情報もわかりやすく伝えられる
- 伝えられる情報量が多い
- YouTubeやSNSが普及した
などの理由で、BtoB、BtoCを問わず、動画マーケティングに取り組む企業は増えています。
適切に制作・配信できると、高い集客効果が期待できる点が動画マーケティングのメリットです。
ただし、動画の制作には手間とコストがかかります。
また、動画マーケティングに取り組む企業が増えているため、事前にしっかりと戦略を練って、継続的に取り組む体制を整えておかないと、具体的な効果も見込めません。
そのため、自社のリソースや現在取り組んでいる他のマーケティング施策との優先順位などを考慮しながら、適切なタイミングで始めることをおすすめします。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールを用いたマーケティング活動のことです。
主な施策に、メールマガジンがあります。
メルマガとは、購読希望者に対して、企業が定期的に配信するメールのことです。
他の施策に比べるとコストが安く、ユーザーとの信頼関係を築きやすい点がメリットです。
ユーザーの属性ごとに分けて配信する「セグメント配信」を導入すれば、よりニーズに合った情報発信もできます。
ただし、特定電子メール法が定める迷惑メールに該当しないように注意してください。
関連記事:メルマガって本当に効果あるの?具体的な効果やメリットを紹介
ウェビナー
ウェビナーとは、オンラインで開催するセミナーのことです。
「Web」と「セミナー」を合わせた造語で、スマートフォンの普及や動画の制作・配信に関するツールが発達したことで、一般的なものとなりました。
オンライン上で開催するため、
- 会場の制約がない
- 遠方の人でも参加できる
- 参加へのハードルが低い
といったメリットがあります。
また、参加者にとっても気軽に参加できるため、温度感の低い見込み顧客と接触できることも特徴です。
ただし、開催する場合は安定した通信環境を整えておきましょう。
関連記事:ウェビナーの意味とは?メリット・デメリットや便利なツール6選を紹介!
LPO(ランディングページ最適化)
ランディングページとは、製品・サービスについて紹介した縦長のWebページのことです。
ランディングページを最適化して集客効果を最大化させることも、Webマーケティングの1つです。
既存のWebサイトや施策を活かしながら、ユーザーの反応率向上が期待できます。
オフラインにおけるコンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングの手法の中には、オフラインのものもあります。
セミナー・展示会
セミナーや展示会などのイベントは、重要なオフライン施策の1つです。
以下のようなメリットがあります。
- 企業の担当者と直接交流できるため、信頼関係を築きやすい
- 購買意欲の高いユーザーが集まるため、営業効果が高い
- 来店や商談のきっかけを作りやすい
セミナーや展示会を成功させるポイントは、事前の集客に力を入れることです。
他のマーケティング手法と組み合わせて、集客力を高めましょう。
プレスリリース
プレスリリースとは、企業が発信する公式文書のことです。
主に報道関係者に向けて、新製品・新サービスに関する情報や、イベントに関する情報を発信します。
報道各社はプレスリリースの情報を元に、ニュースや新聞の構成を組み立てます。
プレスリリースのメリットは、第三者から発信される情報であるため、信頼性が高いことです。
発信する情報が有益なものであれば、ニュースや新聞によって拡散され、大きな効果を生み出すことも期待できます。
DM(ダイレクトメール)
企業から対象となるユーザーに郵送でハガキやチラシ、カタログなどを送る手法です。
クーポンや割引券を添付することで、来店を促す効果が期待できます。
活用する場合は顧客リストを作成し、印象に残りやすいデザインやわかりやすい内容で作ることを意識しましょう。
適切なターゲティングをして、ユーザーに有益な情報を送付することで、購買意欲の向上が期待できます。
コンテンツマーケティングとWebマーケティングのターゲット
コンテンツマーケティングとWebマーケティングのターゲットには違いがあります。
コンテンツマーケティングのターゲット
コンテンツマーケティングには、Web上の施策だけでなく、オフライン施策もあります。
そのため、コンテンツマーケティングのターゲットには、Webに慣れていない年代層が含まれることがあります。
スマートフォンが普及したとはいえ、ガラパゴス携帯やらくらくフォンを利用している方も多いため、オフライン施策が有効になる場合もあるでしょう。
そのような層に対してWebを通じたコンテンツマーケティングを展開しても、効果は見込めません。
Webマーケティングのターゲット
Webマーケティングの主なターゲットは、PCやスマートフォンを日常的に使う、Webに慣れている世代です。
インターネットに対する抵抗感が少ないため、Web上での施策が効果的です。
ただし、ターゲット層に合った手法を取り入れるようにしましょう。
例えば、SNSを用いたWebマーケティングでも、ターゲットによってSNSを使い分ける必要があります。
具体的には以下のとおりです。
- 10〜20代の若い世代:TikTokやYouTube
- 30〜50代でビジネスシーンでの活用を想定:Facebook
- 女性:Instagram
コンテンツマーケティングとWebマーケティングを成功させるためのポイント
コンテンツマーケティングとWebマーケティングを成功させるためのポイントには、共通する部分が多くあります。
目的と戦略を立てる
実際に手を動かす前に、マーケティングに取り組む目的を決め、戦略を立てておきましょう。
認知拡大やブランディングといった目的が決まっていないと、途中で方向性がブレてしまい、成果につながらない可能性があります。
また、戦略を練っていないと、目的達成のために必要な要素がわかりません。
特に、長期的な施策を展開する場合、目的と戦略を決めておかないと、いつまで経っても成果につながらず、無駄なコストをかけてしまいます。
具体的な施策に取り組む前に、まずはマーケティングに取り組む目的と、目的達成のための戦略をじっくりと考えておきましょう。
自社の課題やターゲットに合った手法を選ぶ
マーケティングにはさまざまな手法があるため、自社の課題やターゲットに合った手法を選んでください。
例えば、短期的な集客を見込みたいのに、成果が出るまで1年程度の時間がかかるSEO対策は向いていません。
それぞれの手法の特徴を理解して、自社の状況に合った最適な手法を選びましょう。
PDCAを回す
定期的に今までのマーケティング活動に対する効果測定を行い、改善を施していきましょう。
上手くいっていない点を見つけて、戦略が間違っているのか、ターゲットのニーズを満たせていないのかなど、原因を分析しましょう。
やりっ放しにせず、定期的に振り返る機会を作ることで、より効果的なマーケティング活動に発展させることが重要です。
継続できる体制を構築する
継続的にマーケティングに取り組める体制を構築することも重要です。
マーケティング活動を始めて、すぐに結果が出ることは稀です。
長期的な視点でユーザーとの関係性を構築していくことが大切なので、継続性が求められます。
そのため、事前に体制を整えておかないと、継続的な取り組みができず、成果につながりません。
もし自社だけで継続的な取り組みが難しい場合は、外注も視野に入れましょう。
自社でできない場合は外注も視野に入れる
「ノウハウがない」「リソースが足りない」という理由で、自社だけでマーケティング活動を行うのが不安な方も多いでしょう。
もし自社だけでマーケティング活動に取り組むのが不安であれば、外注を検討するのがおすすめです。
現在、さまざまなマーケティング支援会社があります。
外注すると費用はかかりますが、マーケティング支援会社は専門的なノウハウを持っているため、自社で取り組むよりも成果を期待できます。
コンテンツマーケティングの成功事例
ここで、コンテンツマーケティングの成功事例を3つ紹介します。
北欧、暮らしの道具店
出典:北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧雑貨や食器を扱うECサイトです。
ECサイト自体をオウンドメディアとして運用している点が特徴で、新商品の案内だけでなく、食器に合う料理紹介や編集部スタッフのコラムなど、さまざまな情報を発信しています。
また、世界観を大切にし、ユーザーが求めるコンテンツを作る姿勢も特徴的です。
YouTubeで商品に関するWebドラマも配信しており、2024年6月現在で59.4万人がチャンネル登録しています。
また、月間UU(ユニークユーザー数)も150万を超えていることから、根強いファンの多いECサイトといえるでしょう。
サイボウズ株式会社
出典:サイボウズ株式会社
サイボウズ式は、働き方や生き方、組織のあり方などについて多くの記事を発信しているオウンドメディアです。
運営しているサイボウズ株式会社は、「kintone」や「サイボウズOffice」など、業務効率化に関するグループウェアを開発している企業です。
サイボウズ式では自社サービスを紹介するのではなく、サイボウズの理念や社風をさまざまな形で伝え、サイボウズと同社の社員について知ってもらうことを重視しています。
その結果、独自性に優れたオウンドメディアへと成長し、今ではSEOやSNSの自然流入を通じて、多くのファンを獲得しています。
jinjer株式会社
出典:HR NOTE
jinjer株式会社は、人材紹介や採用支援に取り組んでいる企業です。
同社では、人材担当者や経営者をターゲットに「HR NOTE」というオウンドメディアを運営しています。
主に、
- 他社の成功事例
- 採用に役立つノウハウ
- 自社の最新情報
などのコンテンツを発信しています。
HR NOTEの特徴は、ユーザーに最適なサイト構築を意識している点です。
MAツールを活用してユーザーの行動を把握したり、セグメントに応じたポップアップを出し分けたりと、ユーザーが快適に利用できるような工夫をしています。
その結果、メルマガ登録者数が1ヶ月で242%増加しています。
関連記事:コンテンツマーケティングの成功事例25選!日本・海外併せて紹介
Webマーケティングの成功事例
次に、Webマーケティングの成功事例を3つ紹介します。
ヒロセ補強土株式会社
出典:ヒロセ補強土株式会社
ヒロセ補強土株式会社は、補強土壁広報の提案・工事・コンサルティングに取り組んでいる企業です。
新型コロナウイルスの拡大により顧客訪問件数が減少し、案件数や受注数が大幅に低下したことが早急の課題でした。
そこで、対面式の営業からWebマーケティングに切り替え、
- Web広告
- Webサイトリニューアル
- ホワイトペーパーなどのコンテンツ制作
- MAツールを使ったメルマガ配信
などを実施しました。
その結果、新規顧客からの問い合わせも増加し、設計関連の問い合わせも増加しました。
また、Webサイトへのアクセス数も、1年目で2倍、2年目で4倍に増加しました。
日本人工芝計画株式会社
出典:日本人工芝計画株式会社
日本人工芝計画株式会社は、法人や個人宅の人工芝の施工に取り組んでいる企業です。
「自社サイトでの集客を強化したい」という課題を抱えていました。
そこで取り組んだのが、SEO対策です。
自社サイトへのアクセスを分析し、「人工芝」というキーワードでの流入を獲得できるよう施策を展開。
どうしても上位表示が難しいキーワードに関しては、リスティング広告と組み合わせるなどして、新規顧客の獲得を目指しました。
その結果、月間平均30件前後だった自社サイトからの問い合わせが、180件まで増加。
さらに、2名だった従業員も、13名まで増加しました。
ライオン株式会社
出典:ライオン株式会社
ライオン株式会社は、歯磨き粉や医薬品などを製造・販売している企業です。
BtoB向けの卸売において、自社サイト運営に課題を持っていました。
自社サイトからの問い合わせが少ない上に、目的外の問い合わせも50%程度ありました。
そこで、導線の見直しやBtoB向けのサイト制作など、Webサイトの改善を実施。
その結果、月間問い合わせ件数が3倍に増加し、目的外の問い合わせも10%まで減少しました。
また、継続的な改善に取り組むことで、施策開始から5年で売上4.6倍を達成しています。
関連記事:事例10選!BtoBのWebマーケティングに成功した会社を紹介
【2024年】コンテンツマーケティングとWebマーケティングの最新トレンド
コンテンツマーケティングとWebマーケティングのトレンドは、変わりゆく市場環境を反映して変化し続けています。
最後に、2024年最新のトレンドについて解説します。
コンテンツマーケティングの最新トレンド
コンテンツマーケティングの最新トレンドは以下のとおりです。
- UX(ユーザーエクスペリエンス)の重視
- マイクロインフルエンサーとの関係構築
- AIを活用したパーソナライズ
現在はユーザーが情報に触れる機会は増えていますが、反対に、忙しさから情報を消化できていない人も増えています。
そのため、ユーザーが求める情報を適当な形で提供することが求められています。
価値ある情報を適切なコンテンツでユーザーに届けられれば、高いエンゲージメントを期待できるでしょう。
また、特定の分野に特化している「マイクロインフルエンサー」との関係構築も注目されています。
信頼性・専門性・フォロワーとの関係性といった面で、その分野で大きな影響力を持っているからです。
さらに、AIを活用して1人ひとりのニーズを的確に捉え、パーソナライズしたコンテンツを提供することも求められています。
Webマーケティングの最新トレンド
Webマーケティングで注目されているのは、CRM(Customer Relationship Management)です。
CRMとは、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、良好な関係を構築することです。
例えば、
- 製品を購入した後に「使い心地はいかがですか?」とメールが届く
- 誕生日が近くなると、お祝いメールと特別クーポンが届く
- 注文したサンプルが手元に届くタイミングで、使い方の説明動画がメールで届く
などが該当します。
既存顧客のニーズを把握して適切な対応をとることで、顧客満足度の向上が期待できる点がメリットです。
専用のツールも開発されており、国内CRMアプリケーション市場は、今後も拡大すると予測されています。
参考:国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア/CRMアプリケーション市場予測を発表
まとめ:コンテンツマーケティングはWebマーケティングの手法の一部
コンテンツマーケティングとWebマーケティングの違いは、「手法」と「場所」のどちらに軸を置いているかという点です。
コンテンツマーケティングがコンテンツという「手法」に軸を置いているのに対し、Webマーケティングは「Web」という手法に軸を置いています。
WebマーケティングはWeb上におけるマーケティング活動全般を指すので、Web上でのコンテンツマーケティングは、Webマーケティングにも該当します。
ただし、コンテンツマーケティングの中にはオフラインの手法もあるため、両者は完全に一致しているものではありません。
混同しやすい言葉ですが、それぞれの違いを理解してマーケティングに取り組むことで、より成果を得やすくなるでしょう。
なお、テクロ株式会社では、企業が抱えるWebマーケティングの課題と解決方法についてまとめた資料「Webマーケティングの教科書」を配布しています。
Webマーケティングの基本を知りたいBtoB企業様は、ぜひご活用ください。